「深夜食堂」のネタバレあらすじ結末

深夜食堂の紹介:2015年公開の日本映画。繁華街の路地裏にある小さな食堂を営むマスターと、彼が作る懐かしい味を求めて集う客たちとの交流を描く、安倍夜郎の人気コミックとテレビドラマ版の映画化。寡黙なマスター役を、テレビドラマにひきつづいて小林薫が演じる。

予告動画

深夜食堂の主な出演者

マスター(小林薫)、川島たまこ(高岡早紀)、西田はじめ(柄本時生)、栗山みちる(多部未華子)、塙千恵子(余貴美子)、大石謙三(筒井道隆)、杉田あけみ(菊池亜希子)、忠さん(不破万作)、小寿々(綾田俊樹)、竜(松重豊)、野口(光石研)、マリリン(安藤玉恵)、ミキ(須藤理彩)、ルミ(小林麻子)、カナ(吉本菜穂子)、八郎(中山祐一朗)、ゲン(山中崇)、小道(宇野祥平)、金本(金子清文)、足立サヤ(平田薫)、夏木いずみ(篠原ゆき子)、長谷川タダオ(渋川清彦)、かすみ(谷村美月)、塚口街子(田中裕子)、小暮(オダギリジョー)

深夜食堂のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①「めしや」にはさまざまな客が来る。若者・はじめと恋に落ちた女性・たまこは嘘をつき、はじめを突き離す形で解放する。無銭飲食をしたみちるは腱鞘炎のマスターの代わりに料理を作り、老舗料亭で働くことに。 ②震災ボランティアで知り合った女性・あけみにプロポーズした謙三は、思いをふっ切って福島に帰る。「めしや」に残された骨壷の持ち主も現れた。

【起】- 深夜食堂のあらすじ1

東京都新宿区歌舞伎町。
1日が終わり、人々が家路へと急ぐ頃、マスターの1日は始まります。
マスターは左目に切り傷の跡が残る、無口な男性です。
マスターは『めしや』という定食屋を経営しており、その営業時間は夜12時から朝7時頃までです。
馴染みの客はその店を、『深夜食堂』と呼んでいます。
メニューは「豚汁定食600円」「酒(二合)500円」「ビール(大)600円」「焼酎(一杯)400円」「酒類はお一人様3本(3杯)まで」、これだけです。
あとは勝手に注文すれば、できるものなら作るというのが、マスターの営業方針です。
客はけっこう訪れ、いつも馴染み客で繁盛しています…。

〔ナポリタン〕
いつもの馴染み客がカウンターを囲む店で、マリリンが誰かの忘れ物を見つけました。
開けてみると、それは骨壷でした。思わずみんなで拝みます。
骨壷は、誰かが取りに現れるかもしれないと考え、マスターはしばらく店の2階に置いていました。朝夕に線香を1本手向けます。
しかし時間が経過しても、誰も取りに現れませんでした。ものがものだけに、マスターは少し困ります。
その話題をすると、たまこががっくりしました。たまこはパトロンを1週間前に亡くしたばかりなのです。
愛人であり、いわば日陰の身ではあるものの、葬儀にも出られないたまこは、自分とはどんな存在だったのだろうと落ち込んでいました。
また生前、パトロンから遺産を残すということを聞いていたのですが、口約束だけで何も残してくれていませんでした。遺言書にも書かれていなかったそうです。

しばらくして、マスターは常連客の勧めもあり、近所の派出所に骨壷を届けにいきました。
巡査の小暮は、骨壷の始末に困ってわざと置いていく輩が多いのだと言います。電車などにも置き忘れの骨壷がよくあり、そういうものは大抵、無記名なのだそうです。
切ない思いを抱えながら、マスターは骨壷を派出所に預けました。

最近よく来る若者・西田はじめと、たまこが仲良くなりました。きっかけは、たまこが食べるナポリタンです。
たまこは卵焼きが鉄板の底に敷かれ、その上に乗せたナポリタンを食べていました。興味を示すはじめに分け与えながら、たまこは自分の地域ではイタリアンと呼んでいたと話します。
若い青年のはじめは年上女性のたまこにのめりこみ、やがて一緒に暮らすという話になりました。店でも仲睦まじい2人の姿が見られます。
ところがしばらくして、はじめがたまこに捨てられたという話が常連客の間で流れました。
なんでも遺言書は妻が書き変えていたもので、たまこに遺産が入ることになったのだそうです。そしてそれが発覚すると共に、たまこがはじめを捨てたのだと言います。
噂をしていると、たまこがやってきました。みんなにおごると言いますが、常連客の冷たい視線を受けて、たまこは日を改めると言って去ります。

