「海峡」のネタバレあらすじ結末

ヒューマンドラマ

海峡の紹介:1982年製作の日本映画。「八甲田山」で青森の雪山の厳しさを描いた森谷司郎監督が、本作では日本一の長さを誇る青函トンネルの着工から完成までの壮絶なドラマをテーマとして取り上げた。「八甲田山」でも主演を務めた高倉健が本作でも主人公を演じ、吉永小百合がヒロインを演じている。

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海峡の主な出演者

阿久津剛(高倉健)、牧村多恵(吉永小百合)、成瀬仙太(三浦友和)、岸田源助(森繁久彌)、佳代子(大谷直子)、おれん(伊佐山ひろ子)

海峡のネタバレあらすじ

【起】- 海峡のあらすじ1

青森と北海道をつなぐ津軽海峡で連絡船事故が多発したことを受けて、国鉄内では青函トンネル構想が持ち上がっていました。その地質調査のため、地質学を修めた国鉄社員、阿久津剛が青森の竜飛に派遣されます。阿久津が竜飛の浜を歩いていると、ある少年の姿が目に入ってきました。少年のこめかみの傷跡、そしてにらみつけるような目つきに、阿久津は強い印象を受けます。その少年は青函連絡船・洞爺丸の事故の生き残りで、両親はその事故で命を落としていました。

阿久津は吹きすさぶ風の中、海底の石や岬の地質の調査を開始しますが、ある日人生に絶望した若い女性が竜飛岬から飛び降りようとする場面に遭遇します。多恵という名のその女性は、阿久津の行きつけの居酒屋の女将おれんの元へ連れて行かれますが、おれんは出産を直前に控えていました。生まれた女児の名付け親を依頼された阿久津は、海峡にちなみ「峡子」と名付けます。多恵はその一件以来、おれんの店を手伝うことに。そして、阿久津に思いを寄せるようになっていました。

しかし、竜飛での調査が一年半を過ぎた頃、突然阿久津は明石海峡の調査部門に異動となってしまいます。竜飛の人々に必ず帰って来ることを約束し、阿久津は竜飛を去って行きました。多恵の阿久津への思いは変わることはありませんでしたが、竜飛を離れて間もなく阿久津は婚約者と結婚。そのニュースを聞いた多恵は、人知れず失恋の悲しみに耐えるのでした。 この映画を無料で観る

【承】- 海峡のあらすじ2

国鉄内では青函トンネル工事計画が現実味を帯びてきていました。明石海峡での調査を終えた阿久津もこの計画に合流、工事を担うトンネル部隊の編成を担当することになります。阿久津は新潟県の親不知トンネル工事を指揮した岸田源助を訪ねました。引退を考えていた岸田でしたが、阿久津から津軽海峡の位置を聞いて計画参加を決意します。岸田は戦中に満州で家族を失う悲劇を経験していました。その満州が位置するのは北緯41度。その真東に津軽海峡があることに岸田は運命的なものを感じたのです。

調査工事の開始と阿久津再来のニュースは、竜飛の人々を大いに沸かせました。多恵も阿久津との再会を喜びますが、阿久津への恋心を隠し通すのでした。竜飛にはトンネル部隊とその家族が押し寄せ、にわかに街は活気づき始めていました。しかし、竜飛の自然はトンネル部隊に容赦なく襲い掛かり、ベテラン工が死亡する事故も発生していました。

そんなある日、阿久津は竜飛を初めて訪れたときに出会った少年と再会します。少年の名前は成瀬仙太。高校卒業を控えた成瀬は、トンネル作業員に応募してきたのです。成瀬にトンネル部隊としての可能性を見出した阿久津は、周囲の反対を押し切り採用を決定。成瀬は配属早々、ダイナマイトの起爆を申し出てきました。成瀬の身の上を知る岸田は成瀬に起爆スイッチを委ねます。仏様に祈りを捧げ起爆スイッチを押す成瀬。この起爆で、トンネルは海に初めて到達します。成瀬の初の大仕事は、青函トンネル開通にとっても大きな一歩となりました。

