「虚栄のかがり火」のネタバレあらすじ結末

虚栄のかがり火の紹介:1990年製作のアメリカ映画。ウォール街の頂点を極めた若き債券トレーダーが、ささいな事件から転落の道を辿っていく様子を描く。製作・監督は「カジュアリティーズ」のブライアン・デ・パルマ、トム・ウルフの原作をマイケル・クリストファーが脚本化。出演はトム・ハンクス、ブルース・ウィリス、メラニー・グリフィスほか。

予告動画

虚栄のかがり火の主な出演者

シャーマン・マッコイ(トム・ハンクス)、ピーター・ファロー(ブルース・ウィリス)、マリア・ラスキン(メラニー・グリフィス)、レオナルド・ホワイト判事(モーガン・フリーマン)、ジュディ・マッコイ(キム・キャトラル)、キャンベル・マッコイ(キルスティン・ダンスト)、トム・キリアン(ケヴィン・ダン)、ジェド・クレイマー(ソウル・ルビネック)、レイ・アンドルイッチ(ルイス・ギアンヴァルボ)、ベーコン牧師(ジョン・ハンコック)

虚栄のかがり火のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①ウォール街でエリートトレーダーのシャーマンは愛人・マリアと密会の折、黒人をはねる。運転していたのはマリアだが、車の持ち主はシャーマン。黒人青年は後に意識不明となった。最初に記事にしたピーターが被害者を「模範生」と書いたところ、選挙前ということもありマスコミがこぞって書き立て、大騒ぎになる。 ②シャーマンが逮捕され世間ではみんなシャーマンだと疑わない中、記事を書いたピーターはシャーマンが無実だと気付き、裏付けを取る。シャーマンは無実を勝ち得たが世間的には零落し、シャーマンのことを本にまとめたピーターが時の人となった。

【起】- 虚栄のかがり火のあらすじ1

かつて三流の新聞記者で、「ユーレイ記者」と呼ばれていたピーター・ファローは、ある作品を執筆したことで一躍有名になり、作家として『時の人』となっていました。ピーターがちやほやされながら向かうのは、ピュリツァー賞の授与式です。
式典に向かうのはピーターですが、この作品の主人公はピーターではありません。ピーターが受賞する内容こそが、この物語の本編であり、その顛末をこれから描くのです…。

…それは、ちょうど1年ほど前の雨の夜。
(注:映画の制作時期が1990年なので、バブルの絶頂期にあたる)
アメリカ・ニューヨーク州ニューヨークの、部屋が14室もある時価600万ドル(約6億8000万円)の高級マンションを、中年男性シャーマン・マッコイは所有していました。
シャーマンはウォール街で活躍する、エリートトレーダーです。1日で6億ドル(約681億円)もの金を、右から左へ動かしていく人物です。
その金が儲かると、シャーマンに入る手数料はざっと170万ドル(約1億9000万円)でした。
シャーマンは妻・ジュディーと娘・キャンベルと暮らしており、派手な生活ぶりでした。
また大富豪アーサー・ラスキンの妻・マリアとダブル不倫をしています。
マリアは愛人との隠れ家として、ニューヨークにあるアパートの一室を友人女性・キャロラインから借りていました。キャロラインが月300ドル(約34000円)のローンを支払い、マリアはそこを月110ドル(約12500円)で借りていました。
その日、旅行から帰国したばかりのマリアを空港まで迎えに行ったシャーマンは、高速道路を下りそこねてしまい、裏町のブロンクス地区に入りこんでしまいます。
前方にタイヤの障害物がありました。それをどけに車を降りたシャーマンは、黒人男性2人に絡まれます。
マリアが運転席へ移り、クラクションを鳴らしたので、シャーマンは急いで戻りました。
マリアが運転席で後退する際に、黒人を轢いたようにシャーマンは感じたのですが、マリアはそのまま車を走らせます。
逢引きの部屋に行った時、シャーマンは念のために警察に通報しようと言いますが、マリアは「運転手だった私が轢いてないって言っているんだから轢いてないのよ」と答えました。そのまま話はうやむやのまま、マリアとシャーマンは情事にふけります。

