「おみおくりの作法」のネタバレあらすじ結末

おみおくりの作法の紹介:2013年製作のイギリス&イタリア合作映画。第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門監督賞含む4賞受賞。孤独死した人の葬儀を執り行う公務員の姿を描く人間ドラマ。

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予告動画

おみおくりの作法の主な出演者

ジョン・メイ(エディ・マーサン)、ケリー・ストーク(ジョアンヌ・フロガット)、プラチェット氏(アンドリュー・バカン)、ジャンボ(キアラン・マッキンタイア)、メアリー(カレン・ドルーリー)、シャクティ(ニール・ディスーザ)、ホームレスの男(ポール・アンダーソン)、ホームレスの男(ティム・ポッター)

おみおくりの作法のネタバレあらすじ

【起】- おみおくりの作法のあらすじ1

ジョン・メイはイギリス・ロンドンの南部にあるケニントン地区の民生係をしています。44歳独身の男性で、親族はおろか、友人すらいません。
メイは非常に几帳面な人間で、それは日常の些細な仕草だけではなく、仕事ぶりにも顕著に表れていました。
メイの主な仕事は、孤独死した人物の葬儀をおこなうことです。本当は単に事務処理をおこなえばよいのですが、メイは異なりました。
死者の部屋を訪問しては、私物を丁寧に見て一部を遺品として保管します。アパートやマンションの家主には、荷物の処分をしてくれる業者の連絡先を渡します。
死者のアルバムがあれば持ち帰り、家族や友人がいないか、つぶさに調査しました。
そして死者が好きだった曲を選んでは葬儀に流し、葬儀で読み上げられる弔辞までメイはしたためます。
土葬の際には墓まで見送り、引き取り手のない遺骨は、一定期間保管した後、散骨しました。
毎日同じ時間帯に出勤し、仕事が終わるとまっすぐ帰宅し、食事も家でランチョンマットを敷いて綺麗に食器を並べて食べます。
食後は〝調査終了〟になった死者の写真を、自分用のアルバムに貼りました。〝調査終了〟の書類はオフィスに保管していますが、それ以外にメイは自分用に、死者の写真を集めては丁寧にアルバムに貼りつけていました。
孤独死した人の家族と連絡が取れることがあります。そういう時メイは嬉しいのですが、遺族が気にするのは「葬儀費用の支払い義務があるのかどうか」「参列義務があるのか」でした。
メイは毎日死者のために、丁寧な「おみおくり」の仕事をしていましたが、皮肉なことにそれを理解してくれる人はいませんでした。
ある日、メイにとってショックな出来事が2つありました。
1つめはある孤独死です。ハクスリーより電話をもらったメイは、いつものように遺体が発見されたアパートに行きました。
そこはなんと、メイの向かいのアパートでした。真向かいのアパートの一室で、見知らぬ人とはいえ死者が数週間、発見されずにいたのです。
メイはそのことにショックを受け、少しばかり責任も感じます。 この映画を無料で観る

【承】- おみおくりの作法のあらすじ2

2つめはメイ自身の出処進退です。
その日の業務の終わり、メイは上司のプラチェット氏に呼び出されます。配属されてからメイの仕事ぶりを見ていたプラチェット氏は、メイの仕事をよしとしませんでした。
役所の無駄を省くため、ケニントン地区の民生係はダリッチ地区と合併となり、業務はダリッチ地区の担当者の女性・ピルジャーへ移ります。
経費削減を推し進める自治体によって、勤続22年にしてメイは解雇されました。次の就職先を探せと言われます。
あまりのことに、メイはとっさには言葉が出てきませんでしたが、かろうじて今日の案件のことだけ口にしました。
プランチェット氏はそれをメイの最後の仕事とし、「その代わり3日で終えてくれ」と言います。
さて、そのメイの最後の仕事ですが、死者の名前は部屋にあった身分証明書から、ウィリアム・ビリー・ストークという男性ではないかとされました。断言できないのは、死後数週間も経過しているため、遺体の顔の判別ができないからです。
メイは遺体の発見された部屋から持ち帰ったアルバムをチェックし、現像されていないネガは現像に出して確認しました。これも毎度のことです。
死者のアルバムには、少女の写真がありました。写真は古く、少女は死者の娘ではないかとメイは考えます。写真は少女時代で終わっていました。
死者はビリー・ストークと判明しました。さらに若い頃の写真を見たメイは、ビリーのかぶっている帽子から「オーカム製パン」に勤めていた過去も突き止めます。
オーカム製パンに赴いたメイは、故人の人となりを聞きました。ビリーは短気な人で、パン工場もトラブルで辞めていました。
一時親友だった男性から、ビリーは女性にはよくもてていたと聞きました。パン工場を辞めた後は、ビリーは美人のフィッシュ・アンド・チップス店の女性とウィットビーへ行ったそうです。
親友だった男性に葬儀の話をしますが、彼は「いまさらそんな…ビリーが生きてたら飲みに行くけど」と言葉を濁しました。
翌日、メイはプラチェット氏に欠勤の電話をすると、ウィットビーへ行きます。

