「ピンクスバル」のネタバレあらすじ結末

ピンク・スバルの紹介:中東イスラエルとパレスチナの境界線近くの街タイベ。車泥棒が横行するその街で苦節20年、妹の結婚を機にようやく買った新車スバル・レガシィを盗まれた男の悲喜劇を描く2010年製作の日伊合作映画。紛争地域イスラエルの逞しくも明るい人々の日常を描いた事で高く評価され、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2011審査員特別賞、シネガーアワードをW受賞した。監督/脚本/編集は「人形の首と愛国心」「口裂け女 in L.A.『ウメコの友達』」の小川和也。

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予告動画

ピンクスバルの主な出演者

ズベイル(アクラム・テラーウィ)、ミス・レガシィ(ジュリアーナ・メッティーニ)、アイシャ(ラナ・ズレイク)、スバルの母(サルワ・ナッカラ)、ジャミール(ニダル・バダルネ)、スマダール(ミハ・ヤナイ)、サクラ(川田希)、善(小市慢太郎)、ダニー(ダン・トーレン)など。

ピンクスバルのネタバレあらすじ

【起】- ピンクスバルのあらすじ1

--中東イスラエル--
70年代からの近代化で急速に車社会となったが、多くの自動車メーカーがアラブ諸国に目を向ける中、日本の富士重工だけがイスラエルへの輸出に乗り出した結果、この国の自動車のほとんどがスバルとなり彼らの”希望の星”となった。
一方、隣接するパレスチナの西岸地区はカーディーラーが圧倒的に少なく”車泥棒”が暗躍、イスラエルの都心部で盗まれた自動車は境界線を越え、パレスチナの街で解体・再生・販売された。この”車泥棒”稼業は、後に産業と呼べるまでに発展し、今でも脈々と受け継がれている。
この物語は、イスラエルとパレスチナの境界沿いにあり、今でも多くの”車泥棒”が住む街、タイベから始まる--

タイベに住むズベイルは、妻を亡くし2人の幼い子供を妹のアイシャに任せ、コックの仕事に精を出す男ヤモメです。
彼はその日、見合いを薦める叔母にもレガシィを買うんだ!メタリック・ブラックのスバル・レガシィ!と報告し、幼なじみのジャミールの車で牧場に行きますが、彼は運転まで浮かれまくるズベイルに俺の車がダメになっちまう!と悲鳴を上げます。彼はそこでヤギを1頭丸ごと買い、家で陽気に歌い踊りながらご馳走を作っていた妹のアイシャたちに届けます。
彼は妹のアイシャとスバルの販売店に行き納車手続きを済ませ、販売員のスマダールに「新しい車を買うと新しい事が始まり人生が変わるはず、星のエンブレムがあなたを守ってくれるわ」と言われますが、車を買った時のためにと親父が作ってくれた俺の星(古い手作りのスバルのエンブレムを模したもの)を着けてくれと頼みます。
彼は、彼女は妹で来週結婚するんだ、俺はこの車で美容院に連れて行き、より美しくして結婚式に出すんだと話し、スマダールも式に招きます。ズベイルは新品のキーを愛おしそうに受け取り、夕日の中、カーキャリアに乗せられた真新しいレガシィに乗り、思いつく限りの褒め言葉で讃え1人盛り上がります。自宅では家族やたくさんの友人や隣人たちが花火と歓声で迎え、パーティーが催されます。

結婚式まであと4日。ズベイルはレガシィのキーを片時も離さず、朝食にはアイシャと子供たちと死海の旅行の話で盛り上がり、皆で踊りながら駐車場に降りて行きますが、レガシィは消えていました。「や・ら・れ・たああああ!!!」…ズベイルは絶望的な声で叫び、その悲愴な有様に誰か死んだのか?と聞く人がいたほど必死で街中を探しますが見つかりません。
ガックリうなだれ泣く彼をジャミールが慰めますが「もう彼女は裸にされちゃった(解体された)のかな…」と聞かれ多分なと応えます。
元車泥棒のリーダーマハムドは、車泥棒20年の経験から思うに、お前の車を盗んだバカは境界まで運び700ドルで売ると言い、4万ドルも払ったのに!と泣く彼に、大至急保険会社に電話しろ、ダチの車を盗む奴は許さねぇ、見つけて足を撃ち抜いてやる!と怒ります。
金は、テルアビブのレストランで20年コックをして貯めたものでした。その間、店長は度々メニューを替え、今は寿司レストランですが、タイベの人々は”SUSHI”を知らず生魚を食べる習慣もありません。
スマダールは新しいドレスを買ったの!とゴキゲンで電話に出ますが、保険は休みを挟んでいたのでまだ入ってないと言い言葉を失います。

