「エール!」のネタバレあらすじ結末

エール!の紹介:家族の中で唯一耳が聴こえるポーラは歌手としての才能を見出される。しかしポーラの歌声が聴こえない家族は彼女の夢に猛反対し、ポーラ自身も諦めようとするが…。
2014年製作のフランス映画で、本国で驚異的なヒットを記録。奇跡の歌声と称賛された歌手ルアンヌ・エメラのスクリーンデビュー作ながらセザール賞、ルミエール賞の新人賞をW受賞。その他の映画賞も多数受賞するなど、フランスを笑顔と涙で包んだ感動作。

予告動画

エール!の主な出演者

ポーラ・ベリエ(ルアンヌ・エメラ)、ジジ・ベリエ(カリン・ヴィアール)、ロドルフ・ベリエ(フランソワ・ダミアン)、トマソン(エリック・エルモスニーノ)

エール!のネタバレあらすじ

【起】- エール!のあらすじ1

田舎村で酪農を営むベリエ家。何事もオープンで笑いの絶えない家族はとても仲がよいのですが、高校生の長女ポーラ以外の家族パパ・ロドルフ、ママ・ジジ、そして弟・カンタンも耳が聴こえず、ポーラは学業の傍ら家族や業者との手話通訳を担っていました。家族に関わる手話は一手にポーラが引き受けているため、市場でのチーズ販売や両親の性病の治療の通訳も彼女の役目で、肝心の学校では疲れ果てて眠ってしまうことも…。

親友・マチルドが男性経験豊富なのに対し、ポーラは恋人が出来た経験が無いうえに初潮もまだ迎えていません。それでもポーラはパリ出身のガブリエルに密かに想いを寄せていて、彼が選択授業でコーラスを選んだのを知り、マチルドと共に同じ授業を希望しました。しかし授業を担当する教師・トマソンは若い頃にプロのアーティストと仕事をした経験があり非常に指導が厳しく、授業参加者を歌のテストで決めました。一節歌っただけでマチルドは落とされ、一緒に辞めようとしたポーラが「くだらない」と呟くと、その声だけで“アルト”として採用されます。
後日の授業開始前、ガブリエルが他の女子とキスしているのを見たポーラは肩を落としました。授業ではミシェル・サルドゥ(主に‘70、‘80年代にヒット曲を出したシンガー)の曲を歌うことになり、生徒からは“古い”と不評ですが、トマソンはお構いなしです。トマソンは声の出ていないポーラを指名し、腹式呼吸や発声法を指導すると予想以上に高い声が出ます。ポーラは驚きつつも気が沈んでいたので、つい教室を逃げ出しました。授業後ポーラが荷物を取りに行くと、才能のあるガブリエルが個人レッスンを受けていました。ポーラはトマソンに“ソプラノ”と告げられ、年末の発表会でガブリエルとデュオで歌うよう指示されました。これを機にポーラは歌うことに興味が湧いてきます。

【承】- エール!のあらすじ2

村では村長選が近く、現村長が村に工場の建設を計画します。農地を奪われ森林が破壊されると怒ったパパは、現村長の暴走を食い止めようと突如村長選への出馬を決めました。ポーラは反対しますがパパは聞き入れず、さらにママもカンタンも選挙準備にノリノリです。早速後援会が発足しますが、耳が聴こえないので勝ち目がないとの声があがりました。こういう場面での通訳もポーラの役目なのです。

ポーラは通常の授業後にガブリエルとのレッスンが始まります。『愛の叫び』という激しい愛の曲を歌うため、ガブリエルと抱き合って踊りながら歌うようトマソンに指導されますが、うぶなポーラは恥らいました。ポーラはガブリエルが音楽学校への入学試験を受けて、パリに戻ろうとしていることを知ります。そのために2人は帰宅後もポーラの家で練習することにしました。
ポーラはガブリエルが恋人ではないと家族に説明するものの、男子を家に連れてきたことがない彼女に家族はソワソワとします。2人は背中合わせで練習しますが、どうせやらされるだろうと再び抱き合って歌ってみると、ポーラは突然ガブリエルを突き飛ばしトイレへ籠りました。初潮を迎えたのです。喜んだママが血のついたジーンズを見せびらかしたので、ガブリエルは気まずさに耐えられず帰ってしまいました。

次の日ポーラは意地悪な女子生徒に“シミ女”とからかわれたので、ガブリエルの頬を叩きました。怒り心頭のポーラはコーラスの授業で声を張り上げます。その声量に驚いたトマソンは黄金の声だと称し、パリで歌を習うためにガブリエルと組んで3カ月後の試験を受けるよう勧めました。しかし合格すれば家を出ることになるため、ポーラは簡単に首を立てに振ることができません。戸惑うポーラがマチルドに相談すると、一生ここで埋もれる気かと背中を押され、とりあえず家族には内緒で試験を受ける決意をします。

