「最前線物語」のネタバレあらすじ結末

最前線物語の紹介:1980年製作のアメリカ映画で、オスカー俳優のリー・マービンと「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミル主演の第二次世界大戦を題材にした作品。北アフリカ、シチリア、ノルマンディーと最前線を渡り歩くアメリカ軍の老軍曹と若き兵士たちの戦いを描いていく。監督を務めたのは、実際に第二次世界大戦で激戦を経験したサミュエル・フラー。

最前線物語の主な出演者

リー・マービン(軍曹)、マーク・ハミル(グリフ)、ロバート・キャラダイン(ザブ)、ボビー・ディ・シッコ(ビンチ)、ケリー・ウォード(ジョンソン)

最前線物語のネタバレあらすじ

【起】- 最前線物語のあらすじ1

物語の舞台は1918年11月、第一次世界大戦終戦間近のフランスから始まります。荒廃した荒れ野にキリスト像だけが佇む中、アメリカ軍の第1歩兵師団に所属する新兵が一人歩いていました。すると、そこに敵軍の兵士が「戦争は終わった」と言って近づいてきました。アメリカ軍の男はこの言葉を信じず、敵軍の兵士を殺してしまいます。

男は殺した兵士の帽子についていた赤い帯を奪い、それを師団の記章にしたいと考えました。男は上司の元に戻り早速その考えを伝えますが、上司から返って来たのは、戦争が四時間前に集結したという言葉でした。男は終戦後にもかかわらず、敵兵を殺めてしまったことに衝撃を受けるのでした。

それから年月は流れ、1942年11月、新兵だった男はベテランの軍曹として第1歩兵師団を率いて第二次世界大戦を戦っていました。第1歩兵師団の記章は、軍曹が望んだ通り一本の赤い帯を縫いつけたものとなり、このデザインから第1歩兵師団は「ザ・ビッグ・レッド・ワン(勇敢な赤い1)」という異名を取るようになっていました。今回、軍曹の配下には多くの若者が集まりました。絵を描くのが得意な純朴な青年グリフ、小説家のザブ、農家出身で医療の知識があるジョンソン、陽気なイタリア系アメリカ人ビンチらは、冗談を言い合いながら目的地である北アフリカに上陸用船艇で向かっていました。上陸目的は、この地に軍を構えるドイツ軍を攻撃すること。海岸を守るフランス軍は反ナチスを掲げていたため、北アフリカへの上陸自体はそれほど困難ではないと予想されていました。

ところが、フランス軍の中に親ナチス派の将校がいたために、第1歩兵師団らアメリカ軍はフランス軍と銃撃戦となってしまいます。この銃撃戦は短時間で終わり、無事アメリカ軍は北アフリカ上陸に成功します。しかし、兵士たちが高揚する中、グリフは初めて体験する戦場に恐怖を感じていました。心を閉ざすグリフに軍曹は「殺人ではなく、ただ殺すだけ」と戦争の本質を語るのでした。

その後、第1歩兵師団は戦車隊の護衛のためにカッセリーン峠へと向かいますが、その道中、ドイツの天才的な戦術家ロンメルが率いる戦車隊と遭遇してしまいます。ここで起きた戦闘で軍曹は負傷、一時的に前線から離れることとなりますが、驚異的な回復力により先を行く第1歩兵師団に自力で追いつきます。ちょうど浜辺で束の間の休息を取っていたグリフ、ザブ、ビンチ、ジョンソンは上官の復帰を心から喜び、夢中になって軍曹に抱きつくのでした。

【承】- 最前線物語のあらすじ2

その後、第1歩兵師団は兵士を補充し、1943年7月にシチリアへ上陸しました。激戦を終え、廃墟と化した市街地に入る軍曹とグリフら若き兵士たち。軍曹の指揮の下、第1歩兵師団は街に潜んでいた狙撃手を射殺しました。危険がひとまず消えたところで、グリフたちは短時間ながらも休息を取ります。新しく補充された兵士から、グリフ、ザブ、ビンチ、ジョンソンが本部で「奇跡の四銃士」と呼ばれていることを知るグリフたち。四人が厳しい戦いを奇跡的に生き抜いてきていたことは事実でしたが、その裏では多くの補充兵が死んでおり、その言葉をグリフたちは複雑な面持ちで受け止めることしかできませんでした。その後すぐにその補充兵は戦死、再びグリフたちだけが生き残ることとなりました。

一行は味方が少なくなっても進軍を続けていましたが、そんなあるとき、軍曹は自分たちが孤立無援になっていることに気づきます。一行が急いで近くにあった洞窟に身を隠すと、それからすぐに敵軍の戦車隊が近くを通過し始めました。一行が洞窟の中で身を潜めていると、突然敵軍の戦車隊が爆撃を受けました。アメリカ海軍が到着し、敵の戦車隊に激しい砲撃を与えていたのです。思いがけない味方の登場で、軍曹とグリフたちは最前線への復帰を果たします。