【承】- 深夜食堂のあらすじ2

立ち去り際、たまこはマスターに「マスター。はじめちゃんは私じゃ駄目なのよ。マスターには分かってたでしょ」と言いました。

店を出たたまこは歌舞伎町の飲み屋街に行き、金を貸している店に集金に回ります。
(明白なオチが示されていない。
おそらく、たまこに遺産が入ったというのは嘘で、たまこがはじめと別れるための口実だと思われる。
のぼせて舞いあがっている年若い男性を自分から離すため、ひどい理由でわざと捨てるという、いわばたまこは悪者の役を担った。
いずれ駄目になってしまうことが分かっているから、たまこから切り離したのだと思われる。
集金のシーンが入るのは、遺産が入っておらず、まだ仕事を続けているという意味)

〔とろろご飯〕
団地から自転車で「めしや」まで通うマスターは、右手の親指に違和感を覚えます。腱鞘炎です。
その頃、警察署に届けたものの、気がかりになったマスターは、署まで骨壷を引き取りに行きました。「めしや」2階の窓際に骨壷を置き、線香を手向けます。

ネットカフェをはしごしていた若い女性・栗山みちるは、空腹を紛らすためドリンクバーを手当たり次第飲んでいきます。
やがてネットカフェに泊まる金も尽きたみちるは、空腹に耐えかねて「めしや」に入ると、隣の客が頼んでいたとろろご飯を同じものを所望しました。しかし腹が鳴ったのを聞いたマスターは、とろろご飯を作るには時間がかかるので、すぐ用意できるきんぴらごぼうなどのおかずとご飯を出します。
マスターの腱鞘炎はひどくなっており、卵を上手に割れなかったり、茶碗を落として割ったりしていました。
みちるは食べるとマスターの目を盗み、代金を払わずに立ち去りました。無銭飲食です。

しかし申し訳ないと思ったみちるは、その後、昼間に店に現れると、「この前の代金分、働かせてください」と言いました。マスターは小さな店だからと断ります。
するとみちるは奥の包丁を見て、取り上げました。包丁を手にしたみちるに、マスターはあせります。
みちるは包丁を3本研ぎました。それを見たマスターは500円玉を渡して、銭湯へ行って来いと言います。
腱鞘炎を治すまでのあいだ、マスターはみちるを雇うことにしました。みちるは、料理の心得がありました。
2階に寝床を提供し、合い鍵を渡し、給金も払います。

みちるの登場は、常連客にも好意的に受け止められました。時々口を衝いて出る方言を、巡査の小暮は「新潟の上越」と看破します。親不知(おやしらず)という地名だそうです。
みちるは風鈴を買い、同じ並びのお店『洲崎』の女の子と親しくなります。

【転】- 深夜食堂のあらすじ3

整骨院をする常連客のキミトシが「(腱鞘炎は)背骨からきているのかも」と言われたマスターが施術してもらい、腱鞘炎がよくなりました。
みちるは、1週間だけ考える時間をくれと言います。
その頃、店に長谷川という男がやってきました。長谷川との会話で、常連客はみちるの身の上を知ります。
居酒屋で働いていたみちるに「東京で一緒に店を持とう」と長谷川がそそのかして上京させ、みちるの預金通帳を持って長谷川は姿をくらましました。
金を使い切った長谷川は、またみちるに近づいてきたのです。

それを知った巡査の小暮が「プロポーズをした」と言い、みちるもそれを受けたと示します。
立ち去ろうとする長谷川にマスターがビール代を請求しました。長谷川は口惜しがりながら去ります。
小暮とみちるの話はアドリブでした。居合わせた老舗の料亭の女将・千恵子がみちるを呼び、自分の店で働けと言います。
今日が最後という日、マスターにみちるが欲しがったのは、とろろご飯でした。
マスターもみちるに、風鈴をもらってもいいかと聞きます。

後日。
千恵子の店の裏の厨房で、せっせと働くみちるの姿がありました。
そこへ千恵子が、祖母からの葉書を持って現れます。
みちるの両親は幼い頃に他界しましたが、以後みちるは祖母と暮らしていました。
故郷の新潟に、みちるの唯一の肉親の祖母がいることを知った千恵子は、ひそかにみちるの祖母にあいさつを入れ、自分の店で預かっているということを告げていたのです。
祖母からの葉書を受け取ったみちるは、喜びながら葉書を見つめます。

