「BAD FILMバッドフィルム(園子温・監督作品)」のネタバレあらすじ結末

アクション映画

BAD FILMの紹介:2012年公開の日本映画。園子温監督が1995年に撮影したものの未完だった作品を完成させ、2012年の第13回・東京フィルメックス特別招待作品として上映。香港が中国に返還された1997年、東京・高円寺の中央線を中心に日本人自警団と外国人グループが繰り広げる抗争を描く。

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予告動画

BAD FILMバッドフィルム(園子温・監督作品)の主な出演者

ボス・杉山(杉山正弘)、吉田國文(吉田國文)、北史郎(園子温)、石川雄也(石川雄也)、満留(満留ゆうと)、森厚太(森厚太)、ボス・ウォン(ウォン・オンリン)、ファーロン(オウ・ファーロン)、マギー(鈴木桂子)

BAD FILMバッドフィルム(園子温・監督作品)のネタバレあらすじ

【起】- BAD FILMバッドフィルム(園子温・監督作品)のあらすじ1

(注意:この映画が初めて上映されたのは2012年で、DVDが発売されたのは2015年であるが、撮影されたのは1995年である。
「撮影した1995年当時にとっての『近未来』にあたる1997年」を舞台にしている。少し混乱しそうになるが、あくまで「近未来」を舞台にしている仮定でお読みいただきたい)
…1996年。
日本人による在日外国人排斥運動を推進する自警団が続出しました。
そのファシスト的な行動には特に思想的背景があるわけではなく、チンピラたちの悪さの方向が、たかりや万引きや交通違反から転換しただけのことです。
この日本人自警団の攻撃射程は、日本人以外の在日外国人全てに対してです。
白人、黒人はもちろん、同じアジア人も含まれていました。
特に、中国人の多い東京都杉並区・高円寺では、高円寺の自警団〝神風(カミカゼ)〟による、中国人に対するいわれない暴力が繰り広げられていました。
同年、この日本人自警団に対する、中国人による中国人のための自警団〝白虎帮(バイホウバン 以下、バイホウバン明記)〟が発足します。
池袋、新宿など都内全区域において、白人による自警団、黒人による自警団なども続出しました。
翌年、1997年には、それぞれの人種のやくざが、これら自警団に存続資金を調達することによって、自警団たちは本来の目的を離れ、単なる民族同士による抗争を繰り返すだけの、不良団体と化すものもありました。
高円寺自警団の〝神風チーム〟は、この一例を示すものです。
〔第一部 起〕
1997年、中央線。
その日、中央線の中で〝神風〟と〝バイホウバン〟が出会ったことが、全てのきっかけでした。
〝神風〟と〝バイホウバン〟は電車内で口論を始めます。互いに異なる言語を話すため、双方には通訳がついていました。
中央線界隈は今や枯れ果てて、スラム化の一途を辿っていました。そこには多国籍の外国人であふれかえっています。
中にバイホウバンのグループの一員・マギーもいました。マギーはクズ拾いや立ちんぼ(売春婦)をしており、たまに立て看板に募金箱をぶらさげて立っています。
看板には「導火線に火をつけて 地球を爆破しろ」とあり、募金箱には「地球撲滅のための募金運動」と書かれています。
マギーは拾ってきた白い冷蔵庫を、大事にしていました。
その夜、中野駅周辺で中国人経営のラーメン屋の屋台にいた男女4人が、金属バットを持った〝神風〟の一味に襲われます。男女4人は病院に運ばれましたが、最初に殴られた女性1人は絶望的でした。
男2人と女1人は中国人でしたが、残る女1人(助かった方)は偶然にも〝神風〟幹部・北史郎の妹・カナでしたが、史郎はそれを知りませんでした。
この騒動を受け、ほとぼりを冷ますために〝神風〟のボス・杉山と幹部の吉田、北、石川はバンコクへしばらく逃走します。
日本に残る伊藤、森と通訳・満留にボス・杉山は留守を任せました。

