「人喰いトンネルMANEATERTUNNEL」のネタバレあらすじ結末

人喰いトンネル MANEATER-TUNNELの紹介:トンネルの近所に住む夫婦の、7年間行方知れずとなっていた夫が突然廃人のようになって戻るが…という2010年公開のアメリカのホラー映画。製作/監督/脚本/編集は「オキュラス/怨霊鏡」マイク・フラナガン。失踪した夫ダニエル役のモーガン・ピーター・ブラウンは製作にも参加。ミイラのように痩せこけた男ウォルター役を「ヘルボーイ」のエイブ役、「パンズ・ラビリンス」のパン役などで知られるダグ・ジョーンズが演じています。地味な作品ではありますが、日常生活において後付けでじわじわくる怖さがある佳作です。

予告動画

人喰いトンネルMANEATERTUNNELの主な出演者

妹キャリー(ケイティ・パーカー)、姉トリシア(コートニー・ベル)、姉の夫ダニエル(モーガン・ピーター・ブラウン)、マロリー刑事(デイヴ・レヴィン)、ローナガン刑事(ジャスティン・ゴードン)、ジェイミー(ジェームズ・フラナガン)、ウォルター・ランバート(ダグ・ジョーンズ)など。

人喰いトンネルMANEATERTUNNELのネタバレあらすじ

【起】- 人喰いトンネルMANEATERTUNNELのあらすじ1

アメリカの田舎町。町外れには隣町に続く古いトンネルがありました。
トンネル近くのテラスハウスに住むトリシアは、臨月のお腹を抱え、手慣れた様子で行方不明の夫ダニエルの尋ね人広告を貼り換えています。家に帰ると妹のキャリーが来ていて、5年ぶりに再会した2人は抱き合って喜び、お腹の子供にと「三匹のやぎのがらがらどん」の絵本とぬいぐるみをプレゼントされます。
夫の失踪後7年が経過したトリシアは、うんざりするほどの書類作成に追われています。その手続きが済めば死亡証明書が発行され、保険や債権、年金などの手続きが出来ると言い「人の生死を判断するのは容易な事じゃない」とこぼします。彼女は引っ越しを考えてると言い、尋ね人広告も今回で最後だと古い広告を暖炉にくべます。彼女にとっては色々思い悩んだ長い長い7年間で、お腹の子の父親の話しもしたがりません。
キャリーは麻薬中毒者だった自分を差別せず、真面目で優しい人だったと言い、お姉ちゃんの手伝いに来たのよと張り切っています。麻薬中毒者だった彼女は、5年間の放浪生活の末更生し、今ではキリスト教を信じ、ジョギングが日課の健康的な毎日を送っています。
やがてそれぞれの寝室で、トリシアは香を焚いて瞑想し、キャリーはベッドの下に缶を隠し、十字架に祈り、眠りに就きます。が、トリシアは傷だらけの夫が戻り襲われる悪夢で目覚めます。

翌朝、キャリーはトンネルの先の公園までジョギングに行きます。トンネルの向こう側でも失踪したペットの貼り紙が目に付きますが、彼女は公園の景色を堪能し、再びトンネルへと向かいます。が、トンネルの中ほどに、行きにはいなかった痩せぎすの汚れた男が倒れていました。
男は彼女に気づいて、見えるの?アレは今、眠ってると意味不明の事を呟き「交換だ」と言ってネクタイ止めを差し出します。浮浪者だと思った彼女は何も持ってない、家から何か持ってくると言って通り過ぎますが、男は自分はウォルター・ランバート、息子のジェイミーに伝えてくれと叫んでいました。