〔カレーライス〕
東日本大震災の後、ボランティアに行っているサヤは、福島で杉田あけみという女性と親しくなりました。あけみを「めしや」に連れてきます。
初めてのボランティアで右も左も分からないサヤに、あけみはいろいろと手ほどきしてくれました。あけみは震災から年月が経過しても、まだボランティアに通っていました。
ところが最近、被災地に行きにくい出来事が起きました…。

サヤが働くハトバスに、大石謙三という男が現れます。謙三はあけみを追って、上京してきたのです。
謙三は妻を震災の津波で亡くし、現在もなお妻の遺体はあがっていません。
震災後にボランティアでやってきたあけみに親切にしてもらった謙三は、先日あけみにプロポーズしたのでした。その返事を聞きに、東京へやってきたのです。
あけみは謙三の求婚を哀しく思っていました。純粋な奉仕精神のつもりでボランティアをやっていたのに、謙三にあらぬ期待を抱かせてしまったと思っています。
それがきっかけで、ボランティアにも行きにくくなりました。

(注:ちなみにこのシーンで出てくるただの会社員役を演じているのが向井理。画面右から現れ、お会計をして出ていくだけのワンカット)

【結】- 深夜食堂のあらすじ4

その後もしつこくつきまとう謙三は、サヤの通う「めしや」の前で張り込みをします。
ぼったくりバーで大立ち回りをしたという謙三を、マスターが派出所まで引き受けに行き、カレーを勧めました。あけみにカレーを教えたのは自分だと言います。

あけみは謙三に会いに行き、「そういう気持ちにさせたのは自分かもしれないと思うと、ボランティアに行けなくなった。私の気持ちを考えたことがあるのか」と詰め寄ります。
謙三は反省し、あけみとお揃いでつけていたミサンガを外しました。
あけみは謙三を責めたものの、申し訳なく思います。というのも、あけみは会社の上司と不倫をしており、相手の男性に捨てられたやり場のない思いを立ち直らせるために、ボランティアを利用していた…そういう背景もあったからです。

マスターの店の2階に置いてある骨壷は、マスターが寺に供養をしてもらうことにしました。常連客の間でも話題になります。
そこへ謙三がやってくると、骨壷を開けました。中は土が入っています。
なぜだろうといぶかしむ常連客に対し、謙三は「俺は分かる」と言いました。遺体があがらない場合、何も入っていない骨壷の「軽さ」がやりきれないのです。「重さ」があることで得られる安心感が欲しくて、謙三自身も自分の妻の骨壷には、2人で歩いた思い出の浜の砂を入れたと言いました。
骨壷を置いて行った人は、全部忘れて生まれ変わりたかったのだろうと、謙三は言います。
謙三の切実な気持ちがこもった発言に、常連客はかける言葉が見つかりませんでした。

翌日、骨壷は供養してもらいます。
高速バスで帰る謙三を見送ったあけみは、また被災地に行ってもいいかと声をかけました。
謙三は「待ってる人がいっぱいいる」と笑顔で答えます…。

さて、骨壷の主が現れました。街子という女性で、骨壷は元夫のものでした。
街子の元夫は25年前、身重の街子を捨てて愛人の元へ去りました。
その後、街子は再婚し、生まれた息子も新しい夫に懐いていました。
元夫の訃報が入り、引き取り手がないので街子の元に届きましたが、「めしや」に入った時に息子が、置いて帰りたいと言い出したのです。
実の父よりも、可愛がってくれた育ての父親のことを配慮した発言でした。
中身は元夫の宝物だった、甲子園の土でした。街子はかち割り氷のバイトをしていて、知り合ったそうです。
街子は供養してもらった寺のことを聞くと、立ち去りました。

季節はめぐり、冬になります。
雪がちらつく日、久しぶりにみちるが「めしや」に顔を出しました。お重に入った炊き合わせを持ってきており、常連客はお相伴にあずかります。
みちるがマスターに注文したのは、とろろご飯でした。みんなと一緒に卓を囲みます…。

みんなの感想

ライターの感想

テレビドラマでも複数のシーズンがある『深夜食堂』、その映画版。
ただ料理を見せるだけでなく、その背景ににじみ出る人間模様を楽しむ作品。
ドラマ版を見ていれば、常連客のことがよく理解できるのであろう。しかしいきなり映画版でも、じゅうぶん理解は可能(私もドラマは知らない)。
3作品あるのだが、いちばん人気がありそうなのは「とろろご飯」だろう。現にどうやら、みちるは常連客になったみたいだし。
1つめの「ナポリタン」はあっさり終わるので、ちょっとびっくりするかも。
「カレーライス」は重たいけれども、謙三とあけみが和解した形で終わるので、すっきりする。

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