「ブルーに生まれついて」のネタバレあらすじ結末

ブルーに生まれついての紹介:2016年製作のカナダ&イギリス合作映画。1950年代に興隆したウエストコースト・ジャズシーンで一時代を築いたトランペッター、チェット・ベイカーの転落と再生を綴る伝記ドラマ。一世を風靡したチェットは、やがて麻薬に溺れトラブルを頻発。どん底の彼を変えたのは、ある女性との出会いだった。

予告動画

ブルーに生まれついての主な出演者

チェット・ベイカー(イーサン・ホーク)、ジェーン&エレイン(カルメン・イジョゴ)、ディック・ボック(カラム・キース・レニー)、リード警官(トニー・ナッポ)、チェズニー・ベイカー・シニア(スティーヴン・マクハティ)、ヴェラ・ベイカー(ジャネット=レイン・グリーン)、ダニー・フリードマン(ダン・レット)、マイルス・デイヴィス(ケダー・ブラウン)、ディジー・ガレスピー(ケヴィン・ハンチャード)

ブルーに生まれついてのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①チェット・ベイカーは1950年代に一世を風靡した白人のトランペッターだが、ヘロイン依存症で廃人の一歩手前になっていた。さらに売人に殴られてあごと歯を粉砕され、チェットは再起不能に近い状態に追いやられる。 ②チェットを支えたのは女優志望の女性・ジェーンだった。ジェーンの愛が支えになり、チェットはヘロインを断つ。しかし〝バードランド〟の演奏直前に誘惑に負けたチェットはヘロインを注射、ジェーンは彼の元を去った。

【起】- ブルーに生まれついてのあらすじ1

チェット・ベイカーは、第二次世界大戦後のアメリカ、1950年代に一世を風靡したトランペッターです。
その当時の有名なトランペッターは、黒人男性が数多くいました。その中で白人のチェットは目立つ存在でした。
1950年代半ばにおいては、マイルス・デイヴィスの人気をしのぐほどでした。
ところが人気絶頂気にヘロインを覚え、中毒になってから破滅していきます。

1966年、イタリア・ルッカ。
公演のためにイタリアを訪れていたチェットは、逮捕されていました。
(逮捕の理由は描かれていないが、ヘロイン所持で投獄されたものと思われる。現にこの頃、複数の国でチェットは逮捕&投獄されていた)
ちょうど、チェット・ベイカーの自伝的映画が撮影されることになり、映画監督がアメリカ・ハリウッドから面会に現れます。
チェットが「自伝ならば自分が出演する」と言ったため、監督は多額の保釈金を積んで、チェットを釈放させました。

アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス。
帰国したチェットは、自分の役で映画の撮影に入ります。
映画は、1954年のアメリカ、ニューヨークの〝バードランド〟でのチェットのシーンから撮り始めました。
実生活では離婚していた2番目の妻・エレインの役を、駆け出しの女優・ジェーンが演じることになります。
映画ではチェットが初めてヘロインを打つシーンを撮影しました。
撮影現場に、旧知の親友ディック・ボックがチェットに会いにやってきます。
チェットはディックに、ヘロインはキッパリやめたと宣言しました。
ディックは、もしそれが本当ならば、また一緒に組んでレコードを出そうと誘います。

その日の撮影が終わりました。
チェットは共演者であるジェーンと一緒に飲みにいきます。
ジェーンの両親と姉は、学者をしていました。ジェーンも学者になることを望まれたのですが、演劇に心を奪われたジェーンは、女優になるべく勉強をしています。
飲みの席で、ジェーンが「なぜどん底に落ちたのか」とチェットに質問しました。
チェットは「クスリを使うと、幸せになれるから」と答えます。
飲みに行き、さらにボウリングを楽しんだ2人は、店を出たところで売人に出くわしました。待ち伏せしていたクスリの売人は、チェットに絡みます。
売人の男2人は、チェットがクスリの代金を踏み倒したことを怒っており、チェットの顔をひどく殴って立ち去りました。
ジェーンが病院に連れて行きましたが、チェットは首の損傷が激しく、あごが砕かれて歯は何本も折れ、腕も折られていました。
それまで28年間かかさず練習していたトランペットが、吹けなくなるほどの傷でした。

