「夏美のホタル」のネタバレあらすじ結末

ヒューマンドラマ

夏美のホタルの紹介:2016年公開の日本映画。『ふしぎな岬の物語』の原作者・森沢明夫の小説を、有村架純主演で映画化した人間ドラマ。将来や恋人との関係に不安を抱く少女が、見知らぬ土地で出会った人々とのふれあいを通して、亡き父親の思いを受け止め、成長していく姿を描く。

予告動画

夏美のホタルの主な出演者

河合夏美(有村架純)、相羽慎吾(工藤阿須加)、榊山雲月(小林薫)、福井恵三〔地蔵さん〕(光石研)、福井ヤスエ(吉行和子)、河合忠男(淵上泰史)、公英(村上虹郎)、美也子(中村優子)

夏美のホタルのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①カメラマンになりたいとあせる写真学科の夏美は、恋人の慎吾が実家の酒蔵を継ごうか迷うのに苛立ち、昔父と見たホタルを撮影しに久留里へ行く。ヤスエ・恵三母子と出会った夏美は、慎吾と厄介になった。 ②楽しい日々が続くある日、恵三が倒れた。恵三は夏美の父を知っており、夏美の父は幸せだったと断言。救われた夏美は慎吾と結婚しつつもプロのカメラマンになった。

【起】- 夏美のホタルのあらすじ1

河合夏美は写真学科に所属する女子大学生です。同じ学科の同級生の男・相羽慎吾とは恋人同士でした。
同じ学科の男・飯田まことが写真コンテストのグランプリを獲り、お祝いが開かれました。夏美は結果を出したいと思い、あせります。
ところが慎吾は自分に才能がないと感じました。新潟の実家は200年続く酒蔵で、慎吾はその酒蔵を継ごうかと悩んでいました。
「俺が実家に帰るって言ったらどうする?」と慎吾に聞かれた夏美は、黙ってバイクに乗って千葉県の君津市にある、久留里という場所へ行きます。
その場所は、夏美にとって特別なところでした。昔まだ夏美が幼かった頃に、父・忠男にバイクで連れられて、ホタルを見た場所なのです。
季節は夏でした。

バイクで山奥の清流に行き、テントを張って夜通し見張った夏美ですが、ホタルは出てきませんでした。
翌日、いったん山をおりた夏美は、のどかな田舎町にある個人商店『たけ屋』に足を踏み入れます。『たけ屋』はバス停横にある店で、隣の日本家屋とは店の中で繋がっています。
『たけ屋』を経営している中年男性・福井恵三は、足が悪いらしく、杖をついていました。恵三は近所の子ども・拓也とひとみに慕われており、「地蔵さん」と呼ばれていました。いつもバスを笑顔で見送ってくれるからでしょうか。
パンと飲み物を買いに立ち寄った夏美に、恵三はバイクで来たのかと聞きます。夏美は川にホタルを撮影しに来たのだと言いました。
恵三は夏美に、たまにふらっとバイクで舞い込んでくる奴がいると話します。
母・福井ヤスエを紹介した恵三は、何かと夏美のことを心配して「川はいつ増水するか分からないから、この家に泊まれ」と勧めたりもしました。ヤスエも親切に夏美に接します。
再び山へ戻った夏美は、山奥にロッジ風の建物(庵)があるのを見つけました。撮影しながら近づくと、中に人の後ろ姿が見えたので急いで退散します。
川でひとしきり遊んだ後、夏美は父とのアルバム写真を見ました。夏美が写った写真の裏には『三つめの恵み』と書かれています。
そこへ、近所の少年少女の拓也とひとみが遊びに来ました。テントを珍しがって入ってきます。
恵三とヤスエが山に来たのです。
拓也、ひとみ、恵三、ヤスエも一緒にホタルを探しました。ヤスエは夏美に、恵三の足が悪いのは建築現場の事故のせいだと耳打ちします。
結局その日もホタルは見つかりませんでした。幼少期にはたくさんいたのに…と夏美は洩らします。

