「ねむれ思い子空のしとねに」のネタバレあらすじ結末

アニメ映画

ねむれ思い子 空のしとねにの紹介:2014年製作の日本アニメーション映画。新鋭・栗栖直也が7年の歳月をかけ、ほぼ一人で制作した3DCGアニメ。SFサスペンスだがホラーのシーンもあり。幼い頃、事故で両親を失った織音はある事件で警察に追われる身となっていた。突然現れた謎の組織の導きで織音は実験用宇宙ステーションを訪れるが、そこに現れたのは死んだはずの母だった…。

予告動画

ねむれ思い子空のしとねにの主な出演者

入之波織音(福島おりね)、入之波里美(井上喜久子)、蒼嶋ユリ(田中敦子)、先生(平田広明)、篠田ユキオ(木島隆一)、瀬野ミズキ(石黒千尋)、入之波保典(松田健一郎)、PMF隊員(槇瀬さとる)

ねむれ思い子空のしとねにのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①織音の両親は織音が新生児の時に交通事故で他界。犯罪者となって追われる19歳の織音に組織のユリが接触し、逃亡幇助の条件として宇宙ステーションへ来てほしいと頼む。宇宙ステーションには母・里美が20歳の姿のままでいた。 ②宇宙ステーションでは蘇生実験が行なわれており、里美の記憶が初めて成功。しかし里美は宇宙ステーションを制御下に入れ、地球上のサーバーも乗っ取っていた。里美の宇宙ステーションは爆破され、無事に地上へ戻った織音は自首を決めた。

【起】- ねむれ思い子空のしとねにのあらすじ1

近未来の日本。
生まれたばかりの赤ん坊・織音(おりね)を連れて、若い夫婦・入之波保典(いりのは やすのり)と里美(さとみ)が産院を退院しました。
保典がハンドルを握り、後部座席の右側に里美が座り、その左側のチャイルドシートに織音が寝かされています。
待望の赤ん坊が生まれたことを保典も里美も喜び、これからの生活に希望を見いだしていました。里美は何度も織音を見ながら、妊娠中に考えた子守唄(後述)を歌います。
その時、3人の乗る普通乗用車に、カーブを大きく曲がって車線をはみ出したトラックが突っ込み、正面衝突しました。右側に座っていた保典と里美は死に、赤ん坊の織音だけが生き残ります。

…19年後。日本。
19歳になった織音は、夜のコンビニで買い物をしていました。玉ねぎがたった1玉で110円もすることに嘆きつつ、でも昼間のスーパーを堂々と歩ける身分ではないので、文句を言えずに買います。
店を出て歩く織音の前方の暗がりに、黒いスーツとサングラスをかけたSP風の男2人と、黒いスーツを着用した女性が立ちはだかりました。女性は織音のフルネームを呼ぶと警察ではないと言い、「2人分の海外への航空券と、当面の生活費は確保した」と言い、織音に協力を要請します。
織音の彼氏・タックンはすでに、捕まらないところにかくまわれているそうです。
どこにいくのかという織音の問いに、ある組織の女性エージェント・蒼嶋ユリは上を指さしました。空とも宇宙とも取れますし、情報の看板には宇宙へ行くシャトルの広告が表示されていました。

織音は蒼嶋ユリと共に宇宙空間へ行きました。そこには、地球の衛星軌道上に、実験用の宇宙ステーションがあります。
その中は無重力の空間でした。しばらくステーション内で過ごすので、簡単に中を見て回って帰って来いと織音は言われます。
ユリの部下・篠田ユキオから、織音は気をつけるよう注意されました。注意するのみで、ユリもユキオもついてきません。
ステーション内を見て回った織音の元に、20cmほどのパンダのぬいぐるみのようなものが現れました。そのぬいぐるみの持ち主・『先生』が明かりの方へ行けと指示します。そうすれば「君のお母さんがいる」と言われ、織音は半信半疑で進んでいきました。
あるエリアから、ステーション内の無機質な床に桔梗の花が咲いています。
さらに進み、奥の扉を開くと、若い女性が待ちかまえていました。その女性は織音が祖母から見せられていた、死んだ母・里美そのものでした。
里美は織音を抱きしめると、部屋の中に招き入れます。
里美は織音に飲み物を聞きますが、織音はにわかには信じられませんでした。自分と同じ年齢の頃、20歳で死んだ里美は、苦労して育った19歳の織音よりも若く見えます。

その頃、別室ではユリとユキオが会話していました。
里美が入っていた保険には特約があり、「死んだ時には冷凍冬眠する」という項目がありました。里美の遺体は19年前に死亡した時に、そのまま冷凍保存されました。
この宇宙ステーションでは「冷凍保存体における蘇生と記憶蘇生再構築」という実験を行なっていました。実験をしていたのが『先生』と呼ばれる中年男性です。

