「東京上空いらっしゃいませ」のネタバレあらすじ結末

東京上空いらっしゃいませの紹介:1990年公開の日本映画。相米慎二監督作品で、女優・牧瀬里穂、脚本家・榎祐平(のちの映画プロデューサー・榎望)、それぞれのデビュー作にあたる。一度は天国へ行ったものの、気のいい死神をだまして地上へ舞いもどった少女の姿をファンタスティックに描く。

この映画を無料で観る

東京上空いらっしゃいませの主な出演者

雨宮文夫(中井貴一)、神谷ユウ(牧瀬里穂)、コオロギ&白雪恭一会長(笑福亭鶴瓶)、田中郁子(毬谷友子)、早瀬俊夫(出門英)、和田毅(竹田高利)、橋本勝(藤村俊二)、中野豊(工藤正貴)、川村(谷啓)、雨宮武夫(三浦友和)

東京上空いらっしゃいませのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①キャンペーンガールに抜擢された神谷ユウは、これからという矢先に白鳥会長に迫られて拒否し、交通事故死する。現世に心残りがあるユウは、死の案内人・コオロギを騙して現世に戻る。 ②ユウの心残りはささやかなものだった。バイト生活を満喫したユウは、ほんのちょっぴり雨宮とも恋をして成仏する。残された雨宮は切ない思いをしつつ、新生活を始めるのだった。

【起】- 東京上空いらっしゃいませのあらすじ1

神谷ユウはそれまではごく平凡な16歳の高校生でしたが、スカウトされて、あるキャンペーンのキャンペーンガールに大抜擢されました。街のあちこちにユウの巨大ポスターが貼られています。
これからアイドルとして華々しくデビューを飾るはず…だったのですが、その矢先に事故が起きます。そのキャンペーンのオーナーの、白雪会長のすけべ心が原因でした。
白雪会長がユウとゆっくり話をしたいと言い、リムジンに乗せます。後部座席でユウに帽子をプレゼントした白雪会長は、「1年前とは見違えるようだ」と言って、手袋の上からユウの手を舐めます。
「僕の力でもっと大きくしてあげる」と言う白雪会長は、暗に肉体関係の要求を匂わせました。拒んだユウは車を降りますが、座席が走行車線(右側)だったため、後続車に撥ねられてそのまま死にます。
次の瞬間、ユウはすすきの原で目覚めました。頭上から降りて来た、死後の世界の案内役・コオロギが白雪会長と同じ顔なので、瞬時に逃げようとします。
それはコオロギのせいではありません。最期に網膜に強烈に焼き付いた人物の顔が、コオロギの姿になるのです。
コオロギはユウに、自動車事故で死んだことと、自分は死を納得してもらうのが仕事だと告げました。ユウは納得がいかないと言い、死の原因となった白鳥会長と同じ顔をしているんだから責任を取れと言います。
もし心残りがあるのならば、生前の自分の姿でなければいっときの間、地上に戻ることが可能だとコオロギは答えました。
では…と、ユウは地上にある、巨大なポスターの顔を指さし、コオロギは快諾しました。ところがそれはウィッグをつけたユウの姿で、コオロギは騙されたのです。
こうしてユウは生前の自分の姿で、いっとき現世に戻りました。
地上に戻ったユウは、自分を白雪会長にゆだねようとしたマネージャーの青年・雨宮文夫にひとこと文句を言ってやろうと思い、雨宮の住むマンションの一室を訪ねます。
ユウの訪問を受け、雨宮はびっくりします。白雪会長の接待を拒んで戻ってきたのかと慌てますが、その時にキャンペーン担当の和田より電話をもらい、ユウが死んだのでキャンペーンのその後の打ち合わせなどの後始末のため、深夜にもかかわらず呼び出されました。 この映画を無料で観る

