「おかあさんの木」のネタバレあらすじ結末

おかあさんの木の紹介:息子たちを戦争に奪われた母は、出征の度に息子の代わりに桐の木を植え彼らの帰りを待ちわびていた。
40年前から小学校の国語の教科書に掲載されている大川悦生の国民的同名児童文学を映画化。戦後70年にあたる2015年に公開された。

予告動画

おかあさんの木の主な出演者

田村ミツ(鈴木京香)、坂井サユリ(志田未来)、田村二郎(三浦貴大)、田村謙次郎(平岳大)、坂井昌平(田辺誠一)、小林哲也(波岡一喜)、河辺(市川知宏)、村山ヨネ(松金よね子)、鈴木実(有薗芳記)、大野(菅原大吉)、田村五郎(石井貴就)、田村一郎(細山田隆人)、田村三郎(大鶴佐助)、田村四郎(大橋昌広)、誠(西山潤)、田村六郎(安藤瑠一)、田村徳兵衛(木場勝己)、校長(大杉漣)、坂井<田村>サユリ(奈良岡朋子)

おかあさんの木のネタバレあらすじ

【起】- おかあさんの木のあらすじ1

長野の田園地帯に7本の立派な桐の木がそびえ立っています。この地域は整備区画となっており、県と農水省の職員は木の伐採の許可を得るため、土地の所有者が入所している施設を訪ねました。迎えたサユリは認知症の症状がありながらも、2人の訪問を予期したように呟きます。「あの木を切ってはならぬ、あれはおかあさんの木じゃ」と…。そしてサユリは100年ほど前のあの木にまつわる悲しい出来事を語り出しました。

大正4年秋。長野の田舎村に住む美しいミツはずっと想いを寄せていた謙二郎のもとへ嫁ぎます。郵便局勤めの謙二郎がミツ宛ての恋文を届け、字が読めない彼女の代わりに読んだのが2人の馴れ初めです。その恋文の主は謙二郎でした。
ミツはその後4人の息子を安産で設け、それぞれ一郎~四郎と名付けました。難産でしたが五郎が産まれ、次に6人目の子供を身籠ります。すると子供に恵まれない姉夫婦から懇願されたため泣く泣く産後に養子に出し、その子は誠と名付けられました。7番目に生まれた息子には六郎と命名し、裕福ではないながらに家族仲よく暮らしていました。

謙二郎の同僚・昌平にはサユリという一人娘がおり、しっかり者の彼女は密かに五郎に想いを寄せています。将来は結婚かと昌平と謙二郎は笑い合いました。その日謙二郎は配達中に、突然の心臓発作で亡くなりました。一家の大黒柱を失ったミツは畑を耕し、鶏を飼って家計の足しにします。必死に頑張るミツですが淋しさで泣くことも多く、そんな母を息子たちが力を合わせて支えました。

昭和11年。一郎は徴兵検査で甲種合格となり、程なくして役場の兵事係・鈴木が召集令状を持って家を訪れました。出征の日、兵隊を見送るために駅に集まった人々から一郎は「おめでとう」と声を掛けられますが、ミツの心中は穏やかではありません。帰宅したミツは一郎の代わりに、桐の苗木を庭に植えました。

【承】- おかあさんの木のあらすじ2

やがて、幼い頃から元気な二郎は甲種、視力の悪い三郎は乙種で合格となります。出征の可能性が低く落胆する三郎に、ミツは傍にいてくれて嬉しいと本音を告げました。その後二郎の出征となり、ミツは彼が大好きな卵焼きの弁当を持たせて見送ります。そしてミツは少し伸びた一郎の木の隣に、二郎の苗木を植えました。

ある夜。大雨にも関わらず、昌平が慌てた様子で電報を届けに来ます。それが一郎の戦死を告げるものであることを、ミツは字が読めなくてもすぐに気付きました。村人からは誉の家と称えられますが、結局一郎の遺骨さえありません。ミツは「褒められても嬉しくない」と一郎の木にこっそり話しかけました。

昭和16年12月、日本は米英に宣戦布告します。楽器の学校に通うため家を離れていた四郎に、それから半年もせずに乙種の三郎にまで召集令状が出されます。三郎はお国の役に立てると喜びました。ミツは息子たちを兵隊に出す度に、それぞれの苗木を植えました。しばらくして三郎の乗った船がフィリピン沖で敵の空襲に遭い沈没します。中身のない骨箱を届けに来る鈴木をミツは迎えることが出来ませんでした。
五郎は商業学校を卒業し、父と同じように郵便局に就職します。女学生になったサユリは今も彼に好意を寄せ、貴重な砂糖を使って作ったおはぎをよく差し入れしました。そんな2人の仲を昌平も微笑ましく見守っていました。

中隊が見事に玉砕した四郎の戦死の報せと共に、せめてもにと戦友が添えてくれたガダルカナル島の砂が届きました。息子4人を兵隊に出したミツは愛国の母や軍神の母と褒められ、婦人雑誌の取材を受けます。似顔絵を掲載するために写真を撮りますが、ミツは笑顔にはなれませんでした。

