「パラサイトイヴ」のネタバレあらすじ結末

パラサイト・イヴの紹介:1997年公開の日本映画。第2回日本ホラー小説大賞を受賞した作品の映画化。古代から人間の細胞に寄生するミトコンドリア遺伝子の、人類への反乱を描く作品。著者である瀬名秀明の受賞直後から作品は注目され、話題をさらった。

予告動画

パラサイトイヴの主な出演者

永島利明(三上博史)、永島聖美&Eve1(葉月里緒菜)、吉住貴嗣(別所哲也)、朝倉佐知子(中嶋朋子)、大野達郎(稲垣吾郎)、安斉麻理子(大村彩子)、安斉重徳(深水三章)、石原睦男(三谷昇)、片岡茂(河原崎建三)、小田切悦子(萬田久子)、清水学(渡辺いっけい)、司会者(大杉漣)

パラサイトイヴのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①ミトコンドリアの研究をする生化学者・永島利明の妻・聖美が結婚1年目に交通事故で死亡、腎臓バンクに登録しており移植が決まる。利明は聖美の肝臓をもらうことを条件に承諾した。聖美の腎臓は12歳の少女・麻里子に移植、利明は聖美の肝細胞を培養する。 ②聖美のミトコンドリアは増殖を続け、やがてミトコンドリア・イヴとして覚醒。利明の精子を入手し麻里子の子宮を使って子どもを産ませようとするが、利明の愛の深さを知り断念。

【起】- パラサイトイヴのあらすじ1

永島利明は国立生化学大学に勤務する、生化学者の男です。学生時代に知り合った女性・聖美と結婚して、今日が1年になろうとしていました。
聖美は洗濯物を干し、お茶を淹れてゆっくりしながら、ふと思いついて夫・利明の勤務する大学へ出かけます。
大学では、利明が講義をしているところでした。

人間はいくつもの細胞の集まりでできています。
1つの細胞の中には核があり、そこにDNAが入っていて遺伝子を伝えます。
細胞の中にはミトコンドリアという物質も入っていますが、実はこのミトコンドリアは、エネルギーを作り出す、それ自体が1つの生命体なのです。人間の中に、別の生命体が住んでいるということです。
これを、パラサイト(寄生)といいます。人間に寄生して、ミトコンドリアが生きているからです。
ところで人間は、父親と母親と両方の遺伝子を受け継ぎますが、ミトコンドリアは「母親のもの」しか伝わらないことが分かっていました。
つまり、ミトコンドリアの遺伝子を調べることにより、人間の先祖を調べることが可能なのです。
そうやって辿り着いたのが、20万年前にアフリカに住んでいたとされる、最初のミトコンドリアの持ち主、通称:イヴと呼ばれる女性でした。
この女性のことを、化学界ではミトコンドリア・イヴと呼んでいます…。

利明は上記の講義をし、さらに自分の研究について触れます。
ミトコンドリアと人間は「共生」する道を選んだことに触れ、ミトコンドリアを研究することで、糖尿病患者などの悪いところを治せるのではないかと考えていました。
講義する教室に妻・聖美の姿を見つけた利明は、講義をおしまいにします。
聖美は今日が1年目の結婚記念日だと告げ、利明はなるべく早く帰るようにすると言い、聖美にキスしました。
帰り際、聖美の口から思わず出た言葉は「待ってた、あなたの仕事」です。言った聖美が驚きます。

同じ頃、利明の同僚女性・朝倉佐知子は、少年たちの科学教室に参加していました。
体内にバイ菌がたくさんいるのは嫌だという子どもたちに、佐知子はカタツムリを見て説明します。
カタツムリの中にいる微生物は、カタツムリの殻を強くする重要な役割を果たしています。
ところが一定程度殻を強めた後、その微生物は光を求めて、カタツムリのツノに移動するそうです。
やがてカタツムリを見つけ、空を飛ぶ鳥がカタツムリを食べます。そうすることにより、カタツムリの殻を強くする微生物は鳥の体内に移り、遠くへの移動が可能になります。
微生物がカタツムリを「鳥に食わせる」ための作戦、誘導です。
そんなふうに微生物が反乱を起こすことだってあると、佐知子は言いました。
子どものひとりが佐知子に、人間の体内にそういう微生物はないのかと聞きます。
人間の体内の微生物はたくさんいるから、そう容易ではないと答えようとした佐知子と少年たちの前で、カタツムリを食い散らかして去った猛禽類がいました。みんなはあっけに取られます。

