「シモーヌS1M0NE」のネタバレあらすじ結末

コメディ映画

シモーヌS1M0NEの紹介:2002年製作のアメリカ映画。落ち目の映画監督が、再起をかけて作り出した完全無欠のバーチャル女優。女優は話題になるが、監督はそのために振り回されることになり…。タイトルロゴの『I』を『1(イチ)』に、『O』を『0(ゼロ)』に置き換えるのはコンピュータの二進法から。

予告動画

シモーヌS1M0NEの主な出演者

ヴィクター・タランスキー(アル・パチーノ)、シモーヌ(レイチェル・ロバーツ)、エレイン・クリスチャン(キャサリン・キーナー)、レイニー・クリスチャン・タランスキー(エヴァン・レイチェル・ウッド)、ハル・シンクレア(ジェイ・モーア)、マックス・セイヤー(プルイット・テイラー・ヴィンス)、ニコラ・アンダース(ウィノナ・ライダー)、ミルトン(ジェイソン・シュワルツマン)、ウォルター警備員(バリー・パピック)、フランク・ブランド(スタンリー・アンダーソン)、刑事チーフ(ダニエル・フォン・バーゲン)、バーナード弁護士(ショーン・カレン)、VBCアナウンサー(アレック・マードック)

シモーヌS1M0NEのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①女優の降板でピンチに陥った映画監督・ヴィクターは、ハンクの遺産・ヴァーチャル女優のプログラムを使って映画を完成させる。映画は大ヒットしその女優・シモーヌも有名に。悪乗りしてシモーヌを使っているうちに、世間はすっかりシモーヌに魅了されてしまう。 ②やりすぎを感じたヴィクターはシモーヌが死んだことにするが、殺人罪で逮捕された。娘のレイニーだけが信じてくれ、ソフトを復活させた。シモーヌは戻りヴィクターは釈放。

【起】- シモーヌS1M0NEのあらすじ1

(タイトルおよびエンド・クレジットの「I」はすべて「1」に、「O」はすべて「0」表記)

アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス。
ハリウッドの映画界で、かつて名監督とされたヴィクター・タランスキー監督は、撮影所でグミの選別をしていました。赤いグミ、チェリー味を取り除くのです。
そこへ人気女優のニコラ・アンダースが降板するという知らせが入りました。
ヴィクターはニコラの言いつけどおり脚本も書き変えて、ほぼ全編に渡って彼女が出るようにしていましたし、要望に応じて大きなトレーラーも用意しています。チェリー味を取り除いたのも、そもそもはニコラの契約条件だったからです。
しかしニコラは「創造性の違いと表向きは言うから」と言い、実際には「コケると分かっている映画には出たくない」と吐き捨てて去りました。

ニコラが言うのも、一部は当たっているのです。
ヴィクターの映画は以前はアカデミー賞にノミネートされるほどでしたが、この最近はすっかり落ちぶれていました。
元妻で映画プロデューサーのエレインがフォローを入れてくれてはいますが、どんどん人気は凋落しています。
エレインに引き取られている15歳の娘・レイニーはパソコンが大好きで、時々撮影所にも顔を出します。父・ヴィクターが好きなレイニーは、両親が復縁してくれたらと思っていますが、エレインは若い恋人・ケインと付き合っていました。

降板したニコラはその後、ワンカットでも自分が映ったシーンを使うと裁判を起こすと、所属事務所を通じてつたえてきました。
これでは製作中止だろうと、関係者は口をそろえて言います。ニコラの名で客が呼べるわけで、無名の女優を使ったところで意味がないというのです。
それでもヴィクターは未練がありました。後釜になるような女優を必死で探します。

そんなヴィクターにハンク・アリーノという男が声をかけます。
ハンクは右目だけサングラスにした中年男性で、ヴィクターの大ファンのプログラマーでした。
俳優の地位があがり、やりたい放題になっているヴィクターの嘆きを代弁し、ハンクはこの8年間、役者なしでも映画を作れるよう、もはやCGと呼べないほど精巧なグラフィックを作ることに成功したと、ヴィクターに言います。コンピューターから出る電磁波のせいで、右目に腫瘍ができたほどです。
しかしヴィクターは代わりの女優を探すのに必死で、ハンクの話をろくに聞いていませんでした。パソコンが苦手というのもあります。
もうすぐ死ぬので早く「ヴァーチャル・アクトレス、通称:ヴァクトレス」について話をしたいと言うハンクに対し、「来週にでも」とヴィクターは言葉を濁しました。
残されたハンクは「今週中に電話をくれ」と言います。来週には死ぬので、間に合わないのです…。

