「バイロケーション表裏」のネタバレあらすじ結末

ホラー映画

日本ホラー小説大賞を受賞した作品を映画化!突如生まれたもう一人の自分(バイロケーション)は本物にさまざまな影響を与え、だんだん凶暴化し、最後には本物を殺しに来る。

予告動画

バイロケーション表裏の主な出演者

桐村忍/高村忍(水川あさみ)、 御手洗巧(賀健永)、 加賀美榮(高田翔)、 加納隆(滝藤賢一)、 高村勝(浅利陽介)、 門倉真由美(酒井若菜)、 飯塚誠(豊原功補)

バイロケーション表裏のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①スーパーで偽札を使ったという疑いをかけられた忍は、加納刑事からバイロケーションという現象を聞かされる。通称:バイロケはオリジナルのそばに発生するもう1人の自分。忍の身にも起きていると言われた忍は、直後にもう1人の自分を見る。 ②バイロケを持つ仲間たちが次々に死んでいく。コンクールで忍は自分がバイロケで、オリジナルは結婚せず絵に専念していると知る。オリジナルが自殺してバイロケの忍も消滅。

【起】- バイロケーション表裏のあらすじ1

フランスの奥地の教会。
少年少女の前で聖書を読んでいた女性の周囲に、不穏な空気が漂います。
床から埃のような黒いものが湧き上がると、それは聖書を読む女性の姿になりました。
白目だった女性の複製の、右目は右端下部から、左目は左端上部から黒眼が現れました。
すると女性本人と寸分たがわぬ姿になり、その場にいた少年少女と女性本人は驚きます…。

日本・山梨県甲府市。
若い女性・桐村忍(きりむら しのぶ)は画家になる夢を捨てきれず、マンションの一室で窓外の景色を木炭で描くのに夢中になっていました。コンクールに出品するつもりの作品です。
美術大学で学んだことを、この1枚に集約しよう、あきらめるわけにはいかない…そう忍は切羽詰まっていました。
ドアチャイムが何度も鳴ります。
忍は居留守を使おうとしましたが、ドアチャイムが何度も鳴るのでドアを開けました。
真下の5階に住んできた男性・高村勝(たかむら まさる)が、引っ越しの挨拶に来ていました。
気弱そうな風貌と寄り目気味の男性・勝と出会った忍は、恋に落ちます…。

勝は弱視の男性で、いつも白杖(はくじょう)をついて歩いています。寄り目気味なのも、そのせいのようです。
あっという間に勝と恋愛関係になった忍は、勝と結婚し、高村忍となっていました。
1階下にある508号室の勝の部屋に一緒に住んでいます。
勝の両親は忍との結婚に反対しており、会ってくれません。それでも根気強く、勝は良心を電話で説得しようとしていました。
勝は忍が絵を描き続けることに、協力的でした。それで忍は前の部屋も借り続け、絵を描く時だけ、上階の608号室に行きます。
結婚した忍は、今回が最後のコンクール出品と決めていました。それで受賞しなければ絵をあきらめるつもりです。
独身時代にOLの仕事で貯めた貯金を切り崩して生活していましたが、貯金も10万円を切りました。結婚もしてこれから入り用だろうから、受賞しなかった時には働こうと考えていました。

勝との生活は順風満帆でした。
「人生なんて、こんなものなのかもしれない」と忍はその平和な生活を愛します。
帰宅した勝が、忍に似た姿の女性を町で見かけたと言いますが、その日、忍が行ったのはクリーニング屋だけでした。
目が悪い勝も、自分の気のせいだろうと言います。
しかし忍は以来、町ですれ違う人にじろじろと無遠慮な視線を投げかけられるなど、不可解な体験をしました。

ある日、スーパーで買い物をした忍は、偽札を出したと店員に言われます。
奥の事務室に通された忍は、わずか10分前に同じ1万円札を出したと言われました。
目の前には確かに、自分の出した1万円札と同じ番号の札があり、しかも監視カメラでは自分と同じ人物が映っており、驚きます。
スーパーに刑事の加納隆(かのう たかし)が現れ、忍を連れて出ました。釈明をしようとする忍に、加納は「分かっている」と言い、2つの1万円札を見せます。
すると目の前で、片方の1万円札が消えました。忍は驚きます。
加納はどこかへ連絡し、忍を連れていきます。

そこは謎の洋館でした。榊(さかき)と名乗る執事風の男性が案内します。
奥の右の部屋に行くよう指示された忍は、途中、大鏡が貼ってある廊下を歩きました。
加納も忍のあとについて、入ります。
そこにいたのは、洋館の主である中年男性・飯塚誠(いいづか まこと)と、大学生の若い男性・御手洗巧(みたらい たくみ)、中年女性の主婦・門倉真由美(かどくら まゆみ)がいました。
飯塚は忍に、忍の周囲で起きている現象について説明します。

