「緑色の髪の少年」のネタバレあらすじ結末

ヒューマンドラマ

緑色の髪の少年の紹介:戦争孤児となった少年に起きた驚くべき出来事や、戦争によって遺された傷跡を綴った映画史に名を刻む作品。
1948年のアメリカ映画。反戦映画の名作と名高いものの、反戦を謳う内容により公開当時は上映を問題視された。のちにパルムドールやセザンヌ賞を獲得する名匠ジョゼフ・ロージーの処女作。

予告動画

緑色の髪の少年の主な出演者

ピーター(ディーン・ストックウェル)、おじいちゃん(パット・オブライエン)、エヴァンス博士(ロバート・ライアン)、ブランド先生(バーバラ・ヘイル)

緑色の髪の少年のネタバレあらすじ

【起】- 緑色の髪の少年のあらすじ1

スキンヘッドの少年が警察に保護されます。どれだけ尋問しても何も答えない少年に困った警察は、児童心理学が専門のエヴァンス博士に助けを求めました。博士の巧みな会話技術と持参したハンバーガーによって、少年は話しだします。少年の髪型について問う博士に少年は話せば長いと言って、そのいきさつを語り始めました。

少年の名はピーター。クリスマスには大きなツリーを飾り、本と犬をプレゼントされるような裕福なロンドンの家庭で彼は育ちました。その後ピーターは親戚の家に預けられて迎えた夏、ロンドンにも戦火が押し寄せます。ピーターの両親も長いこと帰って来ません。そしてある日ピーターが身を寄せる家に、両親の死を知らせる電報が届きます。この時ピーターはまだ両親の死を把握していませんでした。それからというもの彼は親戚の家を転々とすることになります。失業中でも引取ってくれた叔父がいましたが、叔母の病気の影響で家が売り払われてしまいます。

またしても居場所を失ったピーターは、本当の祖父ではないけれど“おじいちゃん”と呼ぶ人と暮らすことになります。ピーターは開封せずに持ち続けていた手紙をおじいちゃんに預けました。アメリカでショー役者として働くおじいちゃんは、手品を見せたり歌ったりとピーターを喜ばせようとします。肩身の狭い暮らしが続き心を閉ざすピーターにおじいちゃんは「君の家だ。入れない部屋も触れない物もない。ずっと住んでいい」と声を掛けると、ピーターはすぐに打ち解けました。
おじいちゃんは仕事で夜に家を空けるため、ピーターは留守番を強いられます。暗闇を怖がるピーターに「暗い所でしか見えないものがある」とおじいちゃんは説得し、ピーターはバットを手に持ち、眠りにつきました。

【承】- 緑色の髪の少年のあらすじ2

おじいちゃんはピーターを実の孫のように可愛がり、牛乳配達のデイヴィスや床屋など街の人々に紹介します。ピーターは学校に初登校すると、これまでの先生とは違い美人で穏やかなブランド先生が担任でした。ピーターは同級生にも受け入れられます。自転車を練習したり、相変わらずおじいちゃんは手品を見せてくれたりと、新しい生活によりピーターは淋しさを忘れていきます。次第に暗闇にも慣れました。

学校では戦争孤児の援助として服を送る活動を実施し、ピーターらはおじいちゃんが借りてきた車で服を集めて回り、学校へ向かいました。ピーターが孤児のポスターを眺めていると、同級生から君も孤児だと指摘されケンカになります。それを見たおじいちゃんは、ピーターの両親は息子と同じ年頃の子供を助けてロンドンに残り亡くなったと真実を知らせました。ショックを隠せないピーターですが、知っていたと強がります。
ピーターは1人買い物に出掛けると、店にいた婦人たちが戦争に賛成か反対かで討論をしていました。反対派の婦人が「ピーターのような若者が戦争に行く」と発言していて、ピーターは恐怖に襲われます。

その夜ピーターは世界が吹き飛んでしまうのかとおじいちゃんに問います。おじいちゃんまでもが「そう思う」と答えたものの、だからこそ希望に満ち溢れた春の色である緑(植物)を家の中に置くのだと話しました。緑はおじいちゃんの亡き妻が好んだ色でした。不安に駆られるピーターにおじいちゃんは「朝起きたら驚くことがあるぞ」と言って気持ちをほぐそうとします。おじいちゃんはいつも驚かせることで、人の悩みを忘れさせてくれるとピーターも感じていました。

