「おもひでぽろぽろ」のネタバレあらすじ結末

おもひでぽろぽろの紹介:1991年公開の日本長編アニメーション映画。スタジオジブリ制作。岡本螢・刀根夕子共作の漫画を原作とし、監督・脚本を高畑勲が務める。キャッチコピーは「私はワタシと旅に出る(糸井重里)」。

予告動画

おもひでぽろぽろの主な出演者

岡島タエ子(今井美樹)、トシオ(柳葉敏郎)、小5の岡島タエ子(本名陽子)、タエ子の母(寺田路恵)、タエ子の父(伊藤正博)、タエ子の祖母(北川智絵)、ナナ子(山下容莉枝)、ヤエ子(三野輪有紀)、広田秀二(増田裕生)

おもひでぽろぽろのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①1982年、27歳のタエ子は休暇を取って山形へ行き、遠くの親戚の農作業の手伝いをする。東京出身のタエ子は田舎がほしかったのだ。姉の結婚で憧れの田舎ができたタエ子は田舎暮らしを満喫。 ②本家のばっちゃがトシオと結婚してくれとタエ子に頼み、タエ子は自分が覚悟もなくバカンス気分で来ていたことを思い知らされる。今一度考え直したタエ子はトシオとの生活を決断。

【起】- おもひでぽろぽろのあらすじ1

1982年、夏。
東京の会社でOLをする27歳の女性・岡島タエ子は、勤務先に10日間の休暇届を出しました。上司は海外旅行かと聞きますが、山形の田舎へ行くとタエ子は答えます。
東京生まれ東京育ちのタエ子は、田舎がないことが小学5年生の時にちょっとしたコンプレックスでした。
先日、ひさしぶりに姉2人と話をした時にそれを話したタエ子は、小学校5年生、10歳の頃の自分のことを次々に思い出します。
タエ子には2人の姉がいました。長女であるナナ子と次女のヤエ子で、ナナ子が結婚した相手・ミツオの親戚が山形県にあるのです。
ミツオの親戚の家に去年お邪魔し、今年もそこへ行く予定でした。

タエ子は小学5年の時のことを思い出します。
同級生が夏休みに「田舎に行く」というなか、ひとりだけ行ける場所がなかったタエ子は、祖母と熱海の大野屋旅館に泊まりました。
そこにある三色スミレ風呂、スワン風呂、グリム風呂、人魚風呂、レモン風呂に入りまくったタエ子は、大浴場であるローマ風呂にたどりついた時には、のぼせて倒れてしまいます。
そんな話を先日、2人の姉にしたところ「あなたにはたいそうな過去があるのね」と笑われました。同じ時代を生きながら、2人の姉とは少し年齢も離れており、タエ子と姉たちの感覚は違っていました。
ちょっとした感傷も手伝い、タエ子は小学5年の思い出を次々に思い浮かべます。

…タエ子が小学5年生の時は、1966年(昭和40年)でした。
その当時、果物の王様はバナナでした。パイナップルといえば、甘いシロップに漬かった缶詰しか知りません。
本物のパイナップルに憧れたタエ子のために、父が銀座の千疋屋(せんびきや)で丸ごとのパイナップルを買ってきてくれました。
狂喜乱舞するタエ子と、珍しいものを見る家族ですが、どうやって切って食べるのか方法を知りません。
美大1年の姉・ナナ子が、切り方を教わってきました。次女のヤエ子は高校2年で、宝塚にはまっていました。
家族はナナ子を囲み、包丁でパイナップルを切る手元を観察します。
あんなに憧れたパイナップルですが、食べてみるとすっぱく、想像よりも硬い代物でした。
パイナップルは缶詰がよく、やはり果物の王様はバナナだったという結論に落ち着きましたが、父が買って来てくれたパイナップルをむげにできないタエ子は、姉の分まで意地で食べます。

その当時のタエ子を好きだという同級生がいました。隣の4組の広田くんで、おせっかいな同級生の女の子が言いにきます。
タエ子は当初、広田くんのことを知りませんでしたが、意識し始めました。
そんな矢先、タエ子のいる5組と4組の男子が野球の試合をします。広田くんは野球が強く、活躍しました。
試合の後に4組の女子が、タエ子に声をかけろと広田くんに言うのを聞き、走って逃げます。

【承】- おもひでぽろぽろのあらすじ2

先回りした広田くんが、「雨の日とくもりの日と晴れの日と、どれが一番好き?」とタエ子に質問しました。「くもりの日」とタエ子が答えると「あっ、おんなじだ」と広田くんは答え、笑顔で去ります。
互いに思いが通じあったような気がして、それだけでタエ子は幸福でした…。