利明と佐知子はラットの肝臓を使い、ミトコンドリアの研究を重ねていました。佐知子は学会が近く、その準備で忙しくしています。
作業をしながら、利明は佐知子に話しました。マーグリスの説によると、人の中にいるミトコンドリアの遺伝子の数は、ひとつの生物としては少し足りないのです。

【承】- パラサイトイヴのあらすじ2

それは細胞の中の「核」に、ミトコンドリア自身が遺伝子を送りこんだのではないか、つまり、人間の細胞の核には、ミトコンドリアの遺伝子が入っているのではないかというものです。

帰り道についた聖美の車が事故を起こし、前の車の鉄骨が落下して運転席に刺さりました。
利明に事故の知らせが入ります。
駆け付けた時には、聖美は脳に大量の出血を起こし、意識不明の状態でした。すでに自発呼吸ができておらず、脳幹に障害が起きています。
このままいくと脳死になる可能性が高いと、医者に言われた利明は、突然の出来事を受け入れられませんでした。聖美の父・片岡茂も駆け付けます。
翌朝、聖美の脳死判定が下されました。急なことで動転する利明に、移植コーディネーターの小田切悦子が、生前の聖美が腎臓の提供を希望していたことを告げます。
利明はまだ気持ちの整理がついていませんでしたが、聖美の父は聖美の遺志を尊重したいと答えました。
帰宅した利明は、家に結婚1年目を祝うケーキが作られて、机の上に用意されていたのを知ります。ケーキの前に座り、呆然としていました。
事故現場にあった聖美からのプレゼントも開けず、ただ持っています。

移植コーディネーターの小田切は、聖美のHLA(ひと白血球型抗原)を調べ、適合率の高い者から候補に入れました。
奇跡的にミスマッチがゼロの者がいました(完全に適合するという意味)。それは安斉麻里子という12歳の少女で、麻里子の担当医である市立中央病院の吉住貴嗣医師のところへ連絡が来ます。
麻里子は以前に腎移植を行なっていましたが、失敗に終わっていました。吉住医師は麻里子とその父を説得し、二度目の手術を勧めます。

研究室で泣きぬれて眠った利明は、目の前にある肝細胞培養中の赤い液体を見て、妙案を思いつきました。
担当医師である吉住医師を訪ね、移植を承諾する代わりに、聖美の肝臓をくれと言います。
不思議なことを言いだしたと思いつつ、脳死後の臓器摘出には時間制限があるために、吉住医師は引き受けました。麻里子のところへ行き、もう一度信じてくれと頼みました。

聖美の心停止が確認され、臓器の摘出手術が始まります。執刀は吉住医師、助手は大野達郎です。
手術を待ちながら、利明は聖美からのプレゼントを開封しました。ニット地のネクタイです。
聖美の腎臓が摘出された後、吉住医師は肝臓も取り出してジェラルミンケースに入れ、利明に渡しました。助手の大野が見とがめて指摘し、吉住医師も「奥さんのご遺体、放っておくんですか」と言いますが、利明は嬉々として持ち帰ります。
すぐに研究室へ行った利明は、佐知子を追い出して聖美の肝臓細胞を取り分けて培養を開始しました。サンプル名はすべて「Eve」と名付けます。
聖美の腎臓の提供を受けた麻里子も、無事に手術が終わりました。「今度は大丈夫です」と、吉住医師は麻里子の父・重徳に告げます。
術後の麻里子に変化はなく、拒否反応もありませんでした。経過は順調に思えました。
しかしその頃から、麻里子は不思議な感覚を覚えていました。腹の中で腎臓が呼んでいると言い、移植したばかりの腎臓を取り出してくれと吉住医師に言います。
吉住医師は麻里子に鎮静剤を打たせますが、暴れる麻里子を押さえた際に、腎臓が動いたのを感じて不気味に思いました。

