「桐島、部活やめるってよ」のネタバレあらすじ結末

桐島、部活やめるってよの紹介:2012年公開の日本映画。小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名小説を映画化。男子バレーボール部のキャプテン・桐島が、ある日突然部活をやめたことで周囲に起こる変化を描いた作品。

予告動画

桐島、部活やめるってよの主な出演者

前田涼也(神木隆之介)、東原かすみ(橋本愛)、沢島亜矢(大後寿々花)、菊池宏樹(東出昌大)、宮部実果(清水くるみ)、飯田梨紗(山本美月)、野崎沙奈(松岡茉優)、寺島竜汰(落合モトキ)、友弘(浅香航大)、武文(前野朋哉)、キャプテン(高橋周平)、小泉風助(太賀)、詩織(藤井武美)

桐島、部活やめるってよのネタバレあらすじ

【起】- 桐島、部活やめるってよのあらすじ1

(注意:タイトルに出てくる「桐島」は、本編には一切出てこないスタイルの映画です。
登場人物の間でかわされる会話で、桐島の人となりが分かるようになっています。
また、桐島が部活をやめた理由も明らかにされません。
本作品は「登場人物の誰の視点で映画を見るか」を目的としています。
「前田」「宏樹」「かすみ(&実果)」「亜矢」「梨紗(&沙奈)」あたりが主要キャラですが、登場人物全て「こういう人いる!」というキャラが目白押しです。
その誰かの目線に立ってストーリーを楽しんでください)
〔金曜日〕
11月25日の放課後、松籟高等学校にビッグニュースが駆け巡りました。みなが進路希望で悩む頃です。
バレーボール部のキャプテンで成績も優秀、誰もが一目置く存在の桐島が、突然部活をやめたというのです。
事前にそれを知る者はだれもいませんでした。桐島の彼女で、学校一もてるといわれる女子・梨沙ですら、そのことを知りませんでした。
事態が発覚したその場には、桐島は学校にいません。ですから本人に聞くこともできません。
桐島の彼女・梨紗はみなに質問責めに遭いますが、戸惑い気味でした。その後、梨紗は何度も桐島にメールや電話をしますが、なしのつぶてです。
梨紗と最も親しい友人・沙奈は梨紗を必死でフォローします。
梨紗と沙奈ら帰宅部の、身なりも派手めの2人に対し、バドミントン部所属の実果とかすみは地味系です。
実果とかすみは梨紗、沙奈と4人で行動するのですが、実はこの4人の中でも「梨紗と沙奈」「実果とかすみ」という派閥らしきものが形成されていました。
バレーボール部の女子マネージャーは桐島の退部の知らせを聞いて泣き、他のバレーボール部員は「明日の試合、どうするの」と大騒ぎです。
バレーボール部の副キャプテン・久保は、代役として風助を入れますが、風助の実力不足は歴然としていました。
桐島が部活をやめたというニュースを聞いて、梨紗以外に大打撃を受けた人物がもう1人います。宏樹です。
宏樹は桐島の親友でした。野球部に所属しながらも、現在は部活動に出ていない宏樹は、放課後の時間を竜汰と友弘と遊びのバスケをして待っていました。
宏樹の彼女は沙奈です。宏樹はスポーツもできルックスもよく、桐島同様に何をさせてもそこそこできる人物でした。
ただ宏樹自身は、何かに夢中になったことがなく、また夢中になれる何かを見つけられずにいました。野球部に出なくなったのも、それが原因です。
野球部員はみな宏樹をあきらめていますが、野球部のキャプテンだけは宏樹に声をかけ、練習や練習試合に誘います。責めるわけでもなく、問い詰めるわけでもなく、ただただ何度も誘います。
吹奏楽部の部長でサックスを吹く亜矢は、宏樹に片思いしていました。クラスで宏樹の真後ろの席に座る亜矢は、授業中も宏樹を見つめます。
宏樹に彼女・沙奈という存在がいることを知っていてもなお、あきらめられずにいます。
放課後は、宏樹がバスケをして遊ぶ場所が見える屋上の建物の上で、サックスの練習をする振りをしながら宏樹を見つめました。
映画部の監督を務める前田は、悩んでいました。前田は桐島と接点がほとんどないので、桐島のことで悩んでいるのではありません。

