「SweetRain死神の精度」のネタバレあらすじ結末

Sweet Rain 死神の精度の紹介:2008年公開の日本映画。本作の映画化を断り続けてきた伊坂が、スタッフ側から金城が主演である条件を呈示された事で了承し実現した。人間の生死を決める死神が織り成す、ある女性との交流を温かなユーモアと共に描く。

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予告動画

SweetRain死神の精度の主な出演者

千葉〔死神〕(金城武)、藤木一恵(小西真奈美)、藤田敏之(光石研)、栗木(田中哲司)、阿久津伸二(石田卓也)、青山〔死神〕(村上淳)、ミチコ(小野花梨)、ミチコの母(唯野未歩子)、竹子(奥田恵梨華)、大町健太郎(吹越満)、老女(富司純子)

SweetRain死神の精度のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①死神・千葉の役目は死ぬ運命にある人間のそばに寄り添い、死を「実行」するか「見送り」にするか判断するもの。 ②27歳OL・藤木一恵に接触した千葉は、彼女がまだ歌手になる目的を果たしていないとみなし「見送り」にした。 ③40歳ヤクザ・藤田と接触した千葉は、藤田が自分自身の期待に応える働きをしたことを見届け「実行」の判断を下す。 ④70歳美容師・かずえと接した千葉の正体を言い当てたかずえは、千葉がかつて見送りにした藤木一恵だった。思い残すことがないと言って、かずえは笑う。

【起】- SweetRain死神の精度のあらすじ1

曇天の空の下、雷鳴がとどろきます。水たまりに黒い犬が映り、全身黒いスーツの男・千葉が歩くと黒い犬がついていきました。
千葉が着いた先は教会で、そこでは葬儀が営まれていました。教会にはすすり泣きの声が洩れます。
教会の椅子に座った少女が「おじさんは死神でしょ。おじさんがミッちゃんを殺したの?」と聞きます。
死神の役目は誰かを殺すことではありません。死ぬことが予定された人間に近づいて話をし、その人間が「死に値する生き方をしたかどうか」を判定するのが仕事でした。
「簡単に言うと、死んでいい人間かどうかを決める係だ」と、千葉は少女に言います。
今回の葬儀の人物・ミッちゃんはまだ10歳で死んだのですが、「目的は果たした。命の長さは関係ない」と千葉は言ってのけました。
死神が受け持つのは不慮の死を迎える人間だけで、病死や自殺には関わりません。
それに…「葬儀に来るのは相手が子どもの時だけだ。子どもは何が起こったか理解できないから、戸惑わないように付き添うお子さま限定サービスだ」と言って、手袋をした千葉はその少女…ミッちゃんことミチコの手を取ります。
悲しむ両親を見たミチコは「お母さん、大丈夫かな」と言い、徐々に姿が薄くなってやがて消えました。千葉は去ります。
千葉の仕事は死の7日前にターゲットの周辺に現れて、死に値するかどうか観察することでした。「実行」か「見送り」か、なのですが、大抵は「実行」になります。
なぜか千葉が仕事で地上に行くと雨が降っており、千葉は晴れた空を見たことがありませんでした。
千葉の仕事には黒い犬が同行し、目で千葉と会話します(犬の会話は日本語文字で記される)。また死が近い人の周辺には、黒いカラスが集まることも多くありました。
…その日、黒い犬と歩いた千葉の目の前にドアが現れ、開くと新都線向台駅脇の公衆電話ボックスに出ます。千葉は黒いスーツから、ラフな格好に変わりました。
今回の対象者は、27歳のOL・藤井一恵です。バートン電器株式会社のお客様サービスセンターに勤務する、電話のクレーム処理係でした。
一恵は最近あるクレーマーに目をつけられています。一恵を指名してかけてくるクレーマーは「ビデオの調子が悪い。説明書は字が小さくて読めないから読みあげてくれ」といったふうに、本当なのか分かりかねる内容で、一恵はたちの悪いいたずらだと思っていました。
千葉は一恵の会社の前にあるCDショップの視聴コーナーで、大好きなミュージックを聞きながら待ちます。死神たちは揃って「ミュージック」が好きで、音楽は人間の最大の発明だと思っていました。 この映画を無料で観る

