「チチを撮りに」のネタバレあらすじ結末

チチを撮りにの紹介:母子家庭で育った葉月と呼春姉妹。父の記憶もほぼ無い二人に母が頼んだのは、もうすぐ死ぬ父の写真を撮って来るという“おつかい”だった。
『湯を沸かすほどの熱い愛』で世界中から高い評価を受けた中野量太監督の劇場長編処女作。SKIP国際Dシネマ映画祭2012にて、監督賞・SKIPシティアワードをW受賞し、全14賞を受賞。第63回ベルリン国際映画祭ではジェネレーション部門で正式招待された。

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予告動画

チチを撮りにの主な出演者

東村葉月(柳英里紗)、東村呼春(松原菜野花)、西森正高〈父〉(二階堂智)、西森千尋(小林海人)、西森鉄二〈叔父〉(滝藤賢一)、東村佐和(渡辺真起子)

チチを撮りにのネタバレあらすじ

【起】- チチを撮りにのあらすじ1

大学生の葉月と高校生の呼春は、母佐和と三人で暮らしています。佐和は愛人を作った夫と14年前に離婚して以来、女手ひとつで子供を育ててきました。葉月は独り暮らしするために、こっそりと昼のキャバクラでバイトし、一方呼春は学校をさぼって河原で昼寝するようなマイペースな少女です。
ある日佐和は大事な話があると、お寿司を買ってきます。マグロばかり食べる呼春に葉月が怒り姉妹喧嘩が始まると、佐和は突然「父ちゃんが死ぬんだって」と切り出します。父の弟鉄二から末期ガンだと連絡があったのです。佐和は姉妹で最後にお別れをしてきて、ついでに父の写真を撮ってくるというおつかいを命じます。どんな顔で死んでいくのか見て、笑ってやりたいと佐和は言うのですが、葉月も呼春も乗り気がしませんでした。
翌日。佐和は見栄を張り葉月にスーツ、呼春には制服を着せ、豪華な果物の盛り合わせを持たせ、二人を見送りました。しかし二人は早々に近くの公衆トイレで気ままな服に着替えます。 この映画を無料で観る

【承】- チチを撮りにのあらすじ2

田舎の病院へ向かう電車内で父の話になりますが、呼春は2歳の時に父と別れたため、記憶がほぼありません。両親は長年付き合い結婚したが、母が父のたった一度の浮気を許せず、慰謝料は要らないと啖呵を切って離婚したのだと葉月が教えました。二人は電車乗継ぎの待ち時間で、カメラの充電がないことに気付きます。
一方の佐和は平静を装うものの、どこが落ち着かずにいました。そんな中、鉄二から兄が死んだと電話が来ます。佐和は鉄二に娘が向かっていることを伝え、自分も喪服に着替え電車に乗りました。葉月に電話し、父の死を伝えます。
葉月と呼春は父の死に戸惑いながらも駅に着くと、腹違いの弟である千尋が迎えに来ます。二人は父が再婚していたことに驚きました。また、鉄二も目の見えなくなった祖母も二人を歓迎します。
二人は棺の中の父を見ますが涙は出ず、それよりも7年前に母が家を出ていき行方知れずだという千尋に同情しました。

【転】- チチを撮りにのあらすじ3

二人は鉄二の妻に呼ばれ、思わぬことを告げられます。来訪は遺産目的だと勘違いされたのです。葉月は「相続は放棄する。母は金融関係のエリートです!」といつかの佐和のように啖呵を切り、署名した念書に指五本で拇印を押しつけました。
呼春が“啖呵を切った”と佐和にメールし、娘たちの逞しさを知った佐和は葬儀に向かうのをやめ、自慢の娘だと返信しました。
出棺前二人は離れた場所から父を見ていました。千尋に充電して貰いカメラは使えるのですが、写真を撮ることは出来ませんでした。火葬に来て欲しいという鉄二に、このまま帰ると葉月が告げると「やっぱり恨んでるよね…」と鉄二がこぼします。
帰り道で愚図る呼春を葉月が蹴飛ばすと、「なぜ恨んでないと言ってくれないの」と呼春が訴えました。「お母ちゃんにちゃんと育てて貰ったのに、このままじゃ惨めな子供だ」と泣く呼春を葉月は抱きしめ、二人は火葬場へ急いで向かいました。

【結】- チチを撮りにのあらすじ4

二人は火葬直前に着き、葉月は“感謝もしてないけど、恨んでもない”と手を合わせました。
火葬後、呼春は佐和のためにと骨揚げ中の写真を撮り、葉月は骨の一部を隠し持ちました。
駅まで送った千尋が別れを惜しみ、「もうここには来ない?」と涙目で聞きます。どうしても辛くなったら連絡してと葉月はキャバクラの名刺を渡しました。
スーツと制服に着替えた二人は佐和の働く宝くじ売場へ行きます。宝くじは売っても買わない母が「夢を買うより米を買う」と言っていたのを思い出し、二人は母の格好よさを実感しました。佐和は常に県内売上ベスト5に入るエリート販売員なのです。
仕事帰り娘が待つ河原に来た佐和に葉月が骨を渡すと、「これじゃ笑えない」と涙を流します。二人は慰めるように、佐和のお乳(チチ)を触りました。
佐和が「魚に食べられちまえ!」と骨を川に投げました。すると父や呼春が大好きなマグロが現れ、父はあっさり食べられるのでした。

みんなの感想

ライターの感想

数年前に姉に薦められて観た作品です。数年ぶりに鑑賞しても、改めていい作品でした。
劇中と同じく自分も母子家庭の二人姉妹で育ちました。それはもう、共感することばかりで、どうしてこんなに状況がわかるのか、と驚きの連続でした。
特に印象的だったのは「感謝もしてないけど、恨んでもない」という台詞です。これと同じ感情を抱いていたのですが、心のどこかで自分は冷たい人間なのではないかと思っていました。こんな風に思ってもいいのだと言われたようで、あの言葉に救われました。

人物それぞれの感情の機微が非常に細かく描かれ見事です。一見重いテーマかと思いきや、妙にコミカルで爽快感さえあります。家族の温かさもじわっと伝わる、本当に素晴らしい作品ですね。

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