【承】- 夏美のホタルのあらすじ2

夜、みんなでふもとに降りた夏美は、恵三とヤスエの好意に甘えて家に滞在させてくれと言いました。ヤスエと恵三母子は喜んで迎え、翌日は上流の方へ行こうといいます。
ホタルを撮りたい気持ちに変わりはありませんが、夏美は「みんなの写真をもっと撮りたい」という気持ちも湧いていました。恵三とヤスエに頼みます。

翌朝、夏美の携帯が鳴りました。慎吾が電車で最寄り駅までやってきたのです。
なぜここへ来たのかと聞く慎吾に、夏美は「慎吾が答えを出したように、私も考えたかった」と言いました。
夏美は慎吾を恵三のところへ連れて行き、別の部屋で滞在させてくれと頼みます。恵三は戸惑いますが、きちんと滞在費用は払うと慎吾が言いました。
足の悪い恵三と高齢のヤスエ母子の家は、にわかに賑やかになります。
個人商店『たけ屋』へ買い物に、榊山雲月という男がおりてきました。雲月は川岸の奥の庵…いつか夏美が見つけたあの小屋に、5年前から住んでいる仏師で、恵三の唯一の友人でした。
雲月は慎吾と夏美に「ただ飯食らいか」と毒舌を吐きます。夏美はむきになって言い返しました。年寄り2人が住んでいる家なのだから、いろいろ手伝いしてやれと雲月は言います。
夜、近くの公園で、慎吾が夏美に「一緒に新潟へ行かないか」とプロポーズしました。新潟も景色がよいからと言った慎吾は、夏美のことを「結果を出すために必死になっている」と表現します。図星だった夏美は、気を悪くして黙って家の中に戻ります。
夏美は店の手伝いをしながら、合間にヤスエ、恵三、近所の少年少女の拓也、ひとみの日常を撮影しました。

ある夜、花火をしながら雲月や恵三と話をした夏美は、雲月も恵三もバツイチと知ります。
雲月は毎月別れた妻に養育費を払っていました。恵三は、それすらしてやれなかったと言葉少なになります。
夏美は自分の抱いている長年の疑問・悩みを2人に相談します。
夏美の父はかつてバイクのレーサーでした。ところが夏美が生まれた後、父はレーサーを辞めて普通の仕事に就き、そして夏美を育てて他界しました。

【転】- 夏美のホタルのあらすじ3

夏美は「自分が生まれたことで、バイクのレーサーである父の夢を奪ってしまったのではないか」と思っていました。この疑問をぶつけたい父は、もうとうに亡くなっています。
それを聞いた恵三は「家族のために働けるなんて、幸せだった」と断言しました。

恵三は庭のたんぽぽをよく眺めていました。「たんぽぽは花が終わっても、たくさんの命を空に飛ばせるから」好きだと言います。
ある日その恵三が動脈瘤破裂で倒れ、病院へかつぎ込まれます。意識不明の恵三に母・ヤスエが病室で付き添い、慎吾と夏美は店を代わりに営業して守ります。
雲月がヤスエに、恵三の別れた妻子に連絡を取れとアドバイスしますが、ヤスエはかたくなに拒みました。
夏美は呼べばいいのにと思いますが、ヤスエは譲りませんでした。ヤスエは慎吾と夏美に、帰ってくれと言われます。
帰ろうと言う慎吾に、夏美は「そうやってすぐあきらめるんだ」と責めました。
拓也とひとみが葉っぱを使って手紙を作り、恵三に送ります。
雲月の仕事ぶりを見に行った夏美は、雲月に「才能ってのは、覚悟ってものだ。覚悟がなければ結果も出ない」と言われ、そのとおりだと思います。

