「河童のクゥと夏休み」のネタバレあらすじ結末

河童のクゥと夏休みの紹介:2007年公開の日本のアニメーション映画。木暮正夫の児童向け小説「かっぱ大さわぎ」と「かっぱびっくり旅」を原作としている。文部科学省特別選定作品及び、日本PTA全国協議会特別推薦作品となった。

予告動画

河童のクゥと夏休みの主な出演者

クゥ(冨澤風斗)、上原康一(横川貴大)、上原保雄(田中直樹)、上原友佳里(西田尚美)、上原瞳(松元環季)、オッサン(安原義人)、クゥの父親(なぎら健壱)、菊池紗代子(植松夏希)、座敷童子(井上里花)、キジムナー(ゴリ)

河童のクゥと夏休みのネタバレあらすじ

【起】- 河童のクゥと夏休みのあらすじ1

時は江戸時代。竜神沼に住んでいる河童の親子は、侍を待っていました。
父親河童は子ども河童を隠し、悪徳商人と癒着するその侍と対峙します。父親河童の目的は、自分たちの住処である沼を埋め立てる話を取りやめてもらうように頼むことでした。しかし、話の内容を聞かれたと勘違いをした侍は、父親河童に刀を向けます。
そこへ子ども河童が大きな鯉を持って現れると、動揺した侍が父親河童を斬り殺してしまいます。さらに、子ども河童にも手をかけようとしますが、突然地震が起きます。子ども河童は地割れに落ちていきました。

夏休みを控えたある雨の日、東京都東久留米市の小学校に通う上原康一は、帰り道の川沿いで奇妙な石を見つけます。裏側が亀のような形をしている石を持ち帰って洗うと、なんと石の中から小さな河童が姿を現します。
河童の第一声が「クゥ」であったことから、康一はこの河童にクゥと名付けるのでした。クゥは衰弱していましたが、頭の皿に水をあげると徐々に回復していき、やがて言葉を話すようになります。
クゥが生まれたのは江戸時代で、ずっと地中で生き埋めになっていました。クゥは父親を侍に殺されたことを思い出し、侍を怖がります。しかし、今では外の世界はすっかり変化しています。
伝説上の生き物であった河童を目の前に、一家は驚きを隠せませんでした。康一の熱意に押されて、父親の保雄はクゥを家に置くことを許可します。ただし、クゥの存在は一家だけの秘密にすると誓いを立てます。
クゥが来て以来、保雄は会社を早めに切り上げて、康一たちと遊ぶようになります。母親の友佳里は河童を気味悪がり、一緒に暮らすことを反対しますが、次第にエサのことを考えたりなど、世話を焼くようになります。
クゥが現れてかまってもらえなくなった妹の瞳だけは、クゥを邪険に扱うのでした。

【承】- 河童のクゥと夏休みのあらすじ2

夏休みの間、康一はまるで兄弟のようにクゥと寝食を共にします。相撲が得意なクゥは、瞳と康一、そして保雄と対決して見事勝利を収めます。その後クゥは保雄にビールを飲まされ、酔っぱらって眠りにつきます。
夜中に目覚めたクゥは、康一が飼っている柴犬の「オッサン」と、生まれて初めてテレパシーで会話をします。クゥはこっそり外に出て、水たまりで遊んでいると、通りすがりのカップルと鉢合わせてしまうのでした。
ある日、クゥは突然仲間の河童がいるところへ帰りたいと言い出します。数百年もの間地中にいたクゥは、外の世界がどう変化しているのか知らなかったのです。周りに人間しかいないことに落ち込むクゥの姿を見て、康一は今なお河童伝説が語られる岩手県の遠野に、クゥを連れて行くことを決意します。

それは康一にとって、初めての一人(とクゥ)旅でした。雄大な自然に囲まれた遠野には、澄んだ川が流れていました。そして住民が「河童を捕まえたら1000万円」と噂しており、河童への期待が膨らみます。康一はクゥをリュックに入れて各所を巡りますが、河童はどこにも見当たりませんでした。
2人は座敷童子がいるという旅館に泊まり、クゥは座敷童子と遭遇します。座敷童子に河童のことを尋ねると、ここ100年は見ていないと言われてしまいます。結局河童を見つけられませんでしたが、クゥは久しぶりにキレイな川で気ままに泳ぎを堪能したのでした。そして、自分をライバル視する瞳へのお土産に、川で拾ったキレイな石(本当はガラス)を用意していました。

遠野から帰宅すると、家の前にマスコミの記者が押し寄せていました。彼らは「上原さん家の河童」という噂を聞きつけて、強引にクゥが入っているリュックを漁ります。カメラを向けられて怯えたクゥは、超能力のような力でカメラを破壊します。
マスコミはクゥの写真を雑誌に掲載し、それ以来自宅の周りを取材班や多くの野次馬に取り囲まれるようになってしまったのでした。
康一は友達に河童の存在を問われますが、本当のことを言い出せず、次第に誰とも上手くいかなくなってしまいます。しかし、康一が密かに想いを寄せるクラスメイトの菊池紗代子だけは、話しかけてくれたのでした。
そして、保雄は会社の取引先から圧力をかけられます。クゥをテレビに出演させてほしいと頼まれ、断りきれませんでした。

