「天の茶助(SABU監督)」のネタバレあらすじ結末

天の茶助の紹介:2015年公開の日本映画。『うさぎドロップ』でコンビを組んだ松山ケンイチを主演に据え、SABUが自身初の小説を映画化したファンタジー。人間の女性に恋してしまった天界の住人が、その命を救うために、下界へと降り立って騒動を繰り広げるさまを描く。人間の運命は天界にいる脚本家が書いているというユニークな設定と、オール沖縄ロケで描かれる美しい映像が見もの。

天の茶助(SABU監督)の主な出演者

早乙女茶助(松山ケンイチ)、新城ユリ(大野いと)、種田潤一(大杉漣)、彦村ジョー(伊勢谷友介)、チャーリー・ポン(田口浩正)、早乙女茶子(玉城ティナ)、黒木(寺島進)、根岸一輝(RYO)

天の茶助(SABU監督)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①地上の人間は天界の脚本家たちが書いたシナリオ通りに生きている。天界の脚本家たちのお茶くみをしていた「茶助」は、自分が好きな女性・ユリが事故で死ぬのを阻止するため、地上に降りた。 ②ユリを助けた茶助は、地上であらゆる奇跡を起こし、病人や障害者たちを救っていく。話題を呼び、茶助にすがる人は増えていく。 ③一方で茶助を快く思わない者が命を狙い、茶助とユリは銃弾に倒れた。しかし生き返り、茶助はユリと2人で生きる道を選ぶ。

【起】- 天の茶助(SABU監督)のあらすじ1

この世界では「天界」というものが存在し、「下界(人間世界、地上で生きる人たちの世界)」の人たちの人生は、すべて天界の脚本家たちの手によって書かれていました。天界は白い霧が一面に漂う広大な世界で、無数の脚本家がいます。
天界の脚本家たちは、みな白い頭巾に白装束の和装で、それぞれ白い巻紙に向かうと、筆で文字をひたすらしたためていました。
下界の人間は、脚本家が紡ぎ出すシナリオによって人生を歩んでいます。
天地万物の主宰者であり、全知全能の絶対者、そして脚本製作総指揮をつとめるのは「あのお方」でした。
「あのお方」は、たくさんいる脚本家をまとめ、たまに風になって現れて、非常に大雑把なメッセージを残して去って行きます。
若い男・茶助は、脚本家たちのお茶くみの仕事をする役目でした。毎日ひたすら、お茶を淹れます。
ある日、「あのお方」がいつものように風に乗って現れ、『斬新』という大雑把なメッセージを残しました。皆、悩みます。
茶助も意見を求められ、「設定を変えてみれば」と言います。今日びの若者たちは合コンした後カラオケボックスに流れ…という設定が流行していました。
ちなみに1人の人間を1人の脚本家が担当しています。互いの人間、互いの脚本が連動していますので、仮に1つを変更すると、当然のことながら他の所にも影響が発生します。
茶助は個人的に、勘助という男が担当する「新城ユリ」という若い女性に興味を持っていました。ユリは3歳の時に両親が離婚してから喋らなくなり、花屋でバイトをして生活しています。
さて『斬新』に設定を変更…ということでコンビニで合コンさせてみた結果、1人の男・康夫がプロポーズに失敗し、やけになって車を暴走させました。
その車がユリを轢き、ユリは死んでしまいます。
「それは嫌!」と茶助は強く思い、勘助も「下界に行ってユリを救ってくれ」と言いました。シナリオに連動しない天界の茶助ならば、シナリオを書きかえられるだろうというわけです。
他にも何人かの脚本家が茶助に協力することになりました。「我々はサインで手助けするから」と言った脚本家たちは、茶助を下界に降ろします。
…日本の沖縄。
商店街のイベント『エイサーナイト』の祭りの真っただ中に放りこまれた茶助は、祭りの波に呑まれてもみくちゃにされました。
そんな茶助を救ってくれたのは種田潤一という中年男性です。「雨助」が担当しているシナリオの主で、60歳の独身男でした。
俳優になりたかった種田は50歳で俳優を諦め、その後は職を転々とした後、ホームレスでいるところを水難でレスキュー隊に救助され、以後は両親の助けで骨董品店を経営していました。
ユリは種田の店の馴染み客でした。雨助がサポートしてくれていると感じた茶助は、種田と共にラーメン屋に行きます。
そこの店主は彦村ジョーという男です。彼は〝彦ちゃんラーメン〟の店主で、「化助」が現在執筆中の主人公でした。 この映画を無料で観る

