「ルームROOM(2015年)」のネタバレあらすじ結末

ルーム(ROOM)2015年の紹介:2015年製作のアメリカ映画。ある日、拉致監禁され、一児の母親となった女性が絶望的な状況からの脱出に挑む姿を描く人間ドラマ。子役時代から数々の作品に出演し、『ショート・ターム』で注目を浴びたブリー・ラーソンが、息子と共に生き延びようとする母親を演じる。監督は被り物をしたバンドマンを描いた『FRANK フランク』のレニー・エイブラハムソン。

予告動画

ルームROOM(2015年)の主な出演者

ジョイ・ニューサム〔ママ〕(ブリー・ラーソン)、ジャック・ニューサム(ジェイコブ・トレンブレイ)、ナンシー(ジョアン・アレン)、オールド・ニック(ショーン・ブリジャース)、レオ(トム・マッカムス)、ロバート(ウィリアム・H・メイシー)

ルームROOM(2015年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①5歳の誕生日を迎えたジャックが知るのは、ママと一緒にいるこの部屋(ルーム)のみ。ママは7年前に誘拐され、監禁している犯人との子がジャックなのだ。ジャックも少し成長し犯人に頼りきりの生活は危ないと感じたママは、ジャックに協力を頼んだ。ジャックは大役を果たしてママを救う。 ②外の世界はジャックの想像以上に広かった。不安を覚えながらもジャックはいろんなことを吸収するが、ママは反動で鬱状態になり自殺未遂する。ジャックとママは監禁された部屋へ行き、過去との訣別を果たした。

【起】- ルームROOM(2015年)のあらすじ1

少女のように髪の毛を長く伸ばした少年・ジャックは、天窓しかない一室(ルーム)で、生まれた時からずっと母・ジョイと暮らしています。
4歳のジャックは朝起きると、「おはよう、ライトスタンド。おはよう、卵ヘビ」というふうに、部屋にあるものに声をかけていきます。
ジャックが接する相手はずっとママだけです。ときどき部屋にオールド・ニックという大人の男が現れますが、オールド・ニックが来た時にはジャックはクローゼットに隠れておくようにと、ジャックはママに言われていました。
5歳の誕生日。ジャックはママにお祝いとしてテレビみたいなケーキを作ろうと言われ、喜びます。
2人で協力してケーキを作りました。ぺちゃんこのケーキですが、それでもジャックは嬉しく思います。
ところが…部屋にはろうそくがありませんでした。〝日曜の差し入れ〟に頼んでくれとママに言いますが、ママは「面倒なものは頼めない」と答えます。
ジャックは「6歳になったら、本物のろうそくを頼んでね」と言いました。
その夜、オールド・ニックがやってきます。ジャックはオールド・ニックがやってきた時の常で、クローゼットに隠れました。
オールド・ニックは机の上にケーキがあるのを見てジャックの誕生日と知ると「言えばプレゼントを買ってきてやったのに」と言います。
そしてママとベッドにもぐりこみました。ベッドがきしむ音を聞きながら、ジャックは眠りにつきます。
やがてオールド・ニックは部屋を立ち去りました。
ママはジャックをクローゼットから出すと、母子で眠ります。