移動の夜行列車『あけぼの3号』に乗りながら、27歳のタエ子はそんなことを思い返していました。
2回目の田舎への旅行に、タエ子は「小学5年生の私」を連れてくるつもりはありませんでした。しかし、一度よみがえった「10歳の私」は、そう簡単に離れていってはくれません。
こうして2度目の山形旅行で、タエ子は10歳の頃の自分を振り返りながら過ごすことになります。

(早い子だと10歳で初潮が始まる。いわば蝶がアオムシからサナギへと成長する頃。
それと同じで、27歳のタエ子は周囲から結婚を急かされている。サナギから蝶へと成長する頃。
社会人となって就職した頃とは異なり、世間にも慣れてステップアップが求められる年齢。
同じ節目を迎えたタエ子が、今一度自分を振り返る年頃、という意味で、10歳の自分と27歳の自分を重ねている)

朝の山形駅に降り立つと、本家のカズオのまたいとこにあたる、トシオという青年が車で迎えに来ていました。トシオはタエ子よりも少し年下の青年です。
トシオは車中でハンガリーのムジカーシュという、百姓の音楽を聞いていました。トシオは一度サラリーマンを経験していましたが、脱サラして現在は有機農業を行なっています。
タエ子は夜行列車でモンペに着替えており、すぐに紅花摘みに参加しました。
本家で寝起きし、きゅうりやトマトの収穫などの手伝いをします。
本家では祖母の「ばっちゃ」、本家の跡取りのカズオとその嫁・キヨ子、娘のナオ子がいました。ナオ子は中学生です。(タエ子の姉・ナナ子が結婚したのはカズオの弟・ミツオ)
ナオ子がプーマのスポーツシューズを欲しがるのを見て、タエ子は自分も昔、姉のヤエ子が持つエナメルのバッグを欲しがってわがままを言ったことを思い出します。

タエ子はトシオに誘われて、蔵王にドライブに行きました。なぜ結婚しないのかと聞かれ、都会では同級生の女の子たちでも結婚をしていない子がいて「それが当たり前」だと答えます。しいて挙げれば、「分数の割り算がうまくいくと、その後の人生もうまくいくのだ」と、トシオにたとえを踏まえて説明しました。

…小学5年のタエ子は、分数の割り算ができずにテストで25点をとりました。
分数の割り算の場合、うしろの分数の分母と分子をひっくりかえしてかける…この説明、この計算方法は教わっており、タエ子も知っているのです。

【転】- おもひでぽろぽろのあらすじ3

世のみんなは素直にひっくりかえしてかけていました。
しかしタエ子は「納得がいかない」のです。なぜ割り算なのに掛け算を使うのかが理解できず、もっというと「分数を分数で割るとはどういうことなのか」が分かっていませんでした。
それを指摘すると姉のヤエ子は言葉に詰まり「とにかく、ひっくりかえしてかければいいのだ」と言います。それでもタエ子はぶつぶつ文句を言うのです…。

素直にその説明を受け入れた同級生の少女は、その後の人生もすんなり結婚し、今では母親となっていました。
そのタエ子の説明を聞いたトシオは笑い、農業ももっとこだわるべきなのだと言いました。
今度は冬に田舎へ来てくれと、トシオは声をかけます。冬場トシオはスキーの指導員のバイトをしていました。
田舎の景色を見てタエ子は懐かしいと言いますが、トシオがいうには、「田舎の景色」というのはすべて百姓が作ったもので、人間と自然が一緒に暮らしていった結果、できあがったものだということでした。
タエ子は田舎の生活を満喫し、田舎を知った気になって有頂天でいました。
そんなタエ子が動揺することが起きます。

タエ子が東京に帰る前の夜。
田舎を気に入ったかと聞いた「ばっちゃ」が、タエ子にトシオの嫁になってくれと頼みます。ばっちゃは本気です。
聞いていたカズオは制止しますが、カズオの妻・キヨ子も歓迎ムードです。
カズオ、キヨ子、ばっちゃが揉めるのを聞いたタエ子は、いたたまれなくなって、思わず本家から飛び出してしまいました。

自分が農家の嫁になるという選択肢が、タエ子自身の人生で存在しうるという感動もありました。
しかし圧倒的にタエ子が感じたのは、自分の浮ついた田舎好きや、真似ごとの農作業が、いっぺんに後ろめたいものとなったことでした。
厳しい冬があることも、農業の現実も知らずに、「いいところですね」と連発していた自分が、恥ずかしくなったのです。
自分には何の覚悟もできておらず、それをばっちゃやカズオ、キヨ子たちみんなに見透かされていたのだと思うと、いたたまれない気持ちになりました。