慌てて帰った彼女は、担当のマロリー刑事が来ていたため話しそびれてしまいます。彼は近所で窃盗事件が多発していて彼女にも引っ越しを勧めてると言いますが、キャリーをよくは思っていないようです。トリシアは親しげに彼を見送った後、扉の影にいた夫(の幻)に「知ってるぞ」と言われ驚きます。
早い夕食を終えたキャリーは男を思い出し、トンネルにタッパーに入れたパンを届けに行きますが、男はおらずトンネルの入り口に置いて帰ります。
その夜トリシアは、狂暴な顔の夫に腹を叩かれる幻覚を見て、カウンセラーに相談に行き、ストレスや罪悪感による”明晰夢”で正常だと言われます。仏教的瞑想は彼から薦められたものでした。
一方、ジョギングに行ったキャリーは、タッパーが無いのを確認して戻りますが、玄関に置かれた古い装飾品を男の礼だと思い、トンネルに返しに行きます。が、それを見ていた若者に「止めろ、そこに置かないで」と注意されます。けれど彼自身は何かの入った黒いビニール袋を置いて去って行きました。

ほどなくして2人は代理人に書類を届け、失踪申告の書類にサインをしますが、トリシアは憤怒の表情をした夫の幻覚を見て目をそむけます。
その夜、トリシアは瞑想中、夫に「おまえは俺を殺そうとしている 子供の事はわかってるぞ 俺を忘れて死んだことにするのか」と囁かれますが、瞑想が終わる頃には消えていました。キャリーはバスルームの洗面でゲジを見て排水溝に流しますが何かの鳴き声を聞き、ベッドカバーの下に大量の装飾品や貴金属があるのに驚き、警察を呼びます。
マロリー刑事は同僚のローナガン刑事らと共にやってきて、あれは近隣で盗まれた貴金属だろうと言い、カギを掛けなかったキャリーを一方的に責め、トンネルの男の一件を聞いたトリシアも勝手なことをしてと責めます。その際、マロリーが俺の家に引っ越せと口を滑らせ、お腹の子の父親だとバレてしまいます。
その後、キャリーはトンネルを避け、トリシアも夫の死亡証明書を受け取りひどく落ち込みます。

【承】- 人喰いトンネルMANEATERTUNNELのあらすじ2

やがてキャリーがトリシアを励ますように部屋探しをして新居を決めます。トリシアは頻繁に夫の幻覚を見ますが以前ほど怯えず、キャリーが祝福する中、精一杯おしゃれしてマロリーと一緒に出掛けようとします。
その時も、彼女は道路に茫洋と立つ傷だらけの夫を見て通り過ぎようとしますが、一瞬唖然としたマロリーは倒れ込む彼を支え、救急車を呼べ!と叫びます。それは7年ぶりに帰宅した本物の夫ダニエルでした。トリシアはキャリーに支えられ気を失いかけます。
彼は、長期に渡り暴行を受けたと思われる外傷と、脱水症状、栄養失調と最悪の状態で、「俺が見えてるのか?」「”下”にいた」と意味不明のことを言うだけで昏々と眠り続けています。トリシアから息子の無事を聞いた両親は大喜びで、遠方から揃って訪ねてくることに。
数日後、退院したダニエルはトンネルを見て失禁し、ただ眠りたいと呟きます。
そこへマロリーとローナガン刑事が訪ねてきますが、彼は書斎の隅に逃げ込み怯えていました。ローナガン刑事は彼の胃に動物の骨があったと言い、マロリーは服は失踪時と同じで財布も中身も残ってる、今朝の食事も憶えてるだろ?、ホームレスか施設にいたのか言え!と責めますが、ダニエルはわからないと泣くばかりです。マロリーはトリシアに、10時に会って話したいと言いますが、わからないと言われます。
その夜、トリシアはダニエルに死亡証明書を突きつけ、彼が彼女の腹を指差すと、「(そっちこそ)どこ行ってたの!」と殴り号泣する彼女を固く抱きしめます。