【承】- 東京上空いらっしゃいませのあらすじ2

目の前にユウがいるのに…と半信半疑で出かけた雨宮は、病院の霊安室でユウの死体と悲しむ遺族を見て、さらに驚きます。
ユウの死はしばらく伏せられることになりました。キャンペーンガールの急死はスキャンダルになるかもしれないと、白鳥会長が判断したからです。
そのため、とりあえずは表向きユウは体調不良で養生していることになりました。打ち合わせで決まります。
その頃、雨宮の部屋に潜伏したユウを追って、コオロギがやってきました。遅ればせながらポスターの人物がユウだと知ったコオロギは、現世をパニックに陥れたらダメだと言い、すぐにあの世へ行こうと誘います。ユウは拒否し、揉めているところへ雨宮が帰宅したので、コオロギは隠れました。
帰宅した雨宮は、やっぱり家にユウがいるので混乱します。ユウに足があるのを確認しますが、ユウは自分が死んだことを認めました。雨宮は自室にコオロギ(白鳥会長の姿)を見つけて混乱し、さらにコオロギが目の前で消えるのを見て軽いパニックに陥ります。
再び現れたコオロギは、ユウの死を知っている相手に会うのだけは禁止と言い聞かせ「とにかく、現世を混乱させるのだけは御法度」と言って立ち去りました。雨宮は死を知る前に会ってしまったから例外になるそうです。パニックになりながらも雨宮は、置かれた現状を理解します。
翌日、雨宮へ置き手紙をして出かけたユウは、外出しました。途中、同級生の男の子・中野豊に会っておしゃべりしますが、豊はユウの死を知らないので問題はありません。
ユウはキャンペーンガールに抜擢されて多忙になり、もう7カ月も学校に顔を出していませんでした。豊は「たまには学校来いよ」と言って笑って立ち去ります。
実家に戻ったユウは、コオロギにバッテンでNGサインを出されます。家族たちは当然、ユウの死を知っているので、会うのは御法度なのです。
実家には白鳥会長が訪問をし、自動車事故はユウが悪いような説明をしていました。それをぬすみ聞きしたコオロギは、自分と同じ顔の白鳥会長のことを「悪い奴っちゃな」と言います。
家族と会うのを禁じられたユウは、物影から両親をこっそり見て立ち去りました。雨宮の部屋に戻ると、出社した雨宮に電話をかけ、しばらく厄介になると宣言します。

【転】- 東京上空いらっしゃいませのあらすじ3

雨宮はユウの存在を持て余しながらも、現世の心残りを聞きます。ユウは、バイトを探して学校に行きたいと言いました。特にバイトは、一度は経験したかったもののようです。
雨宮は同じマンションの隣室女性・田中郁子と、いい関係でした。今でいうところのセフレ…つまり肉体関係はあるのですが、お互いを拘束するつもりはない間柄です。とはいうものの郁子としては、長時間他人と一緒にいることを好まない雨宮に、少しは好意があるようでした。
その雨宮が、ユウを部屋に入れて一緒に暮らし始めたから、やきもちを焼きます。
郁子もユウの死の事情を知っている、数少ない人間のひとりでした。最初にユウが雨宮邸に入りこんだ時、雨宮は郁子を口説いている真っ最中だったので、ユウが死んでいるのを知っているのです。
死んでいるのを知っていながらも、雨宮のそばにずっといるユウを羨ましく思います。
ユウは街の中のファーストフード店に面接に行き、バイトを決めました。バイト代は日給で支払ってもらいます。慣れない作業ですが、ハンバーガーを焼いたりポテトを揚げたり、接客業を楽しみました。
ユウのバイト先と知らず入った雨宮と郁子は、ユウと鉢合わせします。郁子は気まずくて帰り、雨宮はバイト帰りのユウに、カスミ草の花束(バラは高かったので1本だけ)をもらい「邪魔だけど、もう少し置いてください」と頼まれました。
ユウは新たにバイトをして、できることならば一からもう一度人生をやり直したいと考えていました。生まれ変わってやり直すのではなく、現世でこのまま、第二の人生を歩みたいと思っているのです。
雨宮はファーストフード店のバイトを楽しむユウが健気に思えてきました。そもそもユウが若くして死んだ責任の一端が自分にある…そう思えてならないのです。人生を楽しむ前に死んだユウが、バイトなどささやかなことをして心残りを満喫(?)しているのが、いじらしく、可愛く思えてきました。そしてその感情は恋に変わっていきます。
その頃、白鳥会長は考えを変えていました。キャンペーンガールの急死をむしろ利用することによって、キャンペーン自体のインパクトを強烈に演出できるのではないかと考えたのです。
その裏には、マスコミがユウの事故現場を押さえたことも関係しています。交通事故の瞬間、ユウが白鳥会長の車から降りたこともばれているので、白鳥会長はマスコミから写真を高く買い、握りつぶそうとしていました。