それは『バイロケーション』、通称:バイロケと呼ばれる現象でした。
自分の近くに発生するもう1人の自分ということで、同時両所存在とも呼ばれます。
19世紀初頭から世界各地でその現象が確認され、研究もなされてきました。
似た現象に『ドッペルゲンガー』というのがありますが、ドッペルゲンガーは他者と交流することはありません。
それに対し、バイロケは出現すると現実に肉体を持ち、行動をするのです。オリジナルの人間になりきって振る舞い、他者と会話もします。

【承】- バイロケーション表裏のあらすじ2

バイロケは姿を持つものの、煙のように姿を消すことができます。
さらにもう一点、大きな特徴があります。バイロケはオリジナルと記憶がシンクロしているので、オリジナルが体験したことを「上書き」して現れるのです。つまりオリジナルがケガをすると、バイロケにも同じ場所に傷ができます。
第三者から見ると両者の見分けは全くつかないのですが、バイロケ側の体験がオリジナルには共有されないことが、今まで分かっています。

その場所は、「バイロケに苦しむ者の集まり」でした。真由美や巧もバイロケに悩まされているのです。
そして会合の責任者であり、仕切り役となるのが飯塚でした。「私はあなたを必ず守る」と忍に言いますが、にわかに言われたことを忍は信じられません。
帰ろうとすると、大鏡の先にもう1人の自分が現れました。黒い霧状になって消えます。
愕然とする忍に「私は救いたい」と飯塚が声をかけました。

真由美が忍を車で送ってくれます。
車中で真由美は、自分の事情を話しました。真由美に最初にバイロケが発生したのは、ちょうど忍くらいの年の頃だそうです。
真由美には難病持ちの息子・進がいました。入院している息子の世話のため、真由美は仕事を辞めて2年前からつきっきりで看病をしています。
その頃に、バイロケが出現したのです。
ある時、息子が外で発作を起こし、瀕死状態で運び込まれました。真由美のバイロケが現れて、息子を外に連れ出していたのです。
それ以来、バイロケは頻繁に息子をさらうようになっており、真由美は息子を守るために努力していました。
「あいつらは、あなたの大事なものを奪いにくる」と真由美が言います。
車外に真由美のバイロケが現れ、忍は信じざるをえませんでした。

帰宅した忍は、自分が今一番大事なのは勝だと思い、勝を守らねばと思います。
昼間に絵を描いていると、加納刑事が現れました。渡したいものがあると言い、忍を近くの喫茶店まで呼び出します。
加納刑事が出したのは、携帯鏡でした。バイロケは鏡に姿を映せないので、区別がつけられると加納が言います。
バイロケの会には当然、みんなバイロケがいるはずだから、会う時には必ずお互いを確認しろと、加納は忍に告げました。
忍が加納に大事なものを聞くと、「もう奪われた」という答えが返ってきます。
加納刑事はかつて、捜査二課の幹部候補生でした。いわばエリートです。
所轄署の上司が気に入らなくても、加納は出世のためにずっと我慢していました。
しかし加納のバイロケが現れ、気に入らない上司に暴行を働きました。上司は肋骨を折る重傷を負い、加納は結果、左遷されました。
その話を聞いた直後、忍はバイロケの加納に会い、殴られます。
バイロケの加納は忍を殴りながら「お前らに殺(や)られる前に、俺たちが殺ってやる」と言いながら忍を殴りました。
加納が助けに現れ、バイロケの加納と殴り合いになります。
本物の加納が車に轢かれると、バイロケの加納にも頬に傷ができました。体験が上書きされるというのは、本当だったのです。

帰宅した忍は、殴られた痣は「転んだだけ」と勝に嘘をつきます。
「また見たよ、忍と似てる人」と勝に言われて不安になった忍は、屋敷に行って参加させてくれと飯塚に頼みました。飯塚は受けます。
ルールは2つでした。1つは、必ず入り口で榊の大鏡のチェックを受けることで、もう1つは飯塚と会う際には、メンバー全員の名前を言うこと、でした。

その席には新たなメンバーが加わっていました。加賀美榮(かがみ さかえ)という、なぜか鼻から下をタートルネックの首で隠した若い男性です。
飯塚は忍に、加納のバイロケだけは特殊な生まれ方をしたために凶暴なのだと説明しました。
バイロケは元々、相反する感情が引き裂かれることによって誕生します。
加納はオリジナルが切り捨てた憎悪の念によってできており、オリジナルよりも凶暴でした。

