「蛍火の杜へ」のネタバレあらすじ結末

蛍火の杜への紹介:2011年公開の日本アニメーション映画。テレビアニメ『夏目友人帳』シリーズも好評な大森貴弘監督が、2002年に発表された同作原作者、緑川ゆきの妖奇譚コミックをアニメ化。触れると消えてしまう人でも妖怪でもない少年と、人間の少女の切なく儚い恋物語を繊細なタッチで描く。

予告動画

蛍火の杜への主な出演者

ギン(内山昂輝)、竹川蛍(佐倉綾音)、祖父(辻親八)、母(沢田泉)、亮太(田谷隼)、影(山本兼平)、ブナの手(町田政則)、獅子(後藤ヒロキ)、お面の子供・弟(今井麻美)、お面の子供・姉(内田愛美)、祭り客の子供(田代久美子)

蛍火の杜へのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①祖父の家へ遊びに来た6歳の少女・蛍は、妖怪が住むという噂の〝山神の森〟で迷子になり、キツネのお面をつけたギンという青年と出会う。ギンは人に触れられると消えてしまう存在だった。夏が来るたびギンと蛍は一緒に遊び、仲良くなっていく。 ②蛍が高校生になった頃には、蛍はギンとずっと一緒にいたい、触れたいと思うようになった。妖怪の夏祭りに出かけたギンは、人間の子を誤って触ってしまう。消えかけたギンは蛍と抱き合って、やっと触れられると喜んだ。蛍はギンがいた土地で就職を決める。

【起】- 蛍火の杜へのあらすじ1

現在。
神奈川県横浜市に住む高校3年生の少女・竹川蛍は、就職活動のため祖父の街へ行きます。
新幹線の切符をちゃんと持ったか、迷わないか心配する母に「毎年行ってたんだから大丈夫だって」と言いながら、蛍はひとりで出かけていきました…。
『彼に初めて出会ったのは、私が6つの時でした』
…12年前。
竹川蛍は毎年夏になると、祖父のいる故郷で過ごしていました。
その夏、妖怪が出るという〝山神の森〟で迷子になった蛍は、出口を探して歩き回り、疲れて泣き出しそうになります。
そこへ声をかけたのが、キツネのお面をかぶった少年・ギンでした。年の頃は10代後半に見えます。
心細さで反射的にギンに駆け寄った蛍は、思い切りギンに身体をかわされます。
ギンは「すまない。お前、人間の子だろう。俺は人間に触れられると、消えてしまう」と言い、この森に住む者だと言いました。
最初は半信半疑だった蛍でしたが、ギンは蛍が触ろうとする手をことごとくかわします。
見た目は人間っぽいので、妖怪とは思えず、蛍は戸惑いました。触ろうとチャレンジすると、ギンに木の棒で殴られます。
「消えるってどういうこと?」と聞いた蛍は「消滅するということだ」という答えを得ました。
それでもギンは迷った蛍を山神の森の端まで案内するのに、棒きれの端っこを持てと言われ、嬉しく思います。手を繋げなくても、棒きれ越しに手を繋いでいるように思えるからです。
感激した蛍はギンに抱きつこうとして、また棒で殴られました。
「なんか、デートみたいですね」と言った蛍に「色気のないデートですね」とギンは答えます。
別れ際、蛍は「ここにいるの? 来ればまた会える?」と聞きました。
蛍は名前を名乗り、ギンにも名をたずねました。「明日、お礼をもってまた来ます」と言って去ります。
ふもとまでおりた蛍は、祖父に見つかってゲンコをされました。
「ひとりで山に入って、ケガでもしたらどうする」と祖父は心配しましたが、蛍にとってはそれ以上にギンとの出会いに心をときめかしました。

【承】- 蛍火の杜へのあらすじ2

その夜、蛍は祖父に「あの森に妖怪はいるか」と聞き、祖父は「そういう言い伝えだ」と答えます。
祖父の子供の頃からその言い伝えはありました。祖父自身は妖怪に会ったことがありませんでしたが、祖父の友人は妖怪のお祭りにまぎれこんだことがあるそうです。
夜、興奮で眠れない蛍は、「ここは山神様と妖怪の森。入れば心を惑わされ、帰れなくなる」というギンの言葉をかみしめていました。すでに蛍はギンに心を奪われていました。
翌日。山神の森のふもとの鳥居に行った蛍は、ギンの姿を見つけて「待っててくれたのね」と感激して抱きつこうとし、木の棒で殴られます。
ギンは「涼しいところへ行こうか」と言うと、川にかかったアーチ状の橋を渡って山奥へ蛍を案内します。
途中、影に「ギン、それ人間の子か。食べてもいいか」と話しかけられたギンは「友達だよ」といさめます。
キツネが化けていた影を見た蛍は、本物の妖怪を初めて見たと感激しました。
ギンになぜお面をつけているのか尋ねましたが、ギンは答えずに、蛍のことばかり聞きたがりました。
次の日も、その次の日も、蛍はギンに会いにいきます。
花摘みをしたり、笹舟を川に浮かべたり、他愛ないことでも、ギンと一緒に遊ぶと楽しくて仕方ありませんでした。
ある時、居眠りをしているギンを見た蛍は、誘惑に負けて「お面は触っても大丈夫」と言いながら、ギンがつけているお面を外します。
ちゃんと顔はありました。
「寝込みを襲うとは、お子ちゃまは恐ろしいな」と言ったギンは、「こんな面でもしてないと、妖怪には見えないだろ」と言います。
確かにギンの言う通り、ギンはお面をつけている以外はごく普通の青年でした。人間に見えます。
蛍が横浜に帰ることになりました。蛍はまた来年来ることを、ギンに告げます。
それ以降、蛍は夏が来るのを心待ちにするようになりました。
翌年の夏。
ギンは約束通り、蛍を待ってくれていました。また毎日いっしょに遊ぶ日々が続きます。
周囲にいる妖怪たちは、しきりとギンと蛍のことを気にかけます。

