「ラブ&ピース(園子温監督)」のネタバレあらすじ結末

ヒューマンドラマ

ラブ&ピースの紹介:2015年6月27日公開の日本映画。国内外で高い評価を受ける園子温・監督が、長谷川博己を主演に迎え〝愛〟をテーマに描く人間ドラマ。うだつの上がらないサラリーマンの人生が、一匹のミドリガメとの出会いを機に変わる姿を描く。

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予告動画

ラブ&ピース(園子温監督)の主な出演者

鈴木良一(長谷川博己)、寺島裕子(麻生久美子)、Revolution.Qメンバー(奥野瑛太)、謎の老人(西田敏行)、松井(松田美由紀)、司会者(田原総一朗)、コメンテーター(茂木健一郎)、PC‐300(星野源)、マリア(中川翔子)、スネ公(犬山イヌコ)、カメ(大谷育江)

ラブ&ピース(園子温監督)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①うだつのあがらない会社員・鈴木良一は会社でも社会でも負け犬人生驀進中。1匹のミドリガメを買って大事に育て始めた鈴木は、夜ごとピカドンと名付けたカメに自分の夢を語る。 ②トイレに流れたピカドンは謎の老人に辿り着き『夢を叶える飴』をもらって、鈴木の夢を叶え始める。副作用でピカドンは大きくなる。 ③鈴木は思い描いた夢どおりサクセスロードをまい進するが、すべてピカドンの力と知って元の人生に戻る。裕子にも自分で告白しようと思いながら。

【起】- ラブ&ピース(園子温監督)のあらすじ1

2015年。
鈴木良一(33歳)は、平凡な男性でした。
若かりし頃にロックミュージシャンへの憧れを持ち、21歳でロックバンドを結成しますが、3回ライブを開いた後にあまりにもファンがつかなかったため解散しました。
夢が破れた鈴木はその後、楽器の部品(piece ピース)を作る会社に就職します。
6畳一間の安アパートにこもって、うだつのあがらない生活を送っている鈴木は、誰もかれもが自分を負け犬だとみているように感じていました。
深夜のテレビ『田原総一朗の2020年 東京オリンピックを問う』という番組では、田原総一朗にも「時代に乗り遅れている」と指摘され、水道橋博士や茂木健一郎にもバカにされているように思えます。
テレビ番組を見ながら現状に甘んじている鈴木は嘆きますが、コタツにもぐってあがいているその姿はまるでカメのようでした。
通勤電車に乗れば、皆から冷たい視線を浴びせられているように感じ、胃が痛くなります。同僚にもバカにされています。
鈴木の唯一の心のよりどころは、株式会社「PIECE」の同僚・寺島裕子でした。裕子に憧れる鈴木でしたが、気弱すぎて声もかけられません。
ドンマイと言って背中を叩く振りをして『廃棄』シールを貼るイタズラをする男の同僚に対して、裕子はそれをこっそり剥がす優しさを持っていました。さらに胃痛に苦しむ鈴木に緑のカプセル錠の薬もくれ、鈴木は大事に取っておきます。
ある日、屋上でやきそばパンを食べていた鈴木は、SOGOの屋上で1匹のミドリガメ(200円也)と運命的な出会いを果たしました。家に連れ帰った鈴木は、カメを可愛がります。
「昼の姿は仮の姿で、本当の俺はロックなんだ」とカメの前でロックミュージシャンの姿を見せたり、「氷山は、見えているところはほんの一部だが、その下にこーんなでっかい本当の姿があるんだ」と言い聞かせたりします。
最初は「カメちゃん」と呼びかけていた鈴木は、カメに名前をつけようと考えました。ちょうどテレビで「ピカドン」という言葉を知っているかというインタビューがあり、1人の若者男性が「怪獣みたい」と発言したことから、カメにピカドン(原爆)という名をつけます。
ピカドンといっしょに人生ゲームで遊んだ鈴木は、それに飽き足らず自作の人生ゲームを作りました。一本道です。
そこには鈴木良一の人生ゲームを書きこんでいました。夢のゴール地点は、新宿中央公園に8万人収容できる多目的ホール「日本スタジアムでのライブ」です。
一本道の人生ゲームを作り、両側に薬やドロップの缶などの障害物を並べ、どうやっても前にしか進まない人生ゲームをピカドンに歩かせた鈴木は、「いつか叶えてくれるよね」「お前だけが友だちだよ」とひとりで盛り上がります。 この映画を無料で観る

