「ペーパーマンPAPERMAN」のネタバレあらすじ結末

ペーパーマンの紹介:2009年製作のアメリカ映画。2作目がいつまでも書けないスランプの小説家には、40年以上もの付き合いの友人〝キャプテン・エクセレント〟がいた…。空想の友人とコミュニケートする小説家に新たにできた友人とは!?

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予告動画

ペーパーマンPAPERMANの主な出演者

リチャード・ダン(ジェフ・ダニエルズ)、アビー(エマ・ストーン)、キャプテン・エクセレント(ライアン・レイノルズ)、クレア・ダン(リサ・クドロー)、クリストファー(キーラン・カルキン)、ブライス(ハンター・パリッシュ)

ペーパーマンPAPERMANのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①売れない小説家・リチャードは第2作を書こうとニューヨーク州の最東端・モントークに家を借り、缶詰状態になる。実はリチャードには40年以上の付き合いの架空の友人キャプテン・エクセレントがおり、いつも彼を慰めていた。 ②リチャードはある日アビーという少女と出会った。アビーも自分に言いよる仮想の青年・クリストファーを持っていた。リチャードとアビーは友情をふかめることで成長し、仮想の友人たちはいなくなった。

【起】- ペーパーマンPAPERMANのあらすじ1

アメリカ、ニューヨーク州モントーク。
モントークはニューヨーク州東部の、ロングアイランド半島(ロングアイランドビーチで有名なバカンス地)の最東端にあります。
中年男性リチャード・ダンは、そこに一軒家を借り、一時滞在することにしました。
ニューヨークの長老派教会病院で外科医をする妻・クレアは、週末だけリチャードのところへやってくるつもりです。
2人の間には子どもがなく、そのことについて2人とも納得していました。
リチャードがモントークへやってきたのは、執筆のためでした。小説家としてデビューしたものの、第2作が書けないリチャードは、モントークに籠もって作品を書こうと思っています。
第2作の構想は既に練られていました。絶滅した鳥、ライチョウの一種・ヒースヘンを題材にして、絶滅に至るまでの経緯を書きつづるつもりです。モントークの近くの州立公園に最後のヒースヘンがいたことから、その地で執筆をしようと考えていました。
妻・クレアは夫・リチャードの執筆のために、ノートパソコンをプレゼントします。その気持ちに感謝を告げながらも、内心では長年慣れ親しんだタイプライターの方が気がねないリチャードは、妻が去ると早速タイプライターを取り出しました。
しかし実際に執筆を開始したリチャードは、一文目から困ります。
タイプライターで『マートンにとって、孤独は簡単なものだった』と書いてはやめ、『ミルトンにとって、孤独は神聖なものだった』としたものの、主人公の名前がしっくりきません。そして以降も、ずっと主人公の名前ばかり考えています。
書けない身にとっては、些細なことも気にかかります。ソファの奇天烈な模様が気になり始めると、何度も視線はそちらに向かいます。
気晴らしに自転車で買い物に出かけたリチャードは、ホワイツ雑貨店で見かけた若い女性・アビーが無性に気になりました。本人たちは知らないのですが、リチャードとアビーにはある共通点があるのです。
アビーは恋人・ブライスとキスして別れたものの、身勝手なブライスに不満を持っていました。別れた後にむかっ腹を立てたアビーは持っていた紙を破り、途中からは火をつけて燃やします。
それを見たリチャードは、アビーが去った後にダウンジャケットを脱ぎ、それをかぶせて火を消しました。リチャードのダウンジャケットの背中が焼けましたが、リチャードは構わず自転車でアビーを追いかけます(なのでこのシーン以降、リチャードが着るジャケットはずっと背中に焼け焦げがある)。
尾行されたアビーは不気味に思い、曲がり角のところでスタンバイしました。リチャードの自転車の軋みが大きくて、バレバレなのです。
曲がり角で待ちかまえられ、謎のポンプタイプのものをアビーに突きつけられたリチャードは、たじろぎました。アビーは「ボディソープ」と告げて、リチャードの乗る自転車の車軸のところに差します。
リチャードは反射的にアビーを追ったものの、用件がないことに気づきました。そこで、この町に来たばかりということを告げ、ベビーシッターのアルバイトをしてくれないかと頼み、金曜の夜6時で成立しました。
帰り際は、油(というかボディソープ)を差してもらったので、もうリチャードの自転車はキーキーいわなくなりました。 この映画を無料で観る

