「ライチ光クラブ」のネタバレあらすじ結末

ライチ☆光クラブの紹介:東京グランギニョルの舞台劇「ライチ光クラブ」の漫画化作品、古屋兎丸の「ライチ☆光クラブ」を原作とした2016年公開のダーク・ファンタジー。独裁者と親衛隊、囚われの聖美少女と人心を宿す機械が織りなす残酷劇です。監督/脚本は「先生を流産させる会」「ドロメ」の内藤瑛亮。共同脚本は冨永圭祐。美術は「るろうに剣心」「神さまの言うとおり」の橋本創、衣裳/キャラクターデザインは「密のあわれ」「るろうに剣心」の澤田石和寛。ライチデザイン/造形は「不安の種」「寄生獣」の百武朋。主題歌はライチ☆光クラブの「メルヘン☆ジャック」、劇中の讃美歌は中条あやみ。

予告動画

ライチ光クラブの主な出演者

タミヤ(野村周平)、ゼラ(古川雄輝)、カノン(中条あやみ)、ジャイボ(間宮祥太朗)、ニコ(池田純矢)、雷蔵(松田凌)、デンタク(戸塚純貴)、ダフ(柾木玲弥)、カネダ(藤原季節)、ヤコブ(岡山天音)、ライチ(声/杉田智和、スーツアクター/荒川真)など。

ライチ光クラブのネタバレあらすじ

【起】- ライチ光クラブのあらすじ1

ある夜、小学生常川寛之の元に奇妙なバケモノが現れ、「おまえには黒い星がついている。喰われたくなきゃ全て支配しろ。王になれ」と啓示を受けます。

黒煙で煙る工業の町、蛍光町の工場地帯の路地で、制服の少年たちに手製のネイルガンで攻撃され女が捕まります。彼らはリーダーの少年ゼラの親衛隊で廃工場の秘密基地「光クラブ」を知られため処刑するのです。ゼラは彼らがその名を連呼する中、玉座でチェスをし、彼らに意見を聞きます。
アインツ(1番)片目が傷のニコは眼球を焼いて食わせる、ツヴァイ(2番)おネエの雷蔵は乳房をはぎ取れ、ドライ(3番)陰気なカネダは千枚通しで刺す、フィーア(4番)丸メガネの科学少年デンタクは生体実験、フュンフ(5番)眼帯少年ダフは全裸にして焼く、ゼックス(6番)健全少年タミヤはリンチ、ジーベン(7番)お調子者ヤコブはくすぐり殺す、アハト(8番)美少年ジャイボはわかんないと笑います。女は彼らの世界史の教師で、ゼラを常川君と呼び懸命に笑いかけます。
ゼラは「光クラブにおいて、我はゼラと規定される」と仰々しく言い、女のブラウスを裂き乳房を掴んで醜いと言い、これが穢れた大人と言う生物の身体だ、バケモノだと演説します。あなたたちだって大人になるのよ!と叫ぶ彼女に、我々は成長を否定しているのではない、あなたが死ななかったことを否定しているのだと言い、ニコに制裁を命じます。彼らが絶叫する女の片目を焼き、ジャイボがメスで女の腹を裂き殺害します。
彼らは美を真理とし、愛や友情を含む感情を排し、知恵や数字を信奉し、大人になるまで生きる事を罪とする光クラブ十箇条を唱和し、「あいつが完成したら僕たちは無敵だ」とゼラが締めます。

工業地帯の淀んだ空気の中、蛍光中学校の狭い校庭では、彼らは普通に名前を呼びあいクラスの連中とサッカーをしています。ゼラは読書中で、傍らにはジャイボがいます。
夜、彼らは秘密基地に集合し一心に何かを製作しています。ゼラは玉座に座り、寄り添うジャイボに最強のコマ”クイーン”は誕生したが、誰かが裏切るかもしれないと呟きます。ジャイボは、自分のコマはどれ?僕のこと愛してる?と聞き、ゼラは彼に口づけしライチの実を這わせ「おまえの全てが少女のように美しい」と呟きます。
翌朝、進んで早朝作業をして眠そうなニコにゼラが声を掛けます。彼はぎこちなく常川君と呼ぶのを止めゼラと呼ばせ、アインツの称号を与えて正解だと労い、ニコは悦びに打ち震えます。

