「大鹿村騒動記」のネタバレあらすじ結末

大鹿村騒動記の紹介:2011年公開の日本映画。阪本順治監督が、デビュー作『どついたるねん』以来6本にわたって起用し続けている名優・原田芳雄を主演に据えて描いた人間ドラマ。長野県の山村・大鹿村に伝わる伝統の村歌舞伎を題材に、そこに関わる人々の悲喜こもごもを映し出す。

予告動画

大鹿村騒動記の主な出演者

風祭善(原田芳雄)、風祭貴子(大楠道代)、能村治(岸部一徳)、越田一平(佐藤浩市)、織井美江(松たか子)、大地雷音(冨浦智嗣)、柴山寛治(瑛太)、馬くん(姜洪軍)、重田権三(石橋蓮司)、柴山満(小倉一郎)、朝川玄一郎(でんでん)、平岡健太(加藤虎ノ介)、診療所の医師(中沢青六)、山谷一夫(小野武彦)、津田義一(三國連太郎)

大鹿村騒動記のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①長野県大鹿村で善はシカ料理店を経営している。そこへ17年前に東京へ駆け落ちした親友の能村と妻・貴子が帰ってきた。貴子は認知症の記憶障害を患っている。2人の幼馴染みと新たなバイト・雷音を抱えて奇妙な同居生活が始まる。 ②貴子は記憶があいまいだが、昔の歌舞伎のセリフは覚えていた。舞台に立った善と貴子は復縁しそうな気配だったが、舞台が終わるとまた貴子は認知症。それでもいいかと善は受け止める。

【起】- 大鹿村騒動記のあらすじ1

長野県下伊那郡大鹿村。
大鹿村では300年以上の長きにわたり、「大鹿歌舞伎」という伝統があります。地元の村の住民が役を割り振って演じ、歌舞伎公演を定期的に開くのです。
南アルプスのふもとに位置する大鹿村は、決して住みやすい村ではありません。豪雨が来ると土砂崩れを起こしますし、都会ではないので不便なところもあります。しかし風光明媚でのどかで、村民たちの気性も穏やかです。
初老の男性・風祭善(かざまつり ぜん)は、村で食堂『ディア・イーター』を経営しています。食堂名の通りシカ肉の料理を扱っています。
大鹿村は田舎ですが、観光客が訪れることもあり、またバイクのライダーも通りがかりに利用します。ですので、店はそこそこ繁盛していました。善ひとりで店を切り盛りするのもそろそろ疲れてきたため、善はアルバイトを募集します。
やってきたアルバイト希望の青年は、大地雷音(だいち らいおん)という名の茶髪の青年でした。物腰が柔らかく、女性的なイメージのある男性です。
雷音は村の人ではありませんでしたが、「ジビエ料理を教えてください」と言われた善は、雷音をアルバイトに決めます。気軽なひとり暮らしなので、雷音を住み込みで雇いました。
店ではシカ2頭も飼育しています。ただしこれは、食用ではなさそうです。
『ディア・イーター』が雷音をアルバイトに雇った直後、村のバス運転手の男性・越田一平の運転するバスで、ふたりの初老男女が村に降り立ちました。越田は見たことがある2人に思わず「この村の人ですよね」と声をかけますが、2人はそそくさと立ち去ります。
その初老の男女は能村治(のむら おさむ)と風祭貴子(かざまつり たかこ)でした。
能村は『ディア・イーター』にやって来ると「ごめん、善ちゃん。どうしようもなくて。返すわ」と言います。
実は能村と貴子と善は幼馴染みの間柄でした。善と貴子は結婚したのですが、17年前に3人で『ディア・イーター』の店を始めようかという矢先に、能村は貴子を連れて東京へ駆け落ちし、以来、音信不通だったのです。
離婚届けは出さずじまいだったので、貴子は今でも善の妻でした。
貴子は老いて認知症を患い、記憶があいまいになっています。自分のことを「善ちゃん」と呼ぶようになった貴子を見て、能村は善の元へ帰す方がよいのかと考えて、村へ戻ってきたのでした。

【承】- 大鹿村騒動記のあらすじ2

善の方も駆け落ちされたとはいえ、昔からの幼馴染みですので、能村も貴子も同じくらい好きでした。ですので、17年ぶりの再会でいきなりの「どうしようもなくて。返すわ」発言にかっとなって能村を殴りつけたものの、善はなし崩し的に能村も貴子も家に招き入れます。
歌舞伎の定期公演が間近に迫っているので、現在『ディア・イーター』は夜の部を休みにして、善は仲間と舞台稽古にいそしんでいました。
善は歌舞伎の主役・景清(かげきよ)役をする予定です。昔からやっている役です。
もとは景清の相手役である道柴(みちしば)を貴子が演じており、それがきっかけで2人は結婚したようです。
善と貴子と能村(と雷音)の奇妙な同居生活は、狭い村のことですから、たちまち噂になりました。テレビの修理をしに来た村役場の職員・平岡から、津田はその話を聞きます。
老人の津田義一(つだ ぎいち)は歌舞伎保存会会長であり、貴子の父でもありました。自分の娘が勝手に出て行ったことを、善に申し訳なく思っています。

さて『ディア・イーター』の4人ですが、それなりにちゃんと暮らしていました。
ただ貴子の病状が思った以上にひどく、料理の仕方はおろか、ひどいときには「腕」「醤油」などの単語も思い出せないほどです。
病状にはムラがあり、冴えている時はきちんとしています。また昔にしていた歌舞伎のセリフを覚えていたりもしています。
しかしその次の瞬間には、パスタを生のまま食べようとしたりするなど、目が離せませんでした。
ある日、雷音はカマドウマを轢きそうになってよけ、バイクごと転倒した郵便局員・柴山寛治(しばやま かんじ)にひとめぼれをします。
男前だと褒めちぎりますが、柴山は舞台裏の担当で、回り舞台を回す役でした。緊張するタチで、以前、舞台の上で足がつってしまって困ったことがあったので、裏方に徹しています。
そんな話を聞いて、雷音と柴山は意気投合しました。柴山は、男なのになよなよと女性的に接して来る雷音を差別することなく、受け入れます。