夜10時、マロリーはトリシアを呼び出し車の中で、君を愛してる、諦めない、君もお腹の子供も、彼の治療も責任を持つ、君は失踪以前だって幸せじゃなかったし、彼は別人で死んだも同じだと説得します。
一方、姉が外出した事をスルーしたキャリーは、部屋にいたダニエルに驚きます。彼は「三匹のやぎのがらがらどん」を見て、こんな姿じゃない、虫のセイヨウシミに似てた、「君が交換したのが間違いだった」と言い、アレが寝室の壁の中にいて見張られてるから戻りたくないと怯え、直後に2人は奇妙な鳴き声を聞きます。キャリーは鳴き声を探してバスルームに行きますが、扉を閉めた途端何かに襲われます。
その時、トリシアはマロリーに、夫は日々の煩わしさから逃げただけなのかもしれない、気持ちはわかる、子供には関われるようにするからと別れを告げ、2人は最後の口づけを交わし分れます。
が、家の扉は開けっ放しで、トンネルの方からは裸足のキャリーが駆け戻り、ダニエルがまた消えた!いなくなった!と叫び号泣しています。家の中は荒らされ、マロリーは警察に連絡し騒然となります。
キャリーは、ダニエルが怪物に襲われ連れ去られるのを目撃していました。それは血塗れで必死で抵抗する彼を引きずり、壁や天井のクロスの中を抜けてトンネルに向かい、必死で追った彼女は、彼が怪物に連れられトンネルの壁に消えるのを目撃、壁の中から響く彼の叫び声を聞いたのです。
彼女は懸命に説明しますが、ローナガン刑事はあからさまに麻薬使用を疑い、マロリーはトリシアに再度捜索願を出すよう言い、引き上げていきます。
2人が去った後、トリシアはキャリーの証言を麻薬の幻覚だと決めつけて荷物をぶちまけ、もう問題はたくさんよ!と怒鳴ります。が、その時お姉ちゃんは何してたのよ!と言われ、車の2人を見た夫が怒って部屋を荒らし出て行ったのかもと一瞬考えますが、ベッドの下の缶を見て「何も変わらないわね!両親はバラバラ!出来そこないの妹は麻薬中毒!」と嘲ります。そして「私は愛してない男との結婚には逃げてない!」と言い返すキャリーの頬を叩き、出て行きます。

【転】- 人喰いトンネルMANEATERTUNNELのあらすじ3

トリシアは眠れないまま翌朝、義母に電話をかけますが家を出た後でした。
キャリーは夜通しネットの行方不明者情報を探し、あの浮浪者が3軒隣の住人で1995年に失踪したウォルター・ランバートであり、唯一の目撃者だった幼い息子が「怪物にさらわれた」と証言したにも関わらず、2002年に死亡とされた事実を知り、記事をトリシアに見せ、懸命に説明します。
トンネルが50年代に作られて以降、この付近の失踪者は5人、その前には地面に穴があったため歩道橋があり、その橋でも多くの失踪者があった、足跡も残さず忽然と消えた者、失踪後見つかり存在するはずの無い長いトンネルを抜けて来た、そのトンネルは町の下にあり地下の国だったと話す者、突然「アレが追ってきた」と口走る者…。それはダニエルの奇妙な話と符合していましたが、トリシアはリアルな幻覚は自分も見たし、現実逃避だと言って聞き入れません。
キャリーはそれでも必死に、伝説や神話はどの国にも文化にもある、万物を構成する素粒子そのものに空間的な大きさが無いなら確かなものは何もない、この町では大昔から同じ場所で人が消えてるのよ!と訴えますが、トリシアはため息をつき、愛してるわと呟くだけでした。
やがて再会に期待満面の義両親も到着しますが、黙ってトリシアの話を聞き、泣きながら去って行きました。

ほどなくして、サイレンの音が響き、ローナガン刑事がトンネルで遺体が出てキャリーに事情が聞きたいと駆け込んできます。2人はトンネルに駆けつけますが、キャリーは血塗れでありえない形に折れ曲がった遺体をウォルター・ランバートだと証言します。
そこに以前キャリーに止めろと言った青年が現れ、遺体を見るなり泣き崩れ暴れ始めます。彼は警官に取り押さえられ、持っていたビニール袋から生きた子犬が出てきたため逮捕され取り調べを受ける事に。
彼はウォルターの息子ジェイミーで、ペットの盗難事件は彼の仕業でした。彼は「父は生きてると言っただろ?」と言い、長年何もできなかった警察が助けたいと言うなら、父を埋葬するから出してくれと力無く笑います。