やがて”機械”は完成します。ゼラは一同を睥睨し、疲弊しきった醜い大人たちを否定し、我々光クラブこそが蛍光町に灯る唯一の希望の光なのだと説き、「ついに我々の優美なマシンを起動する、我々光クラブが蛍光町に君臨する日が来たのだ!」と宣言、一同は酒にライチの実とゼラの血を混ぜた”ライチ酒”を飲み干します。
ゼラはグラスに残ったライチの実をマシンの口に押し込み、デンタクが”悪魔の数列666”を押すとマシン”ライチ”の眼に光が灯り機動音が響きます。
「さあ!目覚めよライチ!我々には君が必要だ!」「ライチ!ライチ!ライチ!」…ライチはゆっくりと起き上がります。鉄板と電線や歯車を繋ぎ合わせた2mを越える巨体は、錆びついて軋み、その右眼にはゼラへの忠誠の証であり”真実を見つめる”ニコの眼球が嵌っています。コントロール装置を握るデンタクは愕然と「起動した…」呟きます。
それはゼラに問われ「ワタシ・ノ・ナマエ…ハ…ライチ」と合成音で答えます。目的は手から噴射する睡眠薬での”少女捕獲”。ゼラに命じられ、一同がその名を連呼する中、ライチはゆっくりと歩き始めます。興奮し見送る一同の中、タミヤだけは笑っていませんでした。

初の獲物は不細工な娼婦でした。次は子供の絵の看板、次は男…彼らは”少女”の定義に悩み行き詰ります。ゼラはライチに美を学ぶよう言い、デンタクは美術書や画集を見せバランスと色と曲線だと説明します。けれど、ライチは雷蔵も便器も曲線だから美しいと理解し笑われます。ダフとチェスをしていたタミヤは、無理なんじゃねぇの?、ゼラも案外バカなんじゃねぇの?とこぼします。
そこにゼラが現れ、張り詰めた空気の中、易々とポーンでチェックメイトを決めます。「君はポーンに殺された。それでも君は我々光クラブのリーダーなのかい?」と呟きます。
タミヤは、小学生の頃、この廃工場にダフとカネダを連れてきた創始メンバーでありリーダーでした。”ヒカリ”とはその3人の名から一文字づつ取った名前で、彼らは壁に大きく”光”と書き、その秘密基地の中でチェスをして遊んでいました。そこにやってきたのが変わり者の転校生、後にゼラとなる常川少年で、2人が反対する中、彼を受け入れたのもチェスを教えたのもタミヤだったのです。 この映画を無料で観る

【承】- ライチ光クラブのあらすじ2

ほどなくして、ライチは息を呑むほどの美少女の捕獲に成功します。「キレイダト オモッタ」と言うのを聞いたゼラは、デンタクが勝手にプログラムを変えた事に気づき、裏切り行為だと責めつつも讃え、変更点を聞かれたデンタクは”私は人間だ”という概念をインプットしたと答えます。
ゼラは少女に玉座を譲り「美の女神が降臨した」と讃え”少女1号”と名付けます。けれど彼女はゼラが語りかけても答えず、寝たふりをして切り抜けます。ゼラは最強の力と最高の美を手に入れたと言い、一同に彼女を性的対象にすることを禁じ、雷蔵に髪と顔を毎日拭くよう命じ、彼女の目覚めを待つことになります。
その時タミヤが、以前捕獲した一般人に食事が与えられていないと言い出します。彼らは檻に監禁され衰弱していました。それを見たゼラが汚らわしいブタめと呟くとニコがネイルガンでいたぶります。タミヤも情に流され十箇条に反したと責められ、「己をチェスの駒に見立てよ それに反して動くことはルールに反する」全員に復唱させます。