【承】- BAD FILMバッドフィルム(園子温・監督作品)のあらすじ2

〝神風〟の幹部たちの不在を知り、〝バイホウバン〟は「高円寺を我々の手に!」と蜂起します。
〝バイホウバン〟はボス・ウォンが率いる一団で、幹部にはキン、コォ、チョウ、オウヤンがいました。通訳はファーロンです。
〝バイホウバン〟は手あたり次第に〝神風〟グループのメンバーを襲っていきました。結果〝バイホウバン〟は負傷者1名に対し、〝神風〟は18名の負傷者を出しました。
留守を任された〝神風〟メンバーの1人・伊藤は恐れをなし、チームを脱退して妻との平凡な日々に戻ります。
バンコクに飛んだ杉山らはバカンスと称し、自堕落な生活を送っていました。
北と石川は隠れホモで、互いに愛を交わす仲になっていましたが、ボス・杉山には秘密です。ボス・杉山はゲイが大嫌いだからです。
そんなボス・杉山はブタ好きで、市場でブタの頭部を購入して口づけを交わします。「ゲイは駄目でブタならいいのかよ」と北らは不満をもらしました。
やがて帰国した〝神風〟幹部らは、成田空港に誰も迎えが来ないので不審に思います。
自分たちが不在の間に高円寺を〝バイホウバン〟に乗っ取られ、〝神風〟が戦意喪失状態に陥っていると知ったボス・杉山は、何事かを考えました。
北はゲイバーに預けた妹・カナを迎えにいきます。両親を亡くした北は、妹・カナを大事に思っていました。
その頃、高円寺に第3のグループができつつありますが、誰も知りません。国籍を問わず愛し合う〝レズビアン〟グループでした。
マギーはひそかに〝レズビアン〟グループに所属し、アンナから拳銃を安く仕入れます。
時期は1997年6月下旬で、世界では香港がイギリスから中国に返還される日が近づいていました。
〔第二部 承〕
〝神風チームの立て直し〟
〝神風〟のボス・小林がチームに一斉招集をかけます。集まったメンバーはそれまでと異なり、どこかのパーティーに参加するような腑抜けの軽装が目立っていました。
メンバーの色合いも異なり、数も160人近くいた総数が60人ほどに減ってしまっています。しかもメンバー内で仲間割れが起き、存続の危機に陥りました。
ボス・杉山は内輪もめを起こすメンバーにホースで水をかけまくり、メンバーたちの目を覚まします。そして1人1人を無言で往復ビンタしていきました。
なぜか吉田にだけは、はげあがった額にキスをした後、ボコります。説明し遅れましたが、ボス・杉山はつるっぱげです。
これにより〝神風〟に気合いが入りました。再び一致団結した〝神風〟は高円寺に乗り込み、中国人メンバー〝バイホウバン〟に襲撃をかけます。
さらに〝神風〟は街宣車で高円寺を凱旋して回った後、新宿スクランブル交差点に行き、熱弁を振るいました。

【転】- BAD FILMバッドフィルム(園子温・監督作品)のあらすじ3

一部の心ない〝神風〟メンバーは、破竹の勢いを借りて中国人女性・マギーを襲い、建物の陰で集団レイプします。マギーはその後、男子トイレで見知らぬ男を襲い、衣服を奪いました。
…運命の日…。
妹・カナを連れた北は、新宿で演説する街宣車のところへ行こうと歩いていました。カナは「ソフトクリーム」と書かれたTシャツを着て、しゃぼんだまを吹きながら歩くのが好きです。
その日、新宿アルタ前に向かうカナ(北つき)とマギーが出会いました。運命の日です。カナはマギーに自然に近寄りました。
新宿スクランブル交差点では、〝神風〟のボス・杉山と〝バイホウバン〟のボス・ウォンが口論を始めます。通訳つきです。
車道に出ての口論はやがて乱闘に発展し、集団で殴り合いが始まりました。最終的には警察が来て、逃げます。
騒動に乗じてカナはマギーと連れだって手を繋いで移動し、マギーは自分が寝泊まりしている部屋へ案内しました。
「マギーはいくつ?」と訊いても、マギーに日本語は通じません。それを察したカナは、マギーに中国語を教わろうとしました。
…ちょびヒゲを生やした老人・高円寺の大ボスがついに立ちあがります。
大ボスは場を設け、カナとマギーを引き合いに出して「友情こそが大事なのだ」「中国と日本でも仲良くできる」と言い、〝神風〟と〝バイホウバン〟の手打ちを促しました。
臨時的な措置として、カナが〝バイホウバン〟のリーダーに、マギーが〝神風〟のリーダーにと言われます。但し実質的な効果はありません。
〝神風〟のボス・杉山と〝バイホウバン〟のボス・ウォンは握手と抱擁をし、手打ちは成立しました。
翌日、日中親善のための野球試合が行われます。試合は和やかなムードで行なわれ、結果は9:0で〝バイホウバン〟の勝ちでした。
こうして表面上は高円寺に平和が訪れました。しかし、水面下ではまだいがみ合いが続いていました。
これを利用しようと考えたのは、マギーです。マギーは公衆電話を使う男や自動販売機に佇む男を襲い、金を手に入れます。そして拳銃を安く手に入れました。
〝神風〟の中にいるゲイを集めたマギーは拳銃を渡します。〝バイホウバン〟のゲイにも同じことをしました。但し、実弾は渡しません。
マギーの狙いは〝レズビアン〟〝ホモセクシャル〟グループが同盟を結び、ヘテロ(異性愛、男女の愛)グループを壊滅状態に陥らせることでした。
空身の銃を持たせることが、その第一歩でした。作戦は功を奏し、あちこちで「実弾の入っていない銃を、おもちゃのように扱う」輩が続出します。中には水鉄砲を持つ子どもらと対等に、遊ぶ男たちもいました。
その頃、隠れホモ・北と石川はコンビニ店員に差別されるホモ・森厚太を助けますが、それを吉田が目撃し、北と石川の仲がボス・杉山にばれます。
森厚太は〝バイホウバン〟のコォと、男同士の肉体関係にありました。笹原は横恋慕します。
〝神風〟のボス・杉山はホモ嫌いなので森を呼び出して制裁を加え、それを見た北と石川はつらい思いをします。不満が蓄積していました。 この映画を無料で観る