【転】- 河童のクゥと夏休みのあらすじ3

クゥはお世話になっている上原一家のために、テレビに出ることにします。
収録当日、クゥは番組に登場した民俗学者を見て驚愕します。その男は、かつてクゥの父親を斬り殺した武士の末裔だったのです。民俗学者は先祖代々伝わる本物の河童の腕を持ってきていました。それはクゥの父親の腕で、クゥは腕を抱きしめながら号泣します。
「人間を困らせたイタズラ河童の腕」と説明する民俗学者に対して、クゥは「父親は沼の干拓を止めたかっただけ」と食ってかかり、またもや不思議な力でカメラや照明を壊します。収録現場は騒然となり、パニックに陥ったクゥは父親の腕を持って逃げ出してしまいます。一緒に来ていたオッサンは、呆然と立ったままの上原一家を非難し、クゥを外へ連れ出すのでした。

オッサンは野良犬だったところを、幼い康一に拾われて「オッサン」と名付けられました。オッサンの前の飼い主も男の子で、仲良くしていたのですが、男の子は学校でいじめられるようになります。その憂さを晴らすためオッサンに暴力を振るうようになり、最初は耐えていたオッサンも、ついには脱走してしまったのです。
そのため、オッサンは上原家の人々に感謝の気持ちをもちながら、いつ前の飼い主のようになってしまうかわからないと考えていました。人間というのは複雑な生き物なのだと、オッサンはクゥに諭します。

オッサンは東京タワーまでクゥを連れて逃げますが、野次馬が運転する車に轢かれてしまいます。
今際の際にオッサンは、かつての飼い主のことを思い出します。自分が我慢していればよかったのではないかと、男の子を気に病みながら息を引き取るのでした。クゥは号泣し、血の匂いで集まってきたカラスを、超能力でバラバラにします。
クゥは人がいない場所を求めて、東京タワーに登り出します。真夏の日差しで皿がすっかり乾いてしまい、頂上で動けなくなってしまいます。東京一帯を見下ろして、クゥは「ここは人間の巣だ。もうくたびれた。父ちゃんのところに行きたい」と呟くのでした。
その瞬間、突然巨大な雨雲が現れて大雨が降ります。雲の中から龍神の姿を見て、「生きろ」というメッセージを受け取ったクゥは、救出に来た康一たちの元へ向かいます。そして、皆でオッサンを弔うのでした。

【結】- 河童のクゥと夏休みのあらすじ4

人気者だったクゥは、今度は危険な河童と騒がれるようになります。康一は紗代子から助言を受けて、安易にクゥをマスコミに晒してしまったことを、深く反省します。そして、彼女が家庭の事情で転校することを知ります。
康一が帰宅すると、クゥ宛に手紙が届いていました。手紙には「こっちへこい」と書かれており、クゥは人間が書いたものではないと推測します。そして、康一たちの元から離れる決意をするのでした。止めようとする康一たちに、クゥは「またきっと会いにくる」と約束します。そして、記念に家族写真を撮ります。

翌日、保雄は段ボールを抱えて、自宅周辺で張り込みをする報道陣の前に姿を現します。クゥをいい環境に移すと告げて車を出すと、報道陣は慌ててその後を追います。
実は保雄はおとりで、クゥは康一が段ボールに入れて、こっそり連れ出していたのです。康一は途中、引越しの準備をする紗代子の家に立ち寄ります。クゥを紹介して、別れ際に手紙を書く約束をするのでした。
康一は電車に乗って、遠い町のコンビニへと向かいます。クゥが入った段ボールに「割れ物」と表記し、荷物として郵送する手続きをします。数時間後、トラックが到着してクゥも乗せられます。康一がトラックを追いかけると、テレパシーで感謝の気持ちを伝えるクゥの声が聞こえてきました。康一は泣きながらクゥを見送ります。

クゥは沖縄へと運ばれました。手紙の差出人は、普段は人間に化けて暮らしている「キジムナー」という妖怪だったのです。
キジムナーはテレビでクゥの存在を知り、放っておけなかったと話します。さらに、ここが自然豊かでほとんど人間が住んでいない土地であること、いつかクゥにも人間に変身する方法を教えてやると言います。それを聞いたクゥは、康一たちと必ず再会を果たすことを決めるのでした。
そしてキジムナーに案内された小川で、クゥが生き生きと泳ぐ場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

てっきり子ども向けのアニメかと思いきや、人間の社会を克明に描いた大人向けの作品でした。例えば、未知の生き物であるクゥを「かわいい」と言って群がり、不思議な能力を持っているとわかれば、危険な存在と見なして差別するマスコミや大衆の存在。オッサンを轢いて逃げていく野次馬、死んだ犬の写真を撮る人々、子どもの世界でおこなわれる残酷ないじめ…。対照的に、純粋で謙虚な性格のクゥ、礼儀正しいクゥの父親、最期までクゥを守った勇ましいオッサン。この作品を観ていると、河童や犬などの生き物よりも、人間の方がまるで恐ろしい妖怪のようでした。ですが、作中でおこなう人間の行為は、現実世界では決して珍しいものではなく、身につまされることが多かったです。最終的にクゥは人間の世界と決別することになりますが、クゥは人間たちに絶望しているわけではありませんでした。私はこれを希望のメッセージを捉えて、クゥの幸せを願いました。

映画の感想を投稿する

映画「河童のクゥと夏休み」の商品はこちら