「後妻業の女」のネタバレあらすじ結末

コメディ映画

後妻業の女の紹介:2016年8月27日公開の日本映画。金持ちの男の後妻に入り、全財産を奪う〝後妻業の女〟と彼女に翻弄される人々を描く、大竹しのぶ主演のユーモラスな人間ドラマ。後妻業の女とグルになって人を騙す結婚相談所の所長を豊川悦司、ターゲットになる不動産王を笑福亭鶴瓶が演じるなど、実力派たちの演技が物語をより濃密なものにしている。原作は直木賞作家・黒川博行の『後妻業』。

予告動画

後妻業の女の主な出演者

武内小夜子(大竹しのぶ)、柏木亨(豊川悦司)、中瀬朋美(尾野真千子)、西木尚子(長谷川京子)、三好繭美(水川あさみ)、岸上博司(風間俊介)、瀬川英子(余貴美子)、武内香代(ミムラ)、守屋達朗(松尾諭)、山田孫六(笑福亭鶴光)、杉村理紗(樋井明日香)、奥本幸之助(梶原善)、元木日出夫(六平直政)、津村泰治(森本レオ)、武内宗治郎(伊武雅刀)、樫本長次郎(泉谷しげる)、桜田順(柄本明)、舟山喜春(笑福亭鶴瓶)、中瀬耕造(津川雅彦)、本多芳則(永瀬正敏)

後妻業の女のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①中瀬耕造が他界した。葬儀の席で耕造の娘・尚子と朋美は後妻の小夜子から遺言公正証書を突きつけられ「遺産は全てもらう」と言われた。怒った朋美は元同級生の弁護士・守屋に相談し、探偵・本多が調査することに。 ②小夜子は結婚相談所の柏木と組み、富裕層の男をターゲットにして後妻に入って財産を相続する後妻業の女だった。本多は小夜子の過去を調べて柏木をゆするが、毒気を抜かれた。朋美たちは正式な遺言書を見つけて羽曳野の家を相続する。

