「弁護人 (2013)」のネタバレあらすじ結末

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弁護人 (2013) の紹介:2013年製作の韓国映画で、1980年代に韓国で実際に起きた釜林(プリム)事件をモチーフにした法廷ドラマ。主人公のモデルは当時事件の弁護人を務めた元韓国大統領の廬武鉉で、この難役を韓国の名優ソン・ガンホが熱演。監督のヤン・ウソクは本作がデビュー作品ながら重厚な社会派ドラマが評価され、韓国国内では歴代観客動員数8位(公開当時)につける大ヒットを記録した。

予告動画

弁護人 (2013)の主な出演者

ソン・ウンソク(ソン・ガンホ)、パク・ジヌ(イム・シワン)、パク・スネ(キム・ヨンエ)、チャ・ドンヨン(クァク・ドウォン)、ユン中尉(シム・ヒソプ)、イ・ユンテク(イ・ソンミン)

弁護人 (2013)のネタバレあらすじ

【起】- 弁護人 (2013)のあらすじ1

1978年、軍事政権下の韓国・釜山。高卒の腕利き弁護士ソン・ウンソクは不動産登記や税務処理など地道な営業を続け、いまや釜山で大きな成功を掴んでいました。しかし、7年前のウンソクは危機的な状態にありました。ウンソクは建築現場で働きながら司法試験の勉強を続けていましたが、家庭の経済事情は困窮を極めていたのです。試験の参考書はすでに売り払っていましたが、それでも妻の出産費用の捻出もできず、なじみの食堂にはつけの支払いを請求されていました。もらったばかりの給料を見つめながら、ウンソクはつけの支払いをするかどうか迷っていました。結果、ウンソクは代金を払わず店を飛び出し古書店へ。ウンソクは試験の参考書を買い戻し、試験勉強を再開したのでした。その苦難があったからこそ、ウンソクは今成功を手にすることができたのです。

ある日、ウンソクは一等地にあるマンションの一室を尋ねました。ウンソクはどうしてもその部屋を買い取りたいと考えており、住人は提示された好条件を受け入れウンソクへの売却を決めました。後日、ウンソクたち家族が改装工事中の部屋を見学しに訪れると、ウンソクの妻がある文字が壁に刻まれているのを発見します。「絶対に諦めるな」。その部屋はかつてウンソクが建築作業に携わった部屋で、いつか必ずこの部屋に住もうと決意を込めてウンソク自身がひそかに刻み込んだ文字だったのです。その後、かつて食い逃げした店にも謝罪に赴くウンソク。しかし、店の女店主スネは怒るどころか立派になったウンソクの姿に感動の表情を浮かべていました。この和解以来、ウンソクは美味しいクッパを求めて頻繁にスネの店を訪れるようになります。

【承】- 弁護人 (2013)のあらすじ2

あるとき、ウンソクは高校の同級生を連れてスネの店にやって来ました。すでに皆が酔っ払う中、新聞社に勤めるユンテクはテレビの報道に注目していました。名門ソウル大学の学生たちが政府の強権的な姿勢にデモ行進をしているといいます。勉強をしたくないだけだ、と一蹴するウンソクに対してユンテクは事の重大性を理解しようとしないと批判、さらにウンソクの学歴コンプレックスを指摘します。口論の末、二人は乱闘騒ぎを起こし、スネの店は激しく荒らされることに。ウンソクは大金を渡して解決しようとしますが、スネの息子ジヌは受け取ろうとしません。酔ったウンソクはそんなジヌに片親の礼儀知らずという心無い言葉を浴びせてしまいます。その言動にスネは激怒、ウンソクを店から追い出してしまうのでした。

ソウル大学での反政府活動は次々に摘発され、多くの大学生が公安によって非人道的な扱いを受けていました。その波は釜山にまで押し寄せていました。その犠牲者となったのはジヌら大学生。文学の読書会を開いていたところ、公安のチャ警監により共産主義の疑いを一方的にかけられ捕らえられたのです。それから一か月、ジヌの悲劇を知らないウンソクの前にスネが突然現れました。長い間行方不明だったジヌが拘置所にいることをやっと突き止めたが、接見が許されないといいます。ウンソクはスネを連れて拘置所に向かい職員を説得することに成功しますが、やっと再会を果たしたジヌはやせ細り怯えた表情をしていました。そして、体には無数のあざが。面会は強制的に終了され、スネは錯乱し気を失ってしまいます。ウンソクはこの理不尽な現実を前にしてジヌの冤罪を晴らす決意を心に固めるのでした。しかし相手は国家権力、ウンソクは圧倒的不利な立場です。釜山弁護士組合会長でウンソクの先輩でもあるキムですら、この問題に慎重な姿勢を取っていました。それでも、ウンソクはジヌたちの名誉のために弁護人として裁判に赴くのでした。

