「赤い玉、」のネタバレあらすじ結末

ヒューマンドラマ

赤い玉、の紹介:2015年公開の日本映画。R-18指定作品。新作を撮れずにいる映画監督を主人公に、人生の半ばを過ぎて“老い”と“性”の間で葛藤する男の姿をエロティックな描写と共に綴ったドラマ。監督は「道 白磁の人」の高橋伴明。出演は「この国の空」の奥田瑛二、「気球クラブ、その後」の不二子、オーディションで抜擢された新人の村上由規乃、「カミハテ商店」の高橋惠子。

予告動画

赤い玉、の主な出演者

時田修司(奥田瑛二)、大場唯(不二子)、北小路律子(村上由規乃)、矢島健一(花岡翔太)、加藤愛子(土居志央梨)、しおり(山田奈保)、桜井(上川周作)、青山プロデューサー(柄本佑)、百合子(高橋惠子)

赤い玉、のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①映画監督の時田は最近は作品を出せず、現在は大学で教鞭をとっている。それでも自作シナリオで映画を作る夢を持つ時田は私生活を綴っていた。ある日女子高校生・律子を見つけた時田は、その日から律子を尾行する。 ②律子は時田の想像していた清楚な女性ではなかったが、それもまた時田としては満足。教壇をおり半ば自己満足のために脚本を書き上げた時田は、帰り道に死亡した。

【起】- 赤い玉、のあらすじ1

「赤い玉伝説…都市伝説の一つ。男性が射精できる最後の瞬間に赤い玉が出るというもの。打ち止めという意味」
2014年。
時田修司は60歳の大学教授です。かつては映画監督をしていましたが、今は京洛芸術大学の映像学科で教鞭をとっていました。
まだ映画を撮る熱意はある時田は、講義の合間にシナリオを書いています。
若い大学生たちに、たとえば「フレームのどこに物を置くかによって、視覚から受ける印象が変わる」ことなど、映画のことを教える時田は、学生たちにグループで映画を撮らせてもいました。
時田は妻・百合子とは別れて、現在は独身です。京洛芸術大学の事務をする35歳の独身女性・大場唯の家に身を寄せて、そこでプライベートの時間はシナリオの執筆をしていました。
シナリオの中身は、ほぼ自分の私生活についてです。時田自身を「島田」と、唯を「綾子」と置き換えてはいるものの、たとえば唯と一緒に風呂に入った時のことは、交わした言葉なども同じように記していました。
大学生たちは恋愛の映画を撮っています。学生の監督・矢島健一がメガホンをとり、桜井が助監督、主な出演者は哲也と愛子でした。愛子は監督・矢島と恋人同士です。
映画の撮り方や演出方法ひとつとっても、どうやら時田はすでに古い考えの持ち主のようで、大学生側と意見が衝突しました。
矢島は陰で文句を言い、時田の口調を真似してばかにします。
ところが恋人・愛子は時田を評価しており「誰か1人でも時田の作品を見たことがあるのか」と皆に言い、学生たちは黙りました。
実際、時田の生き方はすでに古い考えになりつつあるようです。
プロデューサーの青山と打ち合わせをした時田は、すでにあるシナリオ『新渡戸稲造物語』で映画を撮ってくれと頼まれましたが、「もう他人の人生につきあっている時間はない」とシナリオを突き返し、自作のシナリオで映画を撮ることにこだわりました。青山は時田が去った後「なに勘違いしてんだか」とぼやきます。たぶん時田に監督の仕事が回ってくるだけでありがたいことであって、自作のシナリオで映画を撮るのは、現段階ではもう時田のネームバリューでは無理なのでしょう。
時田は61歳の誕生日を迎えます。唯に祝ってもらった時田は、もう祝われる年齢ではないと言いました。原稿用紙に書いている手書きのシナリオを渡し、パソコンで打ち込んでほしいと頼みます。
新作の企画なのかと考えた唯は、パソコンで打ち込み始めました。そこには自分と時田の性行為の様子なども赤裸々に書かれています。 この映画を無料で観る