【承】- SweetRain死神の精度のあらすじ2

千葉が対象者と接触する日が来ました。
その日も雨で、傘の水を飛ばした千葉は一恵の服を汚し、クリーニング代を支払うと言います。ところが一恵が急いで立ち去ろうとして、千葉は思わず素手で一恵を触りました。
死神が素手で人間を触ると、人間は気絶してしまうのです。気絶した一恵を抱きとめた千葉は、一恵が持っていたウォークマンを聞きながら、コインランドリーで一恵の目が覚めるのを待ちました。
目を覚ました一恵は、千葉が仲間といたずらでナンパしたのかと思いますが、千葉は真面目に「船の上じゃない。難破はしない」と答えます。
階段で一恵が貧血で倒れたということにして、コインランドリーならベンチもあるし、服も乾かせるし、それで連れ込んだと千葉は言いました。そして「ナンパという言葉の意味が分からない。新しい言葉についていくのは大変だ」と洩らします。
本当に騙しているわけではないと知った一恵は千葉と食事に行き、千葉は「これでナンパになったかな」と言いました。
一恵は「私、みにくいですから」と言いますが、千葉は「見にくい? いや、ハッキリ良く見えてますよ」と答えます。
話題はクレーマーのことになり、一恵は一日に何度もその客がかけてくることを千葉に訴えました。
千葉と別れた一恵は、コインの裏表で占うコイントスで「千葉とまた会えるか会えないか」占おうとしますが、落ちたコインを見る前に、青年2人組に襲われます。
その青年2人を撃退した千葉は、拾ったコインを返しました。
視聴コーナーで千葉は、死神の同僚の青山に会います。青山は仕事終わりでした。このプロデューサーが見出した歌手は成功する、といってCDを渡します。
一恵は連日、クレーマーに悩まされていました。家にまで電話が鳴る始末です。
一恵の周辺では死がよくありました。両親は一恵が幼い頃に飛行機事故で死に、引き取ってくれた親戚のおじおばも火事で亡くなります。
婚約者も失った一恵は、生きていることに意義を見いだせずにいました。
対象と接触する最終日がやってきます。
一恵はクレーマーとのやりとりを録音して課長に直訴しますが、脅迫されているわけじゃないと課長は引け腰で、一恵は早退しました。
会社を出た一恵をある男が尾行すると、駅の手前で声をかけ、カラオケ店に連れ込もうとします。一恵は逃げますが、クレーマーは執拗に追いかけまわしました。
一恵が千葉の姿を見つけて助けを求めますが、その時男のそばに女性が現れて、事情を説明します。
その男性は有名な音楽プロデューサーの大町で、女性はタイレル・レコードの赤塚でした。大町は「身分を明かさずに(一恵の)生の声をちゃんと聞きたかった」と言います。
そして「あなたの声、よければ私に貸してくれませんか」と誘いました。千葉は「ミュージックだ!」と思います。
「彼女はまだ目的を果たしていない」という理由で、千葉は「見送り」の決断を下しました。「どんなミュージシャンもいずれは骨になるんだぞ」と犬が言いますが、千葉は気にしませんでした。

【転】- SweetRain死神の精度のあらすじ3

…その日、黒い犬と歩いた千葉の目の前に非常口が現れますが、なかなか開かないので力任せに千葉は開けます。開いたところにはチンピラの青年・阿久津がいて、意外なところからの千葉の出没に驚きました。
今回の対象者は40歳のヤクザ・藤田です。藤田は自分の兄貴分の名波を殺した栗木と揉めており、栗木の居場所を知りたがっていました。千葉は栗木の居場所を条件に、藤田と会う約束を取りつけます。
阿久津は藤田の弟分で、藤田に心酔していました。藤田こそが「本当の任侠」、つまり仁義を重んじて弱きを助ける者だと思っています。
ところが組の方針では、裏で話し合いでケリをつけ、藤田は対立する栗木の組の者たちに殺させるつもりでした。阿久津はそれを知りながら、藤田を見張るのが役目です。
嘘が苦手な阿久津の様子を見て、藤田はとっくに組の思惑に気づいていましたが、時代の趨勢でやむをえないと考えていました。赤ん坊の頃に父を亡くし、歌手だった母に捨てられた阿久津の行く末を、藤田はむしろ心配しています。
栗木の居場所を千葉から聞いた藤田は乗り込もうとし、それを制した阿久津は「本当にいるか確かめてくる」と、千葉を連れて偵察に行きます。
千葉が言った場所に栗木は滞在していましたが、阿久津の知らない新しい用心棒を抱え込んでいました。カーラジオで藤木一恵の〝Sunny Day〟のイントロが流れましたが、阿久津が消しました。
阿久津は千葉に「栗木はいなかったことにしてくれ」と口裏合わせを頼みます。阿久津は藤田に死んで欲しくないからでした。
千葉は死について聞き、藤田は「死にざまはそのまま生きざまだ」「俺はいつだって俺に期待している」と答えます。
思いつめた阿久津が千葉を連れ「栗木を殺りにいく」と言いますが、車内にいるところを襲われて栗木らに拘束されました。栗木は藤田の連絡先を教えろと拷問します。
室内にいた顔を見た千葉は納得し、藤田の携帯番号を述べました。裏切ったと罵る阿久津に「心配するな、ここで死ぬのは藤田じゃない」と言います。
栗木の用心棒と阿久津が言った人物は、千葉の同僚の死神らでした。藤田が死ぬのは明日で、今日死ぬのは栗木側だと千葉は察します。
死神の青山含め栗木側の人間5人が死に、藤田は阿久津を支えて帰りました。
翌日、藤田は交通事故であっけなく死にます。「あの男は自分の期待に応えた。だから『実行』にした」と千葉は言います。
藤田の亡骸にすがって阿久津は号泣しました。