【承】- ペーパーマンPAPERMANのあらすじ2

やっぱりソファが気になったリチャードは、レイアウトを変えてみて、さらにヒースヘンの鳥のポスターを貼ります。
やってきたアビーに実は子どもがいないことを告げて、それでも入れ代わりにリチャードはアビーに家の留守番を頼み、外出しました。
先述のリチャードとアビーの共通点ですが、両者ともに『空想の友人』がいることです。
リチャードには40年来の友人〝キャプテン・エクセレント〟がいました。リチャードが7歳の時からいるキャプテン・エクセレントは、リチャードにとっては『なんでも屋』で、励まし、慰め、鼓舞する役目をになっています。
一方のアビーには〝クリストファー〟がいました。若くてアビーと同じ年頃のイケメン男子・クリストファーは『彼女に恋をする男の子』の役目で、リアル世界の恋人・ブライスとの仲がうまくいかない時には、すかさず口説く役目をになっています。
リチャードもアビーも互いにその『空想の友人』について、相手に話したり、話題で触れたりすることはありません。
港で3時間寒空の中、時間をつぶしたリチャードが帰って来ると、アビーは手作りのスープを作って待っていました。そんなことを一切期待していなかったリチャードは感激し、スープが自分で作れると知って驚きます。スープとは缶詰で売られているものを温めるものだと思っていたからです。
スープを手放しで褒められたアビーは照れますが、本心でリチャードが言っていると知り、嬉しく思います。
リチャードの留守の間、アビーはリチャードの著書を見つけて小説家だと知りました。ヒースヘンのポスターには、うざったい恋人・ブライスの顔を貼っており「クソったれだ」とリチャードに言います。
来週また同じ時刻に来ることを約束し、アビーは帰宅しました。
時給12ドル(約1364円)のバイトを、アビーは楽しいものと捉えます。
アビーを雇ったからといって、リチャードの筆が進まないことに変化はありませんでした。現実逃避に折り紙をしたり、ソファを思い切って屋外に出してみたりします。
2回目のバイトもアビーはやってきて、初めて自分の名前を明かします。それまでは名前を聞かれても、リチャードに答えませんでした。
アビーは父が漁師だと言って、ヒラメを土産に持ってきました。リチャードはアビーがいる間、家を出てバーに飲みに行きます。
バーでリチャードは、今度書く小説の内容を隣の客に話します。書きさえすれば内容は面白いらしく、リチャードがラストの「保護区の火事」のシーンを話す頃には、隣の客だけでなくマスターや店中の客が集まって、静かに耳を傾けていました。
リチャードは酔っ払って帰宅し、アビーに抱きつこうとして殴られます。バイト代を受け取らないまま、アビーは去りました。
ベビーシッターのバイトは金曜なので、翌日は妻・クレアがやってきます。クレアは冷蔵庫の中にヒラメがあり、スープがあるのを見て不審に思いますが、リチャードが誤魔化しました。

【転】- ペーパーマンPAPERMANのあらすじ3

クレアがシャワーを浴びている間、アビーが前日殴ったことを謝りにやってきます。リチャードは酔っ払って抱きついたことを詫び、殴られても仕方ないと言って、クレアにばれないようアビーを追い返します。
雑貨店でアビーと会った際、リチャードはバイト代を渡そうとしましたが、「いらない」と断られました。アビーはそれよりも、妻・クレアに自分を隠されたことがショックだったのです。
リチャードは「クレアには分からないよ、僕らの友情を。(僕は君を)尊敬している」と言いました。アビーも同じ気持ちなので、嬉しく思います。水曜日に会うことを約束し、2人は別れました。
そうなのです、リチャードとアビーは異性で、傍目には「中年男と若い少女」ですが、彼らの間にできたものは愛情ではなく友情でした。それは互いに似たものを抱えていることから来るものです。
リチャードは自分の書籍を買いあさり、本でソファを作ります。
次に会った時、自分の職業・小説家を「しがない紙商人(ペーパーマン)」と嘆くリチャードに、アビーは「手を繋いだ人型の切り紙(ずらっと並んだ形の)」をプレゼントします。
リチャードはアビーに、妻・クレアにも言えない本音を口にします。
外科医としても有能な妻に対し、リチャードは子どもが欲しいと言えませんでした。
リチャードは1人っ子で、つまりこのままだと自分の血を引く一族は自分の代で途絶えてしまう…絶滅した鳥・ヒースヘンに惹かれて題材にしようとしたのも、それがきっかけだ…そうリチャードはアビーに告白しました。
2人は海へ行きますが、そこでアビーは寒い中、海の中へ服を着たまま入っていきます。心配して上着を貸すリチャードに、アビーも自分だけが抱える本音を話します。
アビーには幼い頃、双子の妹・エイミーがいました。アビーとエイミーは心中を決意して海に入りますが、アビーが怖くなって途中で止めたのに対し、エイミーは自殺を果たしたのです。
途中で引き返したことをアビーは悔やみ、妹・エイミーに申し訳なく思っていました。それでアビーは数か月前まで精神病院に入っていたほどです。
「だから私も1人っ子」とアビーはリチャードに言いました。
リチャードとアビーは互いの存在に、徐々に救われていきます。リチャードの親友キャプテン・エクセレントやアビーに恋するクリストファーの存在意義がなくなり始め、彼らは姿を消す時が近いと感じました。
アビーの恋人・ブライスがパーティー会場を欲しがっていると知ったリチャードは、自分の家を提供すると言います。
パーティーに多くの若者たちが集まりました。そこでブライスが別の女性と浮気しようとしているのを見たリチャードは、ブライスを止めに入り殴られます。
アビーとブライスが怒ってパーティーはおひらきになりました。
その夜、パーティーともめごとに疲れたリチャードとアビーは、ソファで一緒に寝ます。もちろん疾しいことは一切ありません。
眠る2人を見ながらキャプテン・エクセレントとクリストファーは互いに自己紹介し、もうすぐお別れだなと言い合います。

