「孤独のススメ」のネタバレあらすじ結末

孤独のススメの紹介:孤独に暮らす中年男フレッドの前に言葉も過去もない男が現れ、フレッドの生活が鮮やかに変わっていく。生きるヒントが綴られた感動の人間ドラマ。
俳優としても活動しているオランダのディーデリク・エビンゲ監督の長編処女作ながら、ロッテムダム国際映画祭で観客賞、モスクワ国際映画祭で最優秀観客賞・批評家賞など数多くの賞を獲得した。2013年の作品で日本では遅れて16年に公開された。

この映画を無料で観る

予告動画

孤独のススメの主な出演者

フレッド(トン・カス)、テオ(ルネ・ファント・ホフ)、カンプス(ポーギー・フランセン)、サスキア(アリーアネ・シュルター)

孤独のススメのネタバレあらすじ

【起】- 孤独のススメのあらすじ1

オランダの田舎町で独り暮らす初老のフレッド。息子・ヨハンは家を出てから音信不通で、その後愛妻・トゥルーデイも亡くしたフレッドは、毎日単調で静かな生活をしています。まるで機械のように日々同じ時間にバスで帰宅しては、歌が上手かったヨハンが8歳の時に録音したテープを聴くのが日課でした。人付きあいも無く人と接するのは日曜の礼拝ぐらいで、フレッドは孤独でした。

ある日フレッドの前に見知らぬ男が現れ、困っているかと思い金を貸します。次の日になり、写真が趣味で向いの住人・カンプスと男が一緒にいるのを見かけたフレッドは、男が嘘を付いたと思い込み、罰として家の草刈りをさせました。その男は言葉も話さず、名前も所在も分かりません。草刈りが終わりフレッドは男を帰そうとしますが、帰る充てもなさそうなので家に泊めることにしました。
食事は毎度6時きっかりでなければ気が済まないフレッドは、翌朝の食事時間に席にいない男に苛立ちます。それでも食事のマナーも分からない男にフレッドは、フォークとナイフの使い方を教えると、男は言葉のニュアンスで何となくフレッドの発言を理解しているような雰囲気でした。

日曜日。フレッドは礼拝に男を連れて行きます。いつも独りのフレッドが連れと来た事や、相手が男であることに小さな町の人々は驚きを隠せませんでした。フレッドはカンプスにも嫌味を言われてしまいます。
帰宅後、フレッドはヨハンの遊び道具だったボールを小屋から出し、男にサッカーを教えました。やり方が分からない男はつい手を使ってしまいます。そこへカンプスがやって来て「まだいたのか」とフレッドと男を敵対視するように声を掛けてきました。どうも男の存在が気に入らないようです。
主の日だとカンプスに指摘されたフレッドは家へ戻って賛美歌を歌います。音に反応した男は、普段し慣れているのかフレッドにハグを求めてきます。決して同性愛ではないフレッドは思わず拒みました。 この映画を無料で観る

【承】- 孤独のススメのあらすじ2

街に行くために降りたバス停の近くに小さな動物小屋がありました。男は動物に興味津々で”メエェ~”と羊の鳴きマネを始めます。スーパーでの買い物中も男のマネは止まらず、フレッドは男と距離を置きました。その間に男が四つん這いで羊のマネをしていると、買い物していた女の子に妙に気に入られます。帰り際男とフレッドは女の子の両親から、来週土曜の娘の誕生会で余興してほしいと名刺を渡されました。

男はフレッドの生活が少しずつ身に付き始め、食事の準備も手伝うようになります。時間も守り、食前のお祈りの雰囲気を真似て「アーメン」とだけは言えるようになりました。
一方のフレッドは余興を頼まれたことが気になっていました。酒を飲んでテンションを上げたフレッドは歌を歌い、それに合わせて男に動物のマネをさせ練習してみます。更に衣装が必要だと考えたフレッドはクローゼットの中を探していると、飾ってあったトゥルーデイの写真に男が興味を示しました。亡き妻を思い出したフレッドは、写真を撮ったスイスのマッターホルンに再び登り、妻につぐないをしなければと男に心中を聞かせました。妻の衣類は未だクローゼットに残ったままです。
酔いが回ったフレッドは思い切って余興を引き受ける旨の電話をかけます。その間に男はクローゼットのトゥルーデイの服を着て踊り出しました。酒の影響もありフレッドには男が妻に見えてきて、ひとときの楽しい時間を過ごし珍しく部屋を散らかしたまま寝てしまいました。

翌朝寝坊したフレッドが家の中を見回しても男の姿がありません。カーテンを開けると、スカートを穿いたまま外に出て子供たちにいじめられている男を見つけフレッドは家を飛び出します。少年の1人が“ホモ野郎”と罵ったため、カッとなったフレッドはその少年の首を絞めました。騒ぎに気付いたカンプスが止めに入りますが、女性の装いの男を見て、フレッドの気が狂ったのかと疑いました。田舎の町ではフレッドと男の噂がすぐに広がります。

