「たみおのしあわせ」のネタバレあらすじ結末

たみおのしあわせの紹介:父と二人暮らしの奥手な青年民男。お見合いで出会った女性と結婚に進むなか、周囲の大人たちが引き起こす騒動に巻き込まれていく。
ドラマ時効警察の名コンビを主演に、同じく熊本課長役で出演していた俳優でもある岩松了が、14年ぶりにメガホンを取った結婚エンターテイメント作。脚本も岩松の完全オリジナルで、2008年の公開作品。

たみおのしあわせの主な出演者

神埼民男(オダギリジョー)、三枝瞳(麻生久美子)、透(小林薫)、宮地雪江(大竹しのぶ)、宗形(石田えり)、変な男(忌野清志郎)、レイコ(冨士眞奈美)、神埼伸男(原田芳雄)

たみおのしあわせのネタバレあらすじ

【起】- たみおのしあわせのあらすじ1

奥手で地味な青年・民男は、母・仁美を亡くして以来、茶畑の広がるのどかな町で、父・伸男と二人で暮らしています。仁美の親が医者だったため、家の離れには今も診療所が残されていました。本来、家や土地の権利は仁美の弟・徹にありますが、彼は医者を継がず15年前にニューヨークに行ったきりでした。
伸男はこれまで民男のことを優先し、会社での栄転話を断ったり、恋人が出来ても再婚はしないなど、自分のことは後回しにしてきました。現在は会社の部下で販売員の宮地と交際していますが、民男には隠しています。男同士の生活は会話がぎこちないものの、伸男はなかなか子離れができずにいました。

伸男の唯一の夢は、民男の結婚です。あるとき伸男は会社の社長から、民男にお見合い話をもらいます。しかし民男は何度も見合いをしましたが、毎度のこと破談にさせていました。社長の紹介にも関わらず今回も成立しないのではないかと、伸男は不安になります。
お見合い当日。民男の前に現れたのは美人な瞳でした。女性との交流が苦手な民男を終始瞳がリードし、二人は和やかな時間を過ごします。夜は家に招き、冷静を装いつつも内心は大張り切りの伸男を紹介しました。
帰りに瞳を送った民男は、駅のホームでプロポーズされます。驚いた民男は、全速力で家に戻り伸男に報告し、二人は大喜びしてビールで祝杯をあげました。

翌日伸男は宮地や社長に見合いの成功を知らせます。紹介した社長は鼻高々でした。その一方で部長・山室は、伸男の振る舞いに目くじらを立てていました。伸男はかつても元販売員の宗形と交際していたのですが、別れた後に優秀な彼女が仕事を辞めたという過去があったのです。

【承】- たみおのしあわせのあらすじ2

伸男は先に帰宅していた民男から、エアコンをつけたままだったと注意されますが、全く身に覚えがありません。それもそのはず、実は帰国していた透が屋根裏に潜んでいたのです。一旗揚げようとアメリカへ行った透は、今では金もなくだらしない生活をしていました。
透がタバコを買うために外へ出ると、近所に住む初老の山田に姿を見られてしまいます。事情を話し山田に協力を仰いだ透は、後日診療所で山田と落ち合いますが、山田は恋人・レイコとの逢引場所として診療所を使いたいと乞うため、透は断れませんでした。

民男は瞳とデートして交流を重ねますが、趣味も全く合わず、瞳の周囲の人間は結婚に驚きます。瞳は謎めいていました。
民男の帰宅が遅いと聞いていた伸男は、宮地を初めて家にあげます。ところが家にはタバコの匂いがし、人の気配がありました。山室から宗形との過去を聞かされていた宮地が彼女の名前を出したことで、伸男は宗形に合鍵を渡したことを思い出します。その後宮地は体を求めて来ますが、宗形が侵入したのではと気になる伸男はそれどころではありません。妬いた宮地は鍵を変えるよう勧めました。
後日、伸男は鍵を変えた理由を民男に話すと、民男は柄の悪かった宗形のことを未だに悪く言いました。伸男はますます宮地を紹介しづらくなります。

ある日宮地が伸男の留守中に家を訪ねると、見知らぬ顔の透を見かけます。透は増幅した逢引希望の老人たちを前に、診療所内で熱弁を振るっていました。覗き見した宮地は透に気付かれ、自転車で逃げますが、転んで捕まってしまいます。口が巧い透は伸男が女性に対して無責任だと非難すると宮地は彼の考えに共鳴し、二人はその場で結ばれました。

【転】- たみおのしあわせのあらすじ3

囲碁が好きだと瞳が言っていたため、独学した民男は瞳を囲碁センターに連れて行くと、偶然隣の座席にいた山室に声を掛けられます。山室は伸男と宮地の関係を民男に告げ口しました。

両家の顔合わせが行われます。瞳の父は継父で、母はとにかく早く子供を産めとうるさく、瞳はうんざりしていました。食事会は無事に終わり伸男と民男が帰宅すると、“帰国する”と透からのエアメールが届いていました。透が山田に協力してもらい、海外から送ったのです。