【承】- ラブ&ピース(園子温監督)のあらすじ2

「僕は寺島裕子さんが好きだ。寺島裕子さんと付き合いたい」…そんな秘密もピカドンに教えました。
それからの鈴木はピカドンをポケットに入れて出勤し、めげそうになるとポケットからピカドンを出して撫でました。
しかし…ある日とうとう会社の人たちに、ピカドンを連れて出社したのがバレます。上司に「それがお前のピースか」と言われて同僚にも笑われた鈴木は、パニックに陥って、ピカドンをトイレに流してしまいました。
ピカドンは下水道を流れていき、地下にできた洞窟のような場所に辿り着きます。そこにはたくさんの動物やおもちゃが、謎の老人と共に暮らしていました。
流れ着いたおもちゃは修理され、老人が作る飴で喋れるようになります。そこにいる先住の動物やおもちゃは、元の持ち主に捨てられたものたちでした。
いろんな動物やおもちゃがいますが、特に黒いねこのぬいぐるみ・スネ公と、フランス人形のマリアが積極的にピカドンに接します。
老人のミスにより、ピカドンは喋れる飴でなく、夢を叶える飴を食べました。ピカドンは自分のご主人である鈴木の夢を叶えようとします。
その頃、ピカドンを失った鈴木は悲しみに暮れていました。街かどにいたロック・ミュージシャンのギター部分がカメのデザインなのを見て、取りすがります。ミュージシャンが気味悪がって逃げても、カメのように這って追いました。
ピカドンが地下道で鼻歌を歌った頃、鈴木は家で同じメロディラインの曲を作ります。ピカドンと鈴木の歌が呼応した瞬間、ピカドンは1mほどの大きさに成長しました。
後日、鈴木はカメのデザインのミュージシャンに捕まって、路上ライブに引き出されました。そのバンド〝Revolution Q〟は路上パフォーマンスのひとつとして、鈴木を奴隷みたいに使おうと考えていました。
余興のつもりでボーカルが「ギター貸してあげるから、歌ってごらん」と言うと、鈴木は歌い始めます。
♪ 東京オリンピックに向けて この国はどんどん豊かになってく
  過去の苦い思い出を捨てて 目をつむり 耳をふさぎ 口をつぐみ
  どんなに幸せを繕ってみたところで
  ピカドン お前を忘れない ピカドン お前を忘れない
  目に焼き付いている 流されていくお前の顔を
  忘れたふりなんか できっこない
  できることなら今すぐ取り返したい 忘れることができないんだ ♪
鈴木はカメのピカドンを歌ったつもりで、歌い終わって逃げます。しかしそれを「反戦歌」と捉えたレコード会社プロデューサー・松井は、鈴木をプロのミュージシャンにしようと決めました。サクセスストーリーの始まりです。

【転】- ラブ&ピース(園子温監督)のあらすじ3

松井は鈴木の会社に乗り込んで奪取すると、ピカドンという言葉はさすがに強烈だから〝ラブ&ピース(Peace 平和)〟に変えようと言って、半ば無理やりに契約させます。
会社の近くのゴージャスな部屋を鈴木に与え、その一角には鈴木の貧乏な部屋を再現させていました。
マネージャーは〝Revolution Q〟のボーカルのワイルド・リョウとしてデビューさせた後、今年以内に解散させて、ソロデビューをと考えます。話題作りのためです。
会社を辞めた鈴木は、元同僚にチケットを渡しに行きました。もちろん本当の狙いは寺島裕子です。
すぐにレコーディングが開始し、10日後にはPVが製作され、20日後にはミニライブがありました。ライブは大成功で、会社の人たちも絶賛します。
「今日は来てくれてありがとう」鈴木は裕子に言いました。裕子は驚きますが、鈴木と裕子は距離を縮めていきます。
鈴木の夢はどんどん叶えられ、ピカドンも徐々に大きくなります。
新曲に悩む鈴木の元へ、ピカドンが帰ってきてメロディを提供しました。歌詞は積み重ねた本で示します。
♪ 今も続いている 俺たちの絆
  終わることのない俺たちは 何も変わっちゃねえ
  そうさ 俺たちは ずっとずっと一緒なんだよ ♪
曲ができたのを喜ぶ鈴木の家を、裕子が訪問して大きくなったピカドンを見ます。裕子はしげしげと眺めた後「あの時のカメさん」と言いますが、鈴木は恥ずかしさから、裕子を追い返しました。
そして以降、鈴木は裕子を避けるようになります。
さて新曲は「絆」というタイトルで、ライブの時に鈴木が突如発表しました。メンバーは事前に聞かされていなかったので怒りますが、鈴木に怖いものはありません。
鈴木はスターダムにのしあがります。脱走したピカドンは老人の元へ戻りますが、世間では「東京の川に巨大カメ出没」のニュースが流れて大騒ぎでした。老人は施錠を強化します。
しかしピカドンは鈴木へ歌を届けたいと思います。それを知ったスネ公、アリス、おもちゃのロボPC300が老人を酔わせて眠らせ、ピカドンを巨大段ボールで覆い、集団脱走して鈴木のところへ向かいました。
鈴木はコンサートの最中、解散宣言をします。他のメンバーは聞かされていないので、愕然としました。
コンサートの後の記者会見にピカドンが乱入し、鈴木は「超能力で呼んだ」「自然保護の観点で次の曲を考えている」「カメに歌わせる」と言い、ピカドンが鼻歌で歌います。これ以上ないパフォーマンスで効果的でした。
ピカドンはその後、日本科学研究所(日科研)に運ばれて、研究されます。突然変異だと、研究員たちは注目しました。
ピカドンを連れて来たスネ公とPC300は先に帰りますが、アリスは自分のご主人・ユリが新たな人形を買ってもらっているのを見て、ショックを受けます。