ジャックはママから「テレビの世界はにせもの」と聞かされています。〝へや(ルーム)〟の外は惑星空間で、テレビの世界が広がっているとも聞かされていました。
確かにジャックにとっては、生まれてこのかた〝へや〟を出たことがないので、外の世界はいっしょ、未知の世界です。
ジャックはまだ5歳なので、詳しい事情は何も知りませんでした。自分が置かれた環境がいかに異常かということも分かりません。
実はママであるジョイ・ニューサムは、17歳の高校生の時、帰宅途中にオールド・ニックに誘拐されて、以来ずっと7年間監禁されているのです。ジャックはママとオールド・ニックとの間に生まれた子どもでしたが、ママはジャックのことを深く愛しています。
りんごを齧っていたママの奥歯が抜けました。ずっと違和感を覚えていた場所の歯で、虫歯になっていました。ママはそれをニックにくれます。
これまでママはオールド・ニックからの差し入れに頼る生活を、やむなく受け入れてきました。
しかしママに決断の時が迫ります。
いつものように夜にやってきたオールド・ニックは、ママが頼んでいたビタミン剤を買ってきてくれませんでした。ママとオールド・ニックはそれが原因で口論になります。
オールド・ニックは実は半年前から失業していました。生活費は誰が払ってやっているんだと、オールド・ニックはママに言います。ビタミン剤は金の無駄だというのです。
そして喧嘩したまま部屋を出たオールド・ニックは、罰としてママとジャックがいる部屋の電気を切りました。冬なので部屋が寒くなります。
自分の吐く息が白くなったのを見て「僕、ドラゴンみたい」とジャックは無邪気に言いましたが、ママはこのままでは駄目だと感じ、部屋からの脱出を計画します。

【承】- ルームROOM(2015年)のあらすじ2

とはいっても、非常に難しいことです。この部屋は窓が天井に1か所(天窓)しかなく、唯一の出入口は電子ロックされていて、その暗証番号はオールド・ニックしか知りません。
仮にオールド・ニックを殴って気絶させてしまうと、逃げるにも扉が開けられません。
実際、監禁の初期にママはトイレのタンクの蓋部分でオールド・ニックを殴って逃げようと試みたことがありますが、失敗しました。
なので、部屋のトイレのタンクには蓋がありません。ママはその時に手首をねじられたので、後遺症が残っています(左手の握力が弱い)。
ママはジャックに根気強く、それまで教えていた事実は間違いで、部屋の外にも世界が開けていることを教え始めました。自分たちが今「納屋」と呼ばれる場所で暮らしていることなども説明します。
そのうえで、ジャックの協力が必要とママは言います。オールド・ニックをだまして、ジャックに外に助けを呼びに行ってもらいたいと告げました。
オールド・ニックが来る日に合わせて、ママはジャックの顔に熱いタオルを当てて、熱があるように見せかけます。そして熱があるからジャックを病院へ連れて行ってくれと頼みました。
しかし、すぐ考えれば分かると思うのですが、オールド・ニックがそれを許すわけがありません。ジャックを出産する時ですらママは外へ出られなかったのですから。
オールド・ニックは「解熱剤を買ってくる」と言って去りました。脱水もあるし下痢もしているからとママが訴えても、駄目でした。
ママは次なる作戦「ジャックが死んだという設定」を考えます。モンテ・クリスト伯は遺体袋に隠れて逃げたことから、それをしようと思い付きました。
ジャックに「カーペットでくるむから、トラックが止まった隙に荷台から逃げて、誰かに助けを呼べ」と言います。繰り返し「トラックから出て、走り、助けを呼ぶ」と覚えさせました。
ジャックは嫌がりますが、ママは必死でジャックに言い聞かせます。ジィジとバァバの家にはハンモックがあるからと言って、作戦を開始しました。
オールド・ニックが再び現れるのに合わせてジャックはカーペットにくるまれ、「夜中に悪化して目覚めなかった」とママは言います。そして木のあるいい場所を見つけて埋葬してくれと、オールド・ニックに頼みました。
「汚らしいものを見る目で見ないでよ。見ないでよ!」とジャックの遺体を見ないよう、念押しします。これまでママはジャックをオールド・ニックから遠ざけるようにしていたのが功を奏し、オールド・ニックもカーペットの中身を改めることなく、そのままトラックの荷台に乗せて運び始めました。
オールド・ニックの家は平凡な住宅街の一軒家です。その庭に納屋がありました。今までずっと見つからなかったのは、徹底した防音設備がなされていたのでしょう。
ジャックは母の虫歯をお守りにして、教わったとおりカーペットを転がして荷台に出ます。最初に目に映ったのは、綺麗な青空でした。天窓から見えていた「青空の一角」だけではなく、全体が青い空ということに、ジャックは感激します。
線路の手前でオールド・ニックが一時停止した時、ジャックはすかさず逃げ始めました。気づいたオールド・ニックが車から降り、追いかけてきます。