【結】- BAD FILMバッドフィルム(園子温・監督作品)のあらすじ4

〔第三部 転〕
〝1997年7月1日 香港返還〟当日…。
香港が中国へ返還されるのを祝い、日中の合同祝賀会が〝神風〟のボス・杉山のおごりで催されます。
一見和やかなムードの祝賀会でしたが、北と石川がボス・杉山の頭にビニール袋をかぶせると、頭部に発砲しました。杉山は死にます。
実弾の入っていない空身の銃を持ち歩くのが高円寺で流行したため、実弾入りでも警戒されないようになっていました。このマギーの作戦が活き、あっけなく杉山暗殺は成功します。
杉山暗殺を皮切りに〝神風〟〝バイホウバン〟の内部にひそむ〝ホモセクシャル〟グループの内乱が勃発し、中国側でもウォンやオウヤンら幹部が殺されます。
別の日に吉田を殺した北は、報復を果たしました。〝神風〟のボスは北に、〝バイホウバン〟のボスはコォになります。
実質的な支配は〝ホモセクシャル〟と〝レズビアン〟の連盟で、高円寺は保たれました。カナとマギーはそんなことはどうでもよく、ただ2人だけの幸福な世界(同性愛)に満足していました。
しかしこれを快く思っていない人物がいました。〝神風〟の通訳・満留と〝バイホウバン〟の通訳・ファーロンで、2人は密談を交わします。
いつも中国語で会話するのを不満に思った満留は「3分置きに互いの言語で話そう」と決めました。現状に満足しない通訳同士という共通点はあるものの、満留とファーロンの仲がよいわけではなく、互いの国の悪口を言います。
しかし現状への不満が上回る2人は、ある計画を立てて実行しました。
〔第四部 結〕
ファーロンが背格好の似た通行人を2人拉致して殺し、顔を潰します。片方はカナの、もう片方はマギーの服装をさせて、偽の死体を作り上げました。カナは「ソフトクリーム」と書かれたTシャツを着ており、マギーはいつも白いボディコンタイプのワンピースを着ており、それらを着せると顔のつぶれた死体はそれらしくなります。
ファーロンは満留に見せました。そして2人で共謀し、満留がカナにマギーの死体を見せ、ファーロンがマギーにカナの死体を見せます。カナはマギーを日本人に殺されたと思い、マギーはカナを中国人に殺されたと思い込みます。
再び〝神風〟と〝バイホウバン〟の対立が始まりました。但し今回は日本人が日本人を攻撃し、中国人が中国人を攻撃するのです。カナとマギーが、互いの復讐のためにおこなうからです。
敵と味方が分からなくなった状態で、カナは兄・北らのいる場所に乗り込みました。事情を知らない北らは油断して、殺されます。〝バイホウバン〟側も同様でした。
最後に〝神風〟の残党と〝バイホウバン〟の残党が対峙して、撃ち合いになります。通訳の満留とファーロンも、襲撃に巻き込まれました。
互いが生きていることを知ったカナとマギーは微笑みあいますが、銃弾を受けて倒れました。
虫の息のカナとマギーは、出会った頃のことを思い出しながら、見つめ合います。どうしてこんなことになったんだろう…と思いながら。
〝この映画は当時二千人からなる、東京ガガガによって作られた。〟

みんなの感想

ライターの感想

実に160分以上にもわたる長編作品です。2時間40分です。
もうこの当時から園子温の香りが色濃く漂う作品です。
暴力あり、同性愛あり、なぞの小ネタあり…『愛のむきだし』を思わせるような作風。
但し、1995年当時にいわば素人によって撮影された内容ですので、…実のところ160分は…鑑賞に堪える長さではありません。けっこうきついです。
冗長すぎるきらいはありますが、たぎる若さをぶつけている作品…その〝熱さ〟は充分感じることができます。
幾度となく劇中に、新宿スクランブル交差点を占拠してのパフォーマンスが出てきます。
荒削りであおくさい作品ではありますが、若者にしかできない何かを見せつけられた感じがします。

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