さて実際のところ、マリアは後退時にやはり黒人男性と接触事故を起こしていました。
その青年は病院に駆け込んだ当初は、「手首の骨折」だけで済んでいました。ところが翌日になって「意識不明の重体」になったのです。
一緒にいたもう1人の若い黒人男性は「ベンツにひき逃げされた」と、自分たちのことは置いておいて主張しました。

【承】- 虚栄のかがり火のあらすじ2

接触事故を起こした相手が「白人で」「ベンツ(高級車)に乗っていた」ということも関係しました。
選挙前の時期と重なっており、ここでひとつ人種問題を扱っておけば、大量の黒人票を見込めると考えた裏方サイドのもくろみもあります。
それがめぐりめぐって、当時ユーレイ新聞記者の1人であったピーター・ファローのところへ入ってきたのでした。
ピーターはその頃、仕事よりも酒と女に溺れており、収入面でも崖っぷちにさしかかっていました。
頭の上がらないアルバート・フォックスという初老男性が、ピーターに「ここはひとつ頑張れ」と特ダネを作れとにおわせ、ピーターは取材をして、『優等生の模範大学生がこん睡状態に』という見出しで記事を作成します。
ピーターも、厳密には嘘をついていません。被害者男性が通った高校に行き、そこの高校では「小便を車にひっかけさえしなければ、優等生だ」という言葉をもらい、都合のいいように書いたまでです。

ピーターの作った新聞記事は効果的でした。たちまち、マスコミのみんなもこのネタに食い付き、ハゲタカのように報道合戦が始まります。
手がかりは「白人」「ベンツ」「ベンツのナンバープレートは最初がRで、次はEかP、B」でした。
テレビが騒ぎたてると検察官や警察官たちも動き始めます。
警察が本気を出すと、あっという間に該当する人物が割り出されました。
こうしてシャーマンは、あっという間に逮捕されそうになります。
一度火がついた報道は過熱するばかりで、白人最上主義への一石を投じたり、もちろん選挙への手回しにもなったり、どんどん注目されてしまいました。
困ったシャーマンは、社交界のパーティーで会ったマリアになんとか口添えしてくれるよう頼みますが、マリアは前日に夫のアーサーに浮気女と罵倒されたことに立腹し、シャーマンの話など聞く耳を持ちません。
そしてマリアはシャーマンの逮捕当日、オペラの男性歌手・フィリッポと共にイタリアへ旅行に行ってしまいました。

新聞記事を「作った」ピーターは、その逮捕劇の様子を取材に行きますが、すっかりカヤの外になってしまいます。
自分が作ったネタで周囲のマスコミが大騒ぎするさまを見たシャーマンは、ハゲタカのように群がるマスコミを見て興ざめしました。
最初の裁判の日、無罪を主張した弁護士に対し、判事は1万ドル(約113万円)で釈放を言い渡します。

【転】- 虚栄のかがり火のあらすじ3

結局ピーターはシャーマンと会えずじまいかと思いながら、裁判所をあとにしようとした時、憔悴してすっかり別人のようにしょげたシャーマンと出会います。
ネタの被害者になっているシャーマンを見た申し訳なさも手伝って、ピーターはすっかり放心しているシャーマンをマスコミから遠ざけ、地下鉄に乗せて逃がします。
別れ際、シャーマンが「僕が運転してたわけでもないのに」というぼやきを聞いたピーターは、今度こそ真の特ダネを得た気がしました。
早速、裏付けをとりはじめます。

釈放されたシャーマンは、会社も解雇され、妻からも離婚を切り出されました。しかも自分の収入で買ったマンションを追い出されそうです。
自宅はたまたまその日パーティーが入っており(これはシャーマンの逮捕前から決まっていたことなので、覆すことができなかった)、怒ったシャーマンはショットガンを天井に向けて連射し、招待客を追い返します。
その頃、ピーターはシャーマンがひき逃げをしていない証拠を集め始めました。
すると、シャーマンの浮気相手・マリアに部屋を提供している女性・キャロラインから、思わぬ収穫物があります。キャロラインは、部屋のインターホンの部分に盗聴テープを仕掛けていたのです。本来は別の目的のためです。
通常ならば、キャロラインもそのテープを外部に流すつもりはなかったようです。
ところがキャロラインの恋人・フィリッポをマリアが奪ってイタリアに行ったため、腹立ち紛れにそのテープの所在を明らかにしたのでした。

