「へんげ」のネタバレあらすじ結末

ホラー映画

へんげの紹介:都内近郊のとある住宅地に、謎の発作に襲われ苦悶し絶叫する夫を懸命に介護する妻がいた。彼は発作のたび咆哮し、やがて人ならざるモノへと変貌し始めるが…という2011年公開のホラー映画。監督/脚本は「劇場版 稲川怪談 かたりべ」「鬼談百景(「一緒に見ていた」「赤い女」)」の大畑創。2012年第16回モントリオール・ファンタジア映画祭にて特別賞を獲得した。

予告動画

へんげの主な出演者

門田恵子(森田亜紀)、門田吉明(相澤一成)、坂下稔(信國輝彦)など。

へんげのネタバレあらすじ

【起】- へんげのあらすじ1

門田吉明は、2008年5月の自らの治療の記録VTRで、拘束衣を着せられ苦悶し我を忘れて絶叫する己の姿を茫洋と見つめていましたが、妻恵子に、もう見ないで!と言われ、DVDを割って捨てます。彼女は「今日は大丈夫?じゃあ仕事しよ」と言い、翻訳の原稿を渡します。
外科医だった彼は、2年前ほどから原因不明の発作に襲われるようになり失職、住宅街の一戸建てで献身的に尽くす妻と2人、発作と闘う日々を送っていました。
また時折、彼の医大の後輩で精神科医の坂下が訪ねて来て観察・記録し、気晴らしにと翻訳の仕事を出していましたが、発作は3日に1度、時間や場所を選ばず起こり、その度彼は突然苦しみだし、絶叫するのです。
今日も坂下は、”たくさんの虫のようなモノに意識を乗っ取られる感じ”と言う曖昧な表現の根拠や原因が掴めないまま、恵子の肩を掴み、「あなたも少し息抜きをした方がいい」と言い帰って行きました。看病疲れからか、一人身悶えするような状況に追い込まれていた恵子は、不快感を露わにします。

その晩も、吉明は激しい発作に襲われベッドやタンスの上で跳ね回り、恵子は何度も壁に叩きつけられます。が、彼の足が不気味に変化したのを見て携帯で撮影します。
翌朝彼女は、普段通りに戻っていた吉明に写真を見せ、これを坂下さんに見せて医学的に解明してもらいましょう!と言いますが、吉明は、こんなものを見せたらあいつらに何をされるかと怯えていました。
彼は、自宅で坂下の催眠療法を受けますが、催眠状態に入って間もなく発作が始まり、吉明が意味不明の言葉を叫ぶと同時に窓ガラスが鳴り、瓶がはじけ飛び、彼の右腕が異様な形に変化します。正気を無くした吉明は凄まじい力で暴れますが、坂下が打った薬で昏倒します。右腕は発作が終わると同時に元に戻っていました。
坂下は彼が叫んだ謎の言葉を録音し、恵子に打てば一日中動けなくなると言う注射を渡し、もうやるべき事は十分やった、彼を入院させて我々専門家に任せ、この先幸せな人生を送るべきだと言いますが、恵子は大きな痣が出来た顔で夫は入院を望んでない、考えさせてくださいと答えます。

彼女はベランダで寛ぐ普段通りの吉明に、昨日の事は憶えてないのか、怖くないのかと聞きますが、彼は穏やかな表情で憶えてないし、なぜだか怖くはないと答えます。
その時、携帯が鳴って間もなくチャイムが鳴り、彼女が応対に出ます。それは坂下と病院のスタッフで、嫌がる彼を強制入院させる手はずになっていたのです。坂下は彼女に今一度了解を得て部屋に踏み込み、彼を捉え、必ず以前の先輩に戻しますと言い連れ去って行きました。
吉明は辛そうな恵子の顔を見て事態を察しますが、恵子は思わず目を逸らしてしまいます。

