「ロマンス」のネタバレあらすじ結末

ロマンスの紹介:ロマンスカー・アテンダントの鉢子は、ひょんなことから乗客の中年男桜庭と一日だけの旅をすることに。旅先は鉢子がかつて家族旅行した楽しくも悲しい思い出の箱根だった。監督・脚本は『ふがいない僕は空を見た』『百万円と苦虫女』のタナダユキ。今作は7年ぶりのオリジナル作品である。主演の大島優子はAKB卒業後の初主演作となった。2015年の公開作で人生をちょっとだけ肯定してくれる、小さな旅の物語。

予告動画

ロマンスの主な出演者

北條鉢子(大島優子)、桜庭洋一(大倉孝二)、久保美千代(野嵜好美)、直樹(窪田正孝)、北條頼子(西牟田恵)

ロマンスのネタバレあらすじ

【起】- ロマンスのあらすじ1

鉢子は箱根⇔新宿間を走る特急ロマンスカーのアテンダント(社内販売)をしています。仕事ぶりは非常に優秀で、売上成績は常にトップクラスです。そんな鉢子ですが、恋人・直樹には金を無心される度に渡してしまうような弱い面も持っていました。
ある朝鉢子は自分の出勤時間になってものんびり寝ている直樹にいつものように金を渡します。家を出がけに郵便受けを確認すると疎遠な母・頼子から手紙が届いていて、鉢子は不機嫌になりました。

頼子は鉢子が小学生の頃に夫と離婚し、以来男を次々と乗り換えては家に出入りさせるようになりました。時には鉢子と同じ学校の児童の父親と不倫し、鉢子が責められることも…。それでも頼子は元夫に未練がありました。それが原因で男に殴られて別れ、なけなしの金で鉢子をレストランに連れて行きました。顔の痣をサングラスで隠した頼子は「みんな何処かに行っちゃう。鉢子はどこにも行かずママの傍にいてね。」と娘に縋り、鉢子にステーキを食べさせたのでした。
鉢子はそんな母と高校卒業以来会っていません。鉢子には離婚前の父と母と一緒に行った箱根旅行が大切な思い出として残っていました。彼女は手紙を持ったまま出勤します。
鉢子はコネ入社した要領の悪い後輩・久保とコンビで配属されていて、その日も彼女の失敗をフォローして大忙しでした。朝から機嫌が悪かった鉢子は、何度失敗しても成長しない久保に苦言を呈します。鉢子のもやもやは収まらず、休憩中に母の手紙を読むと、“あなたとの一番の思い出の場所から遠い旅に出ます。再婚を考えていた人に振られました。昔の家族旅行が忘れられず、一人で箱根に向かう”と綴られていました。鉢子は思わず「何なのよ、今さら…。」と零します。

冴えない気持ちを抑え仕事を続けた鉢子は、中年の男性客がワゴンからお菓子を盗む現場を目撃し、激しい口調で問い詰めます。払うつもりだったと男は言い訳しますが、妥協できない鉢子は男と共に次の駅で降車し、事務所で話し合うことにしました。ところが男は駅に着いた途端逃げ出します。鉢子も全速力で追いかけ男を捕まえますが、久保1人を残してロマンスカーは発車しました。

【承】- ロマンスのあらすじ2

結局男はおとがめなしとなり、不服な鉢子は早々に事務室を出て、ホームで列車を待ちました。遅れてホームに来た男が話しかけてくるため、苛立った鉢子は男を“おっさん”と呼ぶと、彼は桜庭と名乗ります。桜庭を相手にしない鉢子はイライラの一因である手紙を破ってゴミ箱へ捨て、桜庭から離れました。
鉢子がホームへ戻ると、桜庭は彼女が捨てた手紙をゴミ箱からかき集めて読んでいました。怒った鉢子に桜庭は、手紙の主が死のうとしていると言い出します。鉢子は気丈に振舞いますが内心は動揺しました。桜庭は「些細な選択で二度と会えなくなる人がいる」と言い、箱根に行って母を探そうと強引に鉢子を連れ出しました。

誘拐だと訴える鉢子に桜庭は、抵抗しなかったのはお母さんのことが気になっているからだと図星を突き、鉢子は言い返すことができません。箱根でレンタカーを借りた桜庭は、家族旅行した場所を巡ろうと車を走らせました。
桜庭は走って破けた鉢子のスカートを見てまず着替えを買いに行くと、服を選びながら『マイ・フェア・レディ』みたいと嬉しそうですが、鉢子は作品さえ知りません。何故か桜庭が薦める服を着て、再び車は進みます。土地勘があるという桜庭はナビを使わず運転します。彼は映画プロデューサーで以前ロケハンで箱根に来たと言うので、鉢子はそんな彼を更に胡散臭いと感じました。
鉢子がかつて旅行した小田原城へ2人は向かいます。鉢子は家族連れを見ては、幼いあの時の記憶が蘇り切なくなりました。一方の桜庭は手っ取り早いからと勝手に館内放送で頼子を呼び出し、鉢子は呆れます。結局頼子はおらず、小田原城を後にしました。