【承】- ねむれ思い子空のしとねにのあらすじ2

この実験がもし成功すると、死人の記憶を機械の中で再生できるので、たとえば殺人事件の時にもすぐに犯人が分かりますし、諜報(スパイ)活動でも飛躍的に進歩ができます。
実験はなかなか成功しませんでしたが、やっと里美が被験体の時に、再生に成功したのです。
ところが里美は再生されるや否や暴走して、宇宙ステーションに中枢機能が入り込み、メインシステムをあっという間に制御下に入れました。それにとどまらず宇宙ステーション内部の回線を利用して地球のネットワークに接続し、多数のサーバーにまで侵入しています。
里美は「娘である織音と会うこと」を要求しました。
そこでユリたちは織音を宇宙ステーションに連れてきて、里美と会わせるかたわらで宇宙ステーションを破壊する装置を設置し、宇宙ステーションごと爆破して里美をシステムダウンさせようと考えていました。
ユリやユキオたちはステーション内に入ることすら許可されていませんので、宇宙ステーションに入れる織音に、爆破装置を仕掛けてもらいたいのです。
暴走以後にクルーが逃亡したので、現在宇宙ステーション内部にいるのは、里美と『先生』だけでした。
里美が母にそっくりなことに織音は混乱しますが、ユリは「同一人物どころか、アレは生物ですらない」と言い聞かせます。
そして錠剤カプセルのような爆弾を複数渡すと、それを宇宙ステーション内に仕掛けるよう指示しました。
自分とそう年齢の違わない里美と会うことに、織音は戸惑いを覚えます。会うためにステーション内に行きながら、爆弾を仕掛けました。
部屋に行くと、里美が手料理を作って待っています。里美は「死んだ時までの記憶」があり、娘である織音に手料理を振る舞いたくて、揚げものやチャーハンなどを宇宙ステーション内で作っていました。スプリンクラーが作動するといけないので、空気を止めていたくらいです。電子レンジは電磁波の問題で、持ち込めないのです。
食後にゾンビ映画を見る里美は、織音との時間を取り戻そうと必死に努力しているようですが、織音の方も困っていました。ユリたちには「排除すべき存在」と言い聞かせられていながらも、無防備に自分へ愛情を注いでくれる里美に対し、織音は徐々に好感を抱きます。
その夜、里美の部屋に泊まった織音は、一緒に寝てもいいかと聞かれました。並んで眠りながら、里美は織音に子守唄を歌います。
その歌は祖母宅で見た、母が作った子守歌でした。
〝空のしとねに ふわふわと
雲に包まれ 眠りたる
清き乙女の その髪は
朝日を浴びて 黄金色〟
母・里美が妊娠中に何度も腹の中に歌いかけている様子が、祖母宅にあったビデオに残されており、織音は10歳の時、初めてそれを見ました。
その祖母宅も織音が12歳の時に火事で焼失し、ビデオも焼けてしまいます。

【転】- ねむれ思い子空のしとねにのあらすじ3

横にいる里美は、生前の里美とは別人かもしれないけれども、記憶は確かに里美のものでした。そう痛感した織音は爆弾を仕掛けながら、里美を裏切っているような気持ちになります。

里美は両親の死後、祖母に育てられていました。
しかしその祖母も12歳の時の火事で亡くなって以後は身寄りがなく、織音は犯罪の道に走ります。
恋人・タックンと強盗殺人を犯してからは追われる身となり、指名手配されていました。それでスーパーにも行けず深夜のコンビニで食料を買うはめになっていたのです。
ユリはその里美たちの逃亡を幇助する代わりに、先のステーション爆破の条件を提示しました。
罪悪感を抱き始めた織音に対し、ユリは「今の母の本当の姿を見ろ」と言います。「明日の天気をたずねればいい。そうすれば見られる」と言われた織音は、半信半疑で里美にその問いをぶつけます。
それは「明日の天気」で里美がコンピューター検索をかけさせる、ユリ側の罠でした。明日の天気で里美のシステムにコンピューターウイルスが投入され、それと共に織音の目の前にいる里美の両腕が膨らみます。
驚いた織音はその場から逃げました。里美は素早くセンターの制御システムを停止したので、致命傷にはいたりません。
宇宙ステーション自体が、すでに里美になっているのです。実際に見える里美は「織音に分かりやすく示したアイコン」みたいなもので、本当はステーション自体が里美だったのでした。
ユリは宇宙センターの中央に行き、爆弾を設置しようとしますが、そこへ『先生』が現れて制止します。『先生』は、織音がユリ側に利用されていると指摘しますが、里美が『先生』がそれ以上話すのを、やんわりと封じます。
織音はメインシステムを停止しました。里美は倒れ、ユリたちが宇宙ステーション内に入りこみます。
倒れた里美に困惑する織音に対し、『先生』が「この宇宙ステーション自体が里美さんなんだ」と説明しました。ユリが入って『先生』と織音に手錠をかけます。
ユリがこの研究の重要性を説明し、実験サンプルとしての里美のデータが欲しかったのだと『先生』が横から言い添えました。
ユリは倒れた里美の頭を撃つと、織音の彼氏がパスポートと金を渡すと早々に逃げたことを告げて去ります。
織音はどうすればよかったのかと悔いました。『先生』が横から説明します。
何度実験を繰り返しても駄目だったのに、1373番目に使った里美の遺体はすぐに覚醒すると、生体反応のすべてを用いて何かを探し始めたそうです。
それは「現在の自分の娘・織音が、今どうしているか」を調べるためでした。里美は死んでもなお、娘のことを第一に考えていたのです。
娘・織音の無事を確かめるために里美は宇宙ステーションを乗っ取り、地球の回線にアクセスして織音を探したのでした。
里美は、織音の犯罪歴も知っています。知った上で「こんなの見ても分からない」…だから織音を呼び寄せたのです。