【承】- 桐島、部活やめるってよのあらすじ2

映画部顧問・片山先生と、部員たちとの間で、前田は板挟みになっていました。
顧問の片山先生は、自身が脚本を書いた作品『君よ拭け、僕の熱い涙を(通称:キミフケ)』が、映画甲子園の一次予選を通過したことを誇りに思っています。
片山先生は次回作も純愛ものか青春ものを部員たちに撮ってもらいたくて、すでにキミフケの続編も書き始めていました。
ところが部員たちが撮りたいのは、ゾンビ映画なのです。
ジョージ・A・ロメロ監督に触発された前田が書いた脚本『生徒会・オブ・ザ・デッド』を撮ろうと、大盛り上がりしていました。
結局前田たちは、片山先生の反対を押して『生徒会・オブ・ザ・デッド』の撮影を開始します。
片山先生には「映画の題材は自分の半径1m以内。ゾンビにリアリティがあるか?」と訊かれる前田は、「はい」と即答します。青春ものや純愛ものよりかは、前田にとってはゾンビのほうがリアリティがあるのです。
撮影を開始した映画部ですが、いきなり難関が立ちはだかります。
ゾンビの登場シーンはここだとロケハンまでして決めていた屋上の建物に、吹奏楽部の亜矢がいて撮影に邪魔でした。
なんとなく運動部のほうが文化部よりも立場が上、という感覚を持っている映画部員ですが、吹奏楽なら同じ文化部だし…ということで、「場所、かわってもらえませんか?」と前田は交渉しますが、「ごめんなさい、もうちょっとしたら。練習が…」と亜矢に断られます。
亜矢の「練習」というのは嘘で、亜矢はそこで宏樹を見つめていました。前田に「練習、やってなかったでしょ」とずばっと核心を突かれますが「今からめちゃめちゃ吹く予定」と食い下がり、10mずれてくれと言われても「音や響きが違う」と譲りません。
前田は必死になって説得しますが、亜矢は聞いていなくて、目で宏樹を追っていました。宏樹がいなくなった途端に去る亜矢に、前田は「…勝った?」と思います(全くの見当違い)。
〔土曜日〕
バレーボール部の試合があります。
桐島の代役で出場した風太は頑張りますが、試合は負けました。
〔日曜日〕
マイナーな日本映画『鉄男』を見ていた前田は、同じ劇場にかすみを見つけて吃驚します。かすみも前田を見て驚きました。
映画館を出た後も、なんとなく流れでベンチで話をすることになります。前田はかすみに缶飲料をおごり、かすみは前田のためにベンチをずらして座りますが、前田はかすみの配慮に気づかず、立ったまま話をします(初々しい…)。
前田とかすみは同じ中学出身でした。それを覚えてくれていたかすみに感激した前田は、淡い期待を抱いてしまいます。もともとかすみにうっすら思いを寄せていたので、夢のような心地です。
タランティーノの話をした後、かすみが「じゃ、また」と席を立ちました。「え?」と言った前田は、「また次も会う約束?」なんてちょっと思っちゃったりしますが、「また学校で」の意味でした。
それでも嬉しい前田は、かすみが去った後、ペットボトルの飲料を一気飲みしました。

