「ながらえば」のネタバレあらすじ結末

ヒューマンドラマ

ながらえばの紹介:妻と離れ離れになったお年寄りが、まともなお金も持たずに家を飛び出した。
1982年の山田太一原作のドラマ。笠智衆の主演シリーズがDVD化され、その中の一作品。笠智衆と宇野重吉の豪華な共演は、ドラマとしては史上今作だけである。第37回芸術祭優秀賞、第10回放送文化基金賞本賞、第23回モンテカルロ国際テレビ祭最優秀演出賞、第15回テレビ大賞優秀番組賞、第33回芸術選奨文部科学大臣賞受賞作。

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ながらえばの主な出演者

隆吉(笠智衆)、悦子(長山藍子)、理一(中野誠也)、美代子(佐藤オリエ)、もと(堀越節子)、謹造〈旅館主人〉(宇野重吉)

ながらえばのネタバレあらすじ

【起】- ながらえばのあらすじ1

70代の隆吉は、息子理一の転勤により名古屋から富山へ居を移しました。入院中の隆吉の妻もとは名古屋に残り、娘の悦子が面倒を看ることになりました。頑固者の隆吉は出発前に、もとに会わないまま名古屋に来たため、後悔すると同時にこのまま妻は快復しないのではないかと不安に思っていました。
富山に来て2日目。隆吉は理由を告げずに、名古屋に行くための資金を貸してほしいと理一に頼みます。隆吉は引越し費用を理一に渡していたため、手元に金がありませんでした。しかしこちらに来たばかりだと、理一に一蹴されます。
翌日、嫁美代子の留守を狙い、隆吉はタンスから金を奪おうとすると、美代子が帰ってきてしまいます。慌てた隆吉は彼女を突き飛ばし、たった3千円を持って一人で名古屋に向かいました。
早速理一から悦子に連絡が入ります。隆吉が名古屋に行く理由は誰にも分からず、欄間職人だった隆吉が、取壊される予定の欄間を見たいのではないかと予想していました。

【承】- ながらえばのあらすじ2

急行券が買えるはずもない隆吉は、途中下車を車掌に命じられます。親切な車掌は次の普通列車の時間まで教えてくれました。山間部の猪谷駅で2時間も待つことになってしまった隆吉は、暇つぶしに駅の外へ出て景色を眺めていました。
隆吉がのんびりしていると、電車が駅に着いてしまいます。改札で切符を無くしたことに気付いた隆吉は駅員に言えず、電車は行ってしまいます。名古屋行きはその日の最終列車でした。
同じころ、もとは体調が悪くなり個室へ移されました。もとは意識朦朧となりながらも、仕事を終え駆けつけた悦子の顔の痣を気にかけます。悦子は夫に暴力を受けていました。もとはなんとなく隆吉が来るような気がすると言い出し、悦子は母の死期が近いのではないかと不安になります。
隆吉は駅の近くの古い旅館を訪れますが、ここでも所持金が無いと言い出せないまま部屋に通されました。隆吉は申し訳なくて、部屋で足を伸ばすこともできずにいました。

【転】- ながらえばのあらすじ3

旅館は客もいないのに忙しなくしていました。理由は今しがた、旅館のおかみさんが亡くなったのです。状況を理解した隆吉が部屋でおろおろしていると、ズボンの折り返し部分に、無くした電車の切符を見つけました。
そのころ、もとは更に容体が悪化し集中治療室へ運ばれます。連絡を受けた理一は深夜急行で名古屋へ発ちました。家族は隆吉の行方もわからず、心配事が重なります。
隆吉は、妻を亡くし気を落とす同世代の旅館の主人謹造に同情しお悔やみを伝えると、彼に酒に付き合ってほしいと乞われます。
謹造は妻を旅行に連れて行なかったこと、まともに会話もしなかったことを悔やんでいました。謹造の言葉に隆吉は自分はもっと何もせず、このままでは妻に一生会えないかもしれないと反省の弁を述べました。 この映画を無料で観る

【結】- ながらえばのあらすじ4

隆吉は思い切って「金を貸してほしい」と謹造に頭を下げ、腕時計を差し出しました。謹造に「奥さんに会いたいんでしょ」と言われても、彼を気遣い隆吉は頷くことができません。それでも謹造は詳しい理由も聞かずに、金を貸してくれました。謹造は「仏(亡き妻)が、うちへ泊めたのかも」と呟き、隆吉は亡骸に手を合わせました。そして隆吉は朝一番の急行で名古屋に向かいました。
隆吉が病院へ着くと、もとは一命を取り留めていました。心配していた悦子に隆吉はこっ酷く叱られますが、それでも名古屋に来た理由は話しません。
もとの寝顔を見た隆吉はホッとして、おでこに口づけしようとすると彼女が目を覚ましたため、思わずそっぽを向きました。もとはただ「大変でしたね」とだけ言うので、隆吉は「お前とおりたい」と涙ながらに伝えました。聞いたこともない夫の言葉に、もとも涙があふれました。
隆吉と理一は再び富山行きの電車に乗っています。隆吉は穏やかな表情をしていました。

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みんなの感想

ライターの感想

テレビ作品だったため、フィルムの味わいなどはありません。でもボロボロと泣きました。
非常に個人的な感想ですが、素直に気持ちを表現できない隆吉の姿から自分の祖父の面影を思い出し涙が出ました。車掌も駅員も旅館の主人もやさしくて、また涙。
特に笠さんと宇野さんが対話するシーンは、胸にじーんと来ました。
人情ものに弱い人、『はじめてのおつかい』で涙する人(今作はお年寄り版とも言える)、そしておじいちゃん・おばあぁちゃんと暮らした経験のある人は、ハンカチのご用意をおすすめします。

作品の製作当時より、遥かに高齢化が進んだ昨今。日本全体が、他人事ではない内容だと思いました。でもあの時代のような、見ず知らずのひとの優しさに触れることは少ないように感じます。淋しいですが。

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