作品完成のために海辺の自宅を抵当に入れても、ヴィクターの思う女優が見つかりませんでした。
打つ手なしと思ったヴィクターのところに、ハンクの弁護士が現れて「遺産を持ってきた」と言います。
分厚い紙袋の中を開けると、そこには巨大なプログラム・ソフトが入っていました。
パソコンにセットして見てみると、ヴィクター宛のハンクのメッセージが表示されます。
「パソコン画面に近づきすぎないように」という文字を見て、ヴィクターはあわててのけぞります。
その後、なんとそこには、CGとは思えないほどの技術で、女性の顔が浮かびあがりました。アッパレの技術に、ヴィクターは口をあんぐりさせます…。

…9か月後。
女優のニコラが降板した映画『サンライズ・サンセット』が完成しました。
試写会を見た一同は感嘆します。主役のヴァレリー役のシモーヌが、すばらしい演技を披露していたからです。映画の最後には〝ハンクに捧げる〟の文字が入っていました。
ヴィクターはハンクの残したソフトを使いこなせるようにし、自分にとっての理想の女優・シモーヌを作り上げました。声はジェーン・フォンダ、身体はソフィア・ローレン、優雅さはグレース・ケリー、顔はオードリー・ヘプバーンと天使とを組み合わせたものにしたそうです。

【承】- シモーヌS1M0NEのあらすじ2

「SIMULATION ONE(シミュレーション・ワン)」を縮め「SIMONE(シモーヌ)」とつけました。

最初、ヴィクターはそれでも不安でした。どこか不自然なところはないか、心配します。
ところが映画は絶賛され、みるみるうちに大ヒット作になります。それと共にシモーヌも注目され始めました。
ヴィクターは、「彼女は人前に出るのが苦手だ」とごまかします。
記者会見では、映画内容よりもむしろシモーヌについての質問が寄せられました。それをたくみにヴィクターはごまかします。
そしてシモーヌを主演に据えた映画2作目『永遠の彼方』を作った後、真実を公表してやろうと思いました。

1作目が大ヒットを飛ばしたので、2作目はすぐにスタッフも集まります。
ヴィクターはスタッフや俳優たちに、シモーヌのシーンは全て別撮りになると告げました。それでも役者たちは喜びます。
マイクで通話が通じているようにし、役者たちに自己紹介をさせている間に、ヴィクターはシモーヌ専用の撮影所の一室にこもり、コンピューターを操って自分が話します。「模倣」というボタンを押すと、ヴィクターの声がシモーヌの声に変換されます。
謎めいた女優ということで、みんな期待を寄せました。
2作目の『永遠の彼方』も大ヒットを飛ばします。
その時にはヴィクターは「みんな本当の人間と思っているので、今真実を言うのは残酷かな」と先延ばししました。なんのことはない、ヴィクター自身に欲が出てきたのです。

それと共に、マスコミの取材攻勢が激しくなってきました。
全く存在しないというのも怪しいので、あたかもシモーヌが「いる」という証拠づくりに、ヴィクターは躍起になります。
その頃には「シモーヌといえばヴィクター監督」というほど、注目されていました。
ヴィクターが「ミス・エノミス(ENOMIS)」という名でホテルのスイートを取ります。逆さにすればシモーヌです。
ホテルのフロント係は当然すぐに気付き、あっという間にホテルの外はマスコミで鈴なりになりました。
ヴィクターはホテルの部屋を女性が使ったかのようにし、代役のフェイスという女性を使って逃げました。フェイスは、こんなすごいマスコミからシモーヌを守っているのだと思い込んでいます。

雑誌『ECHO』のスキンヘッドの男性記者マックス・セイヤーは、なんとかシモーヌの手がかりを掴もうと、ヴィンス監督に盗聴器を仕掛けますが、シモーヌの詳細は分かりません。
ルーム係に多額のチップを掴ませ、シモーヌが使った部屋を捜索した際には、先に人払いをしました。マックスは部屋のベッドに横たわり、シモーヌの下着に頬ずりし、うっとりした顔で便座に触り、歯ブラシを手に取ります。なんのことはない、マックス自身がシモーヌの大ファンでした。
後で鑑識に回しますが、物品からはヴィクター監督の指紋と、大量のマックスの指紋しか出ません。
出てこなければ、シモーヌを出させるようなことをしようと考えたマックスは、シモーヌの子ども時代をでっちあげました。怒ってシモーヌが出てくるかと思ったのです。
ところが雑誌『ECHO』で子ども時代の写真(捏造ですが)が使われたために、却ってシモーヌがいるという現実味を帯びました。