その後、一行は焼け野原と化した街にたどり着きました。そこには、母の遺体を荷車で引く少年の姿がありました。イタリア系のビンチに通訳をさせると、少年は敵軍の自動砲の隠し場所を知っているといいます。それに続けて、少年は隠し場所を教える代わりに、母を棺に入れ埋葬して欲しいと軍曹に伝えてきました。軍曹は少年の要求を聞き入れ、一行は少年の案内で敵軍の隠し場所へ向かうことに。自動砲は田園地帯の民家の中に隠されていました。そのまわりでは女たちが農作業をしており、兵器が隠されていることが信じられないくらいのどかな風景が広がっていました。軍曹とグリフたちは連携しながら敵軍を襲撃し、さらにその村を敵軍から解放することに成功するのでした。

その後、一行は村の人々から歓迎を受け、食事をふるまわれていました。年老いた女と幼い子どもばかりしかいませんでしたが、束の間の休息を満喫するグリフたち。そして、軍曹はビンチの通訳であの母を亡くした少年に棺の手配をしたことを伝えました。これに少年は大感激し、軍曹に抱きつきイタリア語で何度も感謝の言葉を伝えてきました。軍曹もまた、そんな少年に優しい笑顔を見せるのでした。

それからすぐに一行は村を出て次なる目的地に向かうこととなりましたが、ヘルメットが見つからず軍曹は困り果てていました。すると、軍曹の前に一人の幼い少女が現れました。その手には、鮮やかな色の花で飾られた軍曹のヘルメットがありました。軍曹はそのヘルメットを少女から黙って受け取るのでした。

1944年6月。第1歩兵師団は兵力を補充した後、ノルマンディー作戦に参加すべく再び上陸用船艇に乗っていました。上陸を前に相変わらず笑顔で冗談を言い合うグリフたちでしたが、オマハビーチで待ち受けたていたのは想像を絶する激戦でした。浜辺はアメリカ兵の血で赤く染まり、被害は拡大していく一方でした。バズーカ隊も全滅し、軍曹はドイツ軍の鉄条網を突破するために爆薬筒を使用することを決めます。軍曹は部下に爆薬筒を持たせ一人ずつ鉄条網へと向かわせますが、敵の激しい銃撃に遭い、部下の死体が次々と増えていきました。

【転】- 最前線物語のあらすじ3

そして、ついにグリフに順番が回ってきました。グリフは鉄条網に向かって走り出したものの、すぐに恐怖心からその場にひれ伏してしまいます。ふと隣を見ると、仲間の死体が横たわっていました。グリフはその光景にますます恐怖心を強くしますが、そんな中、軍曹が後方からグリフめがけて発砲してきました。それは、命令に従わなければ殺すという軍曹の明確な意思表示でした。グリフは再び立ち上がり鉄条網に向かって走り出しました。途中で敵の爆撃に巻き込まれてしまったものの、グリフは力を振り絞り爆薬筒を設置、見事鉄条網の破壊に成功するのでした。

その後、短期間の休息を経て、第1歩兵師団はフランスの原野を進んでいました。そこは、軍曹が第一次世界大戦で終戦を迎えた地であり、終戦を伝える敵兵を殺してしまった地でもありました。あのときのキリスト像は今も原野にそびえ立っており、その近くには第一次世界大戦の戦死者を悼む記念碑も建てられていました。まるで幽霊を探すような眼差しで原野を進んでいく軍曹。そんな中、第1歩兵師団は無数のドイツ軍兵士の死体と戦車一台を発見します。

戦車の中にも二体の死体がありましたが、軍曹はこの死体にある違和感を覚えました。軍服の記章が一致していないのです。すぐさま死体の口を抑える軍曹。やはり死んだふりをしていただけで兵士たちは生きていました。軍曹は音を立てないよう戦車の中にいた兵士二人を殺し、何食わぬ顔をして戦車の外に出て行きました。どこかで見張られているはずと、軍曹はグリフたちに警戒するよう指示しますが、突然死んだふりをしていた兵士が起き上がり、一行に銃弾を浴びせてきました。一行は戦車を用いて応戦し、銃撃戦を制しますが、その直後、一行の前に思いがけない人々が現れました。それは、ドイツ軍から逃れてきた夫婦でした。

道中で銃撃を受けた夫は妻が出産間近であることを告げ絶命、一方、妻の方は激しい陣痛に苦しんでいました。軍曹は医療の知識があるジョンソンに分娩を指示、ジョンソンは分娩の経験がないながらもなんとか出産のために最善を尽くします。軍曹とグリフの協力の下、ジョンソンによる分娩が戦車の中で始まりました。ジョンソンは指にコンドームをはめ、慣れない手つきで分娩し、軍曹とグリフは女性の体を押さえ、息ませるのに集中させようとしていました。すると、数分後に元気な男の子が産まれてきました。人間の死ばかりを見てきた軍曹たちは、新たな生命の誕生に歓喜します。特にグリフはこの出産を心から喜び、赤子を優しい眼差しで見つめていました。