夜になり、瞑想中のトリシアにキャリーが仏教は助けになるのかと話しかけます。トリシアは、無の境地は心地いいのよと勧めますが、キャリーは、キリスト教には”犠牲の魂”という悪魔の仕打ちを受ける役割の人々がいて、その代償に天国で神の恩恵を授かるのだと話します。
トリシアは「出来そこないなんて思ってない」殴ってごめん、あなたを信じてたと言い、自分は望んだ再出発が出来なかった、こんな結末になるなんてと嗚咽し、2人は抱き合って泣きます。
が、2人がようやく家の明かりを消し寝室に向かおうとした時、部屋の暗闇を何かが這い回る音と鳴き声がして、階段下にいた何かがトリシアに襲いかかります。

【結】- 人喰いトンネルMANEATERTUNNELのあらすじ4

頻発する行方不明者の捜査に追われるマロリーの元にキャリーが駆け込んできます。
彼女は痣だらけの顔で震えながら、トリシアが暗闇に潜むなにかにさらわれた、彼女は必死で守ろうとしたが助けられなかったと訴えますが、ローナガン刑事は君は容疑者だから血液検査をすると言って外出を禁じ、密売人の揉め事に巻き込んだのかとキレかけるマロリーを押し留め、捜索願を出してくれと話し、翌日、彼女を家に送り届けます。

彼女は行方不明事件や暗黒物質、伝説の記事と共に「三匹のやぎのがらがらどん」の絵本をマロリー宛の封筒に入れてベッドに置き、ひとしきり泣いてから、日が暮れるのを待ってトンネルに向かいます。
煩いほどの虫の声の中、トンネルは静かに佇み、古い電灯が灯る一直線のその先には向こう側の景色が見えます。
やがて彼女がゆっくりと中ほどに進み「交換して!」と何度も呼びかけると、トンネルの壁から叫び声が響き、中で何かが動く気配や苦悶する人々の顔や手形が透けて見えます。湿った音に振り向くと、そこには臍の緒が付いた死んだ胎児が置かれていました。彼女は取引に失敗したことを嘆く間もなく全力で逃げ出しますが、残ったのは彼女の片方の靴だけでした。

やがて夜が明け、町には静寂が戻り、マロリーは封筒を開け記事に目を通し「三匹のやぎのがらがらどん」の表紙に書かれた「地下の国に目を向けて」と言うメッセージに気づきます。
マロリーはしばらく呆然として暮らしますが、ローナガン刑事に何があっても捜査は続ける、わかっているのは典型的な殺人者が近所にいる事だ、いつか動物では満足しなくなると言われ、トリシアはずっと生活が苦しかったから、しばらく姿を消しただけなのかも、麻薬常習者だったキャリーが何か問題を持ち込んだのかも知れないと言い、けれど2人が一緒に街を出たと言うのはあり得ない、…妙な事は起こる、見つかるかもしれない、2人に関して最悪の事は考えないと話します。

ほどなくして、町には姉妹の尋ね人広告を貼って歩くマロリーの姿がありました。彼は、トンネルに佇むキャリーを見た気がして近づきますが誰もおらず、去って行きます。
それをトンネルの中からじっと見つめるキャリーの肩を、人間以外の何かの指が掴んでいました。

みんなの感想

ライターの感想

夫の失踪中妊婦となった妻、元麻薬中毒者の生き難さなど、前半のホームドラマ的な展開にはいろいろ考えさせられ、実は人智を超えた存在によるものだと判明して行く後半は大掛かりなクリーチャーが登場しない分、これでもかと想像を掻き立てぞっとさせられるクトゥルー臭漂う佳作です。
”行方不明”と言うのは日本でも同様で、理由だけでも失踪、拉致監禁、誘拐、客死などなど多様なケースがあり、特に本作のような成人男性の場合、残された家族がまず「失踪」と考えるまでに相応の決意が必要で、失踪届を出してから7年で”失踪宣告”またその先に”認定死亡”などの手続きがあり、その苦難の7年間を越えて初めてローンだの生保だのが動き始めるのだとか。まさしく「人の生死を判断するのは容易な事じゃない」。
ちなみに、「三匹のやぎのがらがらどん」とはノルウェーの民話で、大中小の3匹のヤギが橋に棲む狂暴なトロールを小さいのから順に渡ってやり過ごし、最後の大きなヤギがトロールを倒し、無事に向こう岸に渡るお話だとか。

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