面白いと思ったピーターは、続いてマリアの夫・アーサーに取材をします。
アーサーは、年の離れた若い妻がいろんなところで浮気をしているとぼやき、医者から止められた酒を飲み、ピーターの取材中に心臓発作で亡くなりました。
葬儀のため、マリアが帰国します。そこへピーターは突撃取材をしました。
さらにその頃、被害者の青年の母は、もっと問題を大きくしたいと思います。
前日診察時には手首だけの骨折で帰宅した病院を相手にして裁判を起こし、多額の慰謝料あるいは和解金を手に入れようともくろみます。
ピーターはまたアルバート・フォックスに頼まれ、病院を叩く記事を書きました。その裏で、真相を暴くべく、動きます。

ピーターはシャーマン側に、盗聴テープを渡しました。ここで問題になったのが「不法盗聴のテープは、証拠になりえない」ということです。

【結】- 虚栄のかがり火のあらすじ4

シャーマンが意思を持って録音すれば、それは証拠として認められます。
考えたシャーマンは、録音機とマイクをつけて、マリアが喪主を務める葬儀に行きました。
裏で会話をして、必死に自白を促そうとしますが、マリアは思うように動いてくれません。
むしろ録音機の存在がばれ、シャーマンは退散しました。
困った事態に陥ったシャーマンに、父が「場合によっては嘘をついてもいいんだぞ」と言います。父はおそらく「シャーマンが轢いているけれども、容疑を否認してもいい」という意味で言ったのでしょう。
しかしシャーマンは、どうすればよいか必死で考えました。もとは善良な人間なのです。

裁判の日。
マリアはすっかり他人事のように、「シャーマンが運転していた」と嘘をつきます。
その時、シャーマンが不法盗聴のテープを流しました。そこには、マリア自身が「運転していた私が轢いてないと言っているのだから」という言葉が入っています。
シャーマンはそれを「自分のテープだ」という嘘をつきました。こうしてシャーマンは晴れて無罪となります。
その時、マスコミのひとりが「差別主義者だ」とレオナルド・ホワイト判事に言いました。
レオナルド判事は黒人なのですが、その言葉を聞き咎め、「皮膚の色によって差別する。そんなことがあるだろうか。そもそも皆自分の利益のために動こうとしている。それが正義か」と言います。
要は、勝手に騒ぐマスコミや、それを選挙に利用しようとする政治家たちへ向けた、辛辣な皮肉でした。
「正義とは法だ。そして法とは、人間の節度を保とうとするものだ。そしてそれは、心の一部であり、年長者から本来は教わるべきものなのだ」
そう皆に告げるレオナルド判事に、誰も言い返す者はありませんでした。法廷はしんとします。
判事はそれを見て、改めてシャーマンに無罪を言い渡しました。
シャーマンは実刑を免れました。しかし妻・ジュディーに離婚を言い渡され、会社からも解雇されたシャーマンは、どこにも行き場がありません。
以来、シャーマンを見かけた者はいません…。

…という内容を本に仕立てたピーター・ファローは、壇上に立ってピュリッツァー賞を受賞します。
シャーマンにとっては没落の1年でしたが、それを扱ったピーターにとっては栄光の1年だったのでした。どう転がるか分からない、人生とは皮肉なものです。

みんなの感想

ライターの感想

商業的にコケた作品。確かに脚本が悪い。原作をこねくりまわしてへんなふうにアレンジした結果、いびつな作品となってしまった。
本来であるならば、シャーマンを悪者に仕立てている原作を、無理やりに「善人」に置き換えてしまったことから、おかしなことになってしまった。
それでもうまく描けば興味深くなったのかもしれないのだが、「ただの真っ正直な人間がどんどん不幸になっていく」という、へんな形。
しかもラストのレオナルド判事の説教が唐突すぎる。妙な訓話みたいな形でまとめる気まんまんな感じ。
もともとは別ラスト(トム・ハンクスが法廷で暴れる)を差し替えたらしい。暴れるよりかはましだが、説教されるとしらけてしまう。
せっかく、ブルース・ウィリス、トム・ハンクス、メラニー・グリフィス、モーガン・フリーマンといった、そうそうたるメンバーが揃っているのに。もったいない。

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