「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のネタバレあらすじ結末

マンチェスター・バイ・ザ・シーの紹介:2016年に製作されたアメリカ映画で、ケイシー・アフレックが主演を務めた感動ドラマ。兄の死をきっかけに、故郷に戻り甥の面倒を見ることになった孤独な男の物語を描く。第89回アカデミー賞では、脚本賞と主演男優賞を獲得した。

予告動画

マンチェスター・バイ・ザ・シーの主な出演者

リー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)、ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)、ジョー・チャンドラー(カイル・チャンドラー)、パトリック(ルーカス・ヘッジズ)

マンチェスター・バイ・ザ・シーのネタバレあらすじ

【起】- マンチェスター・バイ・ザ・シーのあらすじ1

舞台はアメリカ・マサチューセッツ州。ボストン郊外のアパートで、一人の中年男が雪かき、トイレ修理、ゴミ出しと仕事に精を出していました。男の名前はリー・チャンドラー、職業は腕のいいアパートの便利屋ですが、愛想がまったくないために一部の入居者からは嫌われていました。リーは孤独な時間を好んでいましたが、暴力的な面も持っており、酒場で出会った相手とケンカに及ぶこともしばしばありました。

そんなある日、リーの元に兄のジョーが倒れたという知らせが届きます。リーはすぐに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに向かいますが、到着したときにはすでにジョーは亡くなっていました。医者の話によれば、ジョーの死因は心停止だといいます。リーはジョーに心臓の病が見つかったときのことを思い出していました。ジョーはうっ血性心不全という心臓が徐々に弱っていく病気で、余命は5年から10年と言われていました。ジョーやリー、父スタンは冷静に病気を受け入れようとしていましたが、ジョーの妻エリーズはヒステリーを起こし病室から出て行ってしまったのでした。

リーは遺体安置室でジョーと再会を果たします。冷たくなったジョーの体を抱きしめ別れを済ませると、リーは今後のことについて考え始めました。まずリーが向かったのは、まだ父親の死を知らされていない甥のパトリックの元でした。リーはパトリックがいるホッケー場に向かう途中で、故郷の街での思い出を振り返っていました。船乗りのジョーと幼いパトリックとともに釣りを楽しみ、家に帰れば、かわいい娘二人と生まれたばかりの息子、そして愛する妻ランディが待っている…現在のリーの環境とは真逆の幸せに満ちた思い出がこの街にはあったのです。

ホッケー場に着き、リーはパトリックに父の死を知らせました。一方、その様子を見ていたパトリックの同級生たちはリーを見て驚きの表情を浮かべていました。この街でかつて起きたある出来事のために、リーの名前は広く知れ渡っていたのです。その後すぐにリーはパトリックを病院に連れて行きジョーの遺体と面会させますが、パトリックは一瞬ジョーを見ただけですぐに遺体安置室を出て行ってしまいました。

【承】- マンチェスター・バイ・ザ・シーのあらすじ2

リーは今後の葬儀の準備のためにジョーの家にしばらくの間身を寄せることにしますが、家に戻るとすぐにパトリックが恋人のシルヴィーや友達を家に招きました。その夜、シルヴィーは家に泊まり、パトリックは行方知れずとなっている母エリーズに父の死をメールで知らせました。

翌日、リーはジョーの遺言を聞くために弁護士事務所へと向かいました。そこでリーはジョーがパトリックの後見人としてリーの名前を挙げていることを知ります。ジョーは養育費だけでなくリーの引っ越し費用までも用意していました。リーが断ることを見越して、ジョーは生前にこの遺言をリーに明かしていなかったのです。リーには後見人になる道など考えられませんでした。彼は窓の外に広がる雪景色を見ながら、過去に起きた悲劇的な出来事を思い出し始めました。

リーは自宅で友人とともに酒を飲んで騒いでいました。怒った妻ランディが出て行くよう怒鳴りつけたために飲み会は解散となりましたが、リーは飲み足りず酒を買いに出かけました。その帰り道、リーは驚くべき光景を目にします。自宅が火に包まれ、消防車による消火活動が行われていたのです。家の前では「家の中に子どもがいるの!」とランディが泣き叫んでいました。

その後火は消えたものの、三人の子どもは誰一人助かりませんでした。ランディも救急車で運ばれましたが、リーに強い拒否感を示していました。焼け跡から見つかった小さな遺体を見て、リーは胸が張り裂けるような思いに襲われます。

その後、警察署でリーはあのとき起きたことすべてを告白しました。友人たちとは酒だけでなくドラッグも飲んでいたこと、一人で飲み直そうとしたとき、二階の子供部屋がひどく冷えていたこと、そして、暖房が苦手なランディに配慮して暖炉に薪を入れて部屋を温めようとしたこと、そして、酒を買いに外に出かけたとき、ふと暖炉のスクリーンを置いたか不安に思いながらも、そのまま戻らなかったこと…リーはこの不幸な事故の責任はすべて自分にあると考えていましたが、警官から返ってきたのはリーの行いは過失ではあるが、犯罪ではないという言葉でした。リーは警官から銃を奪い自殺を図りますが、すぐに警官に取り押さえられてしまいました。