【転】- おみおくりの作法のあらすじ3

イギリスの北東部に位置する港町・ウィットビーへ行ったメイは、フィッシュ・アンド・チップスの店を1軒1軒訪ねて歩きました。
気の遠くなるほど巡った後、メイはやっとお目当ての女性・メアリーに辿り着きます。
メイはそこで、故人・ビリーとメアリーの思い出を、店を当たり前のように手伝わされながら聞かされました。
メアリーはビリーとそこで一緒に暮らしていました。上の子はその時の子です(ほかに幼い弟がいる)。但し、アルバムの少女とは違いました。
短気なビリーはメアリーと一緒に港町・ウィットビーに越した後、しばらくは船で仕事をしていましたが、EUの政策のせいで廃業します。
その後はフィッシュ・アンド・チップスの〝メアリーの店〟を手伝っていましたが、ある時メアリーを口説く男性と揉めて、ナイフを持った相手の男の手を油に突っ込むトラブルを起こしました。
以来、ビリーは人が変わったように乱暴になり、しばらくして家を出て行ったそうです。行き先は知らないが、刑務所ではないかとメアリーは言いました。
お手伝いのお礼にフィッシュ・アンド・チップスをもらったメイは、晩ご飯にそれを食べました。
メイに代わって仕事をする女性・ピルジャーは雑な散骨をしています。それを横目で見ながら、メイはビリーの葬儀の手配をしました。
上司のプラチェット氏に会いに行くと、メイは最後の案件にもう数日欲しいと言います。プラチェット氏は「自分の時間でやるならいい(解雇後なので無給)」と許可しました。
刑務所に行ったメイは、ビリーが服役したことを知ります。模範囚でした。
20年前以上前のことは、内務省に聞かないと分からないと答えられます。
内務省で調べると、昔、ビリーはトゥルーロという場所で暮らしていたことが判明しました。
若かりし頃のビリーは、ビルの4階部分から歯だけで3分半もぶら下がり、賭けで得た金を慈善事業に回していた過去も分かります。
そしてついに、メイはビリーの写真にあった少女を突き止めました。
その少女は30歳近くの女性に成長していました。ケリー・ストークという名のその女性は、ドッグ・シェルターで働いていました。
ケリーに父親の死を告げると、葬儀はいつなのか聞いた後、ケリーは葬儀への参列は辞退します。しかしメイが父の部屋にあったアルバムを渡すと、嬉しそうに受け取りました。アルバムは、メイがきちんと新しいものに張り替えています。
ケリーは父・ビリーが手紙をくれなかったことを怒っていました。ケリーのほうでは、父を嫌っていたわけではなかったのです。
ビリーはケリーが10歳の時に家を出ていました。ケリーの18歳の誕生日に電話をくれたものの、基本的にはずっと音信不通で、最後に会ったのも刑務所の出所直前の面会で、でした。
ケリーはその時に父が母と自分を捨てたことを責め、それ以来、会っていなかったそうです。