【転】- バイロケーション表裏のあらすじ3

ほかのメンバーも多かれ少なかれ、相反する感情によってバイロケができたと言います。
バイロケは必ずオリジナルの近くに存在しつづけ、約1.5kmの圏内にいます。たとえバイロケと離れても、近くに発生することが分かっていました。
バイロケの加納は特に強力なので、気をつけろと飯塚は忍に警告します。

飯塚に護衛を言いつかり、加賀美が忍を送っていきました。
加賀美は道中、バイロケとオリジナルに差異はなく、もしオリジナルが死んだ場合にはバイロケが本物になると言いました。
勝を見つけた忍は、加賀美と別れます。
忍と別れた加賀美は、飯塚に「面倒なことになっていますよ」と電話で知らせました。
(「面倒なこと」の詳細は、あとで説明する)

勝の両親に会えることになりました。今月末に行こうと、勝が切り出します。
しかし忍はバイロケ騒動で、勝の親と会うよりも自分のことで精一杯でした。
加納のバイロケがたてこもりと発砲騒動を起こしました。このまま加納のバイロケを放置していると、大変なことになると巧が言い出し、加納のバイロケを殺そうと決まります。
ニュースで、たてこもりの場所から加納がいなくなったと報道され、バイロケが本物の加納の近くに出現することが予想されました。そのとおり、忍と巧のそばにバイロケの加納が現れます。
巧は金属棒で、忍はスタンガンでバイロケ加納にダメージを与えました。加納も取っ組み合いを始め、加賀美や飯塚も現れます。
加納の持つ銃を手にした忍に、飯塚が「撃て」と命令しました。忍がためらっていると、巧が加納を撃ちます。
ところが撃ったのは本物の方でした。加納は死に、バイロケの加納が「お前らは俺のようにやられる。戦いだ」と言って消えます。

勝を失いたくない忍は、コンクールまで絵に集中したいと言い、絵を描き上げるまで上階で暮らすと言いました。勝も受け入れます。
絵を描きながら、忍はバイロケに怯えていました。

真由美は息子・進に携帯鏡を渡すと「ママが来たら必ずこれで見て」と言います。
講義を受ける巧の元に、バイロケの巧が現れました。巧は逃げながら飯塚に連絡を取りますが、「手を出すな」と言われます。
しかしバイロケの巧と揉み合いになった巧は、バイロケが窓から落ちかけて左手で縁をつかんでいるのを見て、自分の左手をガラスで傷つけます。
バイロケの巧にも傷ができ、バイロケの巧は落ちますが、途中で煙になって消えます。

背後に気配を感じた忍は、部屋に戻ると飯塚に連絡を取ります。
ドアチャイムが鳴り始めました。飯塚は「開けるな。扉から離れろ」ということばをかけます。
「あなたがいちばん危ない。だが私が守っている」と言い、飯塚の電話は切れました。

真由美、巧、忍は3人で会い、話をします。
飯塚に対する不信感が増していました。そもそも飯塚だけは、バイロケの被害がないのです。
真由美が「飯塚の死んだ奥さんが、バイロケの被害を受けていたと聞いた」と言いました。
そこへ巧のバイロケが現れ、襲ってきました。真由美が巧を襲い、メスで刺します。
商店街だったため、周囲は騒然となりました。忍は怯えます。

飯塚を呼び出した忍は、加納を殺したのはあなたの意志なのかと聞きました。飯塚は肯定します。
飯塚について、加賀美も来ていました。
飯塚は、加納の存在自体が非常に危険だったため、会を守るために加納を殺す必要があったのだと答えます。
加賀美は忍に、「決着をつける時がきた」と言い、隠していた鼻の下を見せます。左唇の下に、縦に傷跡がありました(これは謎のまま)。
加賀美は忍に「画家としての自分と、妻としての自分、どっちが大事?」と質問します。忍が「勝(妻としての自分)」と答えると、加賀美は指輪をすることを勧めました。炭で汚れると思っていたので、勝にも望まなかったのです。
加賀美のアドバイスを得た忍は、勝に指輪がほしいと訴えました。
忍は絵を描き上げたら部屋を引き払う決意をします。

【結】- バイロケーション表裏のあらすじ4

加賀美と忍は、バスで山中に行きました。そこには飯塚の妻の屋敷があり、墓もあるそうです。
10年前、飯塚は資産家である三田村小百合と出会い、その後結婚しました。
ところがその小百合はバイロケの方で、本物の三田村小百合は施設の患者で、25年間1ども施設から出ないまま死にました。
施設にいた本物の小百合は、もう1人の自分が飯塚と結婚し、幸福な結婚生活を送っていると知って、わが身と引き比べて自殺しました。結果、バイロケである飯塚の妻も死にました。
愛した者がバイロケであったために失ってしまった飯塚は、以来、「オリジナルもバイロケも共存できる世界」を作るために動いているのだそうです。
加賀美自身はバイロケの被害がないと言います。それを聞いて、忍はわけが分からなくなりました。

