「福耳」のネタバレあらすじ結末

コメディ映画

福耳の紹介:フリーターの青年と、この世に心残りがあって彼に憑りついた老人の幽霊との交流をコミカル且つあたたかに描いたファンタジー・コメディ。
人気脚本家の宮藤官九郎が俳優として映画初出演した2003年の公開作。監督はテレビで活躍している瀧川治水。劇場映画としては初監督作品となった。

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予告動画

福耳の主な出演者

里中高志(宮藤官九郎)、藤原富士郎(田中邦衛)、信長珪(高野志穂)、神崎千鳥(司葉子)、緑川(坂上二郎)、小林(谷啓)、良子(横山通乃)、藤掛(多々良純)、茜(千石規子)、五郎(宝田明)

福耳のネタバレあらすじ

【起】- 福耳のあらすじ1

人生がパッとしないフリーターの里中は、以前入院した病院にいた看護士の珪に一方的に好意を寄せていました。彼女が病院を辞め、浅草のシニア向け賃貸マンション“東京パティオ”でヘルパーとして働いているとの情報を聞いた里中は、パティオ内のレストラン『タイムマシン』の面接を受け採用されます。

出勤初日。里中はパティオの入り口で入居者の男に道案内されます。その男が里中の福耳と耳にあるほくろを触って来たので、思わず走って逃げました。
パティオでは藤原という男性の入居者が昨日心筋梗塞で亡くなり、遺体が病院から戻されました。運ばれてきた故人の顔を見て里中は驚きます。さっき道案内してくれた男と瓜二つだったのです。北海道・羅臼出身の藤原は妻を2年前、息子を10年前に亡くしていたため甥が遺体を引き取りに来て、パティオ内で小さな通夜が開かれることになりました。里中はどうも釈然としません。

パティオの宿直室兼荷物部屋に無料で住まわせて貰うことになった里中が部屋に戻ると、室内の照明が点滅したり、どこからか男の声が聞こえてきます。部屋には誰もいませんが、里中は鏡に映った自分が、藤原の姿になっていることに驚きました。鏡の中の藤原は、この世にやり残したことがあるため里中の体をお借りしていると謙虚そうに申し出ます。つまりは里中に憑りついたのです。何故自分なのかと問う里中に藤原は、福耳と耳にある福ぼくろが縁起がよくて気に入ったとのこと…。里中は慌てて通夜の場に行って遺体を確認しますが、鏡の中の藤原と同じでした。

飲んだくれて朝目覚めた里中はまずは鏡を見ますが、そこに映るのは里中と同じTシャツ姿の藤原でした。藤原は里中の仕事中も話しかけくるため、里中は冷蔵庫や包丁に映る藤原に反論します。しかしその姿は傍から見ると、独り言の多い怪しい奴でしかありません。
里中に問われ藤原は“やり残したこと”を語り出します。藤原は想いを寄せていた入居者・千鳥のことが心配だというのです。同じく入居者で芸人だった緑川や、妻と入居しながらも千鳥を狙う元鰻屋の小林から彼女を守りたいと願っていたのでした。それを聞いた里中は、出て行け!と思い切り壁にぶつかり暴れると、藤原の体が衝撃で飛び出します。ところが一枚上手の藤原は、里中がストーカー気味に珪を狙っていることを指摘しました。 この映画を無料で観る

【承】- 福耳のあらすじ2

藤原の遺体が出棺されます。幽霊の藤原は自身の遺体に手を合わせると、体が燃えるよりハートが燃えていて千鳥を放っておけないと決意を新たにします。70歳近くになっても恋愛するなんて気持ち悪いと里中は嫌がりますが、自分だけじゃないのだと藤原が話します。入居者でいつも軍服姿の藤掛は明るい良子が好きで、良子は元役人で今はおかまとしてバーを営む五郎に想いを寄せ、その五郎は藤掛を好きなのだと紹介してくれました。パティオの入居者たちは元気な人ばかりなのです。

その夜里中はお祓いに行き、お浄めの御札を貰ってきます。その効果か翌朝になっても藤原は現れず、里中は上機嫌で仕事しました。その日タイムマシンではピアノコンサートが開かれます。緑川は『ムーンライトセレナーデ』をリクエストし、千鳥にダンスを申込みました。その様子をぼんやり見ていた里中は覚醒したかのようにエプロンを脱ぎ捨て千鳥に踊りを申込みます。周囲が驚く中2人がワルツを踊ると千鳥は「富士郎(藤原)さんもダンスが上手だった。あなたも踊りやすい」と呟きました。我に返った里中は突然踊りを止め、叫んで部屋に戻るとやはり藤原が登場します。「御札なんか平気」と…。

藤原が虫嫌いだと聞いた里中は、部屋の中に虫を集めて藤原を追い出そうとします。案の定体から出てきた藤原は嫌がらせを辞める代わりに、里中の借金80万円を返す手段を教えると交渉してきます。金融業の経験がある藤原は、里中に株を始めさせます。PCも殆ど使えない里中ですが、藤原の技術でブラインドタッチでキーボードを打つことができました。私の知識とあなたの体力があれば怖いものはないと藤原が断言します。そんな2人の会話を、先日のダンスの一件以来里中を怪しんだ緑川と小林が、部屋のドアに耳を欹てて盗み聞きしていました。

