「トレジャーハンタークミコ」のネタバレあらすじ結末

トレジャーハンター・クミコの紹介:2014年製作のアメリカ映画。コーエン兄弟の「ファーゴ」の内容を信じて一人の日本人女性がはるばる米国の田舎町まで来た末、凍死体で発見されたという都市伝説“タカコ・コニシ事件”をモチーフに描く異色のミステリー・ドラマ。遥か米国の田舎町、ノース・ダコタ州ファーゴへと旅立つ女性・クミコを菊地凛子が演じる。

予告動画

トレジャーハンタークミコの主な出演者

クミコ(菊地凛子)、サカガミ社長(勝部演之)、カナザキ(河北麻友子)、ミチ(東加奈子)、老女(シャーリー・ヴェナード)、カルドウェル副保安官(デヴィッド・ゼルナー)、ロバート(ネイサン・ゼルナー)

トレジャーハンタークミコのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①東京でOLをする29歳の女性・クミコは、映画『ファーゴ』の冒頭にある実話というのを信じ、登場人物が埋めた金を掘り返しに行こうと思う。 ②会社のクレジットカードを持って渡米したクミコは、映画は真実ではないという訴えを退け、一路その土地をめざした。

【起】- トレジャーハンタークミコのあらすじ1

〝これは実際にあったお話しです〟

日本・東京。
海辺を歩く赤いフードの女性、クミコは、日本語表記の布の地図を持っています。
洞窟を見つけて中に入ると、少し奥まったところに石がありました。
それをどけると、ビデオテープが見つかります。
列車で帰ったクミコは部屋でビデオを再生しますが、砂嵐でした。海辺の砂地に埋まっていたビデオなので、再生できないのです。
ビデオデッキから取り出したビデオテープを確認し、砂を取り除きます。
クミコの部屋はワンルームで、ネザーランドドワーフのオレンジ色のうさぎ・ブンゾーを飼育していました。
ブンゾーに餌をやった後、クミコは出勤します。ブンゾーの餌はもうありません。

クミコは東京のごく中小企業の会社で、事務員をしていました。
クミコ以外のOLはまだ20代前半で若く、昼休みに話す内容もまつげパーマなどおしゃれのことで、29歳のクミコは浮いた存在でした。
サカガミ社長にお茶を淹れるクミコは、お茶の中につばを入れる嫌がらせをしようとして、やめました。
クミコはサカガミ社長に「クリーニング屋でスーツを2着出しておいてくれ」と頼まれます。
帰り道、言われたとおりクリーニング店に寄って出しました。
歩いているクミコに元同級生のミチが話しかけてきます。ミチはお茶しようと誘うのですが、クミコは迷惑そうな顔をします。それでもミチはクミコの連絡先を聞きました。
その日、ブンゾーにラーメンを分けたクミコは、ビデオテープの再生をします。

ビデオの中身は映画『ファーゴ』でした。アメリカのコーエン兄弟が監督を務める、1996年に作られた映画です。
この映画は狂言誘拐を描いたクライム・サスペンスで、〝これは実話の映画化である〟と最初に書かれていました。書かれてはいましたが、物語は完全なフィクションです。
映画の中では開始1時間を過ぎた頃に、登場人物のカールという男が100万ドル(厳密には92万ドル)(約1億1000万円)を道中の雪原に埋めていました。
クミコはそのシーンに夢中になります。そこに100万ドルが今でも埋められていると信じ込み、映画の中のシーンを何度も繰り返し再生して、場所を特定しようとしました。

朝、クミコの携帯電話が鳴ります。
電話の相手は母でした。母は娘のクミコが29歳にもなって結婚もせず、ずっと働いていることに理解を示しません。会社を辞めて、結婚するまで故郷に戻って来いと言われるので、クミコは昇進したと嘘をつきます。