ほどなくしてタミヤは、創始メンバーのダフとカネダを誘い、幼い頃よく遊んだ埠頭に行き、昔流したボトルメッセージを見つけます。中には互いを一生の友達と讃えるメモと、赤ん坊の3人が並んだ写真が入っていて、彼らは久しぶりに大声で笑いふざけ合います。
やがてタミヤは光クラブで禁じられてることをやろうと言いだし、海に向かって「ダフ、カネダ、愛してるぜー!」と叫びます。俺たちはコマなんかじゃない、大人になるんだと。そして光クラブの一員でもあると。タミヤは「だって、俺たちの光クラブだろ」と呟きます。
空は排煙で濁り、海は暗く淀んでいました。

ある夜、玉座に拘束されていた少女は、誰もいない間に逃げようともがき始めます。その音で起動したライチは少女の前に進み「ウツクシイ」と呟きます。少女は逃がして、手錠を外してと言いますが、ライチはゼラの命令に反すると聞き入れません。やがて少女はお腹が空いた、何か食べさせてと言い、スプーンでシチューを食べさせるライチにロボットなの?と聞きますが、ライチは「ワタシハ ライチ ニンゲンダ」と答えます。
彼女はカノンと名乗り、自分の手で食べたいと言い出し、困るライチに、自分は人間なのに、これは人間の食事方法じゃない、ライチは私を人間だと思ってない、屈辱的で失礼だと訴えます。ライチは理解し、彼女の手枷を外します。
彼女はライチにシチューを浴びせ逃げ出しますが、シャッターは開かず、再びライチに睡眠薬を吹き掛けられ捕まってしまいます。

【転】- ライチ光クラブのあらすじ3

ある夜、雷蔵が玉座で眠るカノンの髪をとかしている最中、1人が触れようとしてニコに恫喝されます。デンタクはライチのメンテナンスに夢中で、タミヤは囚われ人に食事を与えていました。ニコは命令違反で間違ってると怒りますが、タミヤは間違ってない、こんなの光クラブじゃないと拒否します。
その帰り、タミヤはダフとカネダに少女を含め囚われ人を逃がそうと言い、成功したら光クラブを抜けよう、この3人がいれば光クラブだろ?と持ちかけます。カネダはゼラを怖れて断りますが、ダフはタミヤを信じてると引き受け、2人はカネダは再度誘ってみようと言って別れます。その様子をニコがじっと見つめていました。
が、ダフは一人秘密基地に戻り、眠っている少女の身体を触りながら自慰をし射精した瞬間、ライチに襲われます。

翌日の夜、ゼラはダフを少女に触れ自慰した罪と囚われ人を逃がした罪で処刑すると決定します。
駆けつけたタミヤは、仲間を処刑するなんてどうかしてると訴えますが、ゼラは笑って「処刑は君がやるんだ」と言い、君が2人と画策していたとカネダが証言したと詰め寄ります。カネダはライチの鉄の足に踏まれ苦しんでいました。タミヤはネイルガンを受け取らず逡巡するうち、ゼラに命じられたライチはカネダの背骨を折り殺害します。タミヤとダフは愕然とし、カノンもその瞬間を目撃していました。
ニコはタミヤにネイルガンを押し付け、ゼラは出来ないのなら君から処刑すると言いライチを呼びます。ダフは自らネイルガンの前に進み出て、我慢できなかった自分が悪い、このままだと君が処刑される、撃ってくれと訴えます。彼は、死ぬのは怖いけど君に殺されるなら大丈夫、女の子に触れて思い残すことは無い、とても柔らかくて暖かかった、撃ってタミヤ君と言い、じっと彼を見つめます。一同が殺せと唱和する中、タミヤはライチが真後ろに立った瞬間引き金を引き、ダフは絶命します。
「それでも君を高く評価している、これ以上がっかりさせないでくれ」とゼラが言い、処刑を終えます。

誰もいない基地で、カノンはライチに枷を外させ、血塗れの処刑跡を黙って見つめ、オルガンを弾き美しい歌を歌い、目の前がとっても暗いと言うライチにそれは”哀しい”と言うことで、この歌は死んだ人を哀しむレクイエムだと話します。
彼女は大粒の涙を流し、「人間なら、いくら強い人間の命令でもしちゃいけないことがある、あなたが本当の人間なら、人を殺しちゃいけないわ」と訴えます。
その頃、タミヤは2人の遺体を焼却炉に運び、囚われ人の焼死体に気づきます。彼は3人の赤ん坊の写真と共にそれらの遺体を焼いて弔います。
ゼラはカノンが起きない事に腹を立て、まだ裏切り者がいると疑っていました。