【起】- 後妻業の女のあらすじ1

〝ブライダル微祥〟は、大阪市西区江戸堀にある熟年層対象の結婚相談所です。柏木亨が所長を務めています。
武内小夜子はブライダル微祥で荒稼ぎする、いわば『後妻業のエース』でした。
後妻業とは正式な職業ではありません。高齢の富裕層の男性をターゲットにして、後妻として入りこみ、男性の死後は遺産を手にする…そんな女性のことを指しています。
〔2000年夏〕
柏木は〝ブライダル微祥〟恒例のプレミアムパーティーを開きます。夏の海水浴場の浜辺で男女混合でちょっとした運動会をする、いわば合コンです。
小夜子(この時は48歳で、当時の苗字は名城)が狙っているのはゼッケン37番(小夜子もゼッケン37番、カップルにしている)の元木日出夫でした。元害虫駆除業の男です。
小夜子は相手によってころころ自分を変える妖怪のような存在でした。婚活パーティーで自己紹介をする時には、必ずしとやかに初々しく「好きなことは読書と夜空を見上げること…わたし、尽くすタイプやと思います」と言います。
この時も夏の海水浴場でお見合いした相手・元木が転んだ時に、すかさず膝枕をして耳元で「私、あんた看取ったるわ」と囁きました。男にとって人生最期の時に独りなのは寂しいので、この一言に元木はころっと参ります。元木は小夜子の5番目の夫になりました。
ブライダル微祥には他にも瀬川英子という後妻業の女がいますが、英子はイケメン好きの面食いなので、あまり活躍はしません。英子と小夜子は不思議と馬が合いました。
〔2006年初秋〕
大阪の観光遊覧船を貸し切って〝ブライダル微祥〟恒例のプレミアムパーティーが開かれました。今度の小夜子(この時は54歳)の狙いは、元不動産会社社長の津村泰治です。
「女性の友だちが欲しい」と言う津村に、小夜子はまんざらでもない様子を装いました。
熟年層の後妻業を営む女性は、二股三股は当たり前です。
所長・柏木の指示(ピースサインで「二股しろ」)で、一昨日まで近畿テレビの役員をしていたという武内宗治郎70歳にも、小夜子は色目を使っていました。
津村は小夜子の6番目の夫となって腹上死し、武内は7番目の夫になります。
〔2013年初夏〕
小夜子は60歳になっていました。
昼間のカフェを貸し切ってのお見合いパーティーで、店内に流れたザ・ヴィーナスの曲『キッスは目にして』で妖しいツイストを踊った小夜子は、元女子短大教授の中瀬耕造に取り入ります。
柏木の結婚相談所でモテる男性は、まず「財産があること」、そして「高齢であること」、「持病があればなおよし」です。老い先短いからです。
〔2015年晩夏〕・現在
80歳の中瀬と農林センターに散歩に出かけた小夜子は、藤棚の下で蚊に食われそうな中瀬の頬を張りますが、中瀬は無反応です。
帰ろうと立ち上がらせかけた小夜子の尻を中瀬が触ったので、「なにすんのスケベ」と言って小夜子は中瀬を放置して帰りました。中瀬はそのまま横にゆっくりと倒れます。
小夜子はそのまま家に帰り、下着姿でテレビを見ている間に寝てしまいました。柏木に連絡を取って、指示を仰ぎます。
血液の流れをよくする薬・ワーファリンという中瀬の持病の不整脈対策の薬を、胃薬と取り替えていました。倒れた時の状態を聞き脳梗塞と判断した柏木は、いつまでも放置せず中瀬を早く病院へ連れていけと言いました。ふてくされながら小夜子は電話を切ります。