洗濯物を出していた善は、女物の下着を見てびっくりしました。貴子のではなさそうな下着です。
見つかった雷音は、事情を説明しました。

【転】- 大鹿村騒動記のあらすじ3

雷音は性同一性障害で、身体は男なのですが、心は女なのです。幼いころからずっと自分の身体に違和感を持っており、「心を身体に合わせるべきなのか、身体を心に会わせるべきなのか」考えあぐね、この土地にやってきたのだそうです。
話をした後、雷音は号泣しました。いたたまれなくなった善は、裾をからげて二階へ逃げます。

貴子が万引きをしました。とはいうものの、村民みんな顔見知りですので、雑貨店店主の朝川も「貴ちゃんが、勝手に瓶づめを持って帰って」と言いに来る次第です。
善は詫びて代金を払いながら、貴子が病気で記憶障害であることを話しました。横で貴子は、万引きをした自覚もありません。
こんな状態だから、とても歌舞伎の稽古などしていられない、だから今回は降りる…そう言った善ですが、横で貴子が道柴のセリフをとうとうとしゃべり始めました。
ちょうど道柴のなり手がなかったので(ないわけではないのだが、道柴役の越田は失敗してばかりだった)、朝川は貴子を道柴役に推します。

歌舞伎保存会会長の津田に話を通しに、善、貴子、能村は会いに行きました。津田は「芝居が終わるまで、ここで(貴子を)預かろうか」と言います。
津田は昔、千両役者でしたが、貴子の母(津田の妻)も、かつて旅芸人と駆け落ちしていなくなりました。そういう血筋なのかと嘆きます。
夜になり、雨が降り始めました。村のスエばあさんのところの裏山で土砂崩れが起きて、バス運転手の越田の乗る軽自動車が巻き込まれます(仕事帰り、運転していたのは自家用車)。
越田がケガで入院することになり、道柴役が貴子に決まりました。越田の幼馴染みの女性・織井美江(おりい みえ)が看病します。
もともと道柴役をしたくなかった越田は「芝居をすることで、元の貴子さんの記憶が戻るかも」と善をそそのかします。
その矢先、貴子が津田宅からいなくなりました。津田から善に電話が入り、善は能村と雷音に電話してみんなで探しまわります。
貴子を見つけたのは雷音でした。貴子は川べりの工事現場にいました。

【結】- 大鹿村騒動記のあらすじ4

雨の中たたずんでいた貴子は正気に戻っており(一時的なもの、先述のとおり病状にはムラがあるので、正気の時とそうでない時がある)、善を裏切って村から去っておきながら、また村へ戻ってきていることを思い出し、申し訳なく思っていました。雷音は貴子をなだめて家に連れ帰ります。
戻ってきた貴子に、善は「明日舞台に立つぞ。稽古する」と宣言しました。貴子も存在意義を見いだします。

舞台当日は晴れました。お寺の境内を使って行なわれます。
観客もけっこうな人出で、賑わいました。なにせ300年の歴史を持つ大鹿歌舞伎です。
善はりっぱに役をこなし、貴子もセリフを全部覚えていました。
舞台の下では、回り舞台を操作する柴山が、歌舞伎の筋を雷音に説明します。雷音は柴山に「好き!」と思わず抱きつきますが、柴山は拒否しません。
舞台は大成功で、幕が閉じるまで大量のおひねり(役者に渡すチップ)が飛びかいました。
正気の貴子が芝居の幕間で「私、許してもらわなくていいよ」と呟いたのを、善も能村も聞きました。まだ貴子が善を好きだと知り、善は舞台がはねて(終わって)から「さっき言ったこと、本当?」と聞きますが、貴子は「綺麗」と寺の花を見て言います(また記憶があいまいになっている)。
その夜、貴子の手を握ってねむった善は、貴子とやりなおそうと決意しました。

芝居の翌日。
彼氏が東京に行き、いつまでも帰って来ない遠距離恋愛をしている織井美江は、彼氏に「東京と私とどっちを選ぶか」訊きに行こうとします。
ところがバスに乗ったところ、美江を好きな越田が(早くも退院している)「行かせない」と言います。なぜかと問うた美江に、乗客へ耳をふさぐよう指示した後「好きだからだよーー!」と絶叫します。乗客はしっかり告白を聞いていました。越田はそのままバスを本当にバックさせます(東京へ行かせないつもり)。
貴子は舞台のあいだは正気に戻っていましたが、すっかり元通りです。塩辛を万引きならぬ「お金たくさん払ってお釣りをもらわず」立ち去りながら、別の人のことを善ちゃん呼ばわりしていました。
「あれ?」貴子との生活が戻りそうな感じだったのに…。でも天気はいいから、これでもいいかな。そう思いつつ善は空を仰ぐのでした。

みんなの感想

ライターの感想

のどかな映画。シカ料理を出す店だけど、それっぽいシーンはない(笑)。
見どころは開始1時間が経過したころから始まる歌舞伎の舞台。
もちろん判りにくい内容ではあるものの、歌舞伎の筋が判らなくても楽しめる。
牧歌的な感じ。終始のほほんとして、話が進んだり進まなかったり…。
でもそういうのを含めて、劇中のムードを楽しむ映画だと思う。

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