「戦争と平和(1956年)」のネタバレあらすじ結末

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戦争と平和(1956年)の紹介:ロシアの大文豪トルストイの同名小説をヘンリー・フォンダ、オードリー・ヘップバーン主演で映画化。イタリア=アメリカ合作映画で、イタリア人作曲家ニーノ・ロータが音楽を担当した他、数々の名作映画を生み出したローマ・チネチッタ撮影所で撮影が行われた。

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戦争と平和(1956年)の主な出演者

ナターシャ(オードリー・ヘプバーン)、ピエール(ヘンリー・フォンダ)、アンドレイ(メル・ファーラー)、ナポレオン(ハーバート・ロム)、エレン(アニタ・エクバーグ)

戦争と平和(1956年)のネタバレあらすじ

【起】- 戦争と平和(1956年)のあらすじ1

舞台は19世紀初頭。ヨーロッパで隆盛を誇ったナポレオンは、フランスから遠く離れたロシアにもその勢力を伸ばそうとしていました。ナポレオンに対抗しようと、ロシア軍はオーストリア出征を決定。華やかなロシア兵の行進が街中で行われている中、その様子を冷ややかに眺めている男がいました。男の名前はピエール。戦争と暴力をひどく嫌悪しており、軍への入隊も微塵も考えていません。そんなピエールの隣では勝気な少女ナターシャが行進の様子を眺めていました。ナターシャはロストフ伯爵家の令嬢で、ピエールとは兄弟のように親しい間柄です。

ピエールは出征前最後の兵士たちのパーティーに参加しますが、そこに親友で軍人のアンドレイが突然現れ、ピエールの父に死が迫っていることを告げます。ピエールは自分と母を認知してくれなかった貴族の父を恨んでいましたが、ベッドに横たわる父がその死の直前にピエールに見せたのは、愛情に満ちた表情でした。父はまた、財産の相続人にピエールを指定しており、ピエールは父の意志を継ぎ、良き領主になろうと足しげく領地を訪れるようになります。そして、父の友人の娘エレンの魅力的な容姿に心惹かれ、求婚を決意。ピエールはナターシャにエレンとの結婚を告げると、ナターシャは一瞬ショックを受けた表情を見せました。しかし、すぐに笑顔となり「幸せにならなくてはだめよ」とピエールを祝福するのでした。

一方、ピエールの親友アンドレイは戦場で果敢に戦ったものの、捕虜となってしまいます。戦争が終結し帰還を果たしたアンドレイが田舎に戻ると、さらなる悲劇が待ち受けていました。妻は男の子を難産の末出産しましたが、その直後に亡くなってしまったのです。妻が生きている間に十分な愛を与えられなかったことを悔いるアンドレイ。加えて、捕虜時代の記憶がアンドレイをさらに苦しめるのでした。

【承】- 戦争と平和(1956年)のあらすじ2

ピエールの妻エレンは結婚して間もなく本性を現し始めました。わがままなうえに浪費癖があり、さらにドーロホフ大尉という軍人と不倫関係にあったのです。その噂を知っていたピエールは偶然パーティーでドーロホフと出会いますが、ドーロホフの無礼な態度にピエールは激昂、決闘を申し込みます。勝負は運が味方しピエールの勝利に終わり、ドーロホフは負傷してしまいます。この一件をきっかけにピエールとエレンは別居、ピエールは外見だけでエレンに恋をしたことを悔やんでばかりいました。そんなピエールを慰めようと、ナターシャは田舎への家族旅行に誘います。田舎で過ごすうちに徐々に笑顔を取り戻すピエール。あるとき、田舎でナターシャたちとともに狩りを楽しんでいるとき、ピエールは親友のアンドレイの姿を見つけます。世捨て人のようになってしまったアンドレイの姿にピエールは非常に驚きますが、それとは逆に、ナターシャはアンドレイの生気のない表情の奥にあるものに魅力を感じていました。

その夜、ナターシャはバルコニーで月を見ながらアンドレイのことを考えていました。ナターシャは兄の恋人ソーニャにその気持ちを赤裸々に語りますが、すぐ下の部屋でアンドレイはその会話を聞いてしまいます。何歳も年が離れた少女の恋心が自分に向いていると知り、アンドレイは静かに微笑むのでした。田舎を離れてもナターシャの頭の中からはアンドレイのことが離れず、舞踏会の場でも心ここにあらずの状態となっていました。ここにアンドレイ様がいてくれたら…そう思った直後、目の前にアンドレイが現れます。アンドレイもナターシャのことが気になり始めていたのです。ナターシャと華麗にダンスを踊ったアンドレイは求婚を決意。しかし、アンドレイの父親は二人の結婚に消極的で、結婚するにしても一年後にしろと言ってきました。ちょうどその頃、ナポレオン率いるフランスに対してロシアは講和を結ぼうとしていました。父親はアンドレイにその講和使節団に参加して欲しいと考えていたのです。

事情を聞いたナターシャは涙を流しながらもその条件を受け入れることに。しかし、アンドレイ不在中にナターシャはアナートリーという軍人と恋に落ちてしまいます。周囲に関係を反対された二人は駆け落ちを計画しますが、ナターシャの身を案じたピエールがそれを阻止。怒るナターシャにピエールは衝撃の事実を伝えます。アナートリーは既婚者だったのです。アンドレイへの裏切りの気持ちに苛まれるナターシャを、ピエールは慰め続けるのでした。