【転】- 弁護人 (2013)のあらすじ3

裁判所にウンソクが赴くと、そこに先日乱闘騒ぎとなったユンテクが記者として駆けつけていました。ユンテクはウンソクに気づくと、出来レースという評判が立っていることを告げ裁判所を去って行きました。ユンテクはウンソクの弁護になにも期待していなかったのです。実際、裁判長と検事は裁判の落としどころを事前に相談し合っており、ウンソクと弁護団を組む他の二人の弁護人も国家権力を前に及び腰になっていました。しかし、裁判が始まってみると、法廷をコントロールしたのはウンソクでした。ウンソクはまず罪人のように起立を強要されている被告たちに体の自由と席を与えることを申し出、裁判長を驚かせます。次にウンソクは共産主義的思想の書物の根拠を問い正し、次々と公安側の証拠のいい加減さを明らかにしていきました。第一回目の公判はウンソクが終始優勢に進める展開で幕を閉じます。

ウンソクの次の狙いは公安側の拷問の事実を裁判で争うことでした。ジヌから聞き取ったわずかな情報を基に、ウンソクは拷問の現場となった旅館跡を探し当て拷問の証拠を見つけますが、そこにチャ警監が現れました。国民の平和のために公安の非人道的な活動を正当化するチャにウンソクは手荒く痛めつけられ、裁判から身を引くよう脅されるのでした。

しかし、次の公判でウンソクは公安を徹底追及する姿勢を見せます。ウンソクはジヌを証人として召喚、拷問により嘘の自白が強要された事実が生々しく語られていきました。その証言に被告の大学生たちは一様に涙を流し始めていました。被告家族の怒りは、拷問の中心的役割を担いながらのうのうと傍聴席に座るチャに向けられます。傍聴席内の混乱により公判は一時ストップしますが、その代わりウンソクは大きな収穫を得ます。チャの証人喚問が決定したのです。

【結】- 弁護人 (2013)のあらすじ4

ウンソクは公判に手応えを感じていましたが、同時に国家権力の脅威はウンソクに迫りつつありました。本業に明らかな悪影響が出始め、さらに法廷に向かう道中でアカ野郎と罵られ、生卵を投げつけられてしまいます。そんなウンソクに無言でスーツを貸したのは、ユンテクでした。二人の間にはすでに蟠りはなくなり、ユンテクはウンソクの弁護に大きな期待を抱いていたのです。

しかし、法廷の傍聴席には公安のサクラしかおらず、家族が不当な理由で追い出されていました。公安側は心理的にウンソクを追い詰めようと工作し、チャ自身も国家への愛を理由に追及を逃れ、逆にウンソクを挑発してきました。この度重なる不遜な態度にウンソクはついに激昂、怒号が法廷内に響き渡ります。「国家の主権は国民にあり、すべての権力は国民に由来するのです」。その瞬間、ウンソクの目にもチャの目にも涙が浮かんでいました。

結局、チャへの尋問は結果を残せず、明後日に裁判の最終的な判決が下されることに。ウンソクの事務所は脱税容疑で不当に荒らされ、自宅には不審な電話がかかってきていました。疲労困憊となっていたウンソクの元に、起死回生の朗報が届きます。拷問を受けた大学生の治療の任務にあたっていたユン軍医が、証言を申し出てきたのです。

証人申請を受諾しなければ、ユン軍医が外国人記者に向けた記者会見を行う。ウンソクは裁判長にそう揺さぶりをかけ、土壇場の証人尋問の機会を獲得します。ユン軍医は法廷で拷問の事実を語り、形勢は一気に逆転するかに見えました。しかし、検事側はチャの手回しでユン軍医の脱営の罪をでっち上げ、証言削除の要求を裁判長が認めてしまいます。結果、ジヌたちには刑期が課されることが決定。ウンソクたちは判決に無力感を募らせるのでした。

その数年後、ウンソクはジヌたちとともに公安の犠牲者たちの大規模な追悼集会を開催していました。警察隊を前にひるむことなく集会をリードするウンソクでしたが、武力により鎮圧され裁判で裁かれることになってしまいます。ウンソクの弁護を担当するのは、先輩弁護士のキムでした。キムは開廷を前に弁護人すべての読み上げを裁判長に願い出ました。裁判長に渡されたのは、何枚もの弁護人名簿。一人ひとり読み上げていくと、傍聴席に座る弁護人が返事とともに起立していきます。その数に、検事側は驚きを隠せないでいました。釜山の弁護士組合に所属する142人の内99人がこの場に駆けつけていたのです。その中にはかつてウンソクの学歴をバカにした弁護士も多くいました。背後でやまない返事と起立する音に、ウンソクは涙をこらえながら微笑んでいました。

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みんなの感想

ライターの感想

監督デビュー作とは思えない完成度の高さに驚かされました。ずるかしこくも強い信念を持つ敏腕弁護士という役どころにベテラン俳優ソン・ガンホがぴったりとはまっており、序盤と終盤とで巧みに話し方や表情を変える演技力にソン・ガンホが名優と呼ばれる所以が感じられます。裁判シーンではこれでもかと主人公がかっこよく描かれ、まるで傍聴席にいるかのような感覚に陥りました。

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