1944年9月。第1歩兵師団はベルギーにまで進軍していました。今回の任務は、修道院に潜伏するドイツ軍を攻撃することで、軍曹はグリフたちに修道院で暮らす障害を持つ人々を決して傷つけないことを約束させます。修道院の中にはゲリラの女性が潜伏しており、その女性の案内で一行はドイツ軍兵士がいる部屋へと向かいました。ちょうどそのとき、ドイツ軍兵士は長テーブルで障害を持つ人々と向き合って昼食を取っていました。一行はドイツ軍兵士が座るテーブルに向かって何発もの銃弾を浴びせ、障害を持つ人々に怪我を負わせることなく、ドイツ軍を殲滅することに成功するのでした。

【結】- 最前線物語のあらすじ4

その後、一行はドイツ国内にまで歩を進めますが、森の中で休息を取っている最中にドイツ軍から激しい攻撃を受けてしまいます。第1歩兵師団はフランスまで撤退することを余儀なくされ、この攻撃をきっかけにドイツ軍は勢いを取り戻していきました。それでも連合国軍は攻撃をゆるめず、第1歩兵師団は再びベルギーにまで進軍します。そんな中、グリフたちは束の間の休息を利用して、街の女性たちとパーティを開きました。グリフたちは終戦が近づいていることを予感し、どこか安心した表情を浮かべパーティに興じていました。

ところが、戦況はグリフたちの期待を裏切り、次に第1歩兵師団は激戦地のチェコスロバキアへと派遣されることとなりました。激しい銃撃戦の中、第1歩兵師団の若い兵士たちはドイツ軍に虐げられていた街の人々の惨状を目の当たりにします。

中でも、グリフが目撃した光景は衝撃的なものでした。何台もの焼却炉を街はずれで見つけたグリフは、そのうちの一台を恐る恐る開けました。すると、そこには何体もの白骨化死体がありました。これらは街の人々の死体であり、ドイツ軍による仕業と確信するグリフ。さらに、隣の焼却炉を開けると、そこには一人のドイツ軍兵士が銃を構えていました。しかし、銃弾はすでに切れており、兵士はグリフを睨みつけてくるばかりでした。グリフはこの兵士にドイツ軍への怒りのすべてをぶつけます。銃弾を一発ずつ一定のリズムで兵士に浴びせていったのです。グリフの銃声は街中に響き渡っていました。不審に思った軍曹がグリフの元に向かうと、グリフはまだ発砲を続けていました。もう死んでいると軍曹が諭すと、グリフはその後数発撃ってやっと発砲を止めるのでした。

その後、軍曹は衰弱した一人の少年を保護しました。少年の腕には数桁の番号が刻印されており、軍曹は少年にユダヤ人か?と尋ねますが、少年は虚ろな表情を浮かべるだけで返事はありません。その後、軍曹は廃墟の民家にあったオルゴールと果物を持って、少年を外に連れ出しました。オルゴールの優しいメロディを背景に、軍曹と少年は無言で果物にかぶりついていました。すると、少年は軍曹のヘルメットをかぶりだし、笑顔を見せました。果物を食べ終えると、軍曹は少年を肩車し、川沿いの道を歩き始めました。そして、その散歩の最中に少年は永遠の眠りにつきました。

夜になり、軍曹が少年の埋葬をするために森を訪れていると、そこに敵軍兵士が「終戦だ」と言って近づいてきました。しかし、軍曹はその言葉を信用せず、第一次世界大戦のときと同じようにその兵士をナイフで刺してしまいます。すると、そこにグリフたちがやって来て、軍曹に終戦を伝えました。軍曹は、終戦後に敵軍兵士を殺してしまうという過ちを再び犯してしまったのです。しかし、グリフは倒れた兵士に僅かながら息があることに気づきました。すると、軍曹は自らの手で兵士の介抱をし始めました。手慣れた手つきで応急処置を終わらせると、軍曹は兵士をおぶりチェコスロバキアの森を後にするのでした。

小説家のザブは、第1歩兵師団での日々を一冊の本にまとめ、その中にこんな文章を書き綴りました。

「殺してきた敵兵を最後に救った。
すぐ死ぬ補充兵と違い、救った彼とは共通点が。
つまり生き残りだ。
俺は本を生き残った者にささげる。
生者のための本だ。
生き残ることこそ勝利だ」

映画は、激戦地に身を投じるグリフ、ザブ、ビンチ、ジョンソンらの後ろ姿を映して幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

監督自身の戦争体験を色濃く反映しているということもあり、流血シーンや激しい銃撃戦がメインに描かれる物語です。その一方で、二度の世界大戦を経験している老練な軍曹の生き様や、心優しい青年が戦争によって心に深い傷を負ってしまうなど、登場人物の描写もとても丁寧に描かれています。戦争が人間に与える心的な影響を描いた優れたヒューマンドラマだと思いました。

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