「エヴェレスト神々の山嶺(いただき)」のネタバレあらすじ結末

エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)の紹介:2016年公開の日本映画。世界最高峰の山・エヴェレストに魅了された2人の男と、彼らを待つ女性の物語をつづった夢枕獏の小説「神々の山嶺」を映画化した人間ドラマ。実際にエヴェレストの高度5200m級での撮影を敢行するなど、迫力のある映像はもちろん、カメラマン役の岡田准一、伝説のクライマー役の阿部寛ら実力派たちの演技も見もの。

予告動画

エヴェレスト神々の山嶺(いただき)の主な出演者

深町誠(岡田准一)、羽生丈二(阿部寛)、岸凉子(尾野真千子)、宮川(ピエール瀧)、井上(甲本雅裕)、岸文太郎(風間俊介)、長谷渉(佐々木蔵之介)、アン・ツェリン(テインレィ・ロンドゥップ)

エヴェレスト神々の山嶺(いただき)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①山岳カメラマン・深町はカトマンドゥの故買店で、エヴェレスト登山史上最大の謎とされる「マロリーが登頂したかどうか」を知る手がかりになるカメラを見つける。所持していたのは姿を消した登山家・羽生だった。興味を持った深町は羽生を調べ始める。 ②羽生が前人未到のエヴェレスト登頂を狙っていると知った深町は、同行を求めて許可される。深町は挫折して単身帰国するが、気になって再びネパールへ。羽生が登頂に成功したことと、羽生の登る熱意の源を知った。

【起】- エヴェレスト神々の山嶺(いただき)のあらすじ1

神々に最も近い場所と言われる、ヒマラヤ山脈にある最高峰・エヴェレスト。
高さ8848mのこの山を制覇しようとした者がいました。
1924年6月8日、ジョージ・リー・マロリーとアンドリュー・アーヴィンの2人は、8740m地点で連絡を取ったのを最後に、頂上付近で同日12時50分に行方不明となりました。
1953年5月29日、エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイがエヴェレストの初登頂を果たしますが、彼らはマロリーとアンドリューの登頂の後という可能性も捨てきれません。
マロリーとアンドリューが山頂にたどり着いたのかは現在も謎のままです。
…1993年、ネパール。
深町誠は登山中にカメラで撮影する、クライマー兼カメラマンでした。
エヴェレストに登頂している最中、井岡ら2名が滑落してしまいます。深町は撮影したのですが、工藤から登頂中止と言われました。2名の死者がいながら登頂を続けるのは無理だと言われます。
それはすなわち、写真集も出ないということを意味していました。深町は落胆します。
ネパールの首都・カトマンドゥの故買店を冷やかしていた深町は、そこで、マロリーが持っていたとされるのと同じカメラを目にしました。150ドルで購入すると、店主にどこで手に入れたか質問します。
別の客がやってきて「この店は盗品を扱っている」と文句をつけました。
子どもを連れてきたのは、初老の男アン・チェリンとピサル・サルパ(毒蛇という意味)という大男です。その子どもがビサル・サルパの持っていたカメラを盗んでその店に売買したらしく、深町は手に入れたばかりのカメラを、その男に奪われました。そのカメラが盗品だったのです。
深町はカメラを渡す時、ビサル・サルパが羽生丈二という、かつて有名な登山家でありながら、7年前に消息を断った男だと気づきました。それと同時に、羽生に強い興味を抱きます。
日本へ帰国した深町は、早速羽生のことを調べ始めました。
岳遊社の編集者の男・宮川が「奴は山で死んだんじゃねえのか」と言いながら、協力してくれます。
宮川の協力もあり、羽生の山仲間の男・井上真紀夫から証言を得ました。井上は「登山はバランスやリズムの能力を必要とする。羽生は登攀(とうはん)センスを持つ天才的なクライマーだが、人間としては最低だった」と言います。
羽生の口の悪さが影響していました。時に人を突き離すようなことを発言する羽生は、皆から嫌われていました。
羽生は「山をやらなきゃ死んだも同じだろう」と語り、実際に1968年に谷川岳一ノ倉沢から滝沢第三スラブまでの鬼スラなど難所中の難所を成功させて、一躍有名になりました。
同じ年、アンナプルナ主峰(ヒマラヤ山脈)を目指した長谷渉(わたる)らは、失敗して帰国します。
登山では、ザイルパートナーとの絆が大事でした。ところが羽生は「もし滑落しそうになったら下の奴のロープを切る」という暴言を吐きます。
唯一羽生を慕っていたのは、岸文太郎という若者だけでした。岸は羽生に憧れ、羽生と組んで登山をしたがります。
その岸が、羽生と組んで北アルプス屏風岩を登攀している時に、事件が起きました。岸が滑落死したのです。
岸のザイルは岩で擦れて切れたのではないかという説もありましたが、普段の羽生の口の悪さが災いし「羽生が切ったのだ」という噂が山仲間の間で広まりました。それが元で羽生は、『屏風岩の疫病神』と呼ばれるようになり、以降は単独で登攀を続けます。