【転】- 孤独のススメのあらすじ3

土曜日、フレッドと男は依頼されたショーを披露し子供たちから好評を得ます。更に明日の余興も依頼され、礼拝のある日曜ということでフレッドは戸惑いました。

男はフレッドの規律正しい生活にすっかり馴染んでいました。夕食の際に男の匂いが気になったフレッドは、彼にシャワーを浴びることと、明日の礼拝に向け服を洗濯するよう指示しました。そこへフレッドらの生活を確認するためにカンプスが牧師を連れて訪ねて来ます。タイミング悪く風呂上りの男がスカートに着替えて戻ってきてしまいました。それを見た牧師は祈り始め、カンプスは体制の整った施設を探すと言ったうえに、限度を超えていると呆れた様子で去って行きました。

次の日フレッドと男は教会へ向かう人の波に逆らって、依頼されたパーティ会場へ向かいました。2人のショーは再び大盛り上がりします。
ショーの謝礼で少し収入を得たフレッドは、マッターホルンへ行く夢を叶えるべく旅行代理店へ行って相談をします。しかし安いバス旅行でさえ2人分の旅費が940ユーロと聞いたフレッドは躊躇いますが、代理店の女性スタッフは親切に多くのパンフレットを持たせてくれました。バス停の動物小屋で待っていた男は、小屋の中に入って動物にハグしていました。帰りのバスでフレッドは、マッターホルンで妻にプロポーズしたことを懐かしそうに語ります。
ところが2人が帰宅すると家の壁には“ソドムとゴモラ”と落書きがされていました。ムッとしたフレッドはまたバスに乗って役所へ行き、男を自分の住所に入れる手続きをしようとします。職員にID提示を求められると、なんと男は持っていたIDを何気なく出しました。男がテオという名前で、彼の住所や妻の名前が判明します。

フレッドはテオを彼の家へ連れて行くと、敷地に多くの動物がいました。久々の夫の帰宅に妻・サスキアが駆け寄ってハグします。奇遇にもサスキアは旅行代理店でフレッドの対応をした女性でした。サスキアはテオが酷い事故に遭って以来徘徊を繰り返し、施設に入所させても脱走してしまうとフレッドに教えてくれますが、フレッドは彼女が席を外した隙にそそくさと逃げるように帰りました。

【結】- 孤独のススメのあらすじ4

孤独な暮らしに戻ったフレッドは電話にも出ず、新たな余興の依頼が虚しく留守電に録音されていました。フレッドの心の中にある思いが募り、思い切って繁華街のゲイバーへ向かいます。歌のステージが始まるとフレッドは歌い手を見るのに耐えられず、店を飛び出しました。

フレッドが孤独を感じていた矢先、家の外でテオを見かけます。カンプスが行くなとテオを止めますが、彼は迷わずフレッドの家の中に入りました。
戻って来たテオと周囲の目を気にせず外でサッカーをするフレッドにカンプスは「お前がトゥルーデイを死なせ、息子もあのザマだ」と暴言を吐きます。そして極めつけに“私から彼女を奪った”と積年の思いを激白しました。カンプスはずっとトゥルーデイに想いを寄せていたのです。
フレッドとテオが家へ戻ると、サスキアがテオの着替えを持って訪ねて来ます。じっと座っている夫を見たサスキアは「落ち着く家を見つけたのね」と微笑みました。優しく夫思いである彼女はフレッドとの関係を責めるどころか、マッターホルンへの旅費に使ってほしいと貯金の半額をフレッドに差し出し、ありがとうと心からの礼を伝えフレッドにハグしました。

思い立ったフレッドは深夜、テオに妻のウエディングドレスを着せ、誰もいない教会で結婚式を挙げます。そこへカンプスがやって来て喚きました。「トゥルーデイを奪い、彼(テオ)までも私から奪った」と…。フレッドは耳を貸さず帰ろうとしますが、テオは泣いているカンプスを放っておくことが出来ませんでした。
3人はカンプスの家で酒を飲むことにします。トイレに立ったフレッドが写真の暗室を覗くと、トゥルーデイやテオの写真が現像されていました。フレッドはテオをカンプスに預け、ある場所に向かう決意をします。
心細いフレッドはサスキアに頼んで先日も行ったゲイバーへ車を出してもらいます。車中でフレッドは、自分がヨハンを家から追い出したこと、それを妻が許さなかったことを初めて人に吐露しました。フレッドは動揺しながら、ゲイバーのステージに立つ男性を見つめます。客席のフレッドの姿に気付いた歌い手は涙を溜めながら熱唱し、歌い切った彼にフレッドは「ヨハン!」と叫びました。

その後フレッドとテオはマッターホルンに登りました。頂上に着き、フレッドはテオに力強くハグしました。
(劇中ではヨハンのステージと登頂シーンが重なり、フレッドの「ヨハン!」と叫ぶ声がマッターホルンで響くという演出で映画が終幕します。)

みんなの感想

ライターの感想

ストーリーに隙無し、無駄なし!おもちゃのブロックが繋がるように全てのシーンが組み立てられていくような筋立てが秀逸で、監督は長編デビュー作とは驚きでした。ラストの演出も爽快で心打たれました。
もの悲しげなバッハの旋律から、力強い名曲『This Is My Life』へ着地する選曲も素晴らしかったです。どの曲も歌っていたのはヨハンでしたが、フレッドの心の変化そのものを表しているように感じました。
原題は『マッターホルン』。邦題には少々違和感が残りますが、性別を超越した“情”の深さを感じられるよい作品でした。

映画の感想を投稿する

映画「孤独のススメ」の商品はこちら