【転】- ロマンスのあらすじ3

続いて2人は登山鉄道に乗って大涌谷に向かいます。黒卵を食べながら桜庭は、2年前に離婚し9歳の娘にはそれ以来会えていなと告白しました。桜庭自身も家族との悲しい思いを抱えていたのです。
土産屋で名前入りのキーホルダーを見かけた鉢子は、両親が懸命に“はちこ”という名前を探したことを思い出します。両親は家では仲が悪いのに旅先では2人とも楽しそうで、キーホルダーはいらないからずっと旅行していたらいいのに…と、幼い鉢子は願ったのでした。

腹ごしらえした後2人は芦ノ湖へ向かいますが、やはり頼子の姿はありません。ススキ草原の歩道を歩きながら、鉢子はもう東京へ帰ろうと言い出します。すると桜庭は「夜には電車で帰るから、もう少しだけ付き合って」と懇願してきます。そんな桜庭に鉢子は、母のことを思い出してイラつく自分が子供に見えて嫌になると本音を零しました。娘にクソ親父と思われても嫌いにはならないと答えた桜庭が、クソ親父と思われている可能性が高い…と自虐的に拗ねた様子を見て鉢子はこの日初めて笑い、もう少し旅を続けることにしました。

桜庭は自身の仕事の失敗談などを語り、2人は次第に打ち解けていきます。鉢子が以前行った富士山の麓を見に行くと、今日は雲に隠れて全く見えません。桜庭が目を閉じて心の目で見るのだとふざけたことを言っても、鉢子は笑えるようになっていました。
すっかり暗くなり帰り道を辿りますが、桜庭は道に迷います。終電に間に合わせようと車を飛ばしますが駅とは違う方向に進んでしまい、とりあえず明るい場所を目指し車を走らせると到着したのはラブホでした。鉢子は車で寝ようとしますがガソリンの残りも少なく、エアコンが付けられません。仕方なく別々の部屋で泊ることにしたものの、一部屋しか空きが無く嫌々2人で宿泊することになりました。鉢子は絶対に何もするなと桜庭に念押しします。

【結】- ロマンスのあらすじ4

湯船に浸かりながら鉢子は、男と別れた母と行ったレストランでの出来事を思い出し、涙を零します。風呂からあがっても気が沈んだままの鉢子は「あの女が私に優しい時はいつも男と上手くいっていない。父と別れなきゃよかったのに」と嘆くと、ボロボロと泣き出しました。
桜庭は涙する鉢子を抱きしめたかと思うと、ベッドに押し倒します。鉢子は抵抗もせず“やっぱり最低な男。でもそんな男にやられる自分も最低”と心で呟きました。ところが桜庭は途中で我に返り、“駄目だ”と頭を抱えだします。鉢子はそんな桜庭の背中に頭を寄せしばらく静かな時間が過ぎますが、隣の部屋から激しい喘ぎ声が聞こえて来て、思わず2人は大笑いしました。
桜庭は今日までの経緯を話し始めます。数々の映画を失敗させ借金を抱えたうえに訴えられ、周りから人が消えました。ある映画をヒットさせて元妻と娘を迎えに行こうと思っていたのですが、その作品も完成前に頓挫してしまいます。今朝になり出資者が部屋に取立てに来たのを外から見た桜庭は、コインで表が出たらロマンスカーに乗ろうとコイン占いをしたのだと言うのです。更に鉢子の手紙を見て“これだ!”と思ったけど、現実を忘れるためには行き場所は何処でもよかったんだと桜庭は謝りました。寝たふりをしながら聞いていた鉢子のおでこに桜庭がキスしてきたので、鉢子は寝返りを打つふりをして彼の腹にパンチを入れました。

翌朝帰りの車でカーステレオがうまく作動せず、桜庭は『いい日旅立ち』を歌い出します。映画は全く知らない鉢子がこの曲は知っていました。母がよく歌っていたのです。桜庭はなぜロマンスカーで働いているのか尋ねるので、唯一受かった仕事だったと鉢子は答えますが、子供の頃の思い出があるのかもしれないと付け加えました。2人は大声で歌い合いました。
レンタカーも返し、桜庭は将来を決めようと再びコイン占いをすると、百円玉に描かれた花を見て“裏”と判断します。「表だよ」と鉢子が突っ込むと、彼が今まで間違えて決断してきたことが判明します…。2人はロマンスカーに乗り東京へ帰りました。

新宿駅。別れ際に桜庭は“はちこちゃん”と書かれたキーホルダーを渡します。そのダサさに笑った鉢子は「いつか奥さんと娘さんに渡せるといいね」と言い、互いに連絡先も聞かずに別れました。
気持ちが吹っ切れた鉢子が出社すると、上司から厳重注意を受けます。意外にも久保が懸命に彼女を庇いました。
業務に戻った鉢子の耳に、客席から『いい日旅立ち』を歌う頼子の声が聞こえてきます。座席の隙間から楽しそうな頼子の顔が見えました。父と雰囲気の似た男と一緒に乗っていた母は、鉢子の存在に気付かぬままコーヒーを注文してきます。鉢子はとびっきりの笑顔で応えました。

みんなの感想

ライターの感想

タナダ監督の作品に登場する女性はとても現実的で、等身大で描かれているなぁと感じます。(今作以外にも他の作品も)その分共感したり、主人公が身近に感じられるのだと思います。
幼少期の環境というものが如何に大切か…、痛感します。鉢子が過去の苦しみからほどけていく姿にホッとしました。
幸薄そうな鉢子を演じた大島さん、やはりコミカルな演技が抜群にうまい大倉さんの掛け合いがバッチリでした。

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