【承】- エヴェレスト神々の山嶺(いただき)のあらすじ2

羽生は7年前にネパールに渡ってから、行方不明になっていました。1991年にパスポートも切れているので、もし本当に深町が見かけた男が羽生ならば、不法滞在に当たるのです。だから『ビサル・サルパ』という偽名を名乗っているのではないかと思われました。
興味を持った宮川は「もしそれが本当だったら、何でも撮って来い」と言い、深町の金銭的援助を申し出ます。
その頃、深町にコンタクトを取って来た女性がいます。岸文太郎の妹・岸涼子です。
涼子は「兄が死んでから毎月、金が届く」と深町に話し、筆跡ですぐ羽生が送り主だと分かったと言いました。
それがきっかけで、羽生と涼子は交際を始めたと涼子は言います。
ネパールに渡ってからも毎月羽生からの手紙が続いていたのですが、3年前に「大切にしてくれ」というメモと共に、緑の宝石のペンダントトップがついたネックレスが贈られて以降、連絡が途絶えました。
涼子に勧められて、深町は長谷とも会います。長谷は羽生が1979年にグランドジョラス(アルプス山脈モンブラン山塊にある山)で滑落して左腕上腕部骨折と左足大腿骨骨折、肋骨骨折という重傷を負いながらも、凍った結び目を歯を使ってザイルの上に滑らせながら、片手片足と歯のみで25mの登攀をやってのけたことを果たしたと言いました。
1985年に長谷と羽生はエヴェレスト遠征に出かけました。ノーマルルートを選択する長谷と、南西壁を狙う羽生は衝突し、隊を2つに割ります。羽生は単独で複数分もの働きを見せますが、選ばれたのは長谷の方です。
遠征の途中、羽生は南西壁を見て「ここをまっすぐ登ったら気持ちいいだろうなあ」と洩らしたと言い、長谷は「どこでどんな暮らしをしてようが、羽生丈二は山屋だ。あの男にしかできないことをしようとしている」と言います。
深町と涼子を連れて再びカトマンドゥに行き、羽生を探すことを決めました。カトマンドゥで深町はまず、手がかりのない羽生の代わりに、一緒に行動していたアン・ツェリンを探します。
地元の子どもたちに「見つけたら金を払う」と頼み、登山用品店に聞きこみに行った2人は、アン・ツェリンに会いました。涼子のペンダントネックレスを見て、アン・ツェリンは「その石を大事にしてください」と言って立ち去ります。深町はアン・ツェリンの後を追いますが、下町の細い路地なので見失いました。
地元の子が情報を持ってきて、深町と涼子はアン・ツェリンのところへ行きます。
アン・ツェリンは田舎町の、田畑のある村に住んでいました。
深町と涼子を見ると、アン・ツェリンは観念したように奥に声をかけます。家から出てきたのは羽生でした。羽生はアン・ツェリンの娘・ドルマと結婚し、赤ん坊も生まれています。
7年前、羽生はエヴェレストを単独で目指しましたが、8000mを過ぎたところで吹雪でベースキャンプから動けなくなりました。羽生を見つけて村まで担いで運び、助けてくれたのが、アン・ツェリンと娘のドルマでした。いわば、命の恩人です。
羽生は2人の元で暮らすことを決め、それで涼子に別れのつもりでネックレスを贈ったのです。ネックレスはアン・ツェリンの妻の遺品でした。
羽生の無事を確認した涼子は身を引くことを決め、「必ず死ぬと分かっているようなことだけはしないで」と言って去ります。
深町は羽生と会い、羽生が狙っているのが『無酸素で冬のエヴェレストの南西壁を単独で登頂すること』と気づきました。そして羽生に同行し、一部始終を撮影する決意を固めます。