【承】- 赤い玉、のあらすじ2

ある日、時田は書店で女子高校生・北小路律子を見つけて、あることが気になって(後述)あとをつけました。そしてその日から律子のことを尾行します。
律子の家は裕福そうな一軒家でした。2階の角部屋をもらい、ピアノを弾く律子はお嬢様のようで、時田は勝手にイメージを膨らませます。
翌朝も登校風景を遠くから見守った時田は、名も知らぬ律子を「由紀」という名にしてシナリオに登場させました。打ち込みをしながら唯は「ストーカーだ」と言います。
律子は私立白川女子高等学校に通っていました。赤いリボンのセーラー服姿の、清楚な印象の女の子です。
放課後はダンス教室でレオタードで踊る律子が、シナリオでたびたび登場するようになって、唯は触発されました。嫉妬に近い感情です。
唯に「赤玉伝説、知ってるか」と話した時田は、そういうのが実際にあるのかとこぼしました。
商店街を歩いていて軽薄そうな若者に執拗にナンパされる律子を、時田は見かねて助けます。その時初めて時田は律子と接触しました。とはいっても、声をかけて若者の前から立ち去らせるくらいです。
大学の映画撮影の実地教育で、時田と矢島の対立は激しくなってきました。時田は映画で女性の乳首を撮るのはNGと決めていますが、それも若者の感覚からすると「古いこだわり」です。
時田は現場をきちんと見ろと指導しますが、観客が見るのはスクリーン映像だからと、矢島はモニター画面ばかり凝視しました。
また矢島がOKサインを出した濡れ場シーンに、時田はダメ出ししました。「オス、オスになれよ」という時田のアドバイスを、後で矢島らは茶化します。
時田と矢島と愛子の3人で飲みに行きますが、その席で愛子が別れ話を出しました。
矢島がトイレに立った時、愛子は時田に「先生、次の彼氏になってください」と誘惑しようとしましたが、時田は笑って「70年代にはいたけどな、そういう女優」と断ります。気分を害した愛子は飲み会の席を去り、振られた矢島は荒れました。
その後、矢島は講義を3回欠席しますが、時田が唯に連絡させて、矢島は学校に顔を出しました。時田は矢島を飲みに誘い、日本酒をいっぱい飲ませます(失恋から早く立ち直らせようという配慮)。
大学が夏休みになりました。時田は唯に、唯のアパートでこの夏を過ごしてシナリオを完成させたいと言い、唯も承諾します。
その唯は実家の母に電話で、見合いをしろと結婚を催促されていました。唯は母をなだめるのに必死です。

【転】- 赤い玉、のあらすじ3

シナリオの女子高校生・由紀のシーンに進展がないので、唯は時田にアドバイスしました。試しに唯が言ったとおり、時田は女子高校生を監禁してレイプした想像をしてみます。
そしてそのうえでストーリー展開を練りました。後ろ手に紐で結び、さるぐつわをはめ、両足首にはひきずりおろしたショーツで拘束した女子高校生・由紀を時田は妄想してみます。
由紀のさるぐつわを外し、手の紐も外してショーツをあげてやっていると、時田は手首を繋いでいたロープで首を絞められました。妄想の中の時田は死にはしませんが「殺されてもいいと思った。最高のエンドマークではないかと思う」と言います。
これらも時田はすべて、シナリオに書きました。
お盆に京都の五山送り火をベランダから見た時田は「こんなマグロ男でいいのか」と言い、唯に「なんか最近、弱気になってない?」と言われます。「女はいいなあ」と洩らした時田は唯に化粧をしてもらい、ソファで唯と交わりました。
精力の衰えを感じる時田は、唯にパソコンを教えてくれと頼みます。大学生のレポートがインターネットのウィキペディアからの引用とコピーばかりだから、きちんとチェックしたいのだというのは表向きの理由で、唯がうたたねしている時に時田はこっそりと「バイアグラ」と検索していました。
愛子は東京の事務所に就職が決まりました。矢島は時田の助監督にしてもらおうかと愛子に言いますが「賞味期限が切れてるって。学校の先生になるっていうのは、そういうことでしょ」と愛子は指摘します。
それでも矢島は時田のところに行き、助監督にしてくれと頼みました。時田も「本気なら、売れ筋の監督のところに行け」と言います。
秋になりました。同級生が声をかけたことから律子の名を時田は知り、早速シナリオは「由紀」から本名の「律子」に変更しました。相変わらず尾行は続けています。
喫茶店でパフェを食べる律子をカウンターで観察していた時田は、律子がトイレで私服に着替えるのを目撃しました。律子はそのままラブホテルに入っていき、時田はショックを受けます。
イメージしていた律子のイメージは清楚なものだったので、信じたくない時田は、ホテルから出てきた律子に詰め寄って「なぜだ」と聞きました。
律子は「いつも私をつけてた人ですね」と言うと「7万円です、高いですか」と時田に答えます。
時田は勢いで律子とホテルに入りますが、バイアグラを飲んでも緊張のあまり勃起しません。律子と離れて座った時田は「君が『富士』を手にした時、正直感動したんだ」と言いました(出会いのシーン、時田が猛烈に律子にこだわったのは、武田泰淳の作品を手に取ったから)。 この映画を無料で観る