チェットが長期入院を余儀なくされたため、自叙伝の映画の話は流れてしまいます。
チェットの面倒を13年見続けて来た親友のディックも、今回ばかりはもう見放すと言いました。
チェットの元に残ったのは、撮影で5週間前に知り合ったばかりの、ジェーンだけです。
保護観察官はチェットに、メタドン療法を勧めました。
メタドン療法とは、薬物代替療法です。メタドンは合成鎮痛薬で、微量の薬物を含むものです。それを投薬することで、少しずつヘロイン依存から逸脱するという療法でした。

【承】- ブルーに生まれついてのあらすじ2

チェットはそれを受け入れ、メタドン療法が始まります。
メタドンを使うため、一般の鎮痛剤が使えません(重複するため)。

あごを破壊されたので、本来すぐには回復しません。静養が第一です。
「口に負担をかけるな」と医者に言われますが、それでもチェットはトランペットの練習にこだわりました。
バスルームで練習しようとしますが、まだ完璧に治ったわけではないので、口から血を流します。それでもチェットは練習しようとし、トランペットから血が出るほどでした。
(注:トランペットを吹くにはくちびるをすぼめて音階の調節をするため、かなりあごの力を使う。歯もやはり必要。またマウスピースに長時間くちびるを当てると、唾液または水蒸気がトランペット内部にたまるので、トランペットをはじめ管楽器には唾液を逃がすツバ抜きの場所がある)
練習しないでいると、確実に腕が落ちてしまうため、血を流しながらもチェットは練習を続けます。

昔の栄光が忘れられないチェットは、マイルス・デイヴィスと会った時のことを思い出していました。
デイヴィスはチェットの演奏を聞き、「なかなかよかった」と感想を述べると「金や女のために吹く奴は信用できない。この店には早い。修行して出直せ」と言いました。
あごをケガしたために、思うようにトランペットが吹けないチェットは、再びヘロインに手を出します。
ジェーンに見つかって叱られました。麻薬から完全に手を引いてくれと頼まれます。
ジェーンの真摯な愛情を受けたチェットは、きちんと薬を抜こうと考えました。
薬物から身を遠ざけるため、一度実家に帰ろうと思います。

オクラホマ州イェール。
ジェーンを連れて自分の実家に行ったチェットは、両親に会います。両親ともに健在でした。
母はジェーンを見て「前の妻にそっくりだ」と言います。エレインに雰囲気が似ているからエレイン役として起用されたので、当然のことです。
イェールのチェットの実家は農場で、周囲には本当に何もありませんでした。ジェーンがそう指摘します。
しかしチェットは「でも、ペット(トランペット)があった」と答えました。
幼少期から何もない田舎で、トランペットばかり吹いていたのがチェットでした。12歳の時に、たまたま投げた石がはね返って前歯を1本折っていたチェットですが(だから登場時には前歯が1本ない状態だった)、それでも歯がないことを克服して演奏していました。
地元のガソリンスタンドで働きながら、チェットはメタドン療法を本格的に開始します。保護観察官も定期的に見に来ます。

【転】- ブルーに生まれついてのあらすじ3

やがてあごもだいぶ回復し、チェットは歯を入れました。
入れ歯の接着剤との相性はよくありませんが(今より50年前なので、インプラントなど当然ない)、働きながらトランペットも練習します。
ジェーンはチェットのそばについて、献身的に支えました。そのおかげで、薬物に手を出さずにいられました。

やがて、チェットは都会に戻る決意をします。
父が好きな曲『Born to be Blue(ブルーに生まれついて)』のレコードをプレゼントしたチェットは、「父は音楽をやめたけれども、俺はやめていない」と言います。
父はそれに対し「俺は家族に迷惑をかけていない」と皮肉で返しました。
都会へ戻ったチェットは、ジェーンのフォルクスワーゲンのワゴン車で生活しながら、音楽で生計を立てようと考えます。
下町のピザ屋で演奏しますが「もう少し練習してから来てくれ」と言われました。
裏では他のメンバーは「終わってるな」と言います。
ジェーンも女優として活躍するために、オーディションを受けますが、うまくいきません。
互いに挫折しつつ、それでも支え合っていました。

生活に困ったチェットは、旧友・ディックの家を訪問し、仕事を紹介してくれと言います。
保護観察官がついているチェットは、決まりで一定の労働時間が必要なのです。
「ジェーンが妊娠したので金がいる」という嘘までつきましたが、ディックは紹介できないと断りました。チェットは落胆して帰ります。
それでも「チェット・ベイカー」という名は一世を風靡した有名人なので、ある程度の客寄せが見込まれます。
その名を最大限に利用して、チェットは客を呼び、演奏をしました。
ある会でファンだという若い女性・サラが、プレゼントと称してパンフレットに挟んでクスリを差し出します。
それを受け取ったので、保護観察官のリードが「これじゃ駄目だ」と言いました。
「今週中に仕事を見つけろ(労働時間が足りていない)」と言われます。
クスリはジェーンが「信じるから、自分でなんとかして」と言いました。チェットは机にあった瓶にクスリの小袋を詰め込みます(使用していない)。