【承】- 天の茶助(SABU監督)のあらすじ2

彦村はホームレスの両親の間に生まれました。母はホームレスの間でアイドル的な存在で、複数の男性と関係がありました。母は出産後まもなく脳内出血で死亡し、彦村は父親を名乗る10人の男性に育てられます。
子どもの頃の遊び場は主に市場で、人波をかき分けながらサッカーボールをドリブルする彦村の姿を見た地元名門サッカーチームのコーチにスカウトされ、天才少年と呼ばれマスコミが群がりました。
ところがマスコミへの露出で出自がばれ、「ホームレス少年」と騒がれてクラブを辞めます。やさぐれた彦村はボクシングと出会いますが、「ホームレスボクサー」とマスコミの雑誌編集者にすっぱ抜かれ、その編集者を殴ってボクシング界から追放されました。
犯罪に手を染め逮捕されて少年院へ送致された彦村を、10人の父親たちが更生させようと考えます。
彦村の父親たちはいずれも元社長で、事業の失敗によってホームレスになった者たちでした。彦村は父親たちの教育を受け、大学に入学します。
そこで出会ったスター女優・朝倉美雨と恋人になった彦村は、美雨と陶芸を一緒にしました(アメリカ映画『ゴースト ニューヨークの幻』のワンシーンの真似)。美雨のロケ撮影に同行して船に乗り、舳先で抱き合ったりしますが(アメリカ映画『タイタニック』のワンシーンの真似)、彦村と朝倉の乗った船は氷山にぶつかって難破しました。彦村は救助されますが、美雨は帰らぬ人となりました。
彦村は一時は後追い自殺も考えますが、踏みとどまり、美雨と一緒に作ったどんぶり鉢を使用したラーメン店を開きます。ユリはそのどんぶり鉢が気に入って、ラーメン店に通い続けていました。
彦村と種田に出会った茶助は「天界からの援護だ」と気づきます。彦村がカラオケボックスのタダ券を持っており、3人は店に移動しました。カラオケボックスにはユリを轢く相手・康夫がいますから。
カラオケに行く途中で名前を聞かれた茶助は、名を言いかけて戸惑いました。言いかけてやめたので、種田と彦村は「チャス」と思われます。
店に到着すると、茂田光男という男性に会いました。この男は彦村を幼少期から敵視している男で、彦村がサッカーチームでエース的存在になったのを快く思わなかった茂田がマスコミに情報を売った主です。
彦村と茂田が殴り合いの喧嘩に発展し、ナイフを出した茂田を茶助が取り押さえている間に、ユリが通り過ぎました。茶助はあせります。
しかもなぜか人波に白塗りの警官男が登場しました。白塗り警官は「チャャャャャース!」と言いながら発砲し、茂田が撃たれます。その間にユリを轢く相手・康夫も店を出て行きました。白塗り警官は、茶助の行動を阻止する勢力と思われます。
このままだとユリが轢かれてしまうと思った茶助は、商店街を全力疾走し、近道を通ってユリの元へ行きました。ユリに追い付いて突き飛ばして康夫の暴走車から助けますが、別方向からも車が突撃し、茶助とユリは救急搬送されます。
一度は心停止になった茶助ですが、無事でした。