マハムドは手下に街中を探させますが見つからず、盗品に詳しい大泥棒アデルは明日戻ると言われます。
ズベイルの家には、アイシャの婚約者ムスタファがおっとり刀で駆けつけ、明後日から休みだから手伝える、明々後日には結婚式だと言いますが、アイシャは兄が苦しんでるのに、レガシィが見つかるまで結婚出来ないと怒ります。
その夜、ズベイルは美しい女性の姿のレガシィ(ミス・レガシィ)と死海で会う夢を見ます。彼女は哀しそうにさらわれてしまった、早く家に帰りたいと言いますが、「皆が私の美しさはあなたにふさわしくないと言うの。あなたはまだ強くないわ」と言い去って行きます。 この映画を無料で観る

【承】- ピンクスバルのあらすじ2

結婚式まであと3日。
うなされていたズベイルがジャミールに起された頃、スマダールはボスに、彼は誠実ないい人だしこちらのミスだから、少しでも返金できないかと訴えますが笑って聞き流されます。
アデルは立派な家に住む若い男で、俺に200、発見者に100ドルの成功報酬を要求、街にあるなら今夜中に見つけるからあんたは仕事に行け、バーで9時に会おうと約束します。
彼は一安心して、ムハマド夫妻の車でテルアビブの寿司レストランに向かいます。ムハマドの妻は盗品で身を立ててる連中だが彼に頼めば安心だと言い、ムハマドはパレスチナの西岸にはカーディーラーが足りないから盗むしかないと言い、私の父は車を盗まないと言う妻に夫は車泥棒だったがねと笑います。妻は、堅気な仕事に就いて子づくりに努めてくれればいいの、後ろめたくない普通の生活よとこぼします。
テルアビブは都会で、2人を笑顔で見送ったズベイルは、レガシィのキーにキスをし開店準備に掛かります。間もなく若い日本人のサクラも出勤、日本語で挨拶し彼に寿司屋のハッピを着せます。街頭では日本人男性が相合傘にタカコ/善と刺繍の入ったピンクのハンカチのようなモノを広げて笑っていました。レストランのボス、ダニーはズベイルを見るなり心配し、ジャミールに迎えに来てもらうから帰れと言います。
やがて先ほどの日本人とジャミールが加わり5人は仲良くラーメンをすすります。日本人は善(ゼン)という名で、給水タンクのプロジェクトで単身赴任中です。ピンクの物は妻からのプレゼントのようでしたが、ジャミールが悪戯でズベイルのポケットに入れたものの、駐車違反と言われ慌てて出て行きます。ズベイルはプレゼントに気づかぬまま、夕日が美しいイスラエルとパレスチナの境界線まで善を送ります。

夜、アデルがバーに来た時ズベイルは完全に酔っていて、レガシィレガシィ…彼女は処女だったんだ、俺のプライドはズタズタだと泣いていました。車はまだ見つからず、アデルは明日まで時間をくれと言いますが話しになりません。
一方、スマダールはゲイの叔父と保険会社のシュロモの自宅に行き、保険の日付を変えられないかと頼み込みますが拒否されます。
ズベイルは1人夜道で神に祈ります。ごめんなさい、酔っぱらっています、でも20年働いて買った車が盗まれたのです…ここは約束の地だ、モーゼは紅海に立ち海を割った、キリストはガラリヤの海を歩いた、そして私は空を飛び、街を飛び回って彼女を見つけるんだと、ダンスのように両手を広げ飛ぶ真似をします。それでも神は現れず奇跡も起きず、彼は再び道端のボロソファで泣き出します。
家ではアイシャがヒジャブを着け一心に祈っていましたが、彼は何も言わず自室に入り、ポケットのピンクの布に気づきます。それは善が妻からもらった相合傘の刺繍入りのピンクのパンツでした。彼はサクラの悪戯と勘違いして笑い、そのパンツを履いてはしゃぎ寝込んでしまいます。その日の夢では、ミス・レガシィは無言で彼から去って行きました。

