「幻の光」のネタバレあらすじ結末

幻の光の紹介:祖母や夫の死と向き合い、再生していく女性の喪の作業を描いた物語。“世界のコレエダ”の長編映画デビュー作品であり、ヴェネチア国際映画祭オゼッラ・ドゥオロ賞のほか、多数の賞を獲得した作品。原作は宮本輝の同名小説。

幻の光の主な出演者

ゆみ子(江角マキコ)、郁夫(浅野忠信)、民雄(内藤剛志)、道子(木内みどり)、喜大(榎本明)

幻の光のネタバレあらすじ

【起】- 幻の光のあらすじ1

ゆみ子は幼馴染の郁夫と、生後三か月になる息子の勇一と三人で尼崎に暮らしていました。アパートには風呂もなく、隣の部屋の音は筒抜けるほど古びています。
自転車が盗まれれば郁夫は遠くまで出かけて、違う誰かの自転車をくすねてくるなど、豊かとは言い難い生活ですが、夫婦はとても仲睦まじく、明るく過ごしていました。ただ、ゆみ子には思いや悩んでいることがありました。
幼いころ、祖母が「四国へ行く」と言ったまま行方を絶った辛い過去があるのです。あの時、自分が止めていれば…。と悔やんでいるゆみ子は、ときどき祖母の夢を見ては、胸が苦しくなるのでした。
染織工房に勤めている郁夫は、ある日の午後、夜から雨の予報のため傘を取り、そして自転車を置くために部屋に戻ってきました。いつものようにゆみ子は笑って郁夫を送ったのですが…。

【承】- 幻の光のあらすじ2

その夜は予報通り大雨となりました。雨音が響く中、警察が部屋を訪れてきます。郁夫と思われる人が、電車に轢かれたと言うのです。
線路の真ん中を真っ直ぐ歩いていたという郁夫の遺体はまともに残っておらず、自転車の鍵と鈴だけが遺品でした。ゆみ子には、郁夫が自殺した理由に見当がつかず、何の予兆にも気づけなかった自分のことも情けなく、息子の面倒も見られぬ程に落ち込む日々が続きました。
やがてアパートの大家の紹介で、ゆみ子の再婚が決まります。再婚を機に生まれ育った尼崎を離れ、奥能登の小さな村へ引っ越すことになりました。季節は冬でした。
新しい生活は、夫の民雄と連れ子の友子、義父の喜大との5人暮らしです。小さな村ならではの近所づきあいや、親戚の集まり…。
今までとは全く環境が違いました。海と生活音しかしない静かな村で、ゆみ子は自分の心を見つめていました。

【転】- 幻の光のあらすじ3

子供たちは本当の姉弟のように仲良く、そして優しい夫と、無口で穏やかな義父との生活により、次第にゆみ子に笑顔が増えていきます。そして季節は流れ、奥能登に来てから気付けば半年の歳月が流れていました。
ゆみ子は弟の結婚式があるため、二人の子供を連れ久しぶりに尼崎へ帰省しました。母も友子の存在を喜んでくれ、子供を預け尼崎の町を歩きました。
行きつけだった喫茶店に立ち寄ると、マスターから郁夫が死んだ日の様子を聞かされます。郁夫は喫茶店でも変わった様子がなかったと知り、ゆみ子の心はまた揺さぶられていきました。
奥能登の家へ帰ってからも浮かない表情をしているゆみ子を見て、里心でもついたのかと民雄が気にかけました。

【結】- 幻の光のあらすじ4

季節が巡り、奥能登へ初めて来た時と同じ冬がやってきました。この頃、ゆみ子はまた夢を見るようになります。早朝に目覚めることもありましたが、祖母や郁夫の死で苦しんでいることを民雄には言えませんでした。
ある時ゆみ子は女漁師のとめのから、民雄の前妻の話を聞きます。妬いたゆみ子はそのことで民雄を責め、民雄もまたゆみ子が手放せない自転車の鍵と鈴の事を問い、二人は言い合いになりました。
翌日ゆみ子は村を彷徨い、葬列を見つけては吸い込まれるように、その列に参加し海へ辿り着きました。そこへ民雄が迎えに来ます。ゆみ子は泣きながら、郁夫の死の理由が分からず苦しんでいることを打ち明けます。
民雄は「親父が船に乗っていた時、海に誘われて、沖の方にキラキラした光が見えると言っていた。誰にでもそんなことがあるのではないか」とゆみ子の気持ちを優しく包み込みました。そしてゆみ子はまた、平穏を取り戻していきました。

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