【転】- 緑色の髪の少年のあらすじ3

翌朝風呂に入って鏡を見たピーターは自分の髪が鮮やかな緑色になっていることに驚愕します。牛乳を配達に来たデイヴィスはピーターを見て転び、通りかかった同級生・ペギーは素敵だと褒めました。体調は大丈夫かと心配するおじいちゃんにピーターは、驚かせると言っていたおじいちゃんの仕業だから早く元に戻してと詰め寄ります。しかしおじいちゃんが驚かせようとしたのは、ピーターが欲しがっていた手品道具を用意したことでした。それでもおじいちゃんは明るい口調で振る舞い、まずは医者に診て貰うことにします。
病院に行くために外を歩くと、ピーターは帽子姿でも街中の人に好奇の目で見られます。診断の結果、体に異常はなかったので治療も薬もありません。医師は医学の歴史に残ると称えますが、元に戻す術が判明せずピーターは落胆しました。

ピーターはおじいちゃんに背中を押され学校へ行きますが、登校する頃には既に、髪色の原因は伝染病だと噂が広まっていました。おじいちゃんは必死で庇うものの、ピーターに髪色が戻るのかと尋ねられても頷くことができません。
学校でもピーターは馬鹿にされ、ペギーにも「ママが伝染すると言っていたから近寄らないで」と拒絶されます。ブランド先生はそれぞれの髪の色があると生徒を一蹴しますが、効果はありませんでした。

全ては両親の死を知ったのがきっかけだと気付いていたピーターは、“16歳の時に読むことを望む”と書かれた父からの手紙を破り、他の子を助けて僕なんてどうでもよかったのだと怒りに震えました。やるせない気持ちを抱えたピーターは隠れるように林に逃げると、涙が草を伝います。その時名前を呼ぶ声がしてその先には、ポスターで見た戦争孤児たちがいました。赤子もいれば片足を失った子もいて、彼らは「君の髪は戦争が子供に与える影響を表している。二度と戦争が起こらぬようにと伝えるために、君は選ばれた人間だ」と語りかけてきます。みんなが信じれば戦争は起こらないと聞いて勇気を貰ったピーターはその使命を果たすべく、街の人々にそれを伝えて歩きました。

【結】- 緑色の髪の少年のあらすじ4

意気揚々と帰宅したピーターでしたが、緑の髪色が牛乳のせいだと言われて客が減ったデイヴィスと、医師が家を訪れていました。髪を切れば戻るかも知れないと医師が勧めますが、切りも染めもしないというピーターの意志を尊重したおじいちゃんは2人を追い返しました。
もう一度考え直そうとピーターが再び林へ向かうと、隠れていた同級生たちが髪を切ろうと鋏を持って追いかけてきます。必死で逃げ切り家へ戻ったピーターに、服もボロボロになった彼を見たおじいちゃんが言います。「お前が傷つくのは耐えられない。最近変な空想に支配されている。お前には幸せになってほしい」。その言葉を聞いたピーターは、誰も僕を信じないんだと小声でつぶやくと髪を切る決意を固めました。

床屋には店の内外に人が集まり、監視されながら緑色の髪が刈られていきます。ピーターの頬に一筋の涙が零れ、おじいちゃんはその様子を見つめることができませんでした。
スキンヘッドになったピーターは、口も聞かず食事もしません。その夜は仕事を休んだおじいちゃんでしたが、他の方法を探せばよかったと後悔し、すまなかったと口にしました。しかし誰も信じられなくなったピーターはバットと手品道具だけを持って家を出ます。昨夜のことでした。

語り終えたピーターはどうせ信じないだろうと博士にぼやき、どこか遠くへ行くと言って扉を開けると、そこにはおじいちゃんの姿がありました。おじいちゃんはピーターが破いた手紙を代読し始めます。「お前を家に残したのは、お前を愛しているから取った行動だ。精一杯生きていれば死は悲しむべきものではない。数百万の戦死者と同様に私たちを忘れないでほしい」と綴られていました。ピーターは両親の愛を知って涙を流すと、自らの懐に手紙をしまいます。気を取り直したピーターはおじいちゃんといつもの歌を口ずさみながら、家路につきました。

みんなの感想

ライターの感想

子供の視点や想いを通し戦争のむごさを訴えることで、戦闘シーンこそ無くても、戦争の傷跡というものがずしりと伝わってきます。最後はピーターがおじいちゃんや父親の愛を知り、明るさを取り戻す様子で終わったので、なんとか心が救われました。
ピーターを差別した人々は、戦争そのものを比喩しているように感じ、彼らの姿が非常に虚しく映りました。
時を経ても後世に残すべき作品のひとつだと実感します。

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