中瀬は意識不明で、今日、明日が峠だと言われました。知らせを聞いた一級建築士の中瀬の次女・朋美が駆け付けます。病院には専業主婦の長女・西木尚子がすでにおり、小夜子は中瀬の着替えを取りに一旦家に帰っていると言いました。
そもそも次女・朋美は小夜子のことを快く思っていませんでした。2年前に中瀬との食事会で小夜子と引き合わされた時に、ひっかかるものを感じたのです。
前の夫を若くして亡くし、尽くしきれなかった切ない思いがあったから、前夫の十三回忌を機に結婚を考えた、次の男性には尽くしたい…そう殊勝に話す小夜子に、長女・尚子は微笑ましく好印象を抱いたようですが、父のどこが好きかと尋ねた朋美に対し、小夜子が答えた「耕造さんの最期を看取ってあげたいと思っただけ」という言葉にカチンときたのです。早々に死ぬことを前提に話をされたからです。
小夜子が病院に戻って来ると、中瀬が死んでいないにもかかわらず、葬儀の話を始めました。短大教授だったのでそれなりの葬儀を開かねばならない、そのためには最低400万円はかかる、預かっている通帳の片方は年金の振込通帳で、もう1つの預貯金の口座の残高は5~6万しか入っていない、小夜子は半分の200万円は持つけれど、残りの200万円は娘たちで持ってほしい…ということを、朋美は小夜子に一気呵成に言われました。葬儀に疎い朋美はたじろぎます。
ところが小夜子の意に反して、中瀬は7日目に持ち直しました。酸素マスクは3日前に外してみたのですが、死ななかったそうです。それを聞いた柏木は「濡れタオルをかけろ(窒息死させろ)」と言いました。
柏木は「この女に勝てる奴はいない」と、小夜子を高く評価しています。
柏木がマネージメントする後妻業の女は複数いますが、小夜子はナンバーワンでした。頭の回転の速さ、口のうまさ、臨機応変の変わり身とごまかし、中でも罪悪感のなさは間違いなくナンバーワンです。
小夜子の結婚は決して早くありませんでした。30歳で出会った塗装業を営む星野と結婚しますが、星野は煙突から墜落死します。
その後、薬剤師の男・岸上と出会って結婚し、一人息子を授かりますが、この男も死にました。小夜子は薬剤の横流しをして前科を持ちます。
それ以後も小夜子は小さな罪を重ねました。自転車を盗んだ時に知り合った相手と3回目の結婚をしましたが、その男が死んだ後は柏木の結婚相談所でお世話になります。
小夜子は「毒をもって毒を制する」面を持っており、たとえば相談所に「お前のところは売春も斡旋するのか」と怒鳴りこんできた男を突き飛ばし、「ホテルに連れ込んだのはお前のほうではないか、強姦罪で訴えるぞ」と言いくるめて帰すなど、幾度も柏木の窮地を救っていました。
柏木と小夜子は互いに持ちつ持たれつの関係です。「お前と俺とは『折れ(折半、半々)』や」と柏木は小夜子に事あるごとに言っています。
小夜子が柏木に頼みごとをしました。金庫を開ける業者を教えてくれというのです。
柏木はぴんときました。小夜子は、中瀬の自宅の金庫の番号を知らないのです。鍵師を紹介する代わりに、一緒に立ち合うと柏木は言いました。