【転】- おかあさんの木のあらすじ3

志願兵となった誠が出征する前日、ミツに別れの挨拶をするためにやって来ます。ありがとうございましたと深々と頭を下げた誠は、産みの親がミツであることを知っていました。未練を残さぬよう誠は足早に去って行きます。ただ案じるしか出来ないミツは、誠の苗木も植えました。

二郎の消息が気になり、県庁へ行けば情報を教えて貰えると聞いたミツは、独り汽車で向います。庁舎内で迷っているミツに親切に声を掛けてくれた男性がいましたが、警察に追われ逃げていきました。戦争に反対する運動をしていたのです。非国民と言われても、戦争に異議を訴える者もいました。結局二郎の安否は分からず仕舞いです。
しばらくして二郎からの手紙を昌平に代わってサユリが急いで届け、代読してくれました。二郎の無事を知り、ミツらにほんのひと時の幸せな時間が流れます。しかしサユリは勤労動員として、神奈川の軍需工場で働くことになります。サユリは以前より更に砂糖の減ったおはぎを持って五郎に別れを告げました。

二郎は中国・保定で幹部候補生として半年間の教育を受けることになります。上官に呼ばれた二郎は「父も亡くなり、兄弟も戦死している君は生きて帰れ」と命じられます。死ぬ気で戦えと言われ続けてきた二郎にとって初めての言葉でした。半年後、二郎は南方への配属が決まります。

畑作業をしていたミツのもとに再び鈴木が向かって来たため、「帰ってくれや」と言って思わず逃げ出します。しかし家へ行くと、五郎が召集令状に押印していました。現在六郎は寄宿舎住まいのため、いよいよミツは家に独りぼっちになります。ミツは五郎の見送りには行かないと頑なに言い張りました。
出征の日五郎が恋しくなったミツは、汽車の出発直前に駅に駆け付けます。戦争には行かせまいとミツは五郎の脚にしがみつくと、警察や軍人に「この非国民が!」と蹴飛ばされ、力づくで引き離されました。
反軍行為として警察に乱暴に聴取されたミツは、額から血を流しても一切口を開きません。そんなミツを助けに来たのは、意外にも鈴木でした。「5人の息子を兵隊に出し、3人が天皇に命を捧げた愛国の母だ」と鈴木が警察に訴えたお陰でミツは釈放されます。家に戻ったミツは、辛い思いをさせてしまったねと話しかけながら、五郎の苗木を植えました。

【結】- おかあさんの木のあらすじ4

戦争は長引き方々から金属が回収され、兵隊の毛皮にするために猫や馬まで没収されました。
幸運にも五郎は二郎と同じ中隊に合流し、久々の再会を果たします。二郎は左目や腕などを重く負傷していました。五郎は昌平が送ってくれたミツの雑誌の絵を見せますが「どこか淋しそうだ」と二郎は呟き、“2人は生きて帰る”と手紙を書いてやれと五郎に言いつけました。

ある日、畑の納戸に隠れている男がいました。県庁でミツに声を掛けてくれた男でした。反戦活動で警察に追われていたのです。かくまったミツは僅かな食事を男に差し出すと、凍えた彼が縋ってきます。ミツは息子を抱きしめるような気持ちになり、男の体を力いっぱい摩ってやりました。朝には男は去って行きました。

その後出征した六郎は特攻隊で、誠は沖縄で戦死しました。五郎が書いた手紙はだいぶ遅れて届き、昌平が代読しました。ミツは二郎と五郎が生きていることに希望を見出し、手紙を大切に大切に握りしめました。
しかし終戦を迎えた頃二郎は戦死し、同じ南の島にいた五郎は行方不明のまま帰りませんでした。次の春、そして夏、秋を迎えても帰って来ませんでした。
冬になり、生きていた五郎が足を引きずりながら家へ戻ってきます。感極まる五郎でしたが、ミツは桐の木の傍で既に冷たい体になっていました。

年老いたサユリはあの木の所以を語り終えると、伐採計画を立てている職員らは涙を浮かべ、日を改めることにしました。戦後サユリは五郎と結婚しましたが、五郎は10年前に先立ちました。職員が去った後もサユリはまどろみながら呟きます。「あの木を切ってはならぬ、あれはおかあさんの木じゃ」と。

みんなの感想

ライターの感想

全体の演出や音楽はクサイな…という印象を受けましたが、鈴木京香さんの表情ひとつひとつに涙が誘われました。息子を見送る時に凛として見せた顔、心配・不安に満ちた顔、もう息子を兵隊にはやらないと強い気持ちになった顔…。鑑賞するのが辛くなりました。また、遠い昔を思い出すように語る奈良岡朋子さんにはずしりと重みがありました。
戦時中独特の言葉が多く使われているので、戦後に生きる人間には非常に勉強になりました。

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