【転】- ルームROOM(2015年)のあらすじ3

犬を連れた男性・ブーマーにジャックはぶつかりました。初めて接する外の世界の大人に怯えながらも、ジャックはママから託された「Help(助けて)」の紙を差し出します。
ブーマーは髪の毛が長いジャックを、少女だと思いこみました。オールド・ニックがジャックを奪還しようとしますが、ブーマーが「警察を呼ぶぞ」と言ったので退散します。
通報を受けた警官が2人やってきました。男性警官は迷子だろうと軽視して「児童保護局へ連れていこう」と言いますが、女性のパーカー巡査は様子が変だと気づきます。
ジャックにいろんなことを質問し、ジャックも出来る限り説明しました。状況が「母子監禁」だと察したパーカー巡査は、ジャックが「一時停止の3回目で飛び降りた」という証言から見当をつけ、みごとジャックのママの監禁場所を見つけ出しました。
オールド・ニックは逮捕され、ジャックはママの救出に成功します。ママは喜んでジャックを抱きしめました。
ジャックとママは病院に収容されます。この事件はマスコミで報道されますが、病院にいるジャックの生活に影響は及ぼしません。
ただ、今までずっと5年間部屋の中だけで暮らしていたジャックは、病院の窓の外から見える景色に圧倒されていました。世界はなんと広いのだろうと感嘆し、恐怖も覚えます。
祖母のナンシー、祖父のロバートが病院へ顔を出しました。ジョイが誘拐されてから2人は離婚しており、現在ナンシーはレオという男性と暮らしています。
「ジャック、娘を救ってくれたのね」と言って、祖母・ナンシーはジャックにお礼を言いました。
ひげ面のミッタル医師がジャックとママの主治医になりました。医師は今までジャックが外の世界に触れていないことを指摘して、外界への免疫力がないと言い、太陽から目を守るためにサングラスを、肌を守るために日焼け止めをしばらくつけるよう言います。同じ理由で、空中の雑菌に慣れていないのでマスク着用も指示しました。
しばらくしてジャックとママは退院します。マスコミを避けて、祖母の家で暮らし始めました。レオという同居人も一緒です。
その日の夕食は特別に、祖父・ロバートも食卓を囲みました。しかしロバートはジャックに複雑な思いを抱いています。
無理もないことでした。ジェイは大事な娘ですが、ジャックは大事な娘・ジェイを監禁した犯人オールド・ニックとの間の子だからです。娘が誘拐されてからの7年間を考えると、祖父は喜んでジャックを迎えるわけにはいきませんでした。
ママはそれを知ると、父に怒ります。私ひとりで生んだと言い、父を突っぱねました。
ジャックは祖母に髪の毛を切ろうと提案されますが、「髪の毛にはパワーがある」と言って断ります。
さて、祖母とレオ、ママと暮らし始めたジャックは新しい世界に、期待と不安が半々です。そんなジャックをフォローしてくれたのは、意外にも全く血の繋がりのないレオでした。
むしろ血の繋がりがないからこそ、冷静に対処できるのかもしれません。祖母は祖父ほどは拒絶反応を示しませんでしたが、やはりジャックを見ると、「監禁男の子ども」と連想してしまうでしょうし、娘と離れていた7年間の溝を埋めるのに必死でした。
そしてママはというと、7年ぶりに解放された反動もあり、極度の鬱状態に陥っています。ジャックを新たな世界へ導く心のゆとりがありません。