【承】- 後妻業の女のあらすじ2

柏木は独身ですが、肉体関係を持つ女性はいます。現在だと北新地のホステス・三好繭美と懇意にしていました。繭美は男を財布と思っています。
北新地の浜通で店を持ちたいと繭美が言い出し、店の家賃・月40万円を持ってくれと柏木に持ちかけました。柏木は、今抱えている「契約」が成功したら、と答えます。
月の夜、鍵師・樫本長次郎を連れて柏木は中瀬の家に行きました。中瀬の家は乱雑で、掃除や皿洗いが行き届いていません。聞くと、小夜子は料理もしておらず、そもそも中瀬のところには週3日ほどしか通っていなかったそうです。
樫本が金庫を開け、柏木は7万円を支払うと樫本を追い返しました。その間に小夜子がすかさず金庫の中身をチェックします。
金庫の中には株券と通帳、いくばくかの現金が入っていました。通帳の残高は4000万円弱で、株券は7銘柄でざっと見積もると2050万円です。
中瀬が死んでからだと手続きが面倒になるので、即時対応することにしました。株券は柏木が現金化し、通帳は小夜子が引き出した後に解約手続きを取ることにしますが、小夜子が横取りすることを嫌い、印鑑は柏木が預かります。
質屋に行った柏木は、エルメスの偽物のトートバッグと、カルティエの偽物の宝飾時計を買いました。時計は4万円です。
翌日、小夜子と柏木は大成銀行古市支店に、中瀬の預貯金と投資信託の解約手続きに行きました。「主人が倒れたので最高の医療を受けさせたい」と解約の理由を小夜子がすらすらと述べますが、次長・奥本は「ご本人の意思確認を得ないと」と渋ります。
小夜子は「じゃ、今から病院へ行きましょう」と言い出しました。ハッタリも入っています。
驚く奥本次長に「今日は金曜、土日を挟んで来週まで待っているうちに面会謝絶になるかもしれない」「本人の意思確認を得たいと条件をつけたのは銀行のほうだ」「事情を察して顧客の便宜を図るのが銀行の務めやないんですか。それともその金が銀行にあらしまへんのやろか」と小夜子は一気に言い放ちます。
柏木の愛車・ベンツですぐさま車で病院へ向かいました。中瀬の娘2人が転院先の見学に行っていて、病院にいないのは小夜子の頭に入っています。
何を聞いても「あーーー」「うーーー」しか言わない中瀬に会わせ、女性行員の内山の手を握らせると「女の人には、何か言おうとするんですよね」と言った小夜子は、中瀬の承諾を得たように見せかけて、現金を引き出すことに成功しました。
大金を持つ小夜子に、すかさず柏木は偽エルメスのトートバッグをプレゼントしてご機嫌を取り、偽カルティエの時計を見せて「船場の商社から持たされた。定価290万円だけど、90万なら売ると言うてた」と小夜子に持ちかけます。小夜子は「マージン取ってるやろ」と言い、80万円に負けさせました。本当は先述のとおり元手は4万円です。
現金は折半になりました。1950万円ずつですが、80万円の時計を上乗せして柏木の取り分は2030万円です。金庫の整理もできたので、そろそろ中瀬の仕上げをしろ(始末しろ)と柏木は言いました。