学校帰り、ニコはタミヤにおまえは結局ゼラを裏切る、追い出したいとケンカを売ります。けれど彼は、光クラブの今後や蛍光町に君臨する事の意味が答えられず、コマとしてゼラについて行けば解るとごまかします。タミヤは静かに光クラブの目的は達成した、もういいだろうと言い去って行きました。
一方基地では、ゼラがカノンに触ろうとしてジャイボに止められます。彼はゼラが勃起している事を咎めそんな子ほっときなよと言い愛撫し口淫します。が、それを目撃していたのはニコでした。
ニコは愕然とし、ライチに「この右眼は俺の眼なんだ」と語りかけます。それは、彼が皆の見ている前で先割れスプーンで自ら抉り出したもので、マシンには真実を見極める人間の眼が必要だと言うゼラに対する忠誠の証であり、惨めったらしい大人の世界を半分しか見たくなかったという彼の頑なな意志でした。その時、皆は狼狽え、ゼラは薄い笑みを浮かべただじっと見ていただけでした。
「ライチ…おまえの右眼は真実を見ているか?」…ニコはライチを拳で叩きながら、俺はアインツ一番じゃなかったのか?!ゼラ!と叫び、右眼だけじゃ忠誠が足りないのかと嬌笑します。

翌朝、ニコはジャイボにからかわれ、夜には、デンタクがライチの木が燃えているのを発見、ニコは呆然と木の側に立つタミヤに殴り掛かります。彼はもういいじゃないか、止めようぜと言う彼を殴り倒し、燃え盛る火を消そうと飛び込みます。
引き出された2人を見てゼラはイラつき、タミヤを処刑しておくべきだったと呟きます。ニコは全身火傷の重傷でしたが、それでもゼラに這い寄り声なき声で訴えます。ゼラはその手を踏みにじり、役立たずに用は無いと言い捨てます。愕然としたまま絶命したニコの手からは、焦げたライチの実が転がり落ちます。
動揺する一同に、ゼラは処刑を命じライチを呼びます。ライチはタミヤの首を絞め、興奮したゼラはその首をねじ切れと命じます。
カノンは俯いたまま目を開け、ライチをじっと見つめていました。その目を見たライチは「人を殺しちゃいけないわ」という彼女の言葉を思い出し、タミヤを放し混乱して倒れ、カノンは思わず「ライチ!」と叫んでしまいます。

振り向いたゼラは「美しい…」と駆け寄り、少女一号と呼んで跪き、光クラブに福音を!光クラブを導く光となってくれ!と叫びます。が、カノンは「あなたは最低よ」と言い捨てます。
ゼラは彼女の言葉に狼狽え、笑いながら僕のどこが最低なんだ?!と聞き、髪に触れようとしますが拒絶され、全てよ!醜いからよ!と言われます。彼は嘔吐し、生身の女には幻滅した、機械に改造しようと言い笑います。また、翌日14歳となる事を思い出し、明日改造する、その前に少女を美しく甘美な方法で処刑せねばと言い出します。
が、一同はライチを起動するのに1年半かかったと言い、無理だと騒ぎ始めます。ゼラはブチ切れ、どうやって創るかより、どうやって殺すかの方が重要だろ?!と喚き、甘美なる処刑のため町中のバラを用意しろと嬌笑します。

一同が去った後、ライチはカノンの声で起動し起き上がります。彼女はライチに偉いわと言って微笑み、ライチの協力で檻に捕えられていたタミヤを救い出します。タミヤはニコがゼラの命令で焼却炉に運ばれたと聞いて泣きながらライチに殴り掛かり、ライチも彼の気持ちを察します。
やがて彼は逃げようと言い出し、カノンはライチも一緒に逃げようと促しますが、あまりの重さに階段が壊れ出られません。カノンはライチを残して行けないと言い、ゼラに殺されると聞いても恐れずライチがいるから大丈夫だと残ることに。タミヤはニコの残した焦げたライチの実をカノンに投げ、2人は本名の田宮博、美晴カノンと名乗り合い分れます。