結婚式まであと2日。ムスタファが待ってると起こしに来た幼い娘がどうしてピンクのパンツなの?ピンク色好きなの?ピンクのスバルは買わないの?としつこく聞いてきます。彼はピンク・スバルなんて売ってないと面倒臭そうに答えますが、それを見ていたムスタファはピンクが好きなのか?と呆れながらも、アイシャに車が見つかるまで結婚しないと言われ、親に腰抜け呼ばわりされ眠れなかったと話し、魔術師に相談しようと言いますが、アイシャに言ったらほんとに結婚できないぞと往なされます。
ズベイルはアイシャたちと一緒にアデルに会いに行きますが、彼はテルアビブまで探したのに見つからないのは不思議で初めての事だ、分解される前にトルカレムに行けと言われ、ガソリン代に200シェケル請求されます。彼は素直に払いトルカレムに向かいます。

ムスタファはズベイルを境界で降ろし、アイシャと戻ろうとしますが、兄を危険な目に合わせたと大ゲンカになり、アイシャは、テルアビブの生地屋ジョーダンの妻で親友のエスターに電話をします。
何度も彼女から相談を受けていたエスターはこれから息子を連れてタイベに行くと言い、息子は大喜びで車に乗り彼女を待ちますが、若い男性客が突然車を乗っ取り走り去ります。車内では、人懐こい息子におじさんは車泥棒だ、これから隣のトルカレムに行くからタイベまで送ってくよと笑っていました。
エスター夫妻はタイベに向かいますが、途中息子から「車泥棒さんにアイシャの家まで送ってもらって、もう家の前」と電話があり、彼女はシャワルマ(ケバブサンド)食べてたわと笑いUターンして、夫にトルカレムに行ってズベイルと車を探してと言います。彼女はその後、境界にジョーダンを送り、アイシャの家のプールで彼女の子供たちと遊ぶ息子を見てホッとします。
一方、ムスタファは魔術師に見てもらい、結婚したければトルカレムで車を探せ、車は見つかり結婚も出来るが「その女 色鮮やかな衣をまとい、砂漠を駆ける」という先祖の言葉を聞かねば呪われると言われ、100シェケル請求されます。魔術師は、一瞬ピンク色の車のビジョンを見ていました。

【転】- ピンクスバルのあらすじ3

店や露店が立ち並び人々で賑わうトルカレムの中心街パレスチナ。ズベイルは当てもなく車を探し続け、郊外に建つ給水塔へと辿り着きます。そのプロジェクトはパレスチナと日本の合同事業で、善や彼の叔父が働いています。
叔父は彼の訪問を喜び、彼の妻サミーラの葬式以来だから2年ぶりだと笑います。けれど彼がスバルの事をよく知る女”スバルの母”に会いたいと頼むと顔色を変え、あいつは魔女だ!と呪い返しの人形に針を打ちます。
一方、中心街に着いたジョーダンは、彼の父親と親交があり、幼い頃の彼を知る生地屋に偶然立ち寄り世話になる事に。
夜になり、アイシャは、誰からも連絡が無いと心配していましたが、エスターがあんなおバカと結婚しなくてもドレスの試着は出来るでしょ?こんな時は楽しむのが一番!と元気づけます。
アデルも車庫から出て来たジャミールにまだ見つからないのかと声を掛け可哀想にとこぼします。

