「家族はつらいよ」のネタバレあらすじ結末

家族はつらいよの紹介:2016年3月公開の日本映画。巨匠・山田洋次監督が『男はつらいよ』シリーズ以来ひさびさに手がけるコメディ。突然の両親の離婚問題に揺れる子供たちら8人が繰り広げる騒動を描き出す。橋爪功と吉行和子が離婚の危機を迎えた熟年夫婦を演じるほか、西村雅彦、夏川結衣といった『東京家族』で一家を演じた8人のキャストが再集結し、別の家族を演じている。

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予告動画

家族はつらいよの主な出演者

平田周造(橋爪功)、平田富子(吉行和子)、平田幸之助(西村雅彦)、平田史枝(夏川結衣)、金井成子(中嶋朋子)、金井泰蔵(林家正蔵)、平田庄太(妻夫木聡)、間宮憲子(蒼井優)、平田謙一(中村鷹之資)、平田信介(丸山歩夢)、鰻屋(徳永ゆうき)、高村(木場勝己)、沼田(小林稔侍)、かよ(風吹ジュン)、警備員(笹野高史)、医師(笑福亭鶴瓶)

家族はつらいよのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①横浜市で暮らす平田家はいまどき珍しい三世帯住宅。ある日母・富子が夫・周造に熟年離婚を切り出した。青天の霹靂に平田家は大騒動。それを知らぬ次男・庄太は婚約者・憲子を挨拶に連れてくる。 ②家族会議の最中、父・周造が倒れてまた大騒動。周造は何事もなく退院、離婚届に判をついて富子に渡すが「今までありがとう。いっしょにいられてよかった」という一言で報われ、富子は離婚をやめることに。

【起】- 家族はつらいよのあらすじ1

神奈川県横浜市青葉区。
閑静な住宅街に、今どきはすっかり珍しくなった、三世代で同居する平田家がありました。
73歳の平田周造は、一流の大谷商事に勤務して2男1女を立派に育て上げました。子どもたちも皆成人し、今は楽隠居の身分です。酒、煙草、ギャンブルもほどほど行ない、ゴルフも楽しむ身分でした。
そのかたわらで、妻の富子は夫・周造を立てながら暮らしていました。子どもたちが手を離れた現在は、創作教室のカルチャースクールに通っています。

・平田周造…73歳、平田家の大黒柱(のつもり)。長男・幸之助と同居しているが、自分が建てた家のあるじだと思っている。亭主関白で家のことは全くしない。服は脱いだら脱ぎっぱなし、妻が後始末をするのが当たり前。悪気はないのだが口が悪く、そのために人を傷つけるということをあまり気付かない。
・平田富子…周造の妻。周造のお世話を焼き、3人の子どもたちを育てて、現在は創作教室で小説を書いている。他界した弟・小宮薫は作家だった。
・平田幸之助…47歳、周造らの長男。会社勤務。周造と仲が悪くて衝突ばかりするが、実はそぶりは周造そっくり。よき父であろうと試みているが、空振りに終わること多し。
・平田史枝…幸之助の妻、平田家の嫁にあたる。富子と一緒になって家のことを取り仕切るが、いかんせん家族の数が多いので、苦労も多い。
・金井成子(しげこ)…周造らの長女。今は泰蔵と結婚し、税理士事務所を開いている。税理士として活躍するインテリ女性。子どもはいない。
・金井泰蔵…成子と結婚して金井税理士事務所を開いているものの、実質的には「髪結いの亭主(妻に稼ぎを任せている)」状態。しかしそれを指摘されると怒る。
・平田庄太…周造らの次男。まだ結婚しておらず、平田家に住んでいるピアノ調律師。劇中で結婚を決めて、最後には家を出て行く。
・間宮憲子…庄太の恋人。看護師。福岡出身。
・平田謙一…長男・幸之助と史枝の息子。今度中3になる。野球好き。
・平田信介…長男・幸之助と史枝の息子。小学校6年生。兄が好き。
・トト…平田家の庭の犬小屋で飼っている白いテリア。