【結】- ねむれ思い子空のしとねにのあらすじ4

「里美さんは死んじゃいねえ」と『先生』は言います…。

その頃、別室ではユキオたちはデータを抜き出そうとしていました。
『先生』の言う通り、宇宙ステーションのメインシステムを停止しても里美は死んでおらず、部下たちは次々に殺されていきます。
さらにシャトルが切り離されました。宇宙ステーションに取り残されたユリは、緊急脱出ポッドへの案内を『先生』に命令します。
ユリは今回の任務が成功すると、50万ドルと新たなポストが手に入る予定でした。
ユリは織音を殺した後に脱出ポッドに入ろうと思っていましたが、そこへ里美が現れて「その子(織音)を地球へ帰してあげて」と言います。
ユリは母親気取りかと責めますが、里美が言い返しました。ユリの組織の身分や、マンションの所有権、口座の残高などの「情報」もすべて数字ではないかと里美は言い、操作してユリのデータを消そうとします。
自分が地球で築き上げたものを失いそうになるのを怯えたユリが、里美に銃口を向けました。発砲しようとした銃口を織音が塞いだことで、織音はてのひらを負傷します。
それを見た里美が暴走し、「一から出直しなさい、おばかさん」と言ってユリを脱出ポッドに押し込めると、排出しました。ユリは緊急脱出ポッドで無事に脱出しますが、たぶん身分を証明するものもなく、無一文になったことでしょう。
宇宙ステーション内には『先生』と織音が残されます(里美も)。里美は織音の手を治しました。
「5分だ。必ず帰ってこい」と『先生』に言われた織音は、一番奥の丸い球体に話しかけます。これが本当の里美の正体です。
「おかあさん」ということばに反応し、里美は必死で里美の形を保とうとしました。
「ダメな人間に成長してごめんなさい」と謝る織音に、里美は「偽者だけど、黙っていてごめんなさい」と謝ります。
里美は織音に、「あなたもこれから自分の夢を見つけて叶えなさい。生まれてきてくれて、ありがとう」と言うと、『先生』がいる緊急脱出ポッド(2つあった)に織音を入れます。
『先生』と織音は緊急脱出ポッドで脱出しますが、『先生』はずっと離さずに持っていたパンダのぬいぐるみを宇宙ステーションに投げ入れて、「里美さんについててやってくれ」と言います(注:詳しく述べられないのだが、『先生』は事故で息子・カズヤを亡くした身だと思われる。そのため、里美の気持ちを理解して里美に協力したのではないか。パンダのぬいぐるみは息子の形見の品)。
脱出した『先生』と織音は無事に地上に降りました。里美である宇宙ステーションは爆発して消失し、空には大量の流星群が降り注ぎます。
母親に叱られて泣く娘が流星群を見上げ、母親と2人でいつまでも見ていました。

地上に降りた織音は、コンビニで買い物しました。先生はコンビニそばの河原で待っています。
その後『先生』は薬局で職を得ました。織音は自首するつもりです。
『先生』は、自由にアクセス&操作することが可能な里美が、なぜ織音の犯罪歴を消さなかったのかと不思議に思いますが、織音には分かっていました。
「おかあさんが好きなのは、このままの私だもん」と答えます。犯罪歴があるありのままの自分を肯定された織音は、堂々と生きる決意をします。
『先生』が織音の自首につきあいました。助手席で空を見上げながら、織音は母・里美の子守唄を口ずさみます…。
(エンドロール)妊娠中の里美のビデオ映像。生まれた時のものも。

みんなの感想

ライターの感想

クオリティが高い作品。絵はかなり細かく描きこまれている。
内容的にはSFサスペンスなのだが、グロテスクな描写もあるので、グロが苦手な人は閲覧注意。
とにかく宇宙ステーション内でも、描写が美しい。それは冒頭の、退院して家に帰るシーンからフルに発揮されている。
要所要所、はしょりすぎた感が否めなくはないが(例:『先生』のバックボーンが見えない…)、面白かった。
無難にまとめられた感じではあるが、それもマイナスには働かず、好感が持てる。

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