【転】- 桐島、部活やめるってよのあらすじ3

〔月曜日〕
桐島は学校を休んでいます。だから部活をやめた理由を誰も聞けません。
彼女の梨紗は、メールも電話も無視されているので、超イラついています。金曜からこっち、ずっと会う人に桐島のことばかり聞かれるので、責められている感じまでしています。
そのイライラが関係して、今まで隠れていた派閥「梨紗&沙奈」「かすみ&実果」の女の戦いが勃発しそうになりました。
慌ててかすみがフォローを入れてその場は収まりますが、帰宅部でおしゃれが大好き、彼氏持ちの梨紗&沙奈と、バドミントンに青春を賭けている実果では、価値観が異なるのです。
実果は特に、若くして亡くした姉の存在が家で大きく、その姉を越えられない自分に対して悩んでいたので、なおさらでした。
かすみは実果の事情を知っているので、実果にも隠していることがあります(後述)。
放課後、映画部はゾンビの扮装をして撮影しようとしました。
「映画、楽しそうだね。完成したら言ってよ、見に行くから」とかすみに声をかけられた前田は、有頂天になります。俄然、撮影にも力が入ります。
バドミントン部の実果は、同じ体育館の横で練習するバレーボール部の桐島の代役・風太のことが気になりました。
姉を越えられない自分にコンプレックスを抱いている実果は、桐島を越えられない風太と自分を重ね合わせます。そして異性として意識するようになりました。
宏樹らは、放課後もバスケをやっていますが、ふと「俺らって、なんでバスケやってるの?」「桐島待つため」「じゃ今は?」「…」。
友弘はこの放課後のバスケの時間を楽しみにしていたのですが、宏樹も竜汰も「ただの時間つぶし」だと知って、その温度差に小さく傷つきます。ただ、かといって友弘自身も、バスケ部に入って活動するほどの熱意はありません。
亜矢はまた屋上で宏樹を見ていました。
亜矢を慕う後輩の詩織は、亜矢の気持ち(宏樹が好きで、宏樹を見たくて屋上で練習していること)を知っていて、「演奏している部長を見たら、好きになる男子いっぱいいると思いますよ」と励まします。
梨紗と沙奈は放課後をファーストフード店でつぶし、秀栄進学院の予備校に通う宏樹は、夜も公園で素振りの練習をする野球部のキャプテンを見て、隠れました。
〔火曜日〕
今日もまだ桐島は学校を休んでいます。バレーボール特待なのと、進路面談のことがあるので、みなは桐島を心配します。
一部の生徒の中では「今日は桐島が来るらしい」という噂も飛び交っていました。但しあくまで噂の範疇です。
梨紗はとっくにキレていました。
沙奈は宏樹に、放課後会う約束を取りつけます。
前田は顧問の片山先生に呼ばれ、映画撮影の中止を言い渡されました。血はダメだという理由からです。それでも部員の中からは「撮ろうよ」という声があがりました。
教室に立ち寄った前田は、淡い好意を寄せている相手・かすみが竜汰の手首に親しげにミサンガを巻いているところを目撃し、ショックを受けます。失恋です。
かすみは竜汰と付き合っていますが、公言したい竜汰に対し、かすみは黙っておいてほしいと竜汰に言いました。女子同士の均衡が崩れてしまうからです。特に彼氏なしの実果がショックを受けるだろうと思うと、かすみは言えないのでした。
(しかしそれを押してまで竜汰と付き合いたいほど強い感情を、かすみが持っているふうにも思えない…実のところ)

【結】- 桐島、部活やめるってよのあらすじ4

校舎裏手でロケを開始しようとした映画部は、そこに亜矢がいるので「いやがらせ?」と思います。違います、亜矢は(沙奈と待ち合わせしている)宏樹を追って校舎裏手に来ていました。
前田は顧問の片山先生に映画撮影を禁止された怒りも(かすみに失恋した怒りも)手伝って、つい「何? どういうわけ? 理由を言って。撮影したいんだ。僕らはここじゃなきゃダメなんだ」と力説しますが、亜矢も「今日で(宏樹を見つめるのを)最後だから、ごめん」と言います。
「(吹奏楽部の練習に)集中しなくちゃ。ごめん」と亜矢の必死な様子だけは伝わり、前田は折れました。先に屋上の撮影を開始することにします。
待ち合わせをした沙奈は、宏樹にキスをせがみます。亜矢に見せつけるためでした。亜矢はそれを見てショックを受けつつも、宏樹への思いを断ち切って、部活に頑張ろうという決意を持ちます。
沙奈と行動を別にした宏樹は、野球部のキャプテンに3年なのに引退しないのかと訊きました。キャプテンは「ドラフトが終わるまでは…スカウト来てないけど」と答え、野球部の応援だけでも来てくれと宏樹を誘います。
階段の途中で降りてくる人物(逆光で誰かは分からない)とすれちがった前田たちは、屋上に行って撮影を開始しました。
ところがこの時、校内ではまたまたビッグニュースが駆け巡りました。桐島が屋上に来ているという噂です。
バレーボール部や宏樹たちは屋上に向かいました。しかしドアを開くと、映画部がロケをしているだけです。
桐島がいないことに苛ついたバレーボール部の部員が、腹立ち紛れに映画部お手製の隕石を蹴りました。
撮影を邪魔され、隕石まで蹴られた前田はキレて、それはほかの映画部員も同じでした。ゾンビに扮装した部員たちは、バレーボール部員に「謝れ」と連呼します。
前田は「こいつら全部食い殺せ!」と指示を出してカメラを回し、なんかしらん映画部員も盛り上がって、バレー部員に挑みました。バレー部員は災難に遭います。
同じ頃、吹奏楽の合奏を終えた亜矢は、宏樹のことをふっ切って満足した顔をしていました。
ゾンビに噛まれたバレーボール部員は立ち去り、前田は乱闘で壊れたカメラを直し、「戦おう、ここが俺たちの世界。俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだ」というシーンを撮影します。
宏樹はカメラの部品を拾い、前田に渡すと8mmカメラについて聞きました。
映像は汚いがフィルムにはフィルムの良さがあると熱く語る前田からカメラを借りると、宏樹はファインダーを覗きます。
「本当だ、きたねっ」と笑いながら言い、宏樹は前田にファインダーを向けると「将来は映画監督ですか?」とインタビューを開始しました。
前田は照れながらも「監督は…ムリ」と冷静に答えます。「でも、僕たちが撮ってる映画と、本当の映画が繋がっているんだなと思うと(嬉しいよ)ね」前田はそう付け加えました。
カメラを渡された前田は宏樹をファインダーで覗き「やっぱかっこいい」と宏樹を褒めますが、宏樹は突然、泣きだします。
前田が去った後、宏樹は携帯で初めて桐島に電話をかけつつ、野球部の練習を眺めました。
(何をしてもそこそこな出来で、割にレベルの高い女子とつきあいつつ、友だちもいて世渡り上手な宏樹ですが、何に対しても必死になれない自分を自覚しています。
沙奈と付き合ってはいるものの、恋愛に対しても本気でいるわけではありません。そしてそれも自覚しています。
常にどこか冷めている自分。
「スカウトが来ていないのに頑張る野球部のキャプテン」「将来は監督になれないと己の限界を知りつつも部活に青春を賭ける前田」を見た宏樹は、
がむしゃらに青春を謳歌している彼らに較べて、自分の中身がいかに空疎であるかに気づかされて、涙したのでした。
桐島に電話が繋がった時、宏樹が何を話すのかは不明。それを考えるのは観客の役目)