その後宮地は仕事を遅刻しだし、伸男に冷たい態度を取るようになります。その様子を見た山室に誘われ、伸男は彼と酒を飲みに行くと、宮地との交際を民男に話したと告げられました。
その夜、民男が帰宅すると家の前に瞳が佇んでいました。二人は民男のアルバムを眺めた際に飲み物を零し、瞳の服が濡れてしまいます。民男は着替え用に母の浴衣を貸しました。浴衣姿の瞳に民男が見とれていると、「私のことちゃんと見ててね。凧みたいな女だから、下で紐を引っ張ってくれる人がいないと飛んで行っちゃう」とせがまれます。民男は興奮を抑えきれず瞳にキスして押し倒しますが、ちょうど伸男が帰ってきてしまいます。帰宅した伸男もまた艶っぽい視線を送ってくる瞳に激しく動揺しました。

帰国したフリをした透が、宮地と選んだ派手なスーツを着て家に帰ってきました。
一方、会社に出社しなくなった宮地は、透が診療所で荒稼ぎするツボと灸の講座を手伝い始めていました。宮地と連絡がつかないと社員に言われた伸男は帰社後に彼女の家の前で待ち、久々に食事に出掛けます。何も知らない伸男は来週の自分の誕生日に食事に行こうと誘い、落ち着いたら民男にも紹介すると話しますが、宮地はつれない態度でした。
透が宮地と暮らすため、知人の家に行くと民男に告げます。酒を飲んだ透は、伸男と民男の依存しあった関係を否定し、伸男が自分にも女にも責任を取っていないと言い放ちました。それでも民男が、今度の女性とはうまくいきそうだと嬉しそうに話すと、透はムッとしました。

【結】- たみおのしあわせのあらすじ4

伸男の誕生日。朝、駅まで一緒に歩いた民男は、伸男が宮地と食事に行くと思い、伸男の乗車間際に「頑張れよ、宮地さん」と声を掛けました。伸男は気まずくて、返事もできません。
伸男は料亭を予約しますが、宮地にあっさり断られます。夕方瞳から連絡を貰った伸男は、彼女を食事に誘いました。
誕生日だと知っていた瞳は、伸男にネクタイをプレゼントします。お酒を飲んだ瞳は上着を脱いだり、妙に色っぽい口調や仕草をするので、再び伸男は動揺しました。伸男が帰宅すると食卓には、民男からの誕生日メッセージとネクタイピンが置かれていました。

翌朝、伸男はもらったネクタイとピンをつけ、夜は民男と外食する約束をします。出社後にネクタイの裏を見た伸男は、“瞳”と刺繍されていたことを知り、思わず外しました。
出勤しようとした民男は診療所のドアが開いているのを見て中に入ると、山田やレイコと遭遇し、事の真相を知ることになります。民男は激怒しますが、宮地を追い込んだのは民男で、それを黙認したのは伸男だとレイコに罵られます。それでも民男は父を裏切った宮地や透を許せませんでした。
民男は落込んだまま伸男と食事に行きます。伸男は、民男が山室と会ったことを隠していたことに腹を立て、口喧嘩になってしまいます。それでも民男は宮地の真相については話せませんでした。

結婚式当日。控え室にいる民男のもとに、伸男が宮地を連れてきます。民男は宮地の顔を見るのも嫌で言い訳をして部屋を出ると、透と遭遇したため彼を尾行しました。透は宮地と物陰で絡みつき、伸男と民男を家から追い出す画策をしていました。民男はショックで脱力します。
民男のいない待合室にドレス姿の瞳がやって来ます。伸男がきれいだと褒めると、瞳は「ドキドキしてきちゃった」と伸男に抱きつきました。

民男は式が始まってもはらわたが煮えくり返っていて、透と宮地を睨みつけました。一方、伸男は瞳を見ては落ち着かず、汗が吹き出します。誓いの言葉で宣誓が出来ずにいる民男に、伸男が「民男!!」と叫ぶと、二人は手を取り合って教会から逃げ出しました。
走って逃げた男二人はバスの後部座席に乗り込むと、乗客たちに白い目を向けられました。場所も分からない高原までバスに乗って、二人は降車します。そこで母の幻影を見た民男は、背丈ほどある草むらに入っていく母を追いかけます。そんな民男を伸男も追いかけ、草むらに消えていきました。

みんなの感想

ライターの感想

最後は映画『卒業』のパロディか、オマージュなのか(笑)あの逃亡シーンを描くために、この作品を作ったのではないでしょうか。バスの後部座席に乗っているのが燕尾服の父子だなんて、なんとも滑稽な絵面でした。

今でこそ〝毒親″なんて言葉が広まりましたが、10年ほど前に親子の過干渉について取り上げていたとは、岩松監督は世俗への着眼点が鋭いと感じました。
伸男・民男のしあわせとは、父子関係を邪魔されないこと…なのでしょう。親子の依存は問題ではありますが、二人とも決して悪い人間ではないし、民男の育った環境を鑑みても、二人を否定しきれませんでした。憎めない…。
俳優陣の巧さが光る作品でした。

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