【転】- 蛍火の杜へのあらすじ3

「触れてくれるなよ、人の子よ」と、蛍が触れることによってギンが消えることを、妖怪たちは恐れていました。もちろん、ギン自身にも釘を刺すことを忘れません。
夏が来るたびに蛍が祖父の田舎に来て、ギンと遊ぶことが2度、3度続きます。
小学中学年になった蛍は、ギンに「私と会った時くらい、お面外してくれる?」と言いますが、ギンは外しませんでした。
蛍が樹から落ちそうになります。ギンは蛍を助けようと咄嗟に手を出しますが、蛍に触れると消えてしまうので、すんでのところでやめました。蛍は落ちますが、たいしたケガは負いません。
蛍のほうでもギンに「何があっても、絶対、私に触らないでね」と言いました。
毎年夏に一緒に遊ぶギンと蛍には、見えない絆ができます。
蛍はギンに消えてほしくないですし、ギンも蛍と遊ぶためには、消えたくないと思いました。
次の夏も次の次の夏も経過し、蛍は中学生になります。学校の制服のセーラー服をギンに見せた蛍は、自分の目線が少しずつギンの高さに近づいているのを自覚しました。背が伸びているということです。
対照的に、ギンはいつまでも昔の姿のままでした。それを確認することで、蛍はギンがやっぱり人間ではないと認識せざるをえません。
そのうちにきっと、ギンの年齢を追いこしてしまうのだ…そう考えると、蛍は切ない気持ちで胸がいっぱいになりました。
祖父が「今年の冬は寒くなりそうだ」と言ったので、蛍は別れ際、ギンにマフラーをプレゼントして、また来年会うことを約束します。
その冬の日本は本当に寒くなりました。横浜でも路面凍結し、同級生の男の子・亮太が蛍を気にかけますが、蛍の胸の中はギンのことでいっぱいです。ギンに会いたい、ギンに触れたい…そう蛍は思うまでになっていました。
あっという間に年月は経過し、蛍は高校生になりました。高校の制服もギンに見せます。
蛍は高校卒業後は、祖父の街で就職しようと考えていました。この街で暮らし始めれば、夏だけでなく秋も冬も春もギンとずっといられる…そう考えたからです。母も賛成してくれていました。
ギンが自分の生い立ちを話してくれます。
ギンは妖怪でもない、でももはや人間でもない存在です。

【結】- 蛍火の杜へのあらすじ4

赤ん坊の頃にギンは母親に〝山神の森〟に捨てられました。本来ならばそこで命を終えていた筈ですが、山神様に命を分けてもらい、生き延びました。
今のギンの存在は、いつまでも成仏しない幽霊のようなものだとギンは言います。
「妖術で保たれた身体は脆い」と自嘲気味にギンは言いますが、蛍は「触れると消えるなんて、まるで雪のよう」と言い換えました。
蛍は、時間が2人を分かつまで、ずっと一緒にいたいと思います。
妖怪たちの夏祭りに、ギンが蛍を誘います。
妖怪たちの祭りは、人間のものと大差ありませんでした。初めて夜に会う蛍は興奮して「飛びついてもいい?」と冗談を言いますが、ギンは「本望だ」と返します。ギンも蛍も、言っていることは半分以上本音です。
妖怪たちは人間に化けているので、蛍のような人間が紛れこんでいても気づきません。たまに本当に人間も迷い込んでくるらしいです。それを聞いた蛍は、いつか祖父に聞いた同級生の話を思い出しました。
帰り際、ギンは「蛍、俺、もう夏を待てないよ」と言うと、蛍にお面を渡します。
きっともうギンは次の夏、待っていてはくれないのだろうと蛍は気づきました。互いに互いを好きになりすぎて、好きすぎるからこそ一緒にいられなくなったのです。
これがたぶん最後の夏だ…そう噛みしめながら歩いていると、擦れ違った男の子が転びそうになり、ギンはよろけた男の子の腕をつかみます。
妖怪の祭りなので妖怪の子だと思っていたのですが、男の子の腕に触れたギンの手は、光って消え始めました。男の子は人間だったのです。
消え始めたギンは笑い「来い、蛍! やっとお前に触れられる!」と言い、蛍もギンに抱きつきます。
そのままギンは光って消えていきました。ギンが消えた後、蛍はひとり泣きます。
ギンをよく知る妖怪たちも納得していました。妖怪たちはギンが消えた悲しさよりも、「ギンはやっと、人に触れたいと思えた。やっと人に抱きしめてもらえた」と喜んでいました。
…そして現在。
高校3年生になった蛍は、ギンはもういませんが、やっぱり祖父の街で就職する決断をします。
ギンのキツネのお面を持った蛍は「さあ行きましょう」と言うと、祖父の家を出ていきました。

みんなの感想

ライターの感想

見終わった当初は「こんなエンディングなんて~」と悲しかったのですが、何日か経過して考えると、これが最良のラストなのかも。
もし仮にギンが消えず、山神様に復活させてもらった場合…ギンは年を取らず、蛍が先に年をとって死んでしまうわけだよね。それも切ないしね。
それを回避するには「ギンが人間になること」くらいしかないのですが、それも妖怪奇談の内容からして安易に逃げすぎてる感じがするし。
切ないけれど、このラストがやっぱりいいんだなと納得しました。
『夏目友人帳』の原作者とアニメのスタッフが作っただけあって、ほんのり『夏目友人帳』っぽい。

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