【承】- へんげのあらすじ2

彼女が無為な毎日を過ごしているうち、ある日買い物から帰ると玄関の扉が開いていました。が、その時、坂下が現れたためやむなく招き入れる事に。
坂下は彼が発した謎の言葉は、古代に人と動物が意志の疎通を図った言葉だろうと言いますが、意味は解らず、こんなオカルトめいたことがあるはずないとこぼし、変わった事は無かったかと聞きそそくさと帰って行きます。その後、彼の衣類が無くなっている事に気づいた彼女は、玄関のカギを替えます。
その夜、彼女はうなされて目覚め、近所の飼い犬が異様に吠えている中に遠吠えを聞き、都内で起きている連続殺人のニュースを知り、胸騒ぎを覚えます。
すると玄関で音がして「恵子か?俺が怖いのか?頼む、入れてくれ!」と声がします。彼女は扉を開けず、私にはどうすることもできないと言いますが、あんなところに戻りたくないと言って倒れた彼をやむなく運び入れます。彼女は、彼の胸残る無惨な手術痕を見て、ごめんなさいと何度も謝り、彼をかくまうことに。
2人は若い女性除霊師を頼りお祓いを受けますが、女性が呪文を唱え始めた途端、彼は発作を起こし苦しみ始めます。女性は構わず呪文を唱え、やがて動かなくなった彼に「中にいるモノはゆっくりと姿を現せ」と命じます。が、吉明はふいに正気に戻り、「ごめん、演技だ、安心させようと思って」と言い、女性にも謝ります。ところが彼女は緊張を解かず、「どうして?ナニモノなの?!」と怯え、逃げ帰ってしまいます。
吉明は理由を聞いてくると言い彼女を追って出ますが、夜になっても帰らず、恵子は街中を探し回り、2人を高架下の駐車場で発見します。

吉明は背中が異様に変形した姿で、懸命に呪文を唱える彼女を殴打し、喰らいついていました。が、恵子が何してるの?と声を掛けると、血だらけの顔で、普通にあ、恵子かと言い振り向きます。けれどすぐに自分の所業に気づき苦悶し始めたところで、恵子に注射を打たれ倒れます。
恵子は、元の姿に戻った彼を自宅に運び、拘束衣の上からロープで厳重に縛り、部屋に閉じ込めます。
目覚めた彼は暴れて出ようとしますが、声は「頭の中で”やれ!やれ!”と声が聞こえると、そうしなければいけない気がする、だからここから出すな」と言い、変化した触手のような指がドアの隙間から這い出てきます。彼女はその指に注射を打ちますが、声は「もう薬も残り少ないだろう、頼むから俺たちのやりたいようにさせてくれ…」と穏やかな声で懇願し、部屋は静かになります。

【転】- へんげのあらすじ3

木枯らしの吹くある日、彼女は眠っている吉明を包丁で刺そうとしますが、発作が始まり薬もありませんでした。
そこに坂下がやってきて、乱暴に呼び鈴を鳴らし、強引に家に上がり込み彼を探し始めます。彼女が「いい加減にしてください!まだ戻っていません!」と怒鳴るとようやく正気に返り謝ります。吉明は荷物の陰に隠れていました。
彼女は坂下にお茶を出し、吉明が病院から逃げた理由を聞きますが、彼は「先輩はもう以前の先輩じゃない、絶対に会っちゃいけない」と言い、あの言葉の意味が解ったと言うのです。
彼は疲れた目をして、”人間以外の全ての意識、つまり世界の総意、自分は世界の総意である”と言いますが、唐突に、あなたは先輩の子を2回妊娠しどちらも流産だった、僕から見れば先輩は心の底から悲しんでるようには見えなかった、奴は無意識のうちにホッとしてたんだと思うと言い出し、ともかく僕と一緒に来てくださいと言い、無理矢理連れ出そうとします。
そこに吉明が現れ、坂下が愕然とした隙に恵子は吉明に駆け寄ります。坂下は恵子に彼を止めてくれと叫びますが、2人はうなづき合い、吉明が坂下に襲いかかります。揉み合ううち吉明が変化し始め、怯えて逃げ出そうとする坂下を恵子が灰皿で殴り、全身がむくむくと変化した吉明がその首に喰らいつき、殺害します。恵子は変化したままの彼を強く抱きしめ、深い吐息を漏らします。
その日以来、彼女は街で男を誘って自宅に連れ込み、吉明に餌として与えるようになります。
また、折々に彼女は変化したままの彼の腕に抱かれ、彼は怪物の声で「ありがとう」と言い睦み合うようになって行きました。