【転】- パラサイトイヴのあらすじ3

麻里子の発言を受けて調べてみると、麻里子の腎臓内にある細胞のミトコンドリアのサイズが、通常の3倍以上もあり、さらに数が激増していると気付きます。
さかのぼって調べると、移植前の聖美の腎臓時から、ミトコンドリアは異常な状態でした。
助手の大野は吉住医師に、聖美の夫・利明に聞いてみればどうかと助言します。吉住もそのつもりでした。
利明は聖美の肝細胞を培養しては、顕微鏡で見入っていました。細胞の奥に聖美の顔を見たように思え、うっとりします。
吉住医師が質問しに来た時にも、利明は「聖美は生きています」と答えました。渡した肝臓から利明が肝細胞を培養していると知った吉住医師は驚きますが、利明は「あなたは聖美の腎臓を移植することで、聖美を生かした。私は聖美の肝臓を培養することで聖美を生かした。どこが異常なんですか」と言います。
ところが利明の知らないところで、聖美の肝細胞のミトコンドリアは急激に増え、やがてそれ自身が意志を持って動くようになっていました。
学会間際で準備のために遅くまで残っていた佐知子は、不気味な物音に悩まされます。
割れたシャーレのガラスを見ると、そこには「Eve」と書かれていました。さらに別の部屋のガラスも割れますが、いたのは白ネズミです。
ほっとする佐知子の上部から黄色い液体…ミトコンドリア…が入り込み、佐知子を支配します。

同じ頃、利明も異変に気付きました。研究室に戻り、落ちたシャーレのガラスを見つけてかき集めようとします。
その液体が利明の前で、反時計回りに回転しながら直立し、形をとりはじめました。やがてそれは聖美の姿になります。
利明は驚きますが、聖美だと思って嬉し泣きにむせびます。利明を押し倒した聖美(イヴ)は、利明の精子を摂りました。

翌朝、研究室で目覚めた利明は、夢を見たのかと帰宅します。
家には聖美が作ったメモ帳レシピがありました。それを見るともなくめくっていた利明は、レシピの裏面に聖美が書き付けた文章に見入ります。
そこには聖美の苦悩が書かれていました。初めて利明を見た時から不思議な感覚があり、自分の身の内から利明を呼ぶ声が聞こえていたのです。
さらに結婚後、利明から研究内容を聞くたびに、自分の中の何かが喜んでいると聖美は感じており、不安を抱いていました。まるで自分の中に別の何かが潜んでおり、それが利明との出会いの時から自分を操作しているのではないか…聖美はそんなことを悩んでいたのです。
嫌な予感に駆られ、利明は学会に行きます。

吉住医師も、学会へ向かっていました。
12歳のドナー患者・麻里子の身体に異変が起きていたのです。子宮の形に異変が起き、細胞の組織にも異常が現れていました。
利明と吉住医師が会った時、ちょうど利明の同僚・朝倉佐知子の学会発表が始まろうとしていました。
佐知子はミトコンドリア・イヴに操られており、「ついにミトコンドリアが解放される日がやってきました」と宣言します。10億年前から、この日を虎視眈々と狙っていたと言いました。

【結】- パラサイトイヴのあらすじ4

見かねた司会者が、発表内容と異なると佐知子を制止しようとしますが、佐知子が睨むと司会者の腕が燃えあがります。
佐知子は「私はほかのミトコンドリアに呼びかけて、エネルギーをコントロールできる」と言いました。それを目の当たりにした学会の研究者たちは、我先にと逃げ出します。
高らかに笑った佐知子の目からミトコンドリアが出ると、佐知子は気絶しました。
利明は昨夜のことを思い出し、自分の精子が取られたことを吉住医師に告げます。
利明と吉住医師は、ドナー患者・麻里子の子宮を使って、ミトコンドリア・イヴは新たな生命体「究極の生命体」を産もうとしているという同じ結論に至りました。