【転】- 天の茶助(SABU監督)のあらすじ3

翌朝、病院を抜け出した茶助は、彦ちゃんラーメンの店が壊されているのを見てキレました。ヤクザの黒木の舎弟たちを睨むだけで、茶助は相手を倒せます。黒木がナイフを持って立ち向かってきますが、これも睨んで撃退しました。
商店街を歩いた茶助は、天使の羽を見つけて背負ってみます。飛べませんが、車椅子の少年・優を見つけた茶助は手をかざして、ハンドパワーで少年を歩けるようにしました。
この奇跡の様子を見た優の祖母は泣いて喜び、茶助を「天使様」と呼びます。種田が奇跡の一部始終を撮影し、You Tubeにアップロードしました。
翌日から種田の骨董品店には「天使様」を求める長蛇の列ができました。You Tubeのアクセス数が爆発し、種田がツイッターでもつぶやいてしまったから集まったのです。
「あのお方」の『斬新』というメッセージを、茶助は「こっちで好き勝手に暴れて、脚本をぐっちゃぐっちゃにしてしまったらいいのではないか」と考え、行動に移しました。最悪なシナリオで生きている人々を、最高のシナリオに書き変えてやろうと思ったわけです。
こうして茶助は、視覚障害の13歳の少女の目を見えるようにしたり、左ほほの痣を気にする女性の痣を消したりしました。お金はとりません、ボランティアです。
能力を使うたびに茶助は吐き気と頭痛に襲われますが、横で奇跡を見た種田は喜びました。彦村が茶助を、意識不明のユリのところへ連れていきます。
茶助は手かざしでユリの意識を回復させます。起きたユリに紹介されている横で、茶助はげろっと吐きます(能力の副作用)。
最悪の出会いだと茶助は思いますが、そうでもありませんでした。ユリは骨董品店を訪れ、「私もお手伝いします」と書いた文字で意思表示します。もちろん茶助は大歓迎です。はっきり言っちゃいましょう、茶助はユリが好きなのです。
こうして茶助は連日、無償で病人たちを助けて奇跡を起こしました。評判を聞きつけたテレビ局が、茶助を呼んで特別番組を製作することにします。
テレビ局に呼ばれた茶助は、スタジオでチャーリー・ポンという司会者に会いました。彼は本名を「飛田 信(とびた しん)」といい、脚本は平助が担当するお笑いマジシャンです。
ポンは関西に生まれ、父は行方不明、母はスリ師をして暮らしていました。映画好きの母は『グロリア』の影響で、いつもトレンチコートを着ています。映画館でスリの仕事をする母について、ポンも映画を見ており、チャーリー・チャップリンの作品のファンでした。
『街の灯』を見ている時、スリがばれて母は相手の男に刺されて死にます。以後、施設に預けられたポンは「電さん」という伝説のスリ師と出会い、趣味のマジックを見せてもらって魅了されました。
電さんの影響でマジシャンの道を選んだポンは「ワン、ツー、スリー、ポーーン!」という掛け声で受けて、スターダムにのしあがりました。
ポン司会の番組収録中に、康夫と白塗り警官が乱入します。
白塗り警官は発砲し、弾はポンの腹部に命中しました。茶助は手かざしでポンの腹の弾を取り出し、一部始終が生放送されます。 この映画を無料で観る