タエ子は、降り出した雨の中、それでも本家に帰れずにいます。
漬物を持ってきたトシオがタエ子を車に乗せますが、タエ子は「本家へ行かないで」と思わず言いました。車中で、昔の話をします。

…小学5年生のタエ子のクラスに、転校生がいました。アベくんという男の子です。
アベくんは貧乏な家の子でした。体育着も持っておらず、服も垢じみています。
転校してきたアベくんは、タエ子の隣の席になりました。みんなはアベくんのことを不潔だと嫌いますが、タエ子はそういう差別はよくないと思い、平等に接します。

【結】- おもひでぽろぽろのあらすじ4

やがて学期途中で、またアベくんが転校していくことになりました。先生はアベくんに、みんなと握手してお別れを言いなさいと言います。
アベくんはみんなと握手しましたが、タエ子にだけは「お前とは握手してやんねえよ」と言いました。
タエ子は、アベくんのことを一番汚いと思っていたのは自分で、アベ君はそれに気付いていたのだと思い、悔やみました…。

その話を車中ですると、トシオは別の見解をします。
アベくんはタエ子のことが好きだったから、「別れの握手」をしたくなくて拒否したのだと指摘しました。思ったことのない考えかたに、タエ子は驚きます。
トシオはアベくんが男子の間では強くなかったことなどを挙げ、「唯一気持ちを許せるタエ子の前で強がることで、タエ子に甘えていたのだ」と言いました。
知りもしないアベくんのことをトシオが分かるわけがない、と主張しながらも、タエ子は当時のアベくんの行動が、トシオの発言に酷似していることに気付きます。

雨もやみました。
ハンガリーの田舎の音楽をかけながら本家へ進む車中で、タエ子は初めてトシオとの関係、トシオと共に歩む人生について想像してみます。
トシオは、小学5年生の時に流行していた『ひょっこりひょうたん島』というテレビ番組の歌を、少し改変していました。
本来ならば「今日がだめなら明日にしましょ」という、一日延ばしの歌詞を「明日があるさ」と前向きにして覚えていました。
そんなトシオの生き方を、タエ子は好もしく思います。

帰る日。
最寄駅の高瀬まで見送りに来た「ばっちゃ」が、「あのこと考えておいてくれ」と念押しします。
ナオ子やトシオとの別れは、駆け込み乗車のハゲおじさんのおかげで、あっけないものとなりました。拍子抜けしつつ、走り出した列車の窓からタエ子は手を振ります。

(エンドロール)
ハゲおじさんの持つラジオから曲が流れる。『愛は花、君はその種子』
前を向いて考えるタエ子を、小学5年生のタエ子とクラスメイトが決断を迫るように、取り囲みます。
やがてタエ子は決意し、鈍行列車の次の駅で降りました。タエ子の決断を応援するクラスメイトたちは、向かいのホームに停車した反対方向への列車に一緒に乗り込みます。
タエ子は折り返して、高瀬駅に降り立ちました。駅のそばの黄色い公衆電話から、本家に電話をかけます。
本家ではタエ子が戻ってきたことを喜び、トシオがそれを聞いて白い小さな車で迎えに急ぎます。
タエ子も駅に来たバスに飛び乗りました。
トシオの車とバスがすれ違い、タエ子はバス停に降り立ちます。向かい合ったトシオとタエ子はお辞儀をしあい、後ろでは小学5年生のクラスメイトたちが相合傘を作り、トシオとタエ子にさしかけました。
トシオと歩いて行く27歳のタエ子を、小学5年のタエ子が感慨深く見送ります(ひとつの大きな決断を出した自分に対するエールを込めて)。

みんなの感想

ライターの感想

1982年と、1966年の2つのパートから構成されており、その両方が楽しめる作品。
私は残念ながら1982年しか理解できず(しかもうろ覚え)、ひょっこりひょうたん島とかも「そういうのがあるらしい」としか、知らない。
ところが。世代は違えど「この感覚はいっしょ」というのが、作品にはあるのだ。
分数の割り算しかり、同級生に好きな子のことを冷やかされるシーンしかり。
「こういう時期って、あったよね」というのが、時代は多少変わっていても、あまり変化がないのではないか。
このアニメは特に、「大人になってから」見てほしい作品である。
子どもでも理解できるが、「大人になったからこそ」理解できるところもあり。

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