叔父は郊外のトレーラーハウスで暮らすスバルの母の所にズベイルを案内し、「彼女は代々金持ちなんだ、俺は行けない」と言い隠れます。ズベイルが声を掛けると彼女はすぐにタイベのズベイルねと言い、隠れていた叔父をからかって誘いますがケンカになり分れます。
その頃、イラつきながら荒野をうろついていたムスタファは深い穴に落ち、上がれなくなります。
スバルの母は心配顔のズベイルにディナーを振る舞い、叔父が魔女だと言いふらしたせいで誰も近寄らなくなった、退屈しのぎに車を分解して組み立てるうち評判になりビジネスを始めた、スバル泥棒と購入希望者はみんな”スバルの母”の所に来るようになったと話します。
「スバルの意味知ってる?この宙のどこかにあるプレアデス星団の事よ…探してご覧なさい…必ず見つかるはず…」スバルの母の言葉が暗い夜空に染みていきます。
皆が思い思いの場所で眠りにつく頃、スバルの母はデッキチェアで眠り込んだズベイルに毛布を掛けてやります。
ズベイルは再び死海の夢を見て、ミス・レガシィに「いつまで寝てるの?私たちはいつまでも分かり合えないの?」と言われます。

結婚式前日。
スバルの母は、朝早く立ち寄った善にパイプ煙草を勧め、彼は車を探してる、でも保険があるだろうし、街のガレージに行けば彼のとあなたのも見つかるかも、最後の希望ねと話します。
一方、ズベイルの家にはレストランのダニーとサクラが来て朝食をごちそうになり、ダニーはアイシャにムスタファと結婚しないなら協力しないと言い、サクラとトルカレムに向かいます。その後、ムスタファの母親が来て、子供は私が見るからと2人を送りだします。
スバルの母の広大な廃車置き場には手下の修理工と叔父がいて、車を修理したり探したりしていましたが、スバルの母とズベイルと善が着いて間もなく「ガサ入れだ!」と誰かが叫んで逃げ出します。
草むらに逃げたスバルの母は、ズベイルのエンブレムが着いた黒いレガシィを見つけ、乗っていた誰かにこの車を買いたい人がいるのと声を掛けます。
またトルカレムについたサクラは、ダニーそっちのけでドレスのショップに入り、ピンクのウェディングドレスを買い、満面の笑顔で街を闊歩します。

善は石造りの家にズベイルを招き、4日も風呂に入ってないと言う彼にシャワーを貸しますが、彼のピンクのパンツを履いているのを見て、これは俺のだ!と取り上げます。またスバルの母から善の車が見つかったと連絡があり、ズベイルと訪ねてきたダニーとサクラと共に向かいます。
その頃、スマダールも、以前車を見つけてくれたのよと言うゲイの叔父の言葉を信じ、スバルの母の元へ。
一方、アイシャとエスターはズベイルの叔父の車でトルカレムに向かいますが、途中ジョーダンとばったり出くわします。彼はパレスチナの生地屋から貰った長い貫頭衣を着ていて、祖父の時代のモロッコの服なんだと感動していましたが、女性2人にムスタファとズベイルはどうしたの?と怒られます。

【結】- ピンクスバルのあらすじ4

スバルの母の車置き場に続々と皆が集まり、彼女がシャワーを終えるのを待つことに。
善は注文通りのピンクに塗られたレガシィに大満足でしたが、ズベイルはこんな色なら自殺する、俺の車はどうした?と喚き、間もなくやってきたスマダールと彼女の叔父にもおまえらのせいだ!俺の車を返せ!と怒り、やってきたアイシャたちにも俺の車は見つからない!悪魔に持って行かれた!もうお終いだ!と嘆きます。そこへようやくスバルの母が出てきて、善から500ドルの車代と200ドルの塗装代を受け取ります。
その時、ムハマドとアデルがジャミールを連れて現れ、ズベイルの車を盗んだと白状させます。アデルが車庫に隠した車を何度も見に行くジャミールを見たと言うのです。
ジャミールは、まともに運転もできないのになぜ車を買った?親友から車を盗んだ俺も悪いが、お前らだって盗品で生計を立てる泥棒なのに綺麗ごとばかり、ズベイルの浮かれ具合にはウンザリだった!車で人生が変わるのか?!と怒鳴ります。
ズベイルは静かな声で「俺の車はどこだ?」と聞きますが、ジャミールはわからないのか?と言って善のピンクのレガシィを顎で指します。つまり、草むらでスバルの母が声を掛けたのは、ズベイルの”星”が付いたレガシィに乗ったジャミールで、彼女はそれがズベイルの車だと知りながら、善に売るためピンクに塗り替えたのです。