【承】- トレジャーハンタークミコのあらすじ2

本当は恋人もおらず、仕事も昇進が見込めるわけもなく、なんとなく漫然と生きているクミコにとって、『ファーゴ』の埋まった100万ドル探しは、クミコの夢・目標になりました。
図書館に行って貸し出し不可の図書(アメリカとカナダ地区の地図)を持ちだそうとして警備員に捕まったクミコは、「コピー取ったらどうなの?」「ネットで調べてみるとか」というアドバイスも得るのですが、「95ページだけあればいいんです。そこに私の運命があるんです!」と力説します。
根負けした警備員は、こっそりクミコのためにそのページだけ破って渡しました。クミコはそれをもらうと、お辞儀して去ります。

勤務態度が悪く、遅刻の多いクミコはサカガミ社長から注意を受けました。
OLを辞めた後の将来設計を聞かれ、「同性愛なの?」と言われ、さりげなく退職を促されます。
腹が立ったクミコは、サカガミ社長のクリーニングを受け取った後、ごみ箱に捨てます。
ミチと喫茶店で会いましたが、ミチが連れて来た娘のマヨとどう接すればよいか分からず、いたたまれなくなったクミコは、ミチがトイレに立った間に店を去りました。
ペットショップでブンゾーの餌を購入し、帰宅します。

何度も再生しすぎたので、ビデオテープが絡まってしまいました。
取り出そうとするとテープが出てしまい、大量のテープを、自室のいまどき珍しい和式トイレに流します。
(築年数が長いアパートであることを示す。クミコの給料がそう高くなく、暮らしが豊かではないことの象徴)
レンタルビデオ店に行ってDVDを借り、電器屋でDVDプレーヤーを購入しました。
『これは実話の映画化である。
実際の映画は1987年ミネソタ州で起こった。
生存者の希望で人名は変えてあるが、死者への敬意をこめて
事件のその他の部分は、忠実な映画化を行なっている。』
映画冒頭のこの文字にすがりついているクミコは、金を埋めるシーンで一時停止をすると、フェンスの幅を計測し、テレビ画面に当てた透明のシートにトレースして、布に刺繍で再現します。

別の日。
サカガミ社長に呼び出されたクミコは、「今日からここで手伝ってもらう」という若い女性・カナザキを紹介されました。
要は、カナザキを雇うから、近いうちに辞めてくれとクミコに言っているのです。
サカガミ社長の結婚記念日のプレゼントを見つくろってくれとクレジットカードを渡されたクミコは、これがチャンスだと思いました。
今度は淹れたお茶にツバを入れる嫌がらせをします。

【転】- トレジャーハンタークミコのあらすじ3

渡米するとなると、うさぎのブンゾーは連れていけません。
クミコはブンゾーを公演の中の芝生に捨てようとしますが、ブンゾーは逃げていってくれません。
そこでクミコは、地下鉄の座席にブンゾーを置き、自分は車両から出ていきました。出発する地下鉄を見送ります。少し泣きます。

…アメリカ・ミネソタ州。
THE NEW WORLD(ニューワールド)

アメリカに渡ったクミコは、そこの『旅行者用インフォメーション』にいる男性・ロバートとブラッドに、片言の英語でノースダコタ州のファーゴに行きたいと言います。
ファーゴが正解なのですが、クミコはずっと「ファゴ」と発音します。
94号線を北上しろと教わったクミコは、バスに揺られて移動を開始しました。東京で着用していた赤いフードのついたコートのままです。

バスが途中パンクをし、立ち往生をしました。運転手は手首を痛めていて修理ができないので、振替のバスを待つと聞かされたクミコは、歩いて移動を開始します。
寒い中、そう分厚くもないコートで徒歩の移動をするクミコを見かね、車に乗った老女が声をかけました。
老女はクミコを家に乗せて自宅へ帰るとココアを淹れ、夫が朝鮮戦争で亡くなったことや、ボビーという息子がカリフォルニアにいるけれども会いに来ないことを話します。
ファーゴは何もないところだから、観光には不向きだと言い、じきに暗くなるから家に泊まれと言いました。
明日は地元のショッピングモールに連れて行ってあげると老女が言うので、クミコはこっそり部屋を抜け出し、再び歩いて移動します。
途中に雑貨店へ入ったクミコは、絵葉書を物色しました。
モーテルに宿泊し、携帯が壊れたと母に電話します。
母はまたいろいろと質問してきました。母にとっては「結婚」「出産」が大事なことのようで、クミコと価値観が異なるのです。
受け答えが面倒になったので、もっと大事なことがあるのだと告げて電話を切りました。