【転】- エール!のあらすじ3

ポーラは毎日18時からトマソン家でのレッスンも始めますが、声変わりしたガブリエルは審査が厳しい試験の規定で受験できなくなってしまいます。代わりに彼が歌う予定だった『青春の翼』をポーラが歌うようトマソンに言い渡されました。ポーラは家業や選挙活動の手伝い、学校、レッスンと慌ただしい日々が続きます。一方試験が受けられないガブリエルはやさぐれていました。

明日予定されていた選挙のテレビ取材が、急遽今日に変更となります。ポーラがレッスンに行こうとすると、彼女なしでは会話が出来ないため、毎日デートに出掛けていると思い込んでいたママに止められます。インタビューが始まってもふて腐れていたポーラはパパの主張をあっさりとしか訳さず、怒ったパパに追い出されました。ポーラは雨の中トマソンの家に行きますが、トマソンは遅刻を許さず中に入れてくれません。帰宅したポーラは、パパに謝れと今度はママに叱られ、私にも人生があるのだと受験の話を打明けます。合格するとパリに行くと聞いたママは「まだ子供だし、家や選挙のことはどうするの?」と猛反対します。放心状態のパパは部屋に行ってしまいました。夜、寝室で芸能界は怖いとママは興奮してパパに訴えますが、お前が怖いのは村に取り残されることだと図星を突きます。パパは農場で使用人を雇うことを提案しました。

ポーラのレッスン中はマチルドが家業を手伝ってくれることになりますが、手話が出来ず役に立たないとパパもママはご立腹です。一方下心のあるカンタンはマチルドに手話を教えてあげると企みます。あれ以来パパとママは険悪なムードが続いていました。その後もママは怒ったままですが、考え方の違うパパはポーラなしで生きる術を見つけると言い、演説会の同時通訳も知人に頼むことにしました。家族のこと、デュオで歌うのも辞めて荒れたままのガブリエルのことなど悩みが尽きないポーラは歌も絶不調です。

パパの演説会が開催され、歯に衣着せぬパパの発言は有権者から批判を浴びます。その頃家に2人きりになったマチルドとカンタンは体を重ねますが、コンドームを装着したカンタンがゴムアレルギーで気絶し、ポーラとママは演説会中に関わらず慌てて家へ戻りました。

【結】- エール!のあらすじ4

落胆したママはヤケ酒を飲み、家族がどれ程大切か伝えてきたのにポーラには通じなかったと泣いて訴えます。ポーラは聾唖者の心を持っていると思っていたのに、歌を歌うのかと…。責められたポーラは受験を諦めることにしました。
突然歌を辞めたポーラを気に掛けたトマソンは、受験はしなくても発表会でデュオだけでも歌おうとガブリエルに頼んでポーラを誘います。最初は拒んだポーラですがガブリエルの復活も嬉しくて、引受けることにしました。

発表会の日。ベリエ家も家族揃って観覧に来ます。素晴らしいコーラスに会場から自然と手拍子が起こりますが、耳が聴こえないベリエ一家は周りについていくことができません。いよいよデュオで『愛の叫び』を歌うと、自然と2人は手を繋ぎました。(劇中ではベリエ家の感覚を表し、歌声が消えます。)2人の歌声に涙を流す人もいてスタンディングオベーションが起こり、ベリエ家もとりあえず拍手します。盛り上がった2人は舞台袖でキスをしました。
演目が終わりトマソンはポーラの受験を両親に勧めますが、家族が耳が聴こえないことを初めて知ります。ポーラはトマソンの会話を訳しませんでした。試験は明日の10時です。
帰宅後ポーラが感傷に浸っていると、もう一度歌ってほしいとパパに頼まれます。ポーラの喉に手を当てて歌声を聞いたパパが試験に行こうと言ってくれたため、急遽一家でパリへ向け車を走らせました。メールを貰ったガブリエルがトマソンに報告し、2人も慌てて試験会場へ向かいます。
多少遅刻したもののポーラは受験できることになり、付添人はスタジオの客席で見学しました。急遽来たため楽譜も無く、アカペラで歌えと指示されますが、到着したトマソンが伴奏を買って出ます。『青春の翼』(子供の旅立ちがテーマ)をポーラは手話を入れて、家族に向かって心をこめて歌いました。感動した家族は喝采を送り、審査員は「いい選曲だ」と一言述べました。

合格したポーラに旅立ちの日がやって来ます。ポーラは家族とあっさりと別れトマソンの車に乗りましたが、たまらず降車し家族のもとへ駆け寄り抱きしめ合います。そしてパパの“行け”の言葉でポーラは走り出しました。夢へ向かって。

みんなの感想

ライターの感想

終わりよければすべてよしと言うように、終盤のオーディションシーンではポーラの歌声、歌詞、シチュエーションに涙が止まらず、この場面のために作品があるのではないかと感じました。反則だよ!(笑)、と言いたくなるような体裁のシーンですが沁みました。
娘に頼り過ぎちゃったママですが、最終的には娘の夢を応援できてホッとしました。ちなみにパパの選挙結果はどうなったのでしょうか…。
劇中内で歌われるミシェル・サルドゥの曲が素晴らしいです。美しさで勝負する女優とはまた違った魅力のルアンヌ・エメラの演技、そして何より歌に惚れました。

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