意識が戻った恵三は「自分が会いたかったのはここにいるみんなだ」と答えますが、その発言には嘘が混じっていました。母・ヤスエも気づきます。
ヤスエは恵三の息子・公英(きみひで)は、「たんぽぽ(蒲公英)」の文字から取ったのだと言いました。踏まれても自分で起き上がる力があるし、皆に愛される花だというのが由来です。
医者に予断を許さない状況だと言われたヤスエは、恵三の妻子に連絡を取ることに決めました。
恵三は事故で足が悪くなった時、一方的に妻・美也子に別れを切り出し、離婚していました。それもあり、ヤスエは「合わせる顔がない」と思っていました。
夏美はヤスエに付き添って、美也子のところへ行きます。
美也子は恵三に会いに行くことを快諾しましたが、息子の公英は美也子の再婚相手、義父を気遣って「行けない」とのことです。それを聞いたヤスエは「やさしい子に育ってくれた」と言いました。
それでも息子・公英は会いに来ました。恵三は公英をベッドの上で抱きしめ「俺の子に生まれてくれてありがとう」と言います。

【結】- 夏美のホタルのあらすじ4

それを見た慎吾は「夏美の言うとおりあきらめないでよかったのだ」と、実家を継ぐ覚悟ができたと言って、夏美に別れを切り出しました。
夏美はバイクで電車を追いかけますが、慎吾は気づきませんでした。夏美は泣きます。
その夜、『たけ屋』の一室を暗室にした夏美は、撮影した写真を現像しました。モノクロ写真です。
翌日それを病室に持っていき、恵三に見せました。恵三はもう思い残すことはないと言い、「三つめの恵みをもらうことができたから」と言います。
それを聞いた夏美は、「三つめの恵みとは何か」質問しました。恵三は夏美に話をします。
実は恵三は、幼い頃の夏美とその父に会っていたのです。
夏美の父はその当時、仲間をレースで亡くして落ち込んでおり、プロでやっていく自信を喪失していました。恵三は夏美の父に、三つの恵みという言葉を教えます。
「一つめは、この世に生まれてくる喜び。二つめは、親に愛される喜び。三つめは、親になって子供を愛する喜び」
恵三という名も、ここから来ていました。
恵三は夏美に、父は夏美を愛しており、何よりも幸せだっただろうと答えます。

その夜、夏美はホタルを川で見つけ、撮影しました。
「お父さん、ありがとう」と言いながら、すすり泣きつつシャッターを押します。
いつのまにかホタルはたくさん集まっていました。

…恵三が亡くなりました。葬儀に慎吾が駆けつけます。
縁側にいる夏美に、慎吾は「毎年変わらない味を守り続けるのも大事だと父から教わった」と言いました。
その話を聞きながら、飛んでいくたんぽぽの綿毛を見る夏美は笑顔を浮かべています。
夏美は雲月に頼み、恵三の顔の仏像を彫ってもらうことに決めました。代金も持って行きます。
雲月は代金はいらないと言う代わりに条件を出します。雲月が彫るのは木の仏像なので、雨にさらされると傷みます。それを防ぐための祠(ほこら)を作れと、夏美に命じました。
夏美は命ぜられたとおり、祠を作ります。

…三年後。
新潟から慎吾と夏美がやってきました。『たけ屋』は閉まっています。
バス停のそばにある祠には、恵三の顔の仏像がありました。「ただいま」と夏美は声をかけます。
その後、ヤスエも他界しました。雲月は恵三の横に、小さなヤスエの顔の仏像も作って置いていました。夏美はそれを見て笑顔になります。
夏美は慎吾と結婚し、プロのカメラマンにもなっていました。お腹には子どももいます。
川を見に行った夏美は、慎吾に「この子が生まれたら、パパとママの子に生まれてきてくれてありがとうって何回も言おうね」と言いました。

(エンドロール)夏美が撮ったモノクロ写真。たんぽぽだけカラー。
最後の『たけ屋』の写真が最後、カラーになる。

みんなの感想

ライターの感想

千葉県君津市にある久留里を舞台とした物語。景色が綺麗。
ストーリーは…うん、非常に優等生な話になってるかな。よくも悪くもはみ出してはいない。
綺麗にまとまっているために、さらっとは見られる。が、心に響くかというと…うーん。
あったかい作品ではある。が、現実味に乏しい。
一介の若者たちをそんな何日も泊めてくれるうちが、どんだけあるんだろう。
綺麗ではあるんだけど、リアリティが希薄。

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