「わが命つきるとも」のネタバレあらすじ結末

わが命つきるともの紹介:1966年製作のイギリス映画で、同国で16世紀に活躍した哲人トーマス・モアを主人公とした伝記的映画。原作となった戯曲を手掛けたのは「アラビアのロレンス」の脚本家ロバート・ボルトで、本作の脚本も務めた。第39回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門に輝いた名作。

わが命つきるともの主な出演者

トーマス・モア(ポール・スコフィールド)、クロムウェル(レオ・マッカーン)、ヘンリー8世(ロバート・ショー)、ウォルジー枢機卿(オーソン・ウェルズ)、マーガレット(スザンナ・ヨーク)、アン・ブーリン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)、アリス(ウェンディ・ヒラー)

わが命つきるとものネタバレあらすじ

【起】- わが命つきるとものあらすじ1

舞台は16世紀のイングランド。ときの国王ヘンリー8世は愛人アン・ブーリンと結婚するために、正妻キャサリンとの離婚を望んでいました。しかし、離婚に強く反対するローマ法皇から許可が出る見通しはまったく立っておらず、この状況を打開すべく枢機卿ウォルジーはある男に助けを求めます。その男とは、法律家でありヨーロッパから尊敬を集める偉大な思想家トーマス・モアでした。ウォルジーは現在の世継問題を解決するには、愛人のアンに男児を産んでもらうしかなく、それによって国の混乱が避けられると説き、トーマスにローマ側に掛け合うよう依頼します。しかし、信仰心の篤いトーマスは良心に従わないことこそ混乱を招くと考え、この依頼を断ってしまいます。

ウォルジーとの話を終え、トーマスが家に戻ろうとすると、その道中で貧しい人々が押し寄せてきました。その多くはトーマスに窮状を訴える人々でしたが、中には自分の裁判を有利に進めてもらうために賄賂を贈る者もおり、トーマスは裁判を抱える一人の女性から無理やり銀の杯を渡されてしまいます。家に戻ると、トーマスを慕う青年リッチが待ち構えていました。リッチはトーマスに宮廷で働けるよう口利きを願いますが、トーマスはその願いを思い留まるよう説得します。トーマスは銀の杯をリッチに渡し、賄賂だらけの宮廷にいることはとても苦しいことと伝えますが、それでもリッチの野心は収まることはありませんでした。

それから間も無く、ウォルジーは失脚、トーマスは大法官へと昇進を果たします。その直後、ヘンリー8世が多くの家臣を従えトーマスの邸宅を訪れました。ヘンリー8世はローマ側との交渉をトーマスに直接依頼しますが、トーマスはこれを拒否。怒って帰っていくヘンリー8世を見送るトーマスに、妻のアリスは「正直すぎるのよ」と呆れ返っていました。

【承】- わが命つきるとものあらすじ2

その後もリッチはトーマスに宮廷入りの口利きを頼み込んできました。リッチは忠誠を誓うと口にしますが、トーマスは今夜にも忠誠を破るとリッチの本性を見抜き、再びリッチの願いを断ります。リッチはトーマスを頼ることを諦め、別の人物の元へと向かいます。その人物とは、国王の離婚を強く支持する政治家クロムウェルであり、トーマスを敵対視している男でした。宮廷入りさせる見返りに、クロムウェルは国王の離婚に協力するようリッチに求めてきました。リッチは良心を痛ませながらも、トーマスが銀の杯を賄賂として受け取ったという話をクロムウェルに明かすのでした。

ローマ側からの許可を得ることに見切りをつけたヘンリー8世は、クロムウェルの助言の下、国王をイングランド国教会の首長とする首長令を発布します。ローマ法皇に反対するこの法令に絶望したトーマスはただちに大法官を辞任しますが、トーマスの家族は生活が突然不安定になり、ひどく困惑していました。妻のアリスはこれまでの経緯をトーマスに尋ねますが、トーマスはこの件について沈黙を守り続けました。家族が詳細を知ることで危険に巻き込まれることをトーマスは恐れたのです。

【転】- わが命つきるとものあらすじ3

このトーマスの沈黙は国王への反逆の意ととらえられ、トーマスの姿勢はヨーロッパ全体で支持されるようになります。クロムウェルは賄賂を受け取った罪でトーマスを処罰しようと企みますが、そんな中ノーフォーク公がトーマスの再度の説得に乗り出します。ノーフォーク公は尊敬するトーマスが罰せられることのないよう、国王の結婚式に出席し忠誠を示すようトーマスに求めました。しかし、国王の結婚式にトーマスが姿を見せることはありませんでした。