残ったカノンは、ライチが自らの意志で美しい、一緒にいたいと思い彼女をさらった事を聞き、でもやがてはおばあちゃんになっちゃうよと言い、明日殺されて機械になるとこぼします。カノンは人間だから綺麗、カノンと同じ人間になりたいと言うライチに、本当にそうなったら素敵と微笑みます。2人はカノンの歌う讃美歌に合わせて踊り、ライチは”楽しい”と言う気持ちを知ります。
やがてカノンはライチの膝で眠ります。オフになったライチはカノンの映像を見、カノンも同じ夢を見ているのだろうかと呟きます。 この映画を無料で観る

【結】- ライチ光クラブのあらすじ4

翌日、笛で目覚めた2人の前にはデンタク、雷蔵、ヤコブが居並び、中央のゼラが「おはよう 廃墟の恋人たち」と声を掛けます。
ゼラは2人を嘲り近寄りますが、ライチが立ち塞がります。彼はデンタクに命じてライチの電源を切らせ、カノンを奪うとライチの頭部に奇妙な機械を取り付けさせ、狂った機械を正常にするのだと笑い、怒るカノンを叩いて黙らせ、装置のスイッチを入れさせます。カノンは心の底から軽蔑するわ!と叫びますが無駄でした。
やがて、カノンはライチに抱えられ、バラの花びらで覆われた水槽へと運ばれます。彼女は懸命にライチを呼びますが、反応はありません。玉座のゼラは「穢れたブタから清らかな鉄製少女へと生まれ変わるのだ」と宣言し、デンタクの操作でカノンは水槽に落とされ、ライチに沈められ動かなくなります。
ゼラは素晴らしい処刑だったぞ、殺人マシン、ララライチ!と叫び高笑いしています。
皆が目を背ける中、デンタクは呆然としコントローラーを床に投げ捨て破壊、ライチはゆっくりと顔を上げ、水槽に浮かぶ彼女を見てカノンと呟き、左眼が赤く変わります。
ライチは呆然とするヤコブを創始の時に書かれた”光”の文字に叩きつけ、雷蔵の頭を潰して殺害します。ゼラは狼狽えデンタクに何とかしろ!と叫びますが、デンタクは虚ろな眼でライチを見つめ、「僕はついに誰もやらなかったプログラミングに成功しましたぁ!人間の心を…」全て言い終らぬうち、彼は下半身をもぎ取られます。
ライチは真の裏切り者はお前だ!僕の命令が聞けないのか!と怯えて叫ぶゼラに迫り、踏もうとしますがわずかに外れ、ゼラは失禁し水槽から漏れ出た水と混ざり合い、ライチの足元を濡らしていきます。ゼラが胎児のように丸まり「僕の光クラブが崩れてく…」と泣き出した時、ライチは水槽のカノンを抱き上げ、その冷たさに慟哭し、停止してしまいます。

それを見たゼラは燃料切れか、所詮は機械だなと嗤い、カノンの唇に舌を突き出した瞬間、タミヤにネイルガンで撃たれ振り向きます。
タミヤは「返してもらいに来た。俺たちの光クラブを」と言い、便器を振り回すのさえおぼつかず殺してやる!と怒るゼラにネイルガンを投げ、自分自身の手でやってみろよと迫ります。
タミヤはライチの木に火を着けたのは俺じゃない、ダフが逃がした2人も焼却炉で焼けてた、ダフやカネダは無実の罪で死んだ、おまえを最期まで信じていたニコもみんな死んじまった!と叫び、ネイルガンに額を当て俺はここだ、しっかり狙えと言い、本当の裏切者は誰かよく考えろと迫ります。ゼラが引き金を引けぬまま絶叫した瞬間、タミヤは首を刺され絶命します。