柏木は次の小夜子のターゲットをもう決めていました。東大阪の瓢箪山に広大な土地と賃貸マンション2棟を持つ不動産王・舟山喜春です。「布袋さんのような男前や」と言った柏木の言葉に心を動かされた小夜子は、中瀬の病室に行くと酸素マスクを外して水を飲ませました。中瀬はむせますが、小夜子はおかまいなしです。点滴の針を抜くと注射器で空気を入れて殺すと点滴をもとに戻して殺しました(注:少量の空気ならば問題はない。注射器いっぱいの空気の十数回・200~300cc入れた。静脈内の空気は心臓の右心房から右心室にたまり、心臓のポンプ機能が損なわれて、心臓から肺動脈に血液を送れなくなり酸欠状態を招き、窒息して死に至る)。
柏木は繭美に店を持たせると答えました。昼間は大丸の化粧品売り場で美容部員をしているという女性・杉村理紗を、繭美は新たな店にスカウトしようと考えています。理紗を紹介された中瀬は、顔よりも胸をまず見ました。
中瀬の葬儀が営まれました。読経の最中、小夜子は中瀬の死に顔の頬にキスをし、葬儀会場はどよめきます。
葬儀の後、小夜子は中瀬の娘2人に「遺産はみーんな、私が相続します」と言うと公正証書を帯から取り出しました。そこには、羽曳野市の土地などをすべて小夜子に譲ると書いてあります。
次女・朋美は小夜子に「あんた本性、顕わしたんやね」と言って、しかるべき措置を取ると言って公正証書を持って立ち去りました。
しかし、不可解な点が1つありました。小夜子は中瀬と籍を入れておらず、「内妻」扱いでした。入籍をしない代わりにこの遺言状を書くと中瀬が言った、と小夜子は言います。
小夜子への怒りがおさまらない朋美は、法律事務所を開く高校時代の同級生・守屋達朗のところへ持ち込みました。そこで「これ、後妻業やな」と言われて「後妻業」という言葉を初めて耳にします。
後妻業の必須三条件は「住民票を移す」「家具を持ち込む」「近所に顔を出す」です。これらが揃っていることで周囲に同居して妻、内縁であることを周囲に認めさせるのです。小夜子はすべてクリアしていました。ベテランの後妻業だと守屋は言います。
入籍さえしていれば、本来は無条件で財産の半分は相続できるにもかかわらず、入籍をしていないのには何か事情があると踏んだ守屋は、探偵の中年男性・本多芳則を斡旋しました。本多は元大阪府警の刑事で、現在は探偵事務所を開いています。
本多は「過去に摂津、東成、豊中で後妻業の調査を受け持ったが、厄介だった」と言うと、調査を開始します。
その頃、小夜子は9番目のターゲット、70歳の舟山に近寄るべく動いていました。ブライダル微祥のプレミアムパーティーで舟山と会い、好感触を得ます。
本多は兵庫県西宮市にある小夜子の前の夫・武内宅を訪問して、小夜子のことを聞き出そうとしました。武内宗治郎の息子の嫁・武内香代が応対し、小夜子が他のところでも悪事を働いている後妻業だという言葉を聞くと、本多を家に上げて当時のことを話します。
宗治郎が小夜子と結婚していたことは、宗治郎の死後に知ったそうです。宗治郎は2年前に事故で亡くなったのですが、その葬儀の打ち合わせに突然小夜子が現れたと思うと、妻だから喪主だと言い出し、親族は驚いたと香代は言いました。
公正証書遺言を盾にして葬儀が仕切られ、北堀江にあるマンションと、香代たち夫婦が現在住んでいる西宮の土地も、小夜子の相続対象になっています。
ところが西宮の土地は、香代たちが二世帯住宅を建てたばかりでした。家を売って換金しない限り相続を分けることができません。
香代たちが訴えなかったのは、身内の恥を知られるのが嫌で、表沙汰にしなかったとのことです。