【結】- ペーパーマンPAPERMANのあらすじ4

翌朝、友人のピーターとルーシー夫妻を連れた妻・クレアが、ソファで眠るリチャードとアビーを見つけて浮気と誤解しました。クレアは怒ってアビーを追い出します。
パーティーの話をしようとしたリチャードは思い直し、ずっと言えなかった本音「子どもが欲しかった」と言いました。クレアは戸惑い、リチャード自身が子どものようなものだと指摘し、ピーターとルーシーは場の深刻な空気に、立ち去ります。
妻・クレアに本音を言ったリチャードは、ヒースヘンの最後の生き残りがいたキャンプヒーロー州立公園へ行きました。そこでキャプテン・エクセレントと最後の別れを切り出します。
キャプテン・エクセレントは納得し、空へ飛んで去りました。
妻・クレアは雑貨店でアビーを見つけ、声をかけます。アビーは「ぶっとんだ父親が欲しかった。あんな最高の父親が欲しかった。」と言い、クレアは夫・リチャードとアビーの仲は疾しいものではないと知りました。
リチャードはタイプライターに向かい、主人公の名前を考えます。自分の名前『リチャード』にして、書き始めました。
そしてアビーに会いに行ったリチャードは、白鳥の折り紙を渡し、この地を去ることを告げます。せっかく仲良くなったのに残念だとリチャードが言うと、アビーはお返しにキスをしました(友情のキス)。
リチャードが去った後、アビーの自室でクリストファーが首吊り自殺をしていました(架空の存在なのでアビーにしか見えない)。アビーは長年自分だけを思ってくれる男の子の死にショックを受けながらも「じゃあね」と声をかけます。
折り紙を開けてみると、アビーへのメッセージが書かれていました。
『リチャードにとって、孤独は神聖なものだった。名誉の印であり、人生から身を守るのにまとう外套だった。彼は孤独そのもの。その結果周囲は彼への軽蔑を隠さず、彼は人に好かれぬ痛みを味わった。
何も与えないから、何も得られないのか。いずれにせよ耐えがたい状況だ。空想の友達と絶滅動物にしか共感できず、リチャードはついに物足りなさを感じた。
そして少女と出会った。温かくて悲しげな彼女は、彼とどこか似た孤独を抱えていた。喪失を知る少女から、彼は知らない世界を教わった。これが友情なのかもしれない。そう思った。
一瞬のきらめき。始まったばかりだった。しかし少女はつかの間の冬の日々、彼に多くを与えた。だから彼は歩み続ける。彼が与えたのは紙切れに綴った言葉、それだけだが、アビーが喜ぶことを彼は願った。』
アビーはリチャードの言葉を読み、心に深く刻みつけると、折り紙を広げて海に流しました。
父親ほどに年の離れたリチャードですが、アビーにとってはやはりかけがえのない、初めてできた友人です。それを噛みしめながら、波間へ消えていく紙をアビーは見守っていました。
リチャードの方も、何事もなかったかのような生活が戻ります。妻・クレアは缶詰のスープをあたため、それが今までは普通だと思っていたリチャードにとっては、自作のスープを教えてくれたアビーは心の中でいつまでも友人です。
モントークの地を去り、ニューヨーク市へ戻るリチャードの目に、中指を立てて微笑むキャプテン・エクセレントの姿が入りました(ラストシーンに特に意味はなし。キャプテン・エクセレントから卒業したリチャードに対し「健闘を祈る」程度の意味合いだと思われる)。

みんなの感想

ライターの感想

ちょっと切ない、でも、じんと心に響く作品。
特に作中でキャプテン・エクセレントを演じる、ライアン・レイノルズの奇抜ないでたちには、つい笑ってしまう。堂々としたヒーロー。
彼は『デッドプール』でブレイクした俳優だが、この頃から既にヒーロー姿が板についている(笑)。
しかしそういう「おかしさ」だけでなく、人間関係に臆病でなかなか本心を言えない人間が、少しずつ周囲に対して溶け込んでいく様子を丁寧に描いているので、じんわりとした感動もある。
少しだけおかしくて、ちょっぴりせつない作品。

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