つらい過去を思い出すリーに、弁護士は寄り添うような口調で語りかけてきました。「君の経験は想像を絶する。本当に後見人になりたくないなら、かまわない。君の自由だ」。

【転】- マンチェスター・バイ・ザ・シーのあらすじ3

その後、リーはパトリックとともにジョーの船の様子を見に行きました。船のモーターは故障しており、修理にお金がかかることからリーは売却を提案しますが、パトリックは首を縦に振ろうとはしません。次に二人は葬儀屋に向かいますが、ここでも二人の意見は対立します。リーは雪が溶けた頃に埋葬したいと主張したのに対し、パトリックは春までの長い時間父親の体が冷凍されることに強い拒否感を抱いたのです。二人は激しい口論に及び、関係は険悪なものになってしまいます。

その夜、リーはパトリックをもう一人の恋人サンディーの家に送りました。リーはパトリックの女遊びに半ばあきれ果てていました。その後、ある夜にリーは元妻のランディからジョーの葬儀に参加したいという旨の電話を受けました。それに加えて、ランディは現在妊娠中であることも報告してきました。ランディはあの悲劇の後、パートナーを見つけ新たな人生を歩んでいたのです。

ジョーの葬儀が終わると、リーはパトリックに二人でボストンに引っ越すことを伝えますが、この街に多くの友人がいるパトリックはリーの考えを断固拒否します。便利屋の叔父さんこそ、どこでも住めるというのがパトリックの主張でしたが、リーは聞く耳を保とうとしませんでした。

リーは再び過去を思い出していました。あの事件の後、リーは故郷を出る準備をし、ジョーと幼いパトリックも手伝いに来ていました。別れの間際、ジョーはリーを力強く抱きしめましたが、リーの目からはかつてあった輝きが消えてしまっていました。

その夜、パトリックが突然パニック発作を起こします。パトリックを落ち着かせ、話を聞こうとするリー。冷凍庫で凍ったチキンを見て、冷凍されているジョーの体を連想してしまったのだといいます。「父さんを冷凍したくない」と泣き叫んだ後、パトリックは眠りに落ちていきました。

リーはボストン郊外に引っ越したときのことを思い出していました。狭い部屋にベッドがあるだけの簡素な部屋を見かねて、次々と家具を買い足し運び入れるジョー。どんなときもジョーはリーの支えになろうと力を尽くしてくれていたのです。

その後、パトリックは今の住まいに荷物を取りに行きました。ジョーの家に戻り、丁寧に子どもたちの写真を並べていると、ジョーの元妻エリーズから電話がかかってきました。突然の出来事に電話を切ってしまうリー。その後、エリーズから連絡を受けたパトリックはリーが電話を切ったことを責め立て、「最悪の後見人」と罵倒しました。

【結】- マンチェスター・バイ・ザ・シーのあらすじ4

その後、パトリックはエリーズに昼食に招かれました。現在エリーズは熱心なキリスト教徒のジェフリーと暮らしており、幸せそうな様子でした。しかし、エリーズはアルコール中毒から回復したばかりで、終始落ち着かない様子を見せていました。その夜、パトリックはジェフリーから一通のメールを受け取りました。それは、不安定なエリーズの体調を考慮して、今後はジェフリーの許しなしにはエリーズに会ってはいけないという内容でした。

落ち込んだ様子のパトリックに、リーはジョーが所蔵していた骨董品の銃を見せました。そして、これを売れば船のモーターを買えるとリーが言うと、パトリックは明るさを取り戻しました。早速、二人は銃を売ったお金でモーターを購入し、モーターを交換しました。笑顔を浮かべるパトリックに、リーも微笑みを返します。パトリックはサンディーを船に乗せ束の間の船旅を楽しむのでした。

その後、リーが一人で街を歩いていると、偶然ベビーカーをひくランディと出くわしました。ランディはかつてリーをひどい言葉で罵ってしまったことを心から後悔していました。会話を重ねるうちにランディの目からは涙が溢れ、リーに許しを乞い、そして今も愛していることを伝えてきました。リーは耐えきれずランディの言葉を遮りその場を去っていきましたが、その後立ち寄ったバーで乱闘騒ぎを起こしてしまいます。ジョーの仕事仲間のジョージがその場にいたおかげで乱闘は収まったものの、リーの心は不安定になっていました。ジョージの家で介抱を受けながら、リーは涙を流していました。

それから間もなく、リーはジョージ夫婦と話し合った結果出した結論をパトリックに伝えました。それは、パトリックはジョージの養子としてこの街で暮らし続け、リー自身はボストンで便利屋として働く、というものでした。リーはこの数日間の帰省で、あの過去を乗り越えられないことに気づいてしまったのです。パトリックはこの結論にショックを受けながらも、リーの決断を受け入れることを決めます。

季節は流れ、マンチェスター・バイ・ザ・シーにやっと春の気配が訪れました。ジョージの埋葬のためにリーとパトリックは再会を果たします。埋葬が終わった後、なかなか良い住まいが見つからないとパトリックに愚痴をこぼすリー。予備の部屋が欲しいというリーの希望に首をかしげるパトリックに、リーはこう返しました。「お前が遊びに来る」。まだ温かいとは言い難い寒々しい道を、二人は静かに歩いて行くのでした。

みんなの感想

ライターの感想

淡々と物語が進む中で明かされる主人公の過去の壮絶さに言葉を失ってしまいます。回想シーンではアルビノーニのアダージョが効果的に使われ、痛ましい過去がさらに悲劇的なものとなっていました。そんな中でも、甥との交流を通じて本当に少しずつですが笑顔を取り戻して行く主人公の表情がとても感動的です。ラストは現実的な着地点に終わりますが、主人公には確かな変化が感じられる素晴らしい結末でした。

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