「真夜中の虹」のネタバレあらすじ結末

真夜中の虹の紹介:失業した男は南を目指し、車を走らせる。しかし更に波乱万丈な出来事が彼を待ち受けていた。放浪男の逃亡劇をささやかな喜びと共に、淡々とした切り口で描く。
フィンランドの鬼才アキ・カウリスマキ監督が手がけたシリアスなタイプの中篇映画。1988年の作品で、日本では1990年に公開。原題は劇中のキーポイントになる『Ariel』。

この映画を無料で観る

予告動画

真夜中の虹の主な出演者

タイスト・カスリネン(トゥロ・パヤラ)、イルメリ(スサンナ・ハーヴィスト)、リキ(エートゥ・ヒルカモ)、ミッコネン(マッティ・ペロンパー)

真夜中の虹のネタバレあらすじ

【起】- 真夜中の虹のあらすじ1

父と共に鉱山労働者であるカスリネンは、炭鉱の閉山により職を失いました。父は「この町にいても仕事は無いが、南へ行っても意味がない」と息子に説き、自分は別の方法で解決するので真似をするなと言って席を立つと、ドアの裏でピストル自殺を図ります。カスリネンが欲しがっていたキャデラックをくれるというのが遺言でした。

仕事も唯一の家族も失ったカスリネンは、着替えだけ鞄に詰めて、父が遺した古い車で充ても無く南に向かって走り出しました。コンバーチブルの車の屋根の閉め方が分からないカスリネンは、マフラーをほっかむりにして雪の中をひたすら進みます。
全財産を下ろして財布に入れていたカスリネンは、立寄ったドライブインで2人組の強盗に狙われます。言葉巧みに話しかけてきた強盗に背後から襲われたカスリネンは気絶し、所持金をほとんど盗まれました。しばらくして目覚めたカスリネンは、それでも南へ向かいます。

港に着いたカスリネンは日雇いの仕事を始めます。給料は払われたものの、そこは闇労働の場でした。カスリネンは同じ労働者に紹介してもらい、ベッドがひしめき多くの男が寝床にしている教会宿泊所に泊りました。

翌日、路車していたカスリネンは、切符切りの係員イルメリに遭遇します。カスリネンは誘ってきた彼女と食事に行きました。食事後イルメリを送ると、コーヒーだけと言って彼女は家へ上げてくれると言います。結婚歴があり子持ちだと告白したイルメリにカスリネンは、子供を作る手間が省けていいと答え、2人は寝室に入るとすぐに結ばれました。
翌朝既にイルメリは出勤していて、カスリネンは彼女の息子・リキに起こされます。リキはカスリネンを拒むことなく、朝食を用意してくれました。リキに「仕事に行かないの?」と聞かれたカスリネンは職探しに出ます。飲食店や会社の事務所を直接当たってみますが、仕事はありません。
この映画を無料で観る

【承】- 真夜中の虹のあらすじ2

家のローンを返すためイルメリは、精肉工場などで仕事を掛け持ちして働いていました。就職先が見つからないカスリネンは、とりあえず日雇いの仕事をすることにします。4日ぶりに港へ行ってみますが闇業者は警察に連行され、またもや金の充てを失いました。
途方に暮れたカスリネンは車を売る決意をし、亡き父がキーにつけていた小さなオルゴールを鳴らしました。車屋に行きますが、査定は希望の1/3ほどの額にしかなりません。それでも金にしたいカスリネンは、金は明日払うという車屋の言葉を信じ、車を手放しました。
空しくなったカスリネンは一人飲みに出かけますが、タバコを買う金も無く、誰かの吸い殻を吸おうとしてもライターのオイルが切れていました。やるせないカスリネンの前に、彼を襲った強盗が現れます。店を飛び出しカスリネンは強盗を追い詰めます。強盗はナイフで脅してきますが、体の大きなカスリネンはすぐに相手を倒し、逆に強盗に襲い掛かりました。ところがその様子が防犯カメラに写っていて、カスリネンは現行犯逮捕されてしまいます。
カスリネンは強盗殺人未遂かつ凶器所持、公務執行妨害の罪で1年11カ月の懲役刑に処されます。被告は裁判直後に収監されるため、傍聴席にいたイルメリはこの場でカスリネンと離れ離れになりました。
カスリネンは殺人罪で服役中の不思議な雰囲気で、同世代のミッコネンと同部屋になります。