翌朝のチェックアウト時に、サカガミ社長から受け取ったクレジットカードが使えないと知ったクミコは、部屋に荷物を取りに行くと言い、モーテルの毛布の布地を破ってすっぽりとかぶると(防寒対策)羽織って雪の中に出て行きました。
方位磁石でだいたいの包囲を探ります。
毛布をかぶって道を歩くクミコの姿は目立ち、通報を受けた中年男性のカルドウェル副保安官がやってきました。
クミコはバカの一つ覚えで「I want to go Fargo(私はファーゴに行きたいのだ)」と繰り返します。

【結】- トレジャーハンタークミコのあらすじ4

映画に出ていた金を探しているとクミコが訴えると、カルドウェル保安官は申し訳なさそうな顔で「残念だけど、実話ではない」と答えました。
しかしクミコはその言葉を聞き入れません。クミコは「うそじゃない」と言います。
(「うそじゃないと信じたい」のだろう。そうでなければブンゾーを捨て、会社の金を使い込んでまで渡米してきた今までの苦労が、水の泡になってしまうから)

カルドウェルは通訳を頼もうと店に連れていきますが、そこにいるのは中国系の女性でした。
困ったカルドウェルはクミコをレストランに連れて行き、高速道路用の地図を探しにパトカーに戻ります。
その間にクミコは公衆電話で母に電話をかけ、送金を頼みました。しかし母は会社から電話があったと言い、叱るばかりです。
電話を切って泣くクミコに、カルドウェルは「力になるから」と言って店に連れて行き、防寒用のダウンジャケットと靴を購入してくれました。
クミコはお礼のキスをしますが、カルドウェルは嫌がります。そういうつもり(身体が目的という意味)ではなく、仕事をしているだけだと答えました。
さらに、自分は既婚者で子どもも2人いると言います。

拒絶されたと思ったクミコはタクシーに乗り、耳が聞こえない振りをして筆談で、ファーゴへ行きたいと訴えました。
映画で見た風景に近いと思ったクミコは、停車してもらい走って逃げます。
毛布を持ったまま森へ入ると、山犬がやってきて毛布に噛みつき、『ファーゴ』のDVDを咥えて立ち去りました。
湖の上なのか、木の棒で掘ってみると、水が沁み出てきました。
暗くなって雪がちらほら舞い始めてからも、クミコは探し続けます。

雪が積もった川べりのところで倒れていたクミコは、むくっと起き上がると再び捜索を始めました。
ゴンドラに乗り、一面雪景色の中を歩きます。
映画で見たフェンスを見つけました。映画で目印にしていた赤い印もあります。
そこを一心不乱に掘ると、黒いトランクが出てきました。金も中にあります。
金を見たクミコは嬉しそうな表情を浮かべました。ふと横をみるとうさぎのブンゾーもいます。
カバンとブンゾーを抱えたクミコは、ひたすら歩いて帰りました…。
(ラストは象徴的。恐らくクミコは川に落ちて死ぬか凍死するかして、もうこの世にはいないのだろう。
大事なのは映画『ファーゴ』が実話かどうかではなく、それだけクミコが夢中になれる「なにか」を見つけたことだと思われる。
切ないイラストでもあるが、クミコ自身は本望で、幸福であろう。)

みんなの感想

ライターの感想

好みが別れるだろうな。好きな人は好きな作品だろうし、苦手な人は苦手だろうし。
映像が綺麗だし、幻想的だし、ほわわんとしたムードがある。それが好きな人は好きだろう。
リアリストにとっては、この主人公のクミコに肩入れできないぶん、受けつけられないのではないか。
私はこの映画に出ているようなうさぎを飼育しているので、クミコがうさぎを捨てるシーンはつらかった。
鬱屈した思いを抱えて生活する女性が、夢を求めて渡米し、いちずにめざしていく…という内容ではある。
が、いっぽうでいろんな小さな悪事をしている。タクシー乗り逃げ、モーテル代踏み倒し、会社の金横領。
そこがマイナスポイントになることも、あるいは監督が計算に入れている可能性もあり。

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