【転】- 海峡のあらすじ3

青函トンネル工事は、実際に列車が通る本坑、本坑を工事するための作業抗、そして地質調査を行うためのパイロットトンネルの三つに分けられます。阿久津はトンネル工事の根幹とも言うべきパイロットトンネルを最重要視していました。しかし、岸田たちベテラントンネル部隊の手によってもその調査工事は難航を極めました。また、阿久津は私生活でも問題を抱えていました。妻子は竜飛での厳しい生活に適応できず帰郷、そして実の父親が病床に臥していたのです。それでも阿久津は陣頭指揮を取り仲間を鼓舞し続け、岸田たちもその思いに応え工事を進めていきました。そして、ついに海底まで調査工事は進み、いよいよ本格的な工事が行われる運びとなりました。

そんな中、阿久津の妻・佳代子が久々に竜飛を訪ねて来ました。しかし、その訪問により夫婦仲はさらに疎遠になってしまいます。多恵が阿久津の世話をしていることが、佳代子の嫉妬心を刺激したのです。しかし、阿久津と多恵の間には佳代子が予想するようなことは起きていませんでした。阿久津は仕事に打ち込み、多恵は身の回りを整えていただけだったのです。その数年後、阿久津の息子・修も工事見学のために竜飛を訪れました。新幹線を想定した巨大な本坑に修は興奮しますが、同時に虚しさも感じていました。このトンネル工事の間、父の関心が家族に向けられることはなかったからです。そして、修の目の前で死亡事故が発生。この20年間で、何人もの仲間が工事で命を落としていました。

【結】- 海峡のあらすじ4

おれん・峡子親子とともに多恵はねぶた祭に出かけていました。色鮮やかなねぶたに心を躍らす多恵たち。しかし、同じ頃トンネル部隊は大参事に見舞われていました。工事開始以来最悪の出水事故が起きていたのです。この事態に、阿久津は本坑への水の誘導を指示。パイロットトンネルを死守しようとしたのです。

阿久津の指揮により事故は収束しましたが、その代償はあまりにも大きいものとなってしまいます。現場で絶対的存在感を示していた岸田が事故で重傷を負ってしまったのです。「北に風は通ったぞ」。その言葉を阿久津に託し、息を引き取る岸田。そして、この事故対応中に阿久津の父も亡くなっていました。

多くの仲間の死を乗り越え、トンネル部隊はパイロットトンネル貫通の瞬間を迎えようとしていました。本州側のトンネルでは、ダイナマイトの起爆役に成瀬が指名されていました。会釈をし、厳かな表情で起爆スイッチを押す成瀬。爆発したその先には、北海道側で待機していた阿久津の姿がありました。その顔は涙で濡れていました。

貫通の祝宴が終わると、阿久津は岸田の墓で貫通報告を済ませ、多恵の働く居酒屋に向かいました。25年間の勤務を終え、久しぶりの酒を飲もうとしたのです。酒を酌み交わす阿久津と多恵。会話もなく、視線を合わせることもなく、二人だけの時間は静かに過ぎていくのでした。そして、阿久津と多恵はそれぞれ別の道を歩もうとしていました。多恵は竜飛を永住の地と定め、阿久津は新たな現場を求めてジブラルタル海峡へ旅立つことを決意していました。

光が優しく差し込む竜飛の空の下、多恵は浜辺を歩いていました。そして、目の前に広がる風景を見つめる多恵は、穏やかな微笑みを浮かべていました。同じ頃、阿久津はジブラルタルに到着。両手を腰に当てながら、阿久津は未知の大地をただ見つめていました。

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みんなの感想

ライターの感想

青函トンネル工事に情熱を燃やす男たちそれぞれのドラマに胸を打たれます。最後までトンネルに取りつかれた阿久津のラストには驚かされましたが、逆にその生きざまは潔くかっこよすぎると思いました。阿久津が多恵と過ごす場面も描かれますが、それはプラトニックな関係に描かれ、青函トンネルを巡る男たちのドラマを邪魔することはありません。透明感のある吉永小百合だからこそ、この関係性を表現できたのだと思います。北海道新幹線が運行する現代、その歴史の裏にいたトンネルマンたちの物語を堪能できる珠玉の一作です。

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