映画以外の媒体に出ないことで、シモーヌの人気に拍車がかかります。
マックスはヴィクターに詰め寄りました。その頃にはプロデューサーの元妻・エレインもシモーヌに会いたがります。
シモーヌ専用の室内スタジオは突破されますが、中にあるのはコンピューターの巨大スクリーンのみです。
ここでヴィクターは全てを明かそうかと思いますが、「彼女はコンピューター…中毒なんだ」とごまかしました。周囲の人間もなるほど、と納得し、最近では西欧で広場恐怖症(広い場所が苦手な病気)というのがあるしと頷きます。

【転】- シモーヌS1M0NEのあらすじ3

フランク・ブランドの番組から出演依頼が来ました。
仕方なくヴィクターは海外ロケの現地から取材を受けている振りをし、自分が応じます。
画面を見ていたマックスは、この場所を知っていると言いました。そのニューメキシコの荒野へは、別れた妻と新婚旅行で言った場所なのです。
そこには現在ホテルができており、本来ならば背後にホテルが映り込まないとなりませんでした。
おかしいとマックスは怪しみます。
香水のCM、CDデビュー…シモーヌが出るものはヒットしました。
マックスがヴィクターのところへ行き、映像の矛盾を指摘します。「拉致だ。箱の中に閉じ込めているのだ」と訴えます。ある意味、正解です。
マックスは「会わせろ」と要求し、ヴィクターはシモーヌのライブを開くと言いました。
マックスひとりを騙すより、群衆を騙すほうが簡単と思ったヴィクターは、コンサート会場にスモークを多めに炊き、3Dホログラムでごまかしました。
ライブは全世界に中継され、みんなが画面に食い入ります。

やりすぎかな、そろそろ撤退したいな、とヴィクターが思い始めたのは、この頃です。
元妻のエレインは、シモーヌがヴィクター経由でしか仕事をしないことを指摘し、「ヴィクターはエレインに利用されているのではないか」と心配しました。
ヴィクターを心配するあまり、恋人のケントとうまくいかなくなり、別れます。
娘のレイニーは、両親がよりを戻すチャンスと思い、ヴィクターに電話をかけて「シモーヌとママを食事させて」と言います。
それはできませんが、ヴィクターは車内で運転中のエレインに電話をかけ、隣の車を運転中のシモーヌ…という風のマネキンを見せ、自分は横たわったまま運転してごまかしました。その際、オスカー受賞式にエレインが行ってくれと言います。
その年の最優秀主演女優賞はシモーヌが受賞しました。

次回作のシモーヌの姉役を申し出たのは、少し前にヴィクターをなじった女優・ニコラです。ニコラは殊勝になっており、当時のことを謝罪すると目の前で熱演しました。
演技に圧倒されたヴィクターは「ぜひ主役を君に」と言いますが、シモーヌに決まっているだろうと言われます。
レイニーが16歳になりました。誕生日に車をプレゼントしますが、ヴィクターはレイニーに「昔のパパに戻って」と言われます。
仕事一筋から、シモーヌ一筋になってしまっていると娘に言われたヴィクターは、シモーヌの人気を徐々になくしたいと思います。
元妻のエレインに、思い切って「君だけに秘密を教える。エレインは本当の人間じゃない。俺が作り出したデジタル映像だ」と打ち明けましたが、酔っていると受け止められました。
むしろこの頃には、熱く語れば語るほど、信じてもらえないほどになっています。

「抹殺してやる」とつぶやいたヴィクターは、秘書の女性・ジェーンに聞かれました。貶めてやろうと思ったのです。
シモーヌ監督で『私はブタ』という作品を作り、ブタ役を演じさせたのですが、それでも観客は拍手喝采でした。
では…と思い、眉毛を薄くしてはすっぱな女性にし、タバコをふかしながら暴言を吐くインタビューを受けさせますが、コメンテーターからは「自分に正直な生き方だ」と言われます。
ヴィクターはやっと気付きました。自分が監督として認められていたわけではなく、シモーヌ人気で作品が評価されていたのです。
いちばんずるいのは自分だということも気がつきます。結局は、自分を監督として売り出したいために、シモーヌを利用したわけです。
八方ふさがりに陥ったヴィクターは、製作者のハンクの墓に「シモーヌは君だけでなく、私も殺すつもりだ」と泣きつきました。
ハンクの墓を、そして墓地に並ぶ墓を見たヴィクターは、シモーヌを殺せばいいのだと思います。