全身にタミヤの血を浴びたゼラはその赤く染まったメガネに映るジャイボを見て「おまえなのか?」と呟きます。
彼は自分はコマを自由に動かせるプレイヤーだと言い、「ゼラの心を奪う物なんていらない、光クラブなんてなくなっちゃえばいい」と呟き、ゼラに口づけしようとします。ゼラは怯え、バケモノ!と罵り拒絶します。
ジャイボはライチに抱えられたカノンの頬にメスを当て、「どうして僕じゃダメなの?僕を機械にすればいいのに」と言い切り裂きます。ゼラの悲痛な叫びを聞いた彼は、自分はもう綺麗じゃない、声変りが始まり髭も生えて来たと近寄りますが、ゼラに気持ち悪い!おまえは男じゃないか!と言われ、愛してるんだよぉと呻きます。

その時、カノンが目を開け、焦げたライチの実を持ち上げ、「ライチ、おなか空いたでしょう?」と呟きますが、実は塵となって消え彼女は再びうなだれます。…ライチ、美味しい?…ワタシニ ミカクハナイ…シカシ オイシイト カンジル…ライチの機械の眼に再び光が灯ります。
ライチは嗚咽するジャイボの後ろに立ち、脳天から叩き潰し、自分に危害を加えると自動発火するようプログラムされてるんだ!それでもいいのか?!と叫ぶゼラの頭を掴み、その腹に腕を打ち込み玉座に叩きつけ、殺害します。
ゼラは薄れゆく意識の中で、自分の腹からこぼれ出た臓物を見て、「醜い…あの女教師と同じんじゃないか…」と呟きます。その足元にあの奇妙なバケモノが現れ「おまえ、やっぱり喰われたな」と言い口元を歪めるのを見た彼は、うるさい、僕に話しかけるなと言い絶命します。

ライチは体中をショートさせながらも、カノンに近づいて行きますが、カノンの映像は乱れ、再び目を開ける事はありませんでした。
やがて、玉座が火を噴き、基地は爆発、崩壊します。
血色の靄の中、片腕の無いライチに抱かれたカノンは、目を開け、その頬に優しく触れ、少女と機械は、霧に包まれていきました。

みんなの感想

ライターの感想

1985年に劇団東京グランギニョルによる凄絶な舞台「ライチ光クラブ」を観た漫画家古屋兎丸が感銘を受け、描かれたのが本作の原作となった漫画版「ライチ☆光クラブ」で、この2本は色々相違点があるのだとか。
本稿は映画版「ライチ☆光クラブ」を鑑賞して書きましたが、漫画では古屋兎丸の「ライチ☆光クラブ」(全1巻)とその前日譚に当たる「ぼくらの☆ひかりクラブ」(上下巻)、また漫画を原作とした舞台劇のDVD版中村倫也主演の「残酷歌劇 ライチ☆光クラブ」も参考にしています。

何と言っても映画版の本作は、今を時めく若手俳優陣揃いで、圧倒的な世界観は橋本創、澤田石和寛、百武朋と言った特撮ファン感涙もののスタッフ揃い踏み、その上新進気鋭の内藤瑛亮監督なのですから申し分なし!と太鼓判を押したいところなのですが。
深く知るにつけ、そもそも古屋兎丸版がグランギニョル版のインスパイア作品だとするならば、本作は良くも悪くも内藤瑛亮版と言うのが正解かもしれません。
正直、BL要素も微妙に外れていて、マシン×美少女も微妙でしたが、友情部分はむしろ原作より抒情的で胸に迫るし、圧倒的世界観は言うに及ばす、だったらむしろ原作を踏み越えR15の大看板を盾に暴走し内藤版スチームパンク残酷劇!とハジケてしまった方がよかったのかもと思えたり。
ちなみにタミヤの妹タマコは存在せず、男性用便器もかなり活躍するものの象徴ではありません。また、非常に残念なことに、物語の最重要要素である常に逼迫している貧困と言う現実、ゼラが14歳になる事にこだわる意味も割愛されています。
台詞はかなり割愛してありますが、独特の言い回しには魔力があり、中2病的要素満載なので、お心当たりの方はぜひ一度お試しあれ。

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