【転】- エヴェレスト神々の山嶺(いただき)のあらすじ3

標高3440mのナムチェバザール、標高4330mのペリチェベースキャンプに先回りして、深町は羽生を待ちました。写真を撮らせてくれと頼むと、羽生は「勝手にしろ」と言います。
同行している時、深町は例のカメラについて聞きました。深町と羽生が出会うきっかけになった、カトマンドゥの故買店のカメラについてです。
羽生は「8100m地点で、古い白人のミイラ化した遺体のところで見つけた」「中にフィルムは入っていなかった」と答えました。ミイラ化した遺体こそ、マロリーの可能性が高いと思われます。
もしフィルムのありかが分かれば、マロリーたちが登頂したのかが分かります。深町はひそかに興奮しました。
しかし羽生は違いました。「マロリーは『そこに山があるから登るんだ』と言ったが、生きて帰れなかった奴が登れたかなど、どうでもいい。死ねばゴミだ」と言い放ちます。
ではなぜ登るのかという深町の問いに、羽生は「俺がここにいるからだ。俺がいるから、山に登るんだ」と答えました。
羽生は登るために必要最小限のものだけに持ち物を絞り、さらにそれを軽量化していました。トイレットペーパーの芯など削れるものはことごとく削ります。
深町は岸文太郎の死について質問しましたが、羽生は「岸を殺したのは俺だ」としか答えませんでした。
天気待ちでベースキャンプに足止めになります。そこで羽生は深町に、「南西壁の最大の敵は冬の強風だ。やるなら3泊4日」と言いました。
1日目の朝、ベースキャンプを出てアイスフォールを抜け、ウェスタンクームで1泊、2日目は軍艦岩を抜けて灰色のツルムに泊まります。3日目はロックバンドを越える、そこが最後のキャンプ地です。
4日目の朝にテントをそのままにして、そこから一気に頂上を目指します。8時間で頂上に着き、3時間でテントまで戻る…これで3泊4日の計算でした。
羽生はこの7年間、毎日南西壁のことばかり考えて、少しずつ壁の研究をしていました。細かな岩の凹凸まで把握していていると言います。
羽生は深町に「俺を撮れ。俺が逃げ出さないように」と言いました。深町は羽生を追うと決めます。
翌朝、ベースキャンプを出発し、いよいよアイスフォールに取りつきます。羽生の歩いた後を追えば必ず見失わないと思った深町は、とことん羽生に食らいついてやると思いました。
2日目、7200mの絶壁を登っている最中、少し大きな落石が頭に当たり、深町は気絶します。
深町のミスですが、羽生は深町を見捨てずに降りて来ると「俺がお前の下に潜り込む。おぶされ」と言って助けました。しかし深町の救助で時間を食ってしまい、予定とした地点まで行けずに7300m地点でビバーク(野営)します。
羽生の足を引っ張った責任を感じる深町ですが、羽生は「あんたを助けたのは俺じゃない、岸だ。あんたを助けて、これで(岸を助けられなかった失敗は)チャラだ」と言いました。
深町は事件の真相を羽生から聞きます。岸文太郎は滑落しそうになった時に、自分で自分のロープを切ったのでした。
「ああいう状況になったら、ザイルを切られても文句は言えないとかつて自分が言ったことが、岸を追いつめた。俺のせいだ」そう羽生は思っていました。
翌日。もう3泊4日では辿り着けないと分かっているのに、それでも羽生は行くと主張します。深町はおじけづき、挫折して山を降りはじめました。
途中、望遠レンズで確認すると、羽生が絶壁に取りついていました。雷鳴と共に強風と雪雲が差しかかるのを見た深町は、羽生に「逃げろ!」とカメラを放ってハンカチを振って合図を送りますが、羽生の姿は雪雲に包まれました…。