【転】- 後妻業の女のあらすじ3

小夜子の苗字が武内のままなのは、西宮の土地を諦めていないから(籍を抜くと相続対象から外れるから)だと、本多は踏みます。
武内宗治郎が亡くなったのは徳島県で、自動車で崖から転落死したとのことでした。
公正証書遺言の証人には、柏木亨と瀬川英子という名前がありました。本多はこの2人に接触します。
同じ頃、小夜子は舟山と呑みに行ってホテルに入り、舟山の股間を見て「通天閣や。いや、通天閣どころやない、スカイツリーや」と驚きました。
本多は興信所の調査員と騙って(探偵なので嘘ではない)、柏木の相談所に乗り込みます。
小夜子の公正証書遺言の証人になっていることを指摘しますが、柏木は「会員に頼まれて証人になることは、よくあることですから」と覚えていない振りをしました。さらに瀬川の名を聞かれて「警察でもないあんたに、個人のプライバシーを開示できませんわ」と追い返しますが、本多が去り際に「後妻業」という単語を出したことで、疫病神のような男だと警戒します。
柏木はむしゃくしゃして繭美の店に連絡を取りますが、休みと言われて浮気だなと考えました。先日知り合った理紗を口説きます。理紗は柏木にキスされた後、柏木の顔をぺろっと舐めました。
守屋の法律事務所に本多が顔を出すと、中瀬の次女・朋美がイラついていました。なんでも、葬儀代に400万かかると言われていたのに、実際には120万円しかかかっていなかったことを知って、腹を立てているのだそうです。
本多は、小夜子の周囲で15年間に5人の夫が死んでいることを報告しました。「名城」「元木」「津村」「武内」「中瀬」です。
本多と朋美は瀬川英子に会いにいきました。英子は資産よりもイケメン好きなので、現在美容室の家の妻になっています。
英子に調査費用といって10万円が入った封筒を見せると、英子は話をしました。小夜子とはブライダル微祥で出会って、証人になった際には店を休んで判子をつきにいったので、1万円の謝礼をもらったそうです。「うちはあの人好きや」と英子は言いました。
「小夜子には大学講師をする息子と、帝塚山に住んでいる娘がいる」と英子は言ったらしいのですが、それは嘘で、本当は小夜子の息子とは生き別れになっているそうです。
これ以上英子から情報を引き出せないと思った本多は、1万円を渡しました。残りの謝礼をと要求する英子に「封筒に10万あると言ったが、全部渡すとは言っていない」と告げて去ります。
小夜子の実の息子は岸上博司と言い(2回目の結婚の薬剤師・岸上との息子)、あちこち渡り歩いていました。柏木の父親が極道で、30歳の博司はその組に厄介になっているチンピラです。小夜子の家にたまに戻ってくると、親子で罵り合いをし、小銭をせびって立ち去るのが常でした。
本多は次女・朋美に頼み、小夜子と会う手筈をつけます。小夜子と対面すると「刑事告発ではなく、民事訴訟を起こす」と朋美は言いました。記者会見を開くとも告げます。
民事裁判になった場合、過去の夫が数多く死んでいることや、特に元木と武内が徳島県で墜落死していることを合わせると、裁判官がどう判断するかは分からない…そう脅しました。
公正証書があっても、法定相続人は本来相続できる額の半分を「遺留分」として請求できることを指摘し、遺留分3000万と、今までの相談所の違法性と犯罪性を勘案した分の2000万円(要は口止め料)を寄越せと朋美は言います。
小夜子は「あんたの話はややこしい。考えさせて。ほな、さいなら」と言って立ち去りました。柏木にすぐ電話をかけて相談します。
小夜子は本多と朋美との会話を録音していました。柏木はそれを聞きたがります。
本多は柏木の恋人・繭美と会います。繭美は2年半交際したので、北新地の店を持たせてもらったら柏木とそろそろ別れようと考えていました。繭美に、柏木と旅行をしたことがないかと質問します。
旅行をしたことがないけれども、徳島という単語を聞いて、繭美が反応しました。2年前に柏木が徳島に行ったと言って、朝に来て昼に帰ったことがあると言いました。その時間帯に来ることは他になく、自分の誕生月だったから9月だったと繭美は証言します。武内は9月8日に徳島で死んでいました。
武内と小夜子が深夜にドライブし、それを柏木が背後からパッシングとクラクションで煽ります。武内が道を譲ろうと停車すると、帽子を目深にかぶった柏木が車外に武内を連れだし、車のドアに頭をぶつけます。エンジンのかかった武内の車を手と片足で押しながら、崖から落とし(運転席は開いている)、その後、武内も突き落として殺したのでした。
本多と朋美の録音を聞いた柏木は、提訴されて記者会見されたら面倒なことになると思います。マスコミやワイドショーが騒ぎたてることで、警察が動き出すことは過去に幾度もあり、埋もれていた事件が明るみになることは多々ありました。
「金で片付くなら、片をつけろ」と柏木は言います。
その場所に、小夜子と待ち合わせをしていた舟山が来ました。舟山と会話した柏木は、物腰や言い草から「カタギじゃない」と思います。父親が極道だったので、柏木のその手の勘は当たっています。柏木は、舟山のことを調べる気になりました。
小夜子は次女・朋美を焼肉屋に呼び出すと「羽曳野の土地を譲るから(これが3000万)。あとの2000万は1000万にして」と要求します。朋美が渋い顔をすると、朋美が父・中瀬に500万円の借金をしていたことを挙げ「男に逃げられて建築事務所も火の車」「私はあんたらの代わりに耕造さんのそばにいてやる代わりに、遺産もろたんや」と開き直りました。
朋美と小夜子は互いに口汚く罵倒した後、焼肉屋で取っ組み合いの争いをしました。周囲の仲裁もきかず争った2人は、ともに息切れします。
理紗を口説いている柏木の元へ、本多が現れます。柏木は理紗を離れた席に移動させると話を聞きました。
本多は小夜子の過去を全て調べており、それをメモ帳にこまごまと書きつけていました。資料と一緒にそれを見せると、「これは弁護士さんにも、妹にも渡していない」と言います。暗に「買い取れ。そうすれば弁護士と妹の方は何とかする」という脅迫でした。
柏木は3000万円で交渉し、次の火曜日が期限と本多は言います。
「強請(ゆす)りは1度か」と聞いた柏木に、本多は「俺はちゃんと分を知っているつもりだ」と答えますが、柏木は1度ではすまないと思いました。悔し紛れに「あんた、私立探偵やろ!」と柏木はぶつけますが、本多は「公立の探偵は刑事です」と流して去ります。