【結】- 赤い玉、のあらすじ4

(ちなみに武田泰淳『富士』は、終戦間際の富士山麓にある精神病院を舞台にした、医者と患者にまつわる物語である。いまどきの女子高校生が読むには、ちょっとシブいチョイス…)。
律子は「脳の恐ろしさと女のその部分の恐ろしさ。真実のような夢と嘘のような現実」と答え、時田は「(性行為が)できそうにない」と白状します。
「そんなら、お仕置きせな」と言った律子は、時田の股間を往復ビンタしました。何度も何度も時田の顔を見ながら往復ビンタする律子に、時田はそれでも満足感を得ます。
唯も時田に同じ行為をしました(シナリオを読んだからではないかと思われる)。時田は赤い玉を出し、それを唯が舐め取りますが、途中からその顔は律子に変わります(時田の願望)。
冬、時田と唯は温泉に行きました。そしてその後、「私が死んだら(地獄から)迎えに来てね」と言って、唯は時田と別れます。この時は時田は、別れを信じていませんでした。
トレヴィ国際映画祭に行った時田は、帰国後に唯が本気で別れると思っていると知り、ショックですが受け入れます。
時田は大学を辞めることにしました。学生の前でそれを報告し、ついでに女子高校生を金で買ったことも付け加えます。
矢島は「映画が撮れないことから逃げているのではないか」と指摘し、時田は「大人になったな。お前は逃げるなよ」と矢島にエールを送りました。愛子は拍手します(矢島は時田に反感を持っていたが、最後は時田が優れた教授&監督だと認めた)。
元妻・百合子と娘に会いに行った時田は、娘に母はいないと言われて金を渡しました。自分と別れた後、定食屋をする母娘の楽じゃない暮らしのためです。
それを知った元妻・百合子は現金の入った封筒を手に時田を追いかけますが、時田はロープウェイに乗った後でした。
唯から打ち込んだシナリオがメール添付で届きます。シナリオは打ち込まれていました。
「最高のエンドマークじゃないか」のシーンの後、唯が緑の文字で「これはきっと嘘ではない。私が殺しておけばよかった」という文字が書かれており、丁寧に「Back Spaceで消去」とアドバイスもありました。
唯はメールにも「この世は誰かの担当なのでしょうが、あの世は私の担当です」と書いています(唯は時田に愛情を抱いているが、時田と別れを決意した)。
新年度が始まりました。京洛芸術大学の2015年度の映像学科の新入生の中には、なんと律子の顔もあります。
時田はシナリオを完成させるために、必死で打ち込みます。俎上にのせた律子の白いショーツをハサミで切り、股間を開いてそこへ顔をうずめるシーンでシナリオを終えた時田は、それをプロデューサー・青山の元へ持ちこみました。
どのあたり(の年齢層)がターゲットかと聞かれた時田は「俺だよ(俺がターゲット)」と答えました。青山は読まずに捨てますが、「上からGOが出そうです。但しローパジェット(低予算)ということですが。いい女優さんが脱いでくれれば確定でしょうね」と時田にメールをします。
そのメールを読みながら横断歩道を歩いていた時田は、左折してきた車にひき逃げされて息絶えました。
唯は時田の残した煙草を吸いながら「先生、地獄は面白いですか」とひとりごとを言います。

みんなの感想

ライターの感想

なんとも、なんとも切ない話。男性の老いと生と性について、真っ向から挑んだ作品。
エロスを題材にしているが、非常に情緒があり、京都の四季が美しく描かれている。
また文学の香りが濃厚にたちのぼってくる作品。うらぶれた(!?)映画監督・時田を奥田瑛二が上手に演じている。

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