【結】- シモーヌS1M0NEのあらすじ4

コンピューターウイルスを手に入れたヴィクターは、別れを惜しみながらそれをシモーヌのソフトに感染させました。
シモーヌの映像は、灰になったように零れ落ちて、画面から消えます。
シモーヌ関連のソフトをすべて大きなトランクに入れたヴィクターは、ヨットに乗って沖合に行き、海に破棄しました。
そして「シモーヌは珍しいウイルスに感染して死んだ」と記者会見します。
全世界が哀しむ中、葬儀がしめやかに営まれました。ヴィクターは葬儀の列に並びながら、これでやっと解放される…とほっとしています。
そこへ警察がやってくると、棺を開けました。中には等身大パネルしかないと一同は知り、ヴィクターは連行されます。

ヴィクターが大きなトランクを持ってヨットで出発する様子を、港湾の監視カメラがとらえていました。
ヴィクターはシモーヌ殺害の容疑者として扱われます。
女優・ニコラが「映画の主演を私に譲ろうとした」、秘書のジェーンが「抹殺してやると言っていた」という発言が不利に働きました。
これはまずいと思ったヴィクターは、警察の前で本当のことを話します。
実はシモーヌはよくできたコンピューター画像だったのだ、インチキだったのだと訴えますが、信じてもらえません。
証拠のトランクを捨てた場所まで案内しますが、トランクの中身は海に落ちていました。しかもその場所はサメがうようよおり、ダイバーが捜索できないエリアです。
シモーヌの遺体はサメに食われた説が、マスコミをにぎわせます。
担当になったバーナード弁護士にも訴えてみますが、「なるほど、心神喪失という線を狙っているのか。すごいぞ」と思われました。
こうなると、もうどうしようもありません。ヴィクターは殺人罪で有罪になることを覚悟しました…。

…ところで、騒動の渦中にある父・ヴィクターの話を聞いて、ひとりだけ信じた者がいました。娘のレイニーです。
シモーヌ専用スタジオの巨大スクリーンを見たレイニーは、父の言うこともありうると考えました。
コンピューターに向かって座ってみると、ドライブにウイルスソフトが入っています。
嘆く母・エレインの横で、「パパの言っていることは、きっと本当よ」と言いながら、レイニーはデータの復旧にいそしみました。レイニーはパソコンが大好きで、詳しいのです。
(冒頭から、レイニーはパソコンをよく持っている)

やけになって殺害を肯定したヴィクターですが、緊急ニュースが流れました。
刑事が急いでテレビをつけます。
そこにはシモーヌ生存の知らせと、死亡記事は宣伝のためだったのではないかという憶測が流れました。
後日、シモーヌがインタビューに答え、「私の生活はガラス張りだった。静かに過ごしたかったので監督に無理を言って、休みを取らせてもらったの。まさかこんな騒動になっているなんて」と言います。
ヴィクターは無罪として釈放されますが、釈然としません。なぜシモーヌがいるのかと不思議に思います。
そこへ、すべての事情を知る元妻のエレインと娘のレイニーが現れ、車中に招き入れました。
レイニーは自分がデータを復旧させたことを示し、「次はキャスト全員がCGの映画を作りたい」とエレインは言いました。
どうやらこれからは、ヴィクター、エレイン、レイニーの家族3人で、シモーヌを動かしていきそうです。
最新映像には、赤ん坊・チップを抱いたシモーヌが登場し、「今後は清治の世界をめざそうと思う」と答えます。

(エンド後)無人のスーパーでカートを動かしながらカメラを回すヴィクター。
後日、それが編集され、シモーヌが冷凍食品を買う映像が流れる。
それをうっとりと眺めながら「俺と同じ。チキンパイが好きなんだ」と見とれるマックス。

みんなの感想

ライターの感想

自縄自縛とは、このことだなあ。にやりとしながら鑑賞できる。
本当はすぐに種明かしをしちゃえばよかったのに、つい調子に乗ってしまったことから、どんどん悪いほうに転がってしまうという話。
ヴィクターが、追いつめられて進退窮まる映画監督を良演。
ラストも、エレインとの復縁をにおわせる、いい感じの終わり方。
ヴィクターが劇中で言っていたが、ひとりを騙すよりむしろ群衆を騙したほうが楽なのかも。
面白い作品。アル・パチーノにしては珍しい役柄。

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