【結】- 後妻業の女のあらすじ4

柏木は小夜子に電話して呼び出すと、本多は弁護士事務所に報告するつもりはなく、これをネタに強請りを続ける気だと言いました。小夜子に見せ金を用意しろと言い、息子・博司の居場所を聞きます。
あと、舟山は『竿師(性行為で女の人を釣る男)』だと告げました。瓢箪山のアパートも抵当に入っていて、資産は500万あるかないかです。
舟山からは撤収しろと柏木は小夜子に言いますが、小夜子は自分で判断すると言いました。
判断すると言いながら、その時はすぐ来ました。旅館で肉体関係を持った後、舟山が金の無心をしたのです。
ダイヤの指輪を見せて結婚をほのめかしながら、箕面(みのお)にある3億円の土地を買いたいのだが1億円が足りない、定期を解約してもまだ少し足りない、ついては3000万円を都合してくれないか、そうすれば5000万円にして返す…土下座して頼む舟山を見て、小夜子の熱は一気に冷めます。布袋の顔がぬらりひょんに見えるようになったと思った小夜子は、金を出す気がないと悟った舟山に平手で頬を張られ「金のないババアと寝るわけないやろが、ボケ」と捨て台詞を吐かれました。「ほんまに欲しいもんには、必ず逃げられる」と小夜子は思います。
探偵・本多の取引に通天閣近くのビルの屋上を指定した柏木は、博司を向かわせました。博司は白い軽トラ・ハイジェットに乗っていくと、金の入ったボストンバッグと資料を交換するよう言いますが、逃げられそうになります。
博司は銃を用意していましたが、小型のリボルバーです。あまり威力がなく、やみくもに撃ったので本多は左ふとももに2発銃弾を受けただけでした。博司は金を奪われて殺せずに本多を取り逃がします。
本多は東山動物病院に駆け込むと、獣医・桜田順に「49歳、二足歩行のオス」と名乗って治療を依頼しました。桜田は「散弾銃を受けた犬の手術はしたことがあるんだが」と言いながら本多の足に局部麻酔をかけます。散弾銃を受けた犬は死んだそうです。
本多は輸血を要求しますが「ここには人血はない」と断言され(…納得…)、銃弾を取り出して手当てした桜田は、抗生物質、鎮痛剤、消炎剤、解毒剤、すべて犬用のものを渡しました。
治療費10万円を払う段になり、先ほど手に入れたボストンバッグの札束を出した本多は、札束の表裏1枚ずつしか本物ではないと知ります。中は白紙でした。合計で60万円です。
悔しがる本多に、桜田は「払えないなら通報するぞ」と言い、本多は急いで1枚ずつ万札を渡しました。
本多の始末に失敗したと聞いた柏木は、博司が持っていた銃を靴下に入れて港の海中に捨てると、ほとぼりが冷めるまで沖縄へ飛べと指示します。博司はふてくされ、母・小夜子のところへ金目のものを盗みに行きました。
柏木は、本多が待ち伏せている可能性を考慮し、警戒のため天王寺の自宅へ理紗を呼び出します。思った通り本多が襲撃し、柏木はいきなり股間を蹴られました。「小夜子の息子の博司が勝手にやったことだ。俺は3000万、耳を揃えて渡すつもりだ」と言い訳しますが、本多は腕で首を絞めます(柏木は本多にとって「金のなる木」なので本当に殺す気はない)。
男2人が取っ組みあっている部屋に繭美がやってくると、手切れ金150万円を要求して、さっさと立ち去りましたが、入り口で理紗と鉢合わせします。
理紗は呼び出されたものの、目撃証人の役目は繭美が果たしました。
すっかり毒気を抜かれた本多は「化け物みたいな小夜子をプロデュースするにはセンスが必要だ」と言い、柏木も「小夜子が化け物か、俺も時にそう思う」と、なんとなく男2人で意気投合します。
中瀬の姉妹は羽曳野の家にいました。世間知らずの長女・尚子が、やんわりと次女・朋美に言います。
父・耕造は母の死後、すっかり色狂いになってしまっていました。2階の窓から初恋の女性の名前「よしみーー」と大声で叫ぶ、近所の未亡人に恋文を送り、それを塀に貼り出される、駅前の飲み屋の女将さんにプロポーズする…結果、ついたあだなが「色ボケ先生」。
そんな父の元に小夜子が現れたことで、晩年の耕造の奇行はぱたっとやみました。長女・尚子は内心ほっとしており、財産を奪われるのは悔しいけれども、ずっと受け身で生きていた自分からすると、まるで正反対の生き方をする小夜子の姿がうらやましかった…尚子はそう言いました。
次女・朋美はそれを聞き、妙に納得します。自分は娘であることにあぐらをかいて、晩年の父の世話をろくにしなかったことを反省し、小夜子が傍にいたことで晩年の父が寂しい思いをしなかったことを考えると、小夜子がすべて悪いわけではないと思うようになります。