【転】- 戦争と平和(1956年)のあらすじ3

同じ頃、アンドレイの尽力は実ることなく、ロシアはナポレオンとの講和に失敗してしまいます。1812年、フランスはロシア領への侵攻を開始。ロシアは焦土作戦をもってフランスに対抗しますが、フランスの勢いは衰えることはなく、やがてその脅威は首都モスクワにも迫っていました。そんな中、ピエールはアンドレイがいる戦地へと赴くことを決意。戦争の意味を知るために、戦争をこの目で見たいと望んだのです。

ピエールはやっとのことで戦地にたどり着きますが、そこで出会ったアンドレイはナターシャの浮気に激しく怒っていました。また、決戦を直前に控えアンドレイはひどく神経過敏状態になっていました。「死ぬかもしれない」と口にするアンドレイを前に、ピエールは引き下がらざるをえませんでした。戦いの火ぶたは切られ、草原地帯で両者は激突。初めて見る戦争の光景にピエールは言葉を失います。序盤は有利に進めたロシア軍だったが、フランスの騎兵隊に圧倒され、やがて劣勢に立たされてしまいます。ピエールは一人の負傷兵に助けを求められ救護班の元に運びますが、着いた頃にはすでに兵士は息絶えていました。フランスの陣営をにらみつけながら、ピエールは「地獄へ落ちろ」と怒りを露わにします。ピエールにとって、ナポレオンは明確に憎むべき存在となっていました。

ナポレオンのモスクワ入城が現実味を帯び始め、人々は焦土作戦の準備をしていました。ナターシャらロストフ家の人々は負傷兵の搬送に積極的に協力しますが、その中には重症を負ったアンドレイの姿もありました。一時退避先のテントで、ナターシャは高熱にうなされるアンドレイの姿を見つけます。アンドレイの手に口づけし、過去の過ちを謝罪するナターシャ。アンドレイはナターシャへの思いをもう一度思い出し、二人は再び愛を確かめ合います。しかし、アンドレイには少しずつ死が迫っていました。 この映画を無料で観る

【結】- 戦争と平和(1956年)のあらすじ4

モスクワに入城したナポレオンは、街の荒廃ぶりに驚きを覚えていました。王家の姿も兵士の姿も市民の姿もなく、焼け野原と化す街を前に、ナポレオンは次の一手を打てずにいました。そして、街にはナポレオンの暗殺を企むピエールが潜んでいました。ピエールは廃屋からモスクワの街を視察するナポレオンに銃口を向けますが、タイミングを逸してしまいます。ピエールはひとまずその場から退散すると、フランス兵がモスクワ市民から略奪行為を行う場面に遭遇します。ピエールは助けようとフランス兵に飛び掛かりますが、逆に逮捕され捕虜となってしまいます。

一方、アンドレイは療養先の修道院で最期の時を迎えようとしていました。妹と、妻が残した幼い息子に別れを告げると、アンドレイはナターシャに見守られながら静かに息を引き取りました。アンドレイの死からほどなくして、フランス軍は撤退を開始。ナポレオンの予想以上に、ロシアの冬がフランス軍を苦しめていたのです。雪と飢えに耐えながら帰国の途をたどるフランス軍は、多くの死者を出しながら行軍を進めていました。その中には、捕虜となったピエールの姿もありました。そこに、かつてのピエールの恋敵ドーロホフ率いるロシア軍が奇襲を仕掛けてきました。これによりフランス軍は国境外へと敗走し、ピエールはようやく解放されることになりました。

危機が去ったモスクワには人々が戻り始め、ナターシャら一家も屋敷に戻り、再スタートを切ろうとしていました。大きな被害を受けた屋敷を眺めながら、ナターシャは過去を懐かしんでいました。そこに、ピエールが帰還を果たします。再会を喜び、口づけを交わすピエールとナターシャ。二人は手を取り合い、屋敷の外を歩き始めました。そこには、ありし日の姿を取り戻しつつある美しい緑が広がっていました。二人の後ろ姿を背景に、次の言葉が画面に映し出されます。「苦難のときも人生を愛せ 人生がすべてだから “人生を愛す”とは神を愛することである」。トルストイの「戦争と平和」の中にある一節で物語は締めくくられるのでした。

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みんなの感想

ライターの感想

見どころはフランス軍の騎兵隊の突入シーンです。広大な大地を軽やかに走り、ロシア軍を攻める様は迫力満載です。こうした勇ましい描写がある一方で、物語後半では死の行軍を強いられるフランス軍。ロシア軍の視点だけでなく、フランス軍の視点においても戦争の悲惨さを伝えています。また、本作でのナポレオンは残酷な侵略者であり、ピエールら主人公に憎まれる役どころです。しかし、わずかな描写ではありますが、良き夫、良き父としてのナポレオンの姿も登場します。ピエールやアンドレイが幸せな家庭を築けずにいることを思えば、少し皮肉な描写だと思いました。終盤は凄惨な物語が続き、タイトル通り「戦争と平和」の意味を考えさせられる深い物語です。3時間超の作品ですが、観るべき一本だと思います。

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