労働時間を満たすために、チェットはいろんなところで演奏しました。
ソンブレロ姿(メキシコで使われる、つばの広い大きな帽子)でも演奏します。日雇いのアルバイトのような場でも、なるべく出るようにしました。
薬物更生の保護観察の基準を満たさないと、刑務所に逆戻りかもしれません。
ジェーンも裏で、ディックに仕事を紹介してやってくれと言います。
チェットがそこまで長期間薬物を断って仕事をすると思わなかったので、ディックも見直しました。演奏のほかに、スタジオの雑用を頼んで労働時間に計上します。
それでも労働時間は規定に満たない時間でした。しかし保護観察官のリードは「ここまで長くクスリを断ち、熱心に働く者は初めてだ」と言い、目をつぶります。

【結】- ブルーに生まれついてのあらすじ4

その頃、チェットはジェーンとの結婚を考えました。ジェーンの両親と会います。
ジェーンの両親も、チェットの薬物はよく知っていました。元ヤク中のチェットとの結婚に、しぶい顔をします。
結婚はしばらく見送りました。

こうして長期間、演奏しているうちに、少しずつではありますが、チェットの演奏はよくなってきました。
一度挫折し、今でも演奏は下手です(義歯だから)。
しかし技術の衰えを、チェットは巧みに「味」に変えていました。
ディックたちもそれを認め、ステージに出そうと決めます。
ディックはダニー・フリードマンを紹介しました。セッションを見せることになります。
ジェーンはその頃、再び映画の話がチェットの時の監督から出ており、不在でした。
チェットは映画監督とジェーンの関係を嫉妬します。ジェーンがいくら否定してもチェットは固執し、結婚してほしいと言いました。
指輪をネックレスにして渡し、ジェーンはそれを首にかけます。

日曜日の夜におこなわれるセッションは、レコードの録音も同時にすることになりました。
緊張したチェットは『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』を歌入りで披露します。
(全盛期のチェットは歌もうたっていた)
セッションは成功しました。ダニーは〝バードランド〟で演奏してくれと、チェットに依頼します。
〝バードランド〟はニューヨークにありました。
ジェーンはちょうどロサンゼルスでオーディションが重なっており、チェットにひとりで行けと言います。

ニューヨーク。
〝バードランド〟の舞台に立つために楽屋に入ったチェットは、緊張していました。店にはマイルス・デイヴィスも聞きに来ています。
楽屋に顔を出したディックに、チェットは薬物療法に使うメタドンが2日前に切れたことを話しました。連続服用していないと、反動がきてしまうのでよくないのです。
ディックは慌ててメタドンを調達して戻ってきますが、楽屋でチェットがヘロインを打つ準備をしていました。
ディックは「やめろ、ジェーンを失うぞ」と警告しますが、チェットは「演奏するにはクスリが必要だ」と言います。
ディックは最後の判断をチェットに任せて、楽屋をあとにしました。

ジェーンが〝バードランド〟にやってきました。オーディションの日程が変更になり、見に来ることができたのです。
舞台で演奏するチェットを見たジェーンは、チェットが再びヘロインに手を出したことに気付きました。涙を浮かべると、指輪のネックレスを外して、ディックに渡して去ります。
チェットの演奏は拍手喝采を浴びていました。
しかし、チェットはジェーンという女性を失いました。

〝この後チェットは、ヨーロッパで生涯を過ごした。
名演を残しながらも、ヘロイン依存は治らず。
1988年に、アムステルダム(オランダ)で逝去した。〟

みんなの感想

ライターの感想

イーサン・ホークの名演技が光る作品。感じが出てる、出てる!
ヘロインって、そこまで依存症があるのか、とも思ってしまう。
あごと歯を失って、まだ安静にしていないとならないのに、それでもバスタブで血まみれになりながら練習するシーンは、アッパレ。
そこまでしてトランペットに情熱はかけられるのに、ヘロインを断つことはできない…不思議ではあるけど、昔は芸術性が重要視されていたし。
退廃的なムードが全体的に漂う作品。

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