【転】- 福耳のあらすじ3

これまでずっと里中を毛嫌いしていた珪は、彼が千鳥とダンスした姿を見てお年寄りに親切な人との印象を受け、今まで里中のことを勘違いしていたと告げてきます。メールもありがとうと言われた里中は身に覚えがありませんでした。珪が探していた詩のことを思い出した藤原が、彼女にメールで詩を届けたのでした。その夜里中に感心した旨のメールが珪から届き、里中は藤原の作戦力を実感し、自分の体を勝手に使っていいとはしゃぎました。

休日。里中は藤原に告白させるために千鳥がよく行く神社へ出掛け、独りでいた彼女に話しかけました。千鳥は身の上話を始め、2歳の娘を手放したこと、娘が今は大阪にいることを零します。娘に一緒に住もうと言われたけど、そんな身勝手なことはできないと胸の内を話してくれました。それを聞いた藤原は自分の想いを告げることはできませんでした。

その後も藤原の知識を使った里中は、珪と詩についての会話が弾み交流を深めていきます。お陰ですっかり藤原と仲よくなった里中は花やしきに行き、藤原がむしゃくしゃする度に来たという鏡の迷路に入りました。里中は藤原の生涯について尋ねますが、彼はどうも口ごもり気味です。変わって、先が見えないと不安になると吐露した里中に藤原は、10年前に同じことを聞いたと切なそうな表情をしました。

ある夜藤原は、下町の失業した技術者に仕事をアウトソーシングする会社を作ろうと里中に持ちかけます。藤原が2年前に資金難で頓挫した計画で、今なら助成金制度があるというのです。里中は無理だと主張しました。2人が話し合う中、里中に緑川と小林から果たし状が届きます。
次の日緑川と小林に会った里中は、千鳥が3人の中から里中を選んだと聞かされます。緑川と小林は里中に千鳥と結婚しろと迫りました。里中は走って逃げようとしますが、2人に捕まって殴られます。
体に違和感を覚えた里中が鏡を見ると、白髪やシミが増えていました。入居者にも怪しまれ始めた里中は、もう限界だと藤原に話します。藤原が想いを遂げられるだろうと、里中は千鳥を“ゲット”する案を思いつきます。

【結】- 福耳のあらすじ4

翌日千鳥を呼び出した里中は、激しい腹痛のフリをしてラブホテルに連れ込みます。里中は「自分は寝ているからあとは勝手にして」と藤原に託しました。藤原は緊張しながら、千鳥に里中を選んでくれたのは本当か確かめると、彼女は正直な気持ちだと答えました。藤原は千鳥を押し倒しキスしようとしますが、彼女に止められます。そして千鳥は里中を好きな理由を、気遣いや言葉遣いが富士郎さんに似ているからだと話しました。千鳥は富士郎さんと踊るのが好きだった言い残しホテルをあとにしました。残された藤原から涙が零れます。
里中に労われた藤原ですが、この世への未練は千鳥の他にもう一つあったと言い出します。そのことがはっきり分かったという藤原は、「ありがとう」と言って風になって消えてしまいました。

次の日神社で里中と再会した千鳥は、娘のいる大阪へ引っ越すと告げます。藤原の供養のために参拝していたという千鳥は、「富士郎さんによろしく伝えてください、私には分かる」と去って行きました。
里中に銀行から融資の合格通知が届きますが、頼りの藤原はもういません。里中は何かと行動できたのは藤原に憑りつかれたからだと珪に打明け、融資も断るつもりでいました。
その夜珪のPCに“里中は優しい青年です。『福耳』というネパールの詩を送ります”と、藤原からメールが届きます。それを読んだ珪は、羅臼に一緒に行こうと里中を誘いました。

藤原の甥の家を訪ねた2人は、仏壇に手を合わせました。その日はちょうど藤原の四十九日でした。里中は仏壇にある藤原の息子の写真を見て驚きます。顔も福耳や耳のほくろも自分にそっくりだったのです。事故死した藤原の息子は自殺だった可能性もあり、藤原はもっと話を聞いてやればよかったと後悔していました。息子の死後藤原は、仕事も上手くいかなくなってしまったと彼の甥が教えてくれました。
2人は藤原の遺言だった自然葬に参加し、海上から散骨します。珪は藤原から届いた『福耳』を里中に渡し、息子にしてやれなかったことを里中にしてやって、生きていた意味を見つけたかったのだろうと話しました。

1年後。
里中は起業し、恋人となった珪も仕事を手伝っていました。2人はパティオの入居者の100歳の誕生日祝いに特製のケーキを届けます。パティオの人々は今日も元気に暮らしています。

みんなの感想

ライターの感想

とにかく田中邦衛さんが素敵でした。コミカルな演技が抜群におもしろくて、宮藤さんとのやり取りに見応えがありました。もちろんシリアスな演技も素晴らしくて、藤原が『福耳』という詩を朗読した時は、田中さんの優しい声にほろりとなりました。いい奴だけど頼りない里中役が宮藤さんにハマっていました(笑)
作品自体はちょっと古い演出でありがちな展開でした。これがクドカン脚本(監督)作品だったら、10倍楽しくなっただろうなぁと想像してしまいます。

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