が、ある朝、被害者の衣服を可燃ゴミに出している彼女に刑事たちが声を掛け、やむなく家に招き入れる事に。
吉明は人間の姿で刑事たちを迎えますが、中年刑事は吉明を逃がさぬよう隣に座り、若い刑事は強引にキッチンに向かい、冷蔵庫で食べ残しの人体を発見し、彼女を捕まえ手錠をかけます。
中年刑事が振り返った時には、吉明は顔までが変化した怪物と化し、中年刑事を殴打し、若い刑事の首を折り殺害、発砲した中年刑事に襲いかかり殺害します。
彼はその姿でも正気でしたが激しく出血していて、2人は夜になるのを待って逃亡します。彼は弱ってはいましたが、外に出た途端大きく息を吸い「気持ちいい」と呟きます。
恵子は、人間に戻れなくなった彼をダウンコートやマフラーで隠し、追手がかかっている街をさ迷い歩きます。その間にも彼は衰弱していき、やがて通路で座り込み、困り果てた彼女はどうやって街から出ようかと言いますが、吉明のケガはひどく出血も止まりません。
間もなく、2人は警察に見つかり、駅前広場へと追い詰められます。

【結】- へんげのあらすじ4

警察に取り囲まれた彼は、恵子を守るかのように立ち塞がり追手に向かって咆哮します。それは空気を震わせる衝撃波でした。
警察の1人が「やはり人間ではない!撃てー!!」と叫び、一斉射撃が始まります。吉明は恵子を抱いてかばい、全ての弾をその身体に受け止めます。彼らが弾を撃ち尽くした時、彼は咆哮を上げ巨大化し始めます。その身体は瞬く間にビルほどの大きさになり凄まじい咆哮を上げます。

恵子は「吉明ぃー!」と叫び、迸る古代語で何かを彼に伝えます。彼は恵子の言葉を雄たけびとして繰り返し、周囲のビルを引き抜き、暴れ始めます。振り回されたビルからは、バラバラと人間が落ち、彼が一足進むごとに踏みつぶされ、周囲は死体と逃げ惑う人々で、阿鼻叫喚の地獄と化します。彼の身の丈は瞬く間にビルを越え、その間、彼女はまた別な言葉を叫び、彼もそれに応えています。
彼が走る山手線を破壊した頃、戦車隊が出動し一斉砲火を浴びせますが、その身体はついに天を突くほどに巨大化し、ビルの海に屹立する巨大な古代神のような姿となります。
それを足元から見上げた彼女は、泣きながら、行けぇー!!と何度も叫び、彼は大地を震わす凄まじい咆哮を上げ、ビルの海へと踏み出します。
その一歩は、いくつものビルを破壊し、巨大な炎が上がります。

みんなの感想

ライターの感想

冒頭から「鉄男」とか「ザ・フライ」とか「大魔神」とか、様々な映画が脳裏を横切るのですが、ぶっちゃけ清々しいほどの怪獣モノです。
特殊メイクとか造形とかアクションとかいろいろがんばってはいるのですが、一番の見どころはラスト数分の巨大化後の阿鼻叫喚シーンで、少ない予算のほとんどがその数分にツッコまれてるんじゃないかと思えるくらい、人間バラ落ちやジオラマや爆発シーンが見事で、大映画に引けを取らない仕上がりになっています。
時折登場する古代語なんですが、坂下の説明以外具体的な文言や説明は無く、詳細を見て感じた通り書かせていただきました。
恵子や吉明と共に存分に迸ってください。

ちなみにレンタル版に同包されている特典映像はゆうばり国際ファンタスティック映画祭審査員特別賞を受賞した同監督の「大拳銃」です。
倒産間近の板金工場を営む、真面目で職人気質の兄弟とその妻が、ヤクザに脅され密造拳銃を制作するが、その要求は日増しに過酷さを増し、追い詰められた兄弟は、ついに空前絶後の破壊力を持つ”大拳銃”を開発するが…と言うお話ですが、本作と逆に経過部分に重きが置かれた味のある良作です。お見逃しなく。

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