20年来通い続けた馴染みの居酒屋『かよ』の店で、友人・服部と飲んだ周造は、したたか酔って帰宅しました。
部屋に入るとズボンやシャツ、くつしたは脱いだまま放置し、それらを回収するのは富子の役目です。もう何十年も、そのスタイルが夫婦のあいだで定着していました。
富子は部屋に花束を花瓶に生けているところでした。
今日は富子の誕生日だったのです。花束は、富子が通っている創作教室のメンバーからプレゼントされたものです。
酔っ払っていい気分の周造は「なにか欲しいもの、あるか?」と質問しました。
すると富子は「450円のものが欲しい」と言い、クリアファイルから用意しておいた離婚届を出します。450円は戸籍謄本を請求する金額です。
「ここに名前を書いて、ハンコを押してもらえたら嬉しい」と言われた周造は「本気よ、きちんと考えてほしいの」と言われ、熟年離婚の危機にさらされているのだと知りました。

翌朝。
通勤、通学の朝のラッシュの平田家のなか、庄太だけは優雅に朝食を摂っています。
「不協和音は時として家族に必要なのだ」と言う庄太に対し、結婚するような相手がいるのかと周造は聞き、庄太は頷きました。今度家に連れてくるという話になります。
庄太は早速、恋人の憲子に電話をかけ、今日の勤務先、日野の市民ホールへ来てほしいと呼び出しました。夜勤明けの憲子は、弁当を持って行くと言います。
憲子に引っ越して住むつもりのマンションの間取りを見せた庄太は、改めてプロポーズしました。憲子も応じます。
昼間、成子が平田家に駆け込んできました。夫・泰蔵が大事にしていた皿を成子が割ってしまい、それがもとで離婚騒動だと言います。 この映画を無料で観る

【承】- 家族はつらいよのあらすじ2

泰蔵の唯一の趣味が骨董品集めでした。その皿も、買った時には成子に「1万円」と言っていたのですが、割った時に「本当は20万円もした」と言ったのです。
嘘をついていたことが成子としては許しがたく、離婚しかないと主張します。ちなみに、成子と泰蔵はいつも「離婚する」と騒いでばかりいます。
成子の愚痴は長男の嫁・史枝が聞き、泰蔵の愚痴は居を移して飲み屋『かよ』にて周造が聞きました。その時、周造が「富子が別れてくれと言い出した」と泰蔵に洩らします。
一年中、離婚だと騒いでいる成子&泰蔵の重みよりも、富子の「離婚」の発言のほうがはるかに重いものでした。
発言を聞いたかよと泰蔵にせかされて、周造は家に帰ります。とにもかくにも、詳細を聞かないことには意味がない、そのためには、居酒屋よりか、家族が揃った場所で聞くべきだと泰蔵(とかよ)は思ったのです。

泰蔵経由で成子と史枝が、「富子の離婚発言」について知りました。衝撃の大きさで、泰蔵と成子たち自身の離婚問題はすっかり吹き飛び、なあなあで2人の仲は元の鞘に納まります。
すぐにも詳細を聞きたいところですが、当の富子はカルチャースクールに行って留守でした。いいえ…もし在宅だったとしても、おいそれと聞き出せるものではありません。
史枝と成子は「今度の休みに家族会議を開こう」と決めました。その時に家族が集まって、会議を開くつもりにします。
一旦家に戻った成子と泰蔵は「今まで数十年連れ添った夫婦が別れる理由」について話し合いました。泰蔵が「周造の女遊びがバレたのではないか」と言います。
周造は酒、煙草、バクチもするのですから、女遊びもしていておかしくないと主張しました。そういえば20年来の居酒屋『かよ』に入り浸っていると思った泰蔵は、かよが浮気の相手で、離婚の原因ではないかと成子に言い出します。
成子が詳細を調べろと言い、泰蔵は『沼田探偵事務所』へ依頼に行きました。所長の沼田が動き始めます。

居酒屋『かよ』にいる周造は、電話で服部を呼び出そうとしますが、服部の妻の具合が悪いとかで断られました。
「かよちゃんがいれば大丈夫」と軽口を叩きながらかよの手をにぎる周造を、居酒屋の客になりすました沼田が、すかさず撮影します。ちなみに、かよの手をにぎるのは毎度のことで、かよはそれを「適度にかわし、すっと離す」高等テクを身につけています。決して、男女の関係などではありません。
さらに沼田は周造とかよの会話を録音しようとしました。その時に周造は沼田に気付きます。
なんと沼田と周造は、高校時代の悪友でした。しかし同窓会からかれこれ20~30年は会っていませんでした。
近況を聞かれた沼田は探偵事務所をやっていると言いますが、周造が「探偵なんて似合わない」と笑い飛ばします。
『かよ』から飲んで帰った周造は、酔っ払ったついでに富子に「離婚は冗談だったのか」と聞きました。富子の態度が普段どおりだからです。
富子は「本気です」と答えました。周造は、絶句します。
帰宅した長男・幸之助は史枝から、周造と富子の離婚騒動について聞きました。疲れて帰ってそんな重たい話を聞かされて、不愉快だと怒ります。
平田家の騒動を知らない謙一と信介は、叔父の庄太が近日引っ越しをすると言っていると両親に報告しました。庄太が憲子との結婚を考えている証拠なのですが、幸之助と史枝にとっては、今は周造と富子の離婚騒動しか頭にありません。