スマダールは、こんな色じゃ保険が付かないと言い、善は日本語でブチ切れ、スバルの母に、あの車はこの男が20年も金を貯めて買ったんだ!俺はこの美しい国に盗みをしに来たんじゃない!と怒鳴ります。
スバルの母は、ズベイルには保険があるでしょ?私はビジネスでやったのよ!と言い返しますが、ズベイルは保険は無いと言い、スマダールが私のせいだと謝り、叔父が魔女だって言ったろ?!と怒鳴ります。そこでスマダールの叔父がともかくハッピーエンドでいいじゃない?と納めようとしますが、こんな恥ずかしい色じゃ街を走れない!と嘆くズベイルに皆が同情するうち、ゲイの色だと言ったジョーダンに食ってかかります。
スマダールは元の色に戻れば保険も戻せると言い、スバルの母は2時間で戻してやるが700ドルだとふっかけます。けれどムハマドは誰も払う必要はないと言い、スバルの母に、日本人に金を返せ、俺のダチはこんな色の車は運転しない、メタリック・ブラックに戻せと迫り、彼女はやむなく従います。

そこにダニーが助けてくれ!と駆け込んできます。彼は来る途中で穴に立小便をしてムスタファに気づき、助けを呼びに来たのです。ズベイルはジャミールを許し仲直りします。
穴から引き上げられたムスタファは、何しに来たの?と笑うアイシャに車を探しに来たんだろ!死ぬかと思った!と怒鳴りますが、彼女が「車は見つかった、私たち結婚するのよ!」と聞いて笑います。「結婚するのよ!!!」…皆はまた歓声を上げ口笛を鳴らし踊り始めます。
やがてメタリック・ブラックに戻ったレガシィにズベイルはうっとりと頬ずりし、エンジンをかけます。
「愛してる…愛してるのよ…来て…私の中に深く…」…ミス・レガシィが囁きます。

翌日。結婚式は無事執り行われ、皆がズベイルの家の前で並んで待っているところに、結婚式の飾りをつけたズベイルのレガシィが登場し、花婿のムスタファが微笑みながら現れますが、ズベイルはその色を見てめまいを覚えます。
レガシィは、ズベイルをピンク好きと勘違いした花婿の配慮で、鮮やかなピンク色に塗り替えられていました。

みんなの感想

ライターの感想

紛争と移民の国と言う印象のイスラエルですが、本作にはそういった場面は無く、苦労してようやく買った新車が盗まれた大騒動を、抒情的にセンチメンタルに、心優しくバイタリティー溢れるイスラエルの人々の日常として描いています。
小川和也監督を知ったのは大変申し訳ない事に「口裂け女 in L.A.(ウメコの友達)」で、そちらは日本ではちょっと考えられないくらいの自由度に大ウケした怪作でした。
雪村いづみの「ケ・セラ・セラ」で陽気に始まり、イスラエルの荒野に沈む夕日や死海のシーンは幻想的で美しく、深夜、泥酔したズベイルが独り路上で神に祈り、嘆くシーンは切なく胸に迫ります。いくつもの親愛の繋がりが引きあうようにトルカレムに集結する脚本も見事。ちなみにエンディングは谷村新司の「昴 -すばる-」です。
9.11の惨事を対岸から生で見た衝撃が彼の中に残り続け、それがイタリアでの本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務める偉人宮川秀之氏との出会い、また本作の主人公ズベイルを演じたタイベ在住の俳優アクラム・テラーウィと本作ではミス・レガシィ役のオペラ歌手ジュリアーナ・メッティーニ夫妻との親交を経て、本作として結実したのだとか。
監督自身の”故郷””良き友人たち”への愛情がひしひしと伝わってくる、ハート・ウォーミングでとても元気になれる作品です。

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