コンクールの受賞が発表されます。
入選したのは高村忍でした。絵はマンションの窓外の景色ですが、白を基調とした木炭の絵でした。桐村忍が描いていたのは、黒を基調とした木炭の絵です。
それを見て、オリジナルの桐村忍が嘆きます。

…忍は高村勝が最初に挨拶に出た時に、バイロケが発生したものでした。
「絵を描いていたい、出たくない」という忍と「もう絵を描くだけなのはうんざり、外に出たい」という忍の相反する感情から、バイロケの忍が生まれ、勝と結婚したのです。
オリジナルの桐村忍は、結婚しないまま絵を描き続けていました。
その真下で、バイロケの高村忍は勝と結婚し、絵を続けながら生きていました。
(劇中ではずっと、バイロケの高村忍を主体として描くことにより、観客をミスリードさせている)

加賀美が「面倒なことになっている」と飯塚に電話で知らせたのは、バイロケの忍がオリジナルと同じマンションの真下に住んでいたからでした。しかもバイロケの方が結婚しており、飯塚と同じ境遇だったからです。
加賀美は「差異」の役目を果たしていました。
オリジナルは謎の洋館に案内された時に、赤い色を基調とする右の部屋に案内されます。そこには桐村忍が案内されていました。
バイロケである高村忍は、緑色を基調とする左側の部屋に案内されました。そこには加賀美がいます。
飯塚が電話でメンバーの名を言えというのを条件に加えたのは「加賀美をメンバーに挙げるか否かで、オリジナルかバイロケか区別するため」でした。
鏡で本物か偽物か区別ができるというのは事実ですが、「自分を本物(オリジナル)だと思い込んでいるあいだ」は、自分で自分が見られるのです。
「オリジナルの会」「バイロケの会」と、バイロケの会は2つありました。

加賀美と飯塚は、オリジナルとバイロケの忍が同じマンションに住んでいると知ってからは、特に注意を払っていました。互いがバッティングしないように、見守っていました。
背後に気配を感じて忍が飯塚に連絡を取り、飯塚が「開けるな。扉から離れろ」と答えたのはオリジナルの桐村忍で、その時にドア口に立っていたのは、自分の妻・忍だと思って近づいてきた勝でした。

その頃、飯塚の元には「互いに和解した」オリジナルとバイロケの巧が現れ、飯塚を刺殺します。
自分がバイロケであると知った高村忍は、オリジナルと会い、自分は消えるから「私の人生を受け取ってくれ」と頼みます。高村忍は「考えとく」と保留します。
部屋でひとりになった高村忍は、雑然とした部屋を見て悲しみ、人生を悲嘆しました。さめざめと涙を流します。
オリジナルの忍が泣いたので、5階で勝といる忍も涙を流しました。
窓の外に落ちる高村忍がうつり、落下音がします(高村忍は投身自殺をした)。
音を聞いてベランダに移動する勝に、忍は「これだけは本当、愛してる」と言いました。
勝が振り返った時、忍の姿はありませんでした(オリジナル消滅で、バイロケの忍も消滅した。飯塚妻と同じパターン)。
(裏バージョン:エンディングのみ異なる。
振り向いた勝は、そこに忍がいるのを認めます。
…後日。
妊娠してお腹が大きくなった忍は、幸福そうな笑顔を浮かべて勝と一緒に歩きます。
バイロケの忍は、妊娠するという形でオリジナルとは別の人生を歩み始めました。そのために、飯塚の妻・小百合とは違った結末を迎えました。
それを加賀美が見守ります)

みんなの感想

ライターの感想

バイロケの出現の仕方はかなり不気味でグッド。黒目の出方がなんとも気持ち悪い~。
…というところしか、正直なところ評価できないという…哀しい。
注意して見ていればオリジナルとバイロケバージョンの区別がつくのかもしれない。
しかし圧倒的に「情報不足」。まず勝の両親が結婚に反対している理由が本編では告げられないまま。
(原作では勝は名家の息子で婚約者も実はいたという設定。映画のような弱視設定はなし)
加賀美がなぜ、鼻から下を隠していたのかは判らずじまい。
(原作にもそんな記述なし。どんな秘密が隠されているのか、どきどきしたのに~)
会合に使われる屋敷が、原作では高級フランス料理店『アンリス』なのだが、映画は触れられずなので「謎の洋館」と書くしかない。
いい感じではあるのだが、見終わった後、矛盾点がいくつも見つかる作品。

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