【転】- 家族はつらいよのあらすじ3

休みの日。家族会議が平田家で催されることになります。
史枝から念を押されていたのに忘れていた幸之助は、子どもたちと謙一の出る野球大会に行こうとして、止められました。謙一と信介2人だけで行きます。
成子と泰蔵がやってきました。史枝はうな重の出前を頼みます。
そこへ富子がおりてきて、休日に家族が集まる様子を見て「庄太が婚約者を連れてくるからね」と言いました。憲子のお披露目のために、皆が集まっているのだと、富子は思っているのです。
それを聞いて、庄太の結婚話が進んでいたことを、平田家のメンバーは初めて知りました。
居間には、富子、幸之助、史枝、泰蔵、成子が集まります。父・周造はまだ2階にいます。
やがて両親の離婚話を一切聞いていない庄太が、うきうきしながら婚約者の憲子を連れてきました。憲子を皆に紹介します。
そこへ父・周造が2階から降りてきました。ここに至って初めて、庄太と憲子は、本日の議題が自分たちの結婚ではなく「周造と富子の離婚騒動」だと知りました。
憲子は日を改めようとしますが、富子が「いずれ、このうちの人になるんだから」と引き留めます。
メンバー全員が揃いました。

ついさっき両親の離婚について知ったばかりの庄太が、富子にダイレクトに理由を聞き始めます。聞いたばかりでショックなので、質問しながら途中で泣き始めてしまいます。
富子の答えはいたってシンプルでした。「お父さんが嫌になってきたの」です。かつてはあったはずの愛情が、一枚一枚剥がれていったそうです。
今では洗面所でうがいするのも、平然とおならするのも、食事する時にくちゃくちゃ物音を立てるのも嫌いなのだそうです。周造が脱ぎっぱなしのくつしたを元通りに裏返す、毎度の作業もあきあきしているそうです。
若い頃は周造が三人の子を育てるために働いてくれていることに感謝をし、また子どもたちの育児に追われていましたが、子どもたちも手がかからなくなった現在、もうそろそろ周造から解放されて、自分の好きなように生きたい…そう富子は言いました。
長男の幸之助が現実的な話に向けます。離婚してどう生きていくのか、生計はどう立てるのかと聞くと、富子は「他界した弟の遺産(注:弟は3年前に他界した独身の作家)で充分食べていける」と言います。それに、カルチャースクールで出会った仲間が田園調布に暮らしており、その女性が一緒に暮らしてもいいと言っているそうです。

富子は離婚しても、じゅうぶんやっていけそうだと、子どもたちは反論の糸口を失いました。
周造が、メンバーの中でまだ平田家ではない憲子に、話を振ります。
憲子は「うらやましい」と言いました。
憲子の両親は、憲子がまだ幼い頃に離婚していました。憲子の母はある日黙って家を出ていき、憲子の兄は離婚に無関心だったそうです。
「家族みんなでこうして会議を開いて、思っていることを口に出せるなんて」うらやましい…そう、憲子は言います。
憲子宅は離婚後、父が2人の子を育てていました。そのように母(妻)に捨てられる、自分はいわば「被害者なんだ」と訴えた周造は、子どもたちに一斉に叩かれます。
気分を害した周造は、泰蔵に「髪結いの亭主(妻の稼ぎで養われている男。ヒモ)のくせして」と言い、いちばん言われたくないことを言われた泰蔵は烈火のごとく怒ります。
浮気の証拠だと、かよの手を握っている周造の写真を出しました。それを見た周造は、隠れてそんな調査をしていたことに怒り、憤り…頭に血がのぼって倒れます。