みんなの感想

ライターの感想

物語はひとつの学校を舞台にクラスメートや関係する部活の部員などのさまざまな視点から描かれています。学校という狭い世界の中での自分の立ち位置や人からどう思われているかなどの思春期ならではの感情を思い出させてくれる作品です。特に松岡マユ演じる女子グループのリーダー格の少女の痛々しさがなんとも言えない若さを感じさせてくれます。
あの時、あの場所で、一瞬の青春今現在学生である人やかつて学生であった人きっと全ての人に通ずる何かがあるのではないかと思う作品です。

ライターの感想

学生生活の人間関係のリアルさが表現されていて自分の過去にもリンクする部分もあり映画の世界にのめりこめました。意外だったのがタイトルにも出ている桐島が登場しないこと、そして桐島本人によっての部活を辞めた理由を明確にしていないところです。
しかしそのことがさらに想像をふくらませてくれます。屋上でのラストシーンの前田の叫びが印象に残りました。桐島がいなくなったことなど関係なく、自分の映画製作は邪魔させないという強い気持ちが感じられました。

ライターの感想

これまでの青春映画とまるで異なるのだ。登場人物すべてが「こういう子、いるよね~」という感じ。
この作品の素晴らしさは、その「平凡さ」にあると思う。
みなそれぞれ事情を抱えており、それなりに悩みやコンプレックスがある。
まず宏樹。彼は「できる男」なのに情熱を燃やせる何かがない。それを気づかないほど莫迦ではない。
ラストで泣くのは「からっぽな自分」を思い知らされたから。ああ青春…。
宏樹の彼女・沙奈。…たぶん将来的には、宏樹と別れるだろうな。
亜矢に見せつけるためにキスするわけだが、宏樹と付き合ってキスまでしてる沙奈のほうが、負けてる気がする。
その亜矢は劇中ずっとストーカーまがいの行動に走っているわけだが、ラストふっ切って吹奏楽部の演奏に充実を見出す。
実果は家庭の事情が複雑で、でもけなげに頑張る女の子。
かすみは未知数。一見真面目そうなこういう子が、将来的に男子を惑わせていくんだろうな。
竜汰と付き合ってはいるみたいだが本気ではなさそうだし、前田なんか「映画完成したら見せてね」なんてひとことで、ころっと転がしてるし(笑)。
前田は映画が好きな少年。でも自分の限界は知っている。好きでたまらないから映画撮ってるタイプ。
この作品は10代の子が見るのではなく、大人が見るべき映画。
大人が見て「確かに高校時代こういう時期があったよね」と、ちょっと照れながらも懐かみつつ見るべき作品だと思う。

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