【結】- ルームROOM(2015年)のあらすじ4

代わりにジャックを導いてくれたのはレオです。レオはシェイマスという犬を飼っていると告げ、そのうちに見せるとジャックに言います(注:今までずっと一室の中で暮らしていた母子、特にジャックには世間への耐性がないため、免疫力がつくまで動物などを近づけるなという病院の指示があり、友人に預かってもらっている)。
ジャックは自分も空想の世界でラッキーという犬を飼っていたと告げました。
ママは外の世界に出てから、情緒不安定になります。始終イライラし、ジャックにスマホを与えるなと祖母にきつく言い、レゴ(ブロックのおもちゃ)で遊べとジャックに命じました。
祖母は「人生を破壊されたのはお前(娘・ジェイ)だけか」と言い、口論になります。
インタビューを受けたママは、ジャックのことを「自分ひとりの子」と答えました。父親は監禁した男ではないと言い張り「父親とは子を愛する人のことよ、(彼は)無関係だ」と言い切ります。
そのインタビューはママに少し無神経でぶしつけな質問でした。「自殺したいと思ったことは?」「大きくなったら父のことを話す?」「監禁中に赤ん坊を外へ(里子へ)出そうと思ったことはないのか?」
母はインタビューの後にさめざめと泣き、その夜、自殺を図りました。トイレで母を見つけたジャックは絶叫し、祖母とレオが駆け付けて救急車を呼びます。
ジャックはママが自分を置いて、たったひとりで天国へピョンしようとしたと思いました。ジャックにとっては裏切りだとも思います。
ジャックはそれでも、少しずつ外の世界に慣れてきました。最初はママ以外の人と話すことが怖かったのですが、それにも慣れて会話を交わし始めます。
レオが愛犬・シェイマスを連れ帰りました。ジャックは興奮します。
ジャックはある決断をして祖母に頼みました。パワーの源である自分の髪の毛を切って、病院にいるママにパワーを分けてあげてほしいというのです。
祖母はジャックの長い髪の毛をハサミで切りました。髪を短く切りそろえると、ジャックはやっと男の子っぽくなります。
隣家の少女やアランという同年代の友だちができた頃、ママが退院しました。ママはジャックに髪の毛の差し入れのお礼を言うと「またあなたに救われたわね」と言います。
ジャックは思います。4歳の頃の自分は世界を知らなかったけれども、今は世界が広いことやいろいろなことを知り、ママと死ぬまでこの世界で生き続けるだろうと。
ママに「あの部屋に帰ろうよ。ちょっとだけ」と提案したジャックは、警官に連れられて監禁されていた納屋へ行きます。
ママとジャックにとって全てであった〝へや〟は、今のジャックにとってはちっぽけなものに見えました。クローゼットを開けたジャックは、部屋を物色した後「ドアが開いていると〝へや〟じゃない」と言います。
かつてあった部屋のものたちに「さよなら、植物。さよなら、イス1号。さよなら、イス2号」というふうに別れを告げると、ママとジャックは雪の舞うなか、2人で手を繋いで歩いて去ります。
それはジャックなりの別れの儀式で、過去との訣別を意味していました。これからジャックは外の世界で、いいことばかりではなく悪いことも経験することでしょうが、それらをきちんと受け止めて、生きて行く覚悟を決めました…。

みんなの感想

ライターの感想

DVDのさわやかな感じと異なり、映画の内容はすごくシビア。
17歳の時に誘拐され、そのまま7年にわたって監禁された女性を「犯人との間に生まれた子どもの視点から」描いた作品。この切り口は非常に斬新。
この監禁生活のリアルさの描き方も上手い。治療を受けられずに抜ける虫歯や、犯人からの差し入れがないと生活していけない不安定さ。
しかも犯人オールド・ニックは失業し、生活もあまり豊かではなくなってきた。そろそろ脱出しないと、このまま犯人に放置されたら母子ともにルームで餓死してしまう。
ママ側から描いたら残酷なばかりの状況を、何も知らない、いわば白紙の状態の少年から描くとこうなるのか。ひたすら感嘆するばかり。
外の世界に出てからママがふさぎこみがちになるのも判る。
ジャックはなんとか外の世界になじめそうだが、ママはまだまだ判らない。安易にハッピーエンドにもっていかないところも賢い演出。
助けを求めたジャックに対し、女性警官が「女性を監禁」ということにピンときたエピソードは…よく考えると怖い。
それだけアメリカ社会では「よくあること」なのだろうかと考えると、ぞっとしない事象である。
ぜひ見ていただきたい一品。

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