「ヒルコ妖怪ハンター」のネタバレあらすじ結末

ホラー映画

ヒルコ妖怪ハンターの紹介:漫画家諸星大二郎の人気シリーズ「妖怪ハンター」の「海竜祭の夜」「黒い探究者」「赤い唇」をベースとした映画化作品で1991年公開のホラー映画。「鉄男」「悪夢探偵」で知られる塚本晋也監督の初の35ミリ映画作品。主演の稗田役は「魔界転生」「カタクリ家の幸福」の沢田研二。ヒルコ造型は「ガメラ2 レギオン襲来」の織田尚、特殊メイク・造型には江川悦子やピエール須田、SFXスーパーバイザーに「ZIPANG」の浅田英一、特殊効果に鳴海聡などが参加。音楽は梅垣達志、挿入曲は「月の夜は」(歌/上野めぐみ)。ホラーとコメディ、アクションシーンが見事に融合し、片田舎の爽やかな夏の風景と相まって切ない想いが胸に迫ります。

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予告動画

ヒルコ妖怪ハンターの主な出演者

稗田礼二郎(沢田研二)、八部まさお(工藤正貴)、その父八部高史(竹中直人)、月島令子(上野めぐみ)、青井(塚原靖章)、片桐(佐野智郎)、用務員渡辺(室田日出男)、稗田の妻茜(朝本千可)など。

ヒルコ妖怪ハンターのネタバレあらすじ

【起】- ヒルコ妖怪ハンターのあらすじ1

考古学者稗田礼二郎は、妖怪は実在すると唱えた事から異端とされて学会を追われ、現在は小さな遺跡の発掘作業で生計を立て、ボロアパートに住み、亡き妻茜の遺影に金平糖を供える日々を送っています。
が、ある日、茜の兄である中学教師八部高史から、地元で古代人が悪霊を鎮めるために作ったと思われる古墳を発見した、君の学説の実証となるかもしれないという手紙を受け取り、茜の実家である八部家のある村に向かいます。
一方、古墳の洞窟に調査に入った八部は、制止も聞かずついてきた教え子の女子中学生月島令子と共にナニモノかに襲われ、洞窟の奥へと凄まじい勢いで引きずられていきました。

夏休み。行方知れずとなった八部と月島を探しに、学校に来た八部の息子まさおとその友人青井と片桐の3人組は、校内を見回っていた強面の用務員渡辺にカマで脅され、教室の窓辺にぼんやり佇み歌を口ずさむ月島が、同級生の河野にキスされそうになるのを目撃します。
まさおは、大人びた月島に思いを抱いていて、父親と共に消えたことや河野とのキスなどを不快に思ううち、背中の痣が発熱し激痛に苦しみ始めます。まさおの背中にある大きな2枚の湿布を見て心配する2人に、その痣は突然できて、前日も激痛がしたため湿布したと話します。
一方、月島と河野がいた教室の窓には鮮血が飛び散ります。

八部の大きな屋敷を訪れた稗田は、茜の遺影が飾られた大きな仏壇に手を合わせます。八部家は代々村の伝承を守る旧家で、庭には奇妙な亀の石像などが残されています。
祖母は、稗田を睨めつけ茜のようなことは二度とごめんだと呟き、彼と同じく考古学に興味を持った八部が教え子の少女と共に、代々伝わる冠を持ち出し姿を消したことに不安を抱き、禁断の場所に踏み込んでしまったのかもしれない、お許しくださいヒルコ様…と言って手を合わせます。 この映画を無料で観る

【承】- ヒルコ妖怪ハンターのあらすじ2

稗田はその足で、陽が暮れ始めた学校に向かいます。学校ではナニモノかが凄まじいスピードで走り回り、水飲み場にいたまさおを見つけ、一直線に走り出します。が、その時、手製の妖怪センサーで危険を察知した稗田が給食のカートで突っ込み、まさおを乗せたまま廊下端の用具置き場へと転がり込みます。
まさおは稗田を見た途端、また妖怪か!叔母の茜を殺したのに!と罵ります。が、そんな彼にかまわず妖怪センサーの解説をし、八部からの手紙を見せた稗田は、まさおの言葉から学校に問題の古墳があると確信します。
その時、まさおの背後から女子生徒と男子生徒の首無し死体が倒れてきて、2人は悲鳴を挙げて校舎から逃げ出しますが、用務員が電話線と電線を切ったため電話が使えず、警察も呼べぬまま、教室に残っている青井と片桐の救出に向かいます。