利明と聖美の出会いは、聖美が大学1年のクリスマスの時です。2人は同じ大学で、利明が先輩に当たります。
聖美のミトコンドリアは自分を培養できそうな者を物色し、利明が生化学者と知ると聖美を操り、結婚するように仕向けたのです。
聖美の交通事故もすべて、ミトコンドリアの仕組んだことでした。

ドナー患者・麻里子のいる病院へ、利明、吉住医師、意識が戻った佐知子は急行します。
その車の下部にミトコンドリア・イヴは潜み、彼らが病院へ入ると共にマンホールから侵入し、麻里子の部屋の洗面台の排水溝から出てきて形を取りました。
制止する看護師を手当たり次第に炎上させると、イヴは麻里子を抱いて病院を移動します。
吉住医師は管理室に入り、監視カメラから割り出したイヴの現在位置を特定すると、シャッターを降ろしました。イヴは階段に追いつめられ、屋上へ移動します。
利明、吉住医師、佐知子も屋上へ行きました。利明はイヴの中にいるはずの「聖美」に、必死で呼びかけます。
イヴは、聖美はいないのだと言います。利明と聖美の出会いすら、イヴがすべて操作したことだと主張し、利明を屈服させようとしました。

ところが…イヴが知らない事実がありました。
利明は、聖美と利明の出会いの前から、聖美のことを知っていたのです。
入学式にピンクのスーツを着て現れた聖美に、利明はひとめぼれしていたのでした。
それを知り、イヴは驚きます。
近寄ろうとする利明の両腕を焼きますが、それでも利明は近づくのを止めようとしませんでした。
利明の聖美への愛の深さにイヴは圧倒され、抱いていた麻里子を思わず取り落とします。
解放された麻里子は、吉住医師が保護しました。
利明はそのまま、聖美の姿をしたイヴを抱き締めます。イヴは、利明と聖美の愛情に負けたと感じ、そのまま利明と共に焼かれました。
利明もイヴも、屋上で焼死します。
同僚の死に圧倒されて佐知子は泣き(あるいは佐知子は利明に思いを寄せていた可能性もあり)、目覚めた麻里子に吉住医師は、夢を見ていたんだと言い聞かせます…。
こうしてミトコンドリアの反乱は、沈静化しました。

さかのぼって、前夜。
利明が結婚1周年記念のケーキのキャンドルに火をともし、出会いのときを思い出します。
それは聖美が入学式の日のことで、ピンクのスーツを着た聖美の姿を見つけた利明は、白衣のまま池越しにずっと姿を負います。
聖美も利明の方を向いたのですが、その時はたまたま利明は別の方を向いており、視線が重なることはありませんでした。
そしてクリスマスの日、2人は出会います。
それを思い出した利明は、満足げな顔を浮かべていました。

みんなの感想

ライターの感想

この作品の原作である小説が発表された時には、その斬新な発想に世間が大いに注目した。
映画もつくられたが、ゲームもどうやら発表されたらしく、そちらはシリーズの2までいっているとか。
SFでありホラーである、日本としては当時非常に珍しい作品。その映像化。
原作は、けっこう難解。それを映像化することで若干判りやすくしたのだろう。
が、なんか変なところをはしょったために、妙な方向に暴走したきらいはある。
それを置いても、トラックに積んであった鉄骨が刺さった(直接の描写はないのだが、事故現場を見れば一目瞭然)のとか、当時ひえーっとトラウマになりかけた。
妙な不気味さは、ほんとに満点。三上博史の変態チックな演技も見られるし、20年前の医療現場ってこんなにちゃちかったのかと思わせられる。

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