深夜、トイレに入っていた小夜子は、博司が金目のものを奪いに来た気配に勘づき、柏木に電話しました。柏木は連絡を受け、急いで西区北堀江の小夜子の家に行きます。
博司が自分のものを奪おうとするのを制止した小夜子は揉み合いになり、カーテンにくるまって2人で諍いしているうちに、小夜子が動かなくなりました。そこへ柏木がやってきます。
仰向けに倒れた小夜子を見て柏木は腰を抜かし、博司も「おかん、殺してしもた」とびびりました。柏木は「死んだもんは仕方ない、始末しよう」と言いながらも、こわごわ2人がかりで大きなスーツケースに小夜子を入れます。
スーツケースに入れたものの、髪の毛がはみ出しているのを見て博司がまた悲鳴をあげました。柏木もびびりつつハサミではみ出した部分の髪を切ります。再びケースを開けて髪の毛を入れ直す甲斐性は、男2人にありませんでした。
小夜子入りのスーツケースを、柏木が自分のベンツの後部トランクに入れようとした時、運悪く巡回中のパトカーが通りかかります。深夜に大きなスーツケースを運び出している柏木を不審に思った制服警官2人が見咎め、声をかけました。博司は即時、逃げます。
逃げ出そうとした柏木を1人が羽交い絞めにし、もう1人が無線で応援を呼ぼうとした時、路上に置かれたスーツケースのキャスター(タイヤ)が動き始めます。警官2人と柏木は声もなく見守りました。
スーツケースは3mほど動くとぱたんと横に倒れます。警官がおそるおそるロックを外すと、中から小夜子が出てきました(死んでなかった、気絶していただけ)。その姿を見て、柏木は思わずガッツポーズを取って喜びます。
小夜子はすかさず「おまわりさん、私、被害者ですわ」と言い、柏木は「かなわんなー」とぼやきました…(示談ですませたか)。
…中瀬の長女・尚子と次女・朋美は羽曳野の家の仏壇で線香をあげようとして、仏壇の引き出しの奥に遺言書を見つけ、慌てて弁護士事務所の守屋に電話します。遺言書の日づけは小夜子の公正証書よりも後で、遺言書の方が有効です。
守屋は「絶対に開けるな!(たとえ相続人でも勝手に開けると罰金対象、必ず家庭裁判所などで代理人の立ち会いで開封せねばならない)すぐ裁判所に連絡を取れ」と指示しました。
(エンドロール)遺言書の内容により、羽曳野の中瀬宅は姉妹のものに。次女・朋美は、「父の金は父のもの。誰に残そうが自由」と思うことにした。遺言書で、中瀬は小夜子のことを「最後の最後まで、おもろかった」と記載していた。
朋美は弁護士への訴えを取り下げ、本多もなし崩しに。朋美は港で本多に遺言書の内容を報告した。
船上でまたブライダル微祥のプレミアムパーティーが開かれる。小夜子は年齢不詳と言い(それまでは実年齢をきちんと言っていた)、「得意な料理はサバの味噌煮」という自己紹介が加わっている。どうやら柏木と小夜子は懲りずに2人で変わらずチームを組んでいる模様。
(エンド後)「さあ、次いこか」という、小夜子の声。

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みんなの感想

ライターの感想

この作品は…好悪が分かれると思う。
公開初日、観客はほぼ60代以上のかたがた。男女比は半々。
こんなに観客の年齢層の高い映画って、初めて。
「ひとごと」と思って見ると面白いのかも。ユーモアたっぷりのブラックコメディ。
ただし「えげつない」「毒々しい」「生々しい」。金に絡んだ男女の欲の深さみたいなのが赤裸々に描かれているので、苦手な人はとことん苦手かも(私は駄目なほう)。
原作は黒川博行の『後妻業』。本では小夜子はラスト死ぬのだが、映画ではスーツケースから無事生還を果たしている。うん、原作よりこっちのラストのほうが救いがあっていい。
また博司は原作では小夜子の弟設定だが、映画では実の息子の設定。
中瀬は小夜子との生活にあたりほかにマンションを購入しており、羽曳野の家は別にあって、揉める。ほかにも小さな改変はあり。
キャストがとにかく豪華。みなさん芸達者だから、128分の映画を飽きることなく一気呵成に見せてくれた。
  • ひまわりさんの感想

    小夜子と柏木は、殺人の罪は、免れたの?
    ラストに、不満です。

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