稗田は妖怪センサーと対妖怪用の電撃銃を構え、まさおと共に校内を進みますが、教室に2人はおらず、まさおの痣が再び熱を持ち激痛が襲い、人面がレリーフのように浮かび上がります。理科室では、稗田が血だらけの準備室で首を切られたばかりの青井の死体を発見、血痕は給食室へと続いていました。
一方、給食室に逃げた片桐は、鍋の中の月島の頭部を見て、思わず部屋の隅に投げ出します。月島の青白く美しい顔は、部屋の隅の暗闇で美しい曲を歌い、片桐に笑いかけます。歌に気づいた2人が救出しようと焦りますが間に合わず、片桐は操られるように自分の首を包丁で切り落とします。
まさおの背中に再び激痛が走り、2人は走り回る月島の頭部と、グロテスクに変化した片桐の頭部を目撃します。まさおの背中には2枚の湿布の他に、河野、青井、片桐の顔が浮かび上がります。

稗田は職員室で八部のノートを発見、それには石室の奥を調べ判明したのは、開ける呪文は学校の裏山の林の奥に、閉める呪文はコークス置き場の前に、と書かれていて、石室の文様と写真があり、古墳の場所は解りませんが、先ほどのバケモノが古事記に出てくるヒルコで、古墳から現れたと確信します。
そして、すでに石室から出ているヒルコを戻し、文様に書き足された解放を意味する同心円を消さなきゃならないと言い、とりあえずは開閉の呪文を調べに行くと準備を始めます。

また一方では、月島の頭部は学校裏の森の古池に浮かび、美しい声で歌っていましたが、その姿は頭部に足が生えた蜘蛛のようなバケモノに変わり、森の中に消えていきました。

2人は森の中の割れた岩、学校の裏手のコークス置き場で呪文を発見しますが渡辺に襲われ、彼がまさおの痣を見て愕然とした隙に、校舎へと逃げのびます。が、そこで蜘蛛のバケモノになった月島に襲われます。
音楽室に逃げたまさるは、歌いながらピアノを弾く月島を目撃、優しく話しかけますが、微笑みながら頷く彼女はやはりバケモノで、長い舌で襲われたため音楽室に閉じ込めます。

稗田が追ってきた渡辺と戦う中、逃げたまさおはチェーンソーで応戦しますが、河野と月島のバケモノに襲われ、ピクニックを楽しむ月島一家の幻影を見せられ、「首を切って自殺してしまいなさい」と命じられます。
微笑みながらチェーンソーを首に当てようとする彼を、稗田が正気に戻します。2人はバケモノを振り切り校庭に逃げますが、月島のバケモノはしつこく追ってきます。
そこに渡辺が参戦、バケモノは稗田のキンチョール攻撃で苦しみ、渡辺がライフルで撃ちますが、月島のバケモノは羽根が生えて森の中へと飛び去り、まさおは再び背中の激痛に苦しみます。

【転】- ヒルコ妖怪ハンターのあらすじ3

3人は、校庭の隅にある石碑の前にたくさんのろうそくを灯して座り、ひと時の休息を得ます。
渡辺の顔色は悪く、まさるの背中には渡辺の顔が増えていました。稗田はヒルコが石室を開けようとしてると言い、渡辺はヒルコが全部外に出たら大変なことになると呟き、60年前学校で起こった事件を語り始めます。
60年前、彼が5歳の時、学校で大火事が起こり、彼はたくさんの顔が苦悶し炎に焼かれるのを目撃、その中心で3つの角を生やした少年が大声で何かを叫んでいたが、その背中にもまさるの背中にある人面が無数に浮かんでいるのを見たと。
残された焼死体には全て首が無く、数十年後、少年が亡くなる際、校内の二つの場所を守ってくれ、2度と忌まわしい事件を起こしたくないと泣いて頼まれたと話します。それはまさおの祖父八部竜彦、そして封印を解いたのは事件を知らないまさおの父八部高史だと。
まさおの片方の湿布の下は父高史の顔でした。もう一枚の湿布を剥がそうとする渡辺をまさおはそっと止めます。

語り終えた渡辺は、すでにヒルコになりかかっており、自分は今、あんたらの首を狙うか、自らの首をライフルで吹っ飛ばすか迷ってる、でも稗田がまさおを守れれば何とかなるかもしれんと言い残し、ライフルを持って森に消え、1発の銃声が響きます。