ヘンリー8世はこれに激怒し、トーマスを忘恩の罪で糾弾するようクロムウェルに命じます。ところが、尋問に呼び出されたトーマスはクロムウェルの様々な追求を交わし、まったく隙を見せません。ノーフォーク公も他の貴族と同じように妥協すべきと説得しますが、トーマスは自らの信念を貫く姿勢を崩そうとはしませんでした。

そして、ついにクロムウェルの手によりトーマスを狙い撃ちにする法令が発布されます。それは国王の結婚の宣誓を国民に義務づける法令で、その序文にはローマ法皇の結婚許可権を否定する文言が記されていました。トーマスはこの宣誓を拒み、その罪により幽閉生活を強いられることになってしまいます。

【結】- わが命つきるとものあらすじ4

数ヶ月後、トーマスはリッチモンド宮へと呼び出されました。そこには、ノーフォーク公、クロムウェル、そしていまや宮廷に仕え、立派な服を身にまとったリッチがいました。クロムウェルらに宣誓を拒んだ理由を問いただされるも、トーマスはここでも沈黙を守り抜きます。宣誓を拒んだだけでは罪に問われないことを法律の専門家のトーマスは見抜いていたのです。

その後、幽閉先にトーマスを説得するため家族が現れました。娘のマーガレットはトーマスによく似た聡明な女性でしたが、父を愛する気持ちから口先だけでいいから宣誓して欲しいとトーマスに嘆願して来ました。トーマスは妻と娘夫婦に信念を貫く覚悟を伝え、家族に国外に逃げるよう指示し、最後の別れを済ませました。夫とはもう会えないことを悟りながらも、妻のアリスは悲しみを見せまいと最後までたくましい姿をトーマスに見せるのでした。

それから間も無く、トーマスの罪を問う裁判が始まり、トーマスは神に祈りを捧げ法廷に向かいました。法廷には大勢の観衆や聖職者、そしてノーフォーク公とクロムウェルの姿がありました。トーマスは反逆罪の告訴内容に対して、これまでの通り沈黙していただけと反論を続けます。すると、そこに官職の鎖を首に掛けたリッチが証人として現れ、トーマスが議会の権限を否定する発言をしたという虚偽の証言を行いました。出世のために魂を売るかつての友の姿に絶望するトーマス。そして、この証言によりトーマスの有罪が確定してしまいます。

退廷を前にして、トーマスは自らの心情を初めて言葉に表しました。「首長令は神のおきてと教会に背くものである」。首長は聖職者がなるべきで、これはキリストが聖ペテロとローマ司教に授けた言葉に由来する…このトーマスの発言に、法廷はざわめき始めました。クロムウェルは激昂して反論しますが、それに対してトーマスは「私は忠臣だ」と返答します。そして、国王の結婚を認めないことを理由にトーマスを処刑しようとするこの裁判の本質を痛烈に批判するのでした。

その後、鳥がさえずる青空の下でトーマスの処刑は行われました。トーマスは辞世の言葉として「私は王の僕というより神の僕として死ぬ」と言い残しました。信念を貫き通したトーマスには神のもとへ行ける確信があったのです。そして、処刑人の斧は跪くトーマスの首へと振り落とされました。トーマスの首は獄門にさらされ、その後マーガレットが葬りました。後にクロムウェル、ノーフォーク公らは処刑され、ヘンリー8世もノーフォーク公の処刑前日に亡くなりました。そして、リッチは大法官となり、ベッドの上で死を迎えたといいます。

みんなの感想

ライターの感想

遥か昔にイギリスで起きた出来事を題材とした映画ながら、現代にも通じる重々しいメッセージを発信した作品だと感じました。思想が違うという理由でマイノリティが弾圧されるということはどの時代にも見られることであり、それに対して信念を最後まで貫いたトマス・モアはとても輝かしく画面に映っていました。一方、敵対する国王や貴族たちは赤や緑、金など色鮮やかに描いかれていますが、ポール・スコフィールド演じるトマス・モアの前ではその輝きは霞んでしまっているように感じられました。

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