【結】- エヴェレスト神々の山嶺(いただき)のあらすじ4

…深町はアン・ツェリンのいるベースキャンプへ戻ります。羽生生存は絶望的だと告げましたが、アン・ツェリンは「あの壁を登れる人間はいない。でも、ビサル・サルパ(毒蛇)が落ちる姿も想像できない」と言います。
手ぶらで(「成果がない」という意味)日本へ帰国した深町は、宮川に「何をしに行ったんだ」と責められました。しかし深町はもう山の世界はこりごりで、羽生のことも忘れようと思います。
しかし日が経つにつれ、「なぜそこまでして羽生はエヴェレストを目指すのか」「羽生はどうなったのか」と、深町は気になり始めました。
羽生を撮った写真を焼いてみたものの、思い返すのは「俺がここにいるからだ。俺がいるから、山に登るんだ」という羽生の言葉ばかりです。
涼子に会った深町は、羽生のことを告げました。涼子は「兄も羽生さんも、私の大事な人は皆、山で死にました。山ってなんなんですか」と深町に問います。
それこそ深町も聞きたい質問でした。深町はもう一度エヴェレストへ行くことを決め、涼子も同行します。
三度ネパールに行った深町は、涼子を連れてアン・ツェリンに同行を頼み、ベースキャンプに行きます。「必ず、無事に帰ってきてください」と涼子に言われた深町は、ノーマルルートでエヴェレストに臨みました。
ベースキャンプで深町の帰りを待つ涼子は、ネックレスはアン・ツェリンの妻の形見だと聞かされます。「あなたのために、羽生は日本へそれを贈った」と言いました。
深町は標高7900mのサウスコルに到達しました。山頂までもう少しです。
嵐が近付いている無線がアン・ツェリンから入りますが、いけると踏んだ深町はそれを無視して登り続けました。風と嵐に巻かれて、身動きができなくなります。
もう駄目だと思った深町の耳に、羽生の声が聞こえました。誘われるように這って進むと、そこに羽生の凍った遺体がありました。
羽生の遺体は、座って目を開けたまま、左手は岩の上に乗せていました。足元に手帳が落ちており、深町はそれを拾って読みます。
『もういいか
もういいか、まだか
休むのは死ぬ時だ
休むな
生きている間は休まない
休むなんて、俺は許さないぞ
生きて戻る
死んだらゴミだ
足が動かなければ、手で歩け
手が動かなくなったら、指でゆけ
指が動かなければ、歯で、雪を噛みながらゆけ
歯もダメになったら、目でゆけ
目で、睨みながら歩け
目もダメになって、本当にダメになったら、思え
ありったけの心で思え 想え!』
これこそが、羽生がずっと追い求めていた世界でした。深町は知ります。
羽生は登頂に成功していました。しかし帰りに強風と吹雪に巻かれ、そこで息絶えたのでした。
羽生の遺体のすぐ目の先のところには、ジョージ・マロリーの遺体があります。フィルムはザックの中にあります。
しかしなぜ山に登るのかという問いの答えを得た深町にとっては、フィルムは最早、瑣末なことでした。深町は羽生の遺体の左腕に、涼子から渡されたネックレスを巻きつけると「羽生さん、一緒に帰ろう。俺が必ず連れて帰る」と言い、額を合わせて「俺に取りつけ」と祈ります。
そして深町は吹雪の中、羽生の残した手記を唱えながら、歩いて山を下りました。涼子とアン・ツェリンが待つベースキャンプまで戻ります。
2人に迎えられながら、深町は羽生に心の中で「俺は生きる」と答えていました。
(注:ジョージ・マロリーが登頂したかどうかは、現在も謎のまま。今作品で出てくるマロリーの遺体とカメラ、フィルムはすべてフィクション。実際には英米合同調査隊によってマロリーの遺体は発見されたが、カメラとフィルムは現在もなお発見されていない)

みんなの感想

ライターの感想

途中まではすごくいい。エヴェレストの風景は綺麗だし、雪の怖さも判る。
終盤が…なにしたかったの? という出来。あれれ。
確かに羽生の手記は心動かされるところがあるし(2回聞かされたので暗記したくらい)、じーんとくる。
しかし…映画を観終わったあと「深町はけっきょくなにしに、最後にエヴェレストに登ったんだ?」と思ってしまった。精神論みたいな感じのラストになっちゃってるのが失敗だと思う。
ところで。終盤で出てくる羽生こと阿部寛の凍った遺体が、すごい迫力!
これ、ほんとに吃驚した。このシーンだけは、見てよかったと思う。

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