【結】- SweetRain死神の精度のあらすじ4

…その日、黒い犬と歩いた千葉の目の前に、美容院の扉が現れました。中に入ると客がいませんが、老女・かずえは営業していると言います。
今回の対象者は70歳の美容師・かずえです。かずえはお手伝いロボットの竹子を使いながら、ひとりで田舎の美容院を経営しています。美容院は静岡県磐田市の、海が見える高台のところにあります。
かずえは千葉の髪を切りながら「あんた、死神だろ」と言い当てました。老女・かずえの周囲では死が多くあり、過去に幾度か似たような「浮世離れした人間が現れていた」と言います。
いよいよ自分にもお迎えが来たか…と独り合点した老女・かずえは「人生最後のお願い」と言って、千葉に頼みごとをしました。それは「明後日、7歳くらいの子どもを美容室に集めてくれ。親の付き添いなしで、子どもだけ」というものです。
美容院の客の少年・マサシに学校の場所を聞いた千葉は、学校内で手当たり次第「ねえ、髪切りに行かないか」と声をかけました。千葉としては必死です。
結果「不審者注意 『ねえ、髪切りに行かないか』と声をかける男性」のポスターがあちこちに貼られました。千葉はばつの悪い思いをします。
老女・かずえになぜ子どもを集めるのか理由を聞いても「終わったら教えてあげる」だけでした。
考えた千葉は、髪を切る代金は無料で、少年たちの間で流行しているレアなカード『死神』を配布する条件をつけ、客を集めることに成功します。
その中でひとりだけ、事情を知らずに代金を払おうとした少年がいました。少年は練馬ナンバーの「弁当屋あくつ」の車に乗って立ち去ります。運転していたのは、父になった阿久津でした。
昼で店を閉めたかずえは、事情を説明します。
かずえには子育てを放棄して生き別れた息子がおり、孫ができたそうです。その孫を会わせたいと言ってきたのですが、どの子か知るのが怖かったかずえは、たくさんの子にまぎれさせたのでした。
自分と関わると情が移るし、何よりも、自分に関わると孫が不幸になるのではないか…そうかずえは考えていました。
歌手になって素敵な人生が始まったと思った、結婚して子どももできたと思ったとたんに、夫が急死し、かずえは「私はもう誰も愛さない」と決めて、息子を手放したのです(周囲で死が相次ぐから、息子を死なせないため)。
かずえは「晴れそうな気がしない?」と言い、散歩すると外へ出ました。
竹子が店内にかけた曲〝Sunny Day〟で、千葉は老女・かずえの正体が、かつて仕事で関わって「見送り」にした藤木一恵だと気づきます。
かずえのほうはとっくに気づいていました。孫が誰か気づいたのではないかと問う千葉に「分からなかった。そういうことにしといてよ、千葉さん」と千葉の名を言い当てます。
外は晴れて綺麗な晴天が広がっていました。初めて見る青い空に、千葉は思わず「綺麗だ」と洩らします。
「ねえ千葉さん、私、こんなに長く生きててよかったのかな」とかずえは聞き、「もう思い残すことはない。いつ死んでもいい」と付け加えます。
千葉が「そう言うな。私の仕事がなくなる」と言うと、かずえは「ザマーみろ」と言って、けたけた笑いました。

みんなの感想

ライターの感想

…うーん、実のところあまり満足ではない。
私は特に伊坂ファンというわけではないが、それでも見終わった後「なんか侮辱された気がする」と思ってしまった。
金城はイメージに合致した。なので、伊坂が金城武でOKサインを出したというのも納得できる。
不満な点は2つ。1つは「その死神の千葉の演技が大袈裟すぎること」。もっと恬淡としていて欲しかった、このキャラには。
あんなに表情ころころ変えるなんて、死神のイメージが崩れるじゃん! しかもミュージック聞きながら身体揺らすなんて…。
(勝手ながら私は、原作の千葉のイメージで「ミュージックを聞くときには真摯に耳を傾けている」と思い描いていた)
2つめは…致し方ないのだろうとは思うが、『死神の精度』の一部しか切り取っていないこと。特に一恵にまつわる一連のこと。
…これは…これだったら、1時間枠のドラマにして全11~12話放送にしたほうが、むしろ細かく描けたのに…。
原作の中の「死神の精度」「死神と藤田」「死神対老女」この3編を映画では収録。
伊坂作品ではさらに長編として『死神の浮力』を2013年に上梓している。
私はこっちの作品のほうが好きなので、もしこれ映像化する時にはもうちょっとましな出来に仕上げてほしいな…。

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