【結】- 天の茶助(SABU監督)のあらすじ4

刑事に事情聴取された茶助は、自分に経歴ができていることを知りました。茶助は土佐の生まれで、代々漁師を営む「早乙女」家の長男坊だそうです。
小学時代は「ちゃっすん」というアダナの人気者で、中学時代は暴走族「土佐蛇鬼(とさじゃき)」の特攻隊長を務め、高校時代はロックに目覚め「ザ・リョウマーズ」を結成するも方向性の違いで解散した茶助は、高校卒業と同時に上京しました。
生活費を稼ぐためにウエイターをし、全国ウエイター選手権で優勝してベストウエイターの座に就きますが、アパートが不審火で全焼し、放火犯に疑われて逃走して、コンテナに忍び込んで沖縄に上陸します。
助けてもらった流星会・沢村一家の組長・沢村健三の舎弟になった茶助は、極道の道へ進み、組長の盾となって撃たれて以後行方不明…だそうです。
バカげたシナリオ…と思った茶助は声を荒らげますが、出て来た言葉は「ワイは知らんぜよ」…すっかり土佐弁です。茶助に脚本家がついた模様です。
しかしふと茶助は思います。もしかしたら刑事が言った経歴は本当で、組長の盾となって一度死んだ茶助は天界でお茶くみをしていたのでは…それで、このたび下界に降りたのでは、と。
その頃には茶助は自分の経歴を信じていました。元ヤクザだったのだ、と思った茶助は、ユリを連れてホテル街を歩き、ラブホテル『ル・マン』に入りたいな…と思います。
しかし沢村組と敵対する黒木(彦村のラーメン店を壊した人物)が現れました。黒木を撃退しますが、ポンも登場して弟子になりたいと志願します。「芸を教えてくれ」と頼むポンに「ゲイじゃねえし」と返しました。
ラブホテル『ル・マン』に未練を残しつつも、能力を使いすぎて吐いた茶助は、ユリとポンに支えられながら種田の骨董品店に戻ります。
上半身を脱いだ茶助には、入れ墨が浮き出ていました。確か楽屋で着替えた時には何もなかったのに…と驚く種田ら一同に対し、茶助は事情をぶちまけます。
茶助は種田、彦村、ポンらのエピソードを、本人らしか知らないことも含め、こと細かに述べました。その上で天界からユリを救いに来たと告げました。種田、彦村、ポン、ユリは茶助の言ったことを信じます。
生放送を見て、奇跡を求める客がさらに増えました。茶助の妹・茶子もアヴェ・マリアを歌いながらやってきます。
茶子は小学1年の時に小型ボートを盗んでアメリカを目指し、6日半漂流した後に無人島へ漂着し、以後アメリカの巡視船に救助されるまでの150日間、海藻類を食べていきていました。
漂流生活でワカメなど海藻類に興味を持った茶子は研究を重ね、小5でワカメダイエット本を出版、中2にはメカブをひっさげて「海藻の魔術師」と呼ばれるカリスマ的存在となります。
妹・茶子は茶助に警告しました。無料で奉仕していると「治せる筈の者を治してなかったということになる(怠惰だ)」という警告です。
茶子の言う通りでした。ボランティアで奇跡を起こす茶助を、患者たちは「あたりまえ」と思い始め、茶助の奇跡を待つ列は勝手なことを言い始めます。時間帯指定しろとか、仕事があるから早くしてくれ、とか。
その裏で、黒木は茶助を狙い2人のスナイパーを派遣します。
茶助の奇跡を待つ列が文句を言い、商店街の店主らが「車椅子が邪魔」と文句を言い、具合が悪くなる患者に付き添う人が文句を言い、その騒動を聞いて店を出た茶助を、スナイパーが狙撃します。
茶助は撃たれ、続けて撃たれそうになった茶助を庇おうとユリも出てきて、弾を受けました。白塗り警官も茶助を撃とうとしますが、彦村のタックルで狙いがそれ、弾は康夫に当たります。
商店街は騒然としました。奇跡を呼ぶ「天使様」に去られては困るので、種田や彦村を手伝い、商店街にいた人らは茶助を神輿にあげ、病院へ連れていこうとします。
しかし祭りの列が邪魔で通れません。半死半生のユリは神輿にのぼり、茶助を抱きしめます。
…茶助とユリは生き返りました。死にそうになった間際に「茶助さーん!」と呼ぶユリの声が聞こえたように思えますが、心の声かもしれません。
茶助は〝(天界の)永遠〟より〝(地上でユリと)生きる〟ことを選びました。
沖縄の浜辺をユリと手を繋いで歩く茶助はこう思います。人の祈りの力は絶大で、斬新なだけのシナリオなんかよりも何倍も尊くて、だからあきらめずに祈り続けていれば、きっと新しい人生のシナリオが始まる。人生は変えられる。運命なんてクソくらえだ、と。
「なんちゃじゃないき」

みんなの感想

ライターの感想

…SABUワールド全開。
コメディ風味のファンタジー。ただし、カテゴリを決めるのは難しい。バイオレンスもあるし、ラブ要素もあるし。
どこからどこまでが本気? と、つい突っ込んでしまいそう。
小ネタあり、笑いあり、天界から降りてくるストーリーなのに、なんだろな、このユルさ。
沖縄テイストもふんだんにあり。キャストも豪華。ストーリーはあまり細かなことを突っ込まず見れば楽しい。

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