【結】- ラブ&ピース(園子温監督)のあらすじ4

さて自作人生ゲームのゴール地点『日本スタジアムでコンサート』が、もうすぐ鈴木の身に迫っていました。12月25日に行なわれる予定です。
地下道にいたおもちゃや動物たちは、その日、老人の作ったスペシャルドリンクを振る舞われて、眠りに就きました。その魔法のドリンクで、動物は赤ちゃん時代に若返り、おもちゃは新品同様に戻ります。
老人の正体はサンタクロースでした。サンタはマリアも回収して薬を飲ませます。トナカイがやってきて、サンタは「帰ってくるなよ」と眠っている地下道のメンバーを配りました。
そしてサンタは日科研にいるピカドンに会いに行き、喋る飴を食べさせると「自分のことばで喋れ。もうすぐゴールだ。幸せにな」と言います。
ワイルド・リョウは日本スタジアムライブで「このままもっとビッグに、世界を目指したい」と発言します。コンサートが始まった瞬間、ピカドンはさらに超巨大化し、建物よりも大きくなって会場を目指しました。
秋葉原を西へ通過するピカドンには、目の前の景色は鈴木が作った自作人生ゲームに見えます。特殊部隊が攻撃を仕掛けますが、ピカドンにダメージを与えることができず、また奇跡的にピカドンによる死者やけが人も出ません。
待ち受けた特殊部隊の戦車にピカドンは一斉攻撃を受け、後ろにあった都庁は崩れますがピカドンは無事でした。ドームに顔を覗かせたピカドンを見て、鈴木も観客も唖然とします。
ピカドンは喋りました。「氷山は、見えているところはほんの一部だが、その下にこーんなでっかい本当の姿があるんだ」「僕は寺島裕子さんが好きだ。寺島裕子さんと付き合いたい」と言ったピカドンは光って消え、上に流れて行きます。
観客は、姿を消したピカドンから、視線を鈴木に移しました。鈴木はよろよろしながらステージを去り、裕子と見つめ合います。裕子は進み出ますが、泣きそうな鈴木は金髪のカツラを取って捨てると、雪の商店街を泣きながら歩きました。
そのまま、前のアパートに戻ります。
窓から外を眺めていた鈴木のところへ、元のサイズになったピカドンが帰ってきました。鈴木は「カメ、お前か」と呼びかけると、両手ですくいあげます。
鈴木のアパートの入口に、裕子が駆け付けて来ました。
(鈴木は成功したが、それは全て老人とピカドンの『夢を叶える飴』のおかげである。
鈴木は、自分の欠如した「部分(piece)」つまり愛(love)や勇気や自立心、それらを自覚した。
それと共に今までピカドンに頼ってばかりの自分、愛の告白すらも自分でできていない己に気づいた。
ピカドンを最後に「カメ」と呼ぶことで、鈴木はこれまでの人生をリセットする。これからは自分の力で道を切り開いていくつもりだ。
ラストシーンの後、たぶん裕子が鈴木の部屋を訪問するであろう。鈴木は今度は自分の言葉で、裕子に告白すると思われる)

みんなの感想

ライターの感想

…まことにもって、園子温ワールド。違う~と思う人もいるかもしれないが、これもひとつの園作品の形。
それを長谷川博己が、みっともないばかりに熱演している。このみじめさ、恥ずかしさ、みっともなさ…熱演から伝わるだろう。
もう1人の主人公ともいえるべき役柄の老人を西田敏行が演じる。若干、このシーンが長めで、退屈かもしれない。もう少しカットしてもいいかなと思う。
「ラブ&ピース」の曲を何度も聞かされるので、耳に残ると思う。
が、やっぱりテーマソングは忌野清志郎、もとい、RCサクセションの『スローバラード』これなのだ。
この曲ありき。というかこの曲以外に、しっくりこない。

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