【結】- おみおくりの作法のあらすじ4

ビリーはフォークランド紛争の際、パラシュート部隊として活躍しました。その時の親友・ジャンボがビリーと会いたくて10年前にケリーに連絡を寄越しましたが、ケリーは父の居場所を知りませんでした。
ケリーの母は3年前に他界していました。
メイは「もし気持ちが変わったら言ってくれ」と言います。
施設にいるジャンボという男性に会いに行ったメイは、除隊後のビリーはしばらくの間、バークレースクエアで路上生活していたと知りました。戦争で人を殺した記憶のせいで、ビリーは一時、普通の暮らしができなかったのです。
バークレースクエアに行ったメイは、ビリーを知る路上生活者に聞いて回り、葬儀の話をしました。
さらにそこで、昔ビリーはレズリーという女性と恋仲だったと知りますが、レズリーは亡くなっています。
ビリーの資料に〝調査終了〟と書き込んでいるメイに、ケリーから連絡が来ました。ケリーは葬儀に参加したいと言います。
メイはビリーの葬儀にしたいことをケリーに会って話しました。ケリーは葬儀の後にさらにおしゃべりしたいと言い、メイは恋の予感にわくわくします。
ケリーと会った後、ケリーへのプレゼントとして犬のイラストが描かれたマグカップを買い、車道に出たメイは、赤い2階建てバスに轢かれました…。
…ビリーの葬儀が営まれます。メイの奔走の甲斐あって、ケリーはもちろんのこと、メアリーやその娘、パラシュート部隊の友人たち、路上生活者、パン工場時代の友人など、総勢20人ほどの人が集まって、ビリーは賑やかに送りだされます。
その横で、誰にも知られずに、ひっそりとメイの葬儀も行なわれていました。44年の生涯でした。生前に墓地の予約をしていたメイは、日当たりのよい一等地に葬られますが、参列者は誰もいません。
横で葬儀するケリーがふと目線を寄越しますが、それがメイの葬儀だとは気づきませんでした。
埋められたメイを訪れる者はいませんでしたが、代わりに今までメイが丁寧に扱った死者たちの霊(100人程度)が、次々に集まってメイの墓を取り囲みました…。

みんなの感想

ライターの感想

なんというか…ハッピーエンドなのかそうじゃないのか、ほんと困る作品。でも名作。
主人公の仕事ぶりは「生真面目」そのもの。しかし残念なことに、上司からの理解を得られない。
それで解雇になってしまうわけだが、彼はスタイルを変えることなく、最後の仕事を貫こうとする。
プライベートでも、ぴちっと食器を揃えたり、ナイフやフォークも綺麗に並べたりするから、元々几帳面な人なのだ。
お向かいに住んでいた男性の孤独死を扱った主人公は、男性の過去をどんどん掘り下げていく。
そして最後に念願の娘とも会い、さらに恋に発展しそうな気配の時に、あっけなく交通事故で亡くなってしまう。
ある意味においては「倖せの絶頂の瞬間に死んだから、幸福だったろう」とも思える。
また、彼の丁寧な「おみおくり」をしてもらった死者たちが、最後に主人公の墓に集まってくるシーンには、涙が出た。
しかしこれも裏を返せば「悲しいかな、生きている者には評価されていない」証でもある。
そう考えると、非常にせつない話。

    匿名さんの感想

    始めまして、
    コメントさせていただきます。

    日当たりの良い一等地に埋められたのはビリーです、主人公メイは小さな十字架の沢山たった…多分寄り合い墓所のような場所に埋められます。
    最後の仕事であるビリーにメイは墓を譲っていました

    ケリーが最初に振り返ったのはメイを運ぶ霊柩車でした、メイが来たのではと振り返ったのです。

    彼女はこの後、あの真面目そうなメイが何故か来なかったことが気になると思いましす。
    多分連絡を取り、あのいい加減な上司に一片の良心があれば事実を知るでしょう。

    でもそれを知るのは私はもっと後でも構わないと思います。
    死んだ父に優しくしてくれた最後の人が、そんな哀しい死に方をしたと知れば彼女が哀しむ事は分かっています、
    なら彼は彼女に自分の死を知ってほしいか微妙だからです。

    すぐには望まないでしょう。

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