【結】- 家族はつらいよのあらすじ4

一同はびっくりしました。そんななか、看護師の憲子がてきぱきと指示を出します。
周造を横向きにして肩を叩いて呼びかけ、意識がないことを確認すると、救急車を呼べと指示しました。さらに保険証と診察券の手配も頼みます。
救急車が到着し、あっというまに周造を担ぎ出しました。救急車に同乗したのは庄太と憲子で、成子と泰蔵、幸之助らは別便で病院へ向かいます。
史枝と富子は保険証と診察券を探しました。富子は富子でやはりショックを受けており、「やすんでから行く」と言って一旦ベッドに横になります。
病院の診察を待ちながら、平田家に問われた憲子は「考えられるのは、脳梗塞か、低血糖による貧血」と言いました。
幸之助は翌日から上海出張だったのですが、予定を引き延ばしてもらい、念のため葬儀屋のパンフを取ってきます。

最悪の場合を想定して嘆く子どもたちでしたが、医者に呼ばれていくと、周造は意識を回復していました。みんな拍子抜けします。
葬儀屋のパンフを持った幸之助は、医者に「念のため2~3日入院させます。酒は絶対駄目。葬儀はまだ先の話」と言われました。おろおろさせられた父への怒りもあり、幸之助は葬儀屋のパンフを病院のごみ箱に投げ捨てます。
周造は入院したベッドで、なにごとか決意を固めました。

後日。
庄太が憲子と新居で住むために、家を出ていきます。
二十数年暮らしたという庄太(庄太が小学中学年の時に家が建ったらしい)は、荷物を運び出してがらんとした部屋を見て、センチメンタルになっていました。
平田家のある住宅街も、高齢化が少しずつ近寄っていました。平田家のように息子たちが同居するのは珍しく、ぱっと見た感じは「閑静な住宅街」なのですが、よく観察すると「売物件(空き家)」が目立つようになっているのです。
父・周造は犬を散歩させに青葉公園へ行っていました。庄太と憲子はそこへ行き、周造の気持ちを聞きます。
周造は病院のベッドで考えて「そんなに自分が嫌いなら、別れるしかないと思っている」という結論に達していました。情けないと庄太は言います。
憲子は周造へ「あの日、富子が発言した言葉に対しての返答をするべきだ」と声をかけました。思っていることはきちんと言葉にして伝えないとならないと訴えますが、周造は「そんなこと恥ずかしくてできるか」と言います。
庄太と憲子は駐車違反切符をきられそうになり、追われるように去りました。
周造は、さらにまた考えます。

夜。
富子がカルチャースクールから戻ってくると、周造は小津安二郎の映画『東京物語』を見ていました。
富子に、周造は自署した離婚届を渡します。
ハンコをつきながら「今までずっと一緒にいられてよかった。ありがとうな。サインすることがお前の望みなら、叶えてやることが一番の望みだと思った」と、周造が富子を思いやる言葉を吐きました。
それを聞いた富子は離婚届を受け取ると、すぐさま2つに破りました。長年の苦労が報われたように感じたのです。
「その言葉が聞けたので充分。私、死ぬまで付き合います」と富子は言いました。
周造と富子の離婚騒動は、終息します。

ところで1階では幸之助と史枝が、周造たちの離婚の話題をしていました。幸之助が史枝に「まさか定年退職の日に離婚なんてこと」と我が身に置き換えて想像し、史枝が「それまでもつかどうか…」と意味深長な言葉を吐いたので、幸之助はあせります。

2階では、周造がきちんと脱いだくつしたを表にかえしているのを見た富子が、満足そうな笑みを浮かべていました。
映画『東京物語』の『終』マークが出ます。

(エンドロール)『東京物語』を見ながらソファで寝入った周造をベッドまで導き、眠らせる富子。そののち、カーテンをしめる。
1階では、史枝の意味深長な発言に動揺する幸之助と、花瓶を割った謙一と信介がさわがしくしている。
飼い犬・トトは犬小屋で寝ている。皆、落ち着くところへ落ち着いた。

みんなの感想

ライターの感想

きれいーにまとまっている作品。
小さなことが積み重なって、ある日いよいよ不満に思えてくる「蓄積」、富子の言い分は非常に納得できた。
それに対し、洗濯物をきちんと自分で戻すことをおこなうようになった周造。ここに、夫婦のありようの変化がみられる。
父が大黒柱で「一家のあるじ」、母はそれに貞淑にしたがう…前時代的かもしれないが、あったかく包まれている。
ただしこういう風景も、もういまでは「昭和な香り」になりつつあるかも。

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