【転】- 真夜中の虹のあらすじ3

しばらくしてイルメリとリキが面会に来ます。カスリネンは刑務所の鉄鋼作業でこっそりと作った鉄のリングを渡し、出所後に結婚しようとプロポーズしました。受け入れたイルメリは、「先が長いわ」と切なさそうに呟きました。
イルメリの言葉でカスリネンは脱獄を考え始め、ミッコネンに相談します。メキシコかブラジルに逃げたいというカスリネンに、偽造パスポートは高価なうえに、せっかく船に乗り込んでも沈没して苦労が水の泡になるケースも多いとミッコネンは脱獄の難しさを説明しました。しかし刑期が8年残っているミッコネンも脱獄したいという気持ちを持っていました。

ある日看守に侮辱されたカスリネンは、看守を殴り飛ばしたことで懲罰房に送られます。数日後、イルメリは差し入れを持って面会に行くと、玄関口で改めて出直せと言われます。イルメリはカスリネンの誕生日だからと、差し入れのケーキと本を渡してもらうよう乞いました。ケーキは切り刻んで中身を確認してから、カスリネンとミッコネンの部屋に届けられます。その夜に懲罰房から戻ってきたカスリネンは、誕生日ではないとミッコネンに告げると、2人は本の中に細い鋸(おそらく精肉用)を見つけました。

【結】- 真夜中の虹のあらすじ4

カスリネンとミッコネンはベッドのパイプ部分を鋸で切り、シーツを歯でちぎって、脱獄に使う用具を作ります。看守を部屋に呼びつけ、ミッコネンが首を吊ったフリをして看守が部屋に入った瞬間、カスリネンは作った武器で看守を殴り、非常口の鍵を盗み出しました。脱獄した2人は川を泳ぎ、何とか逃げ切ります。カスリネンはまだ金を貰っていなかったキャデラックを取り返し、2人は車で逃亡しました。

その後イルメリと合流し、ミッコネンが立ち会うなかカスリネンは教会で式を挙げました。家に戻ったカスリネンはイルメリと愛し合います。深夜に警察がやって来たことにリキが気付き、カスリネンは窓から再び逃げ出しました。
カスリネンはミッコネンと共に闇屋に偽造パスポートの交渉に行くと、高額な費用を捻出するために銀行強盗を持ちかけられました。
翌日2人は強盗を決行後、素早く逃げるためにミッコネン一人で闇屋のアジトへ向かいました。闇屋が交わした条件を裏切ったためミッコネンは反逆しますが、刺されてしまいます。戻って来ない彼を心配したカスリネンがアジトへ行くと、流血しているミッコネンがいました。カスリネンは闇屋を銃殺します。ミッコネンは金を持って逃げろと言いますが、カスリネンは仲間を見捨てることが出来ませんでした。

イルメリが現場に駆けつけます。ミッコネンは自分をゴミために捨ててくれと言い、車のボタンを押してルーフを閉め、そのまま命尽きました。約束どおり2人はミッコネンを土に埋め、イルメリは涙を流しました。
リキを迎えに行き、3人で港へ向かいます。仲介人に金を渡し、メキシコ行きの旅客船にボートで近づきました。大きな船の裏側にこっそりとハシゴが下されます。船首の“アリエル号”の文字が闇夜に浮かんでいました。

みんなの感想

ライターの感想

失業、父の自殺、盗難、服役…と波乱続きのカスリネンが気の毒過ぎて泣けました。あまりにも悲しみが多い分、イルメリの愛や男の友情などささやかな優しさが妙に胸に沁みました。

ラストシーンで流れる曲は『虹の彼方に』。純粋なイメージがある曲を犯罪者の逃亡シーンに使うとは、流石はアキ・カウリスマキ!皮肉たっぷりなこの組み合わせが心に残ります。カスリネンたちが乗る小さなボートの映像から、流れるように映し出される“Ariel”の文字。このカメラワークも印象的でした。

映画の感想を投稿する

映画「真夜中の虹」の商品はこちら