残された2人は丘の上の草むらで星空を見上げ、互いの思いを打ち明けます。
稗田は遺跡調査に同行し亡くなった妻茜の笑顔がどれほど素晴らしかったか、まさおは月島を想っていたのに、まだ話したことも無いと悔やみます。
その時、突然稗田が眼下に広がる村を指差し、学校は古墳の上にあったんだ!と言い出します。見ると学校を中心とした村全体が、八部の残した文様の図形と合致していて、加えて丘には朱雀、八部の屋敷の亀が玄武、渡辺が守っていた校内の2ヶ所には青龍と白虎があったことを思い出し、その中心点が学校の用具置き場だと思い至り、すぐさま向かいます。

用具置き場には、跳び箱で隠された洞窟への入口がありました。
2人は洞窟の奥で石室を発見、扉には八部のメモの文様が朱色で描かれ、その中心には白ペンキで同心円が描かれています。が、石室の奥に捕えられている八部と共に冠を取り戻さねばヒルコが封じられないため、石室への侵入を決意します。
稗田は茜の写真を背中に括り付け、これでまさおくんと一緒だと言い、キンチョールを構え、扉を開ける呪文を唱えます。

【結】- ヒルコ妖怪ハンターのあらすじ4

頭が締め付けられるような怪音と共に空間が歪んで扉が開き、2人は扉の奥の洞窟へ入り、その奥に広がる天井から眩しい光が差し込む美しい光景に、これが黄泉の国か!と驚きつつもその中央に向かって進みます。
光の真下は深い崖で、その底では無数のヒルコが光を仰いで鳴き喚いています。光は学校裏の森の古池から射す月光でした。池には月島のヒルコが浮いています。
稗田は落ちていた冠に気づき、冠の中の扉を閉じる呪文のメモを見て、屋敷にあった冠だと確信しますが、渡辺が言っていた3つの角がありません。

その時、石柱の陰に八部が現れ、まさおを呼びます。が、近づこうとする2人を押しとどめ、月島が犠牲になったことを悔い、もうだめだ!行け!と獣の声で叫びます。その声に気づいたヒルコたちが襲いかかりますが、八部は身を挺して食い止め、稗田はキンチョールで応戦します。
奥からはヒルコと化した八部が、入口には月島や青井らのヒルコが奇声を上げ、崖から無数のヒルコが這い上がり、2人を追ってきます。が、ヒルコと化した彼らは洞窟の奥から襲い来るヒルコを食い止め、2人に早く逃げるよう叫んでいました。稗田は閉じる呪文を大声で叫び、まさおと共に狭まってゆく扉に向かい飛び込みます。

扉は閉まりますが、月島のヒルコだけが彼らに取りついて扉の外に出たままで、稗田の頭に襲いかかります。稗田は茜の最期の幻を見せられ「俺を代わりにしてくれー!」と叫びますが「扉を開けて、邪魔者は消して!」という茜の声を聞きます。
稗田が朗々と呪文を唱え始めると月島のヒルコが苦しみ始めます。また、まさおが手にした冠には知らぬ間に3本の角が生え、それを被ったまさおもまた呪文のメモを朗々と読み上げ始めます。
わずかに開いた扉の奥では、ヒルコたちが炎に包まれ、月島のヒルコも燃え上がって扉に吸い込まれ、扉は閉じます。

まさおは閉じた扉にかかれた同心円をバールで削って消し、背中に残った湿布を剥がします。人面は、湿布の下の月島を含め、全て消えていました。稗田は、最後に聞いた茜の声に涙していました。
疲れ果てた2人は、森の古池から立ち上る虹色の靄のようなものに気づきます。その先頭には笑顔の月島の顔が浮かび、まさおに笑いかけると、美しい虹色の龍のように、ゆっくりと抜けるような青い空へと昇って行きました。

爽やかな夏の田舎道を歩く稗田は、あれは禁断の場所だ、二度と開けちゃいけないと呟き、まさおは今度は俺が守りますと約束します。
稗田は今度はセンサーの音をオルゴールにして、いい妖怪を探しに行くと言い、2人は笑って別れます。

みんなの感想

ライターの感想

公開当初、原作ではクールな探究者として描かれている稗田のキャラクターの変わりようには好悪意見が分かれたものの、原作には無い稗田の亡き妻に対する後悔、本編の一要素となる「赤い唇」を髣髴とさせる思春期少年まさおの月島への狂おしいばかりの思いは、幻想的で美しい回想場面と合わせて胸締め付けられる名シーンとなっています。
また、手作りの特撮と(CG以前の)アニメーションシーンは当時としてはかなり高度なもので、蜘蛛型のヒルコの造形、地を這い壁を這うカメラのスピード感などにも、凄まじく圧倒されたと記憶しています。

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