【結】- 東京上空いらっしゃいませのあらすじ4

そしてユウの追悼特集を組み、次のキャンペーンガールを早急に募ることで誤魔化そうとします。白鳥会長の徹底した非道ぶりに怒った雨宮は、マスコミに写真を取りに行って自分が持ちました。
ユウの17歳の誕生日がきました。
雨宮は屋形船を借りてユウを乗せると、豪華なバラの花束をプレゼントして誕生日を祝います。そしていつまでも自分のそばにいろと言いますが、ユウの方は徐々に心の整理をつけてきました。「いつまでいられるのかな」と呟きます。
白鳥会長に呼び出された雨宮は、写真を盾に取って会長を脅し、キャンペーンを続行しろと主張しました。ユウは段ボールをかぶって日本刀片手に潜入し、白鳥会長の前で顔を見せると、竹槍で会長に復讐しようとしますが、コオロギの邪魔が入って果たせません。
ユウを見た白鳥会長はおそれおののきました。逃げた雨宮とユウは、会長のびびり具合に笑います。
ルール違反をしたので、コオロギが迎えに来ます(ユウの死を知る白鳥会長の前に顔を出した)。ユウはもう少しだけと要求し、雨宮が背広でコオロギの顔をぐるぐる巻きにして、逃亡しました。
クラブで雨宮がトロンボーンを吹き、ユウは『帰れない二人』を歌って踊ります。
車で移動した2人は初めて気持ちを重ね合わせ、キスをしますが、これでもうユウの心残りはなくなりました。俺も死ぬと雨宮は言いますが、ユウはそんなことは望んでいません。
ユウは雨宮に礼を言うと、コオロギと立ち去りました。傘を持ったコオロギと、雨宮のトロンボーンを持ってきたユウは、楽しそうにあの世に旅立ちます。
…後日。雨宮は会社を辞め、父の仕事を手伝うことにします。雨宮の父は大会社のオーナーで、雨宮はかねてから兄・武夫に誘われていたのですが、気ままなサラリーマン生活をしていました。
心機一転、マンションも転居する予定です。郁子は寂しく思いながらも、雨宮との別れを受け入れました。
ユウにトロンボーンを持ち去られた雨宮は、新たなトロンボーンを買いに楽器店へ行きます。横に、ユウに似た女性が買い物をしています…。
(ラストシーンに特に意味はない。ユウが生き返ったわけではなく、むしろユウは成仏した。ユウにそっくりの女性がいるのは、雨宮に新たな恋のチャンスがあるということを暗示させたい演出だと思われる)
(エンド後)『空いた名前ふたつ 小島良雄と中野俊夫に捧げる』

みんなの感想

ライターの感想

牧瀬里穂の映画デビュー作。今見ても思うが、すごくいきいきしている。
彼女の出演作で秀逸なのは『つぐみ』だが、今作品でも好演している。中井喜一が彼女に翻弄する役を、これまた上手に演じている。
バブルの頃…という感じの映画でもある。
牧瀬の一本調子の受け答えの感じが、演技が下手というのではなく、「つくりもののアイドル」といった感じの演出になっていて、よい。
お涙ちょうだいのありがちな展開にならず、あっさりと、若干コミカルなテンポで描かれているのもよい。

映画の感想を投稿する

映画「東京上空いらっしゃいませ」の商品はこちら