「八つ墓村(1996年)-金田一耕助シリーズ」のネタバレあらすじ結末

八つ墓村(1996年)の紹介:1996年公開の日本映画。横溝正史の同名小説を、市川崑・監督が映画化。主演は豊川悦司。岡山県で戦前に実際に起きた大量殺人事件(津山事件)をモデルにしていることで有名。

八つ墓村(1996年)-金田一耕助シリーズの主な出演者

金田一耕助(豊川悦司)、森美也子(浅野ゆう子)、寺田辰弥(高橋和也)、里村慎太郎(宅麻伸)、田治見小竹&小梅(岸田今日子)、田治見要蔵&久弥&庄左衛門(岸部一徳)、田治見春代(萬田久子)、里村典子(喜多嶋舞)、等々力警部(加藤武)、九野要三郎医師(神山繁)、ひで(吉田日出子)、徳之助(石倉三郎)、洪禅和尚(石橋蓮司)、仙波清十郎(西村雅彦)、千石巡査(うじきつよし)、諏訪弁護士(井川比佐志)、落武者(今井雅之)、車坂(小林昭二)、井川丑松(織本順吉)、お島(大沢さやか)、下宿のおばさん(横山通代)、濃茶の尼(白石加代子)

八つ墓村(1996年)-金田一耕助シリーズのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①神戸で天涯孤独の青年・寺田辰弥の元に諏訪探偵事務所の者が訪問。辰弥は自分が岡山県八つ墓村で400年続く資産家の息子だと知り、八つ墓村へ行く。しかし辰弥が訪れた直後から連続殺人が起きた。 ②犯人は村の未亡人・森美也子。先代の当主・要蔵の甥・慎太郎に思いを寄せる美也子は、慎太郎に財産相続させようと殺害を繰り返していた。辰弥は要蔵の子ではないと知り、美也子は毒をのむ。慎太郎は相続を放棄し、妹と共に大阪へ行き、辰弥も神戸へ戻った。

【起】- 八つ墓村(1996年)-金田一耕助シリーズのあらすじ1

白黒映像で、大量の殺戮シーン。「たたりじゃ、八つ墓のたたりじゃ~」(二十六年前の惨劇)
…昭和二十四年、神戸。
ヨツワ石鹸に勤務する若い男性・寺田辰弥のところを、ある日諏訪探偵事務所の者が訪れます。
辰弥の父・虎造は神戸の時に爆災に遭って死にました。母・鶴子が死ぬときに「虎造は実父ではない」と知らされました。
辰弥に探偵事務所の者は、「裸になってくれ。間違いなければ余人にはないものがあるはず」と言い、辰弥は背中を見せます。
そこには肩から肩甲骨にかけて、縦一本の長い傷跡がありました。これは実は辰弥が乳児の頃に実父・要蔵から虐待を受けた傷跡です。
それを見た探偵事務所の人物は、辰弥を諏訪探偵事務所に連れて行きました。
そこには初老の男・井川丑松と若い女性・森美也子がおり、辰弥は意外なことを聞かされます。
実は辰弥は、岡山県と鳥取県の県境に位置する八つ墓村にある、400年もの歴史がある資産家・田治見要蔵の息子だというのです。丑松は鶴子の父で、辰弥にとっては祖父に当たりました。
「逢いたかったぞ」と辰弥に近づいた丑松は、血を吐いて絶命しました。
その場にいた辰弥と森美也子らは丑松殺害の嫌疑をかけられますが、すぐに晴れます。丑松の持病の薬のカプセル錠に毒が紛れており、服用は探偵事務所に来る2時間前だったからです。
美也子と丑松は、辰弥に八つ墓村に帰って来てもらいたくて、探偵事務所に辰弥の行方を探させていました。辰弥は八つ墓村に行くと美也子に約束します。
ところが下宿に戻ると、辰弥宛に住所記載のない手紙が届いていました。
『八つ墓村に帰って来てはならぬ。おまえが帰って来ても、ろくなことは起こらぬぞ。おお、血、血だ。弐拾六年前の大惨事がくりかえされ、八つ墓村が血の海と化すであろう』
手紙の文面が気になりながらも、辰弥は美也子と共にSLで岡山に行きます。
…岡山県、八つ墓村。
田治見家は400年前から代々村の長を務める、村では由緒ある名家です。
25代目当主・田治見要蔵は26年前に亡くなり、今は母屋に長男・久弥がいて26代目の当主を継いでいますが、肺病を患っており寝たきりです。
長男・久弥は自分がそう長くないことを察して、次男の辰弥に当主を継いでもらいたくて探させたのでした。
館にはほかに、
・田治見小竹&小梅…実質的に田治見家を仕切っている2人の大伯母。一卵性双生児で瓜二つ。行かず後家(独身を貫いていること)。
・春代…久弥の妹で、辰弥にとっては腹違いの姉にあたる。一度結婚したが、戻ってきた(離婚)。
・里村慎太郎…要蔵の弟・修二の息子(要蔵の甥)。修二は母方を継ぐために里村の養子に。
・里村典子…慎太郎の妹(要蔵の姪)。

【承】- 八つ墓村(1996年)-金田一耕助シリーズのあらすじ2

ほかに、村唯一の医者で要蔵の下の弟にあたる九野医師、住職の洪禅和尚に引き合わされました。
一族を仕切っている大伯母・小竹と小梅の言うことが、館では絶対的です。
小竹と小梅は辰弥を快く迎え、辰弥が生まれた場所である離れに住むよう言います。春代が部屋まで案内しました。
離れの庭に、ぼろぎれを着た老女が現れます。老女は「濃茶の尼」と呼ばれています。濃茶の尼は辰弥に「帰れ。18人の死人が出る。わしを殺すのか、この人殺し」と言いました。
その頃、神戸の弁護士に依頼されて(諏訪探偵事務所と同じ)、名探偵の金田一耕助も八つ墓村に乗り込んでいます。金田一は村に一軒しかない宿に宿泊しますが、そこは郵便局も兼ねていました。
翌日、長男・久弥が血を吐いて倒れます。毒殺です。事件を聞いて、金田一は早速田治見家を訪問しました。
現場では等々力警部が久野医師に聞き込みをし、毒は久弥が服用する薬に仕込まれていたと知ります。現場には八つ墓村明神の護符が残されていました。
金田一と辰弥は八つ墓村明神を見たいと言い出しますが、明神といっても数十年前から社がありません。また外部から来た2人は「鍾乳洞に入ってはならない」と美也子に言われます。この地域は石灰岩でできたカルスト台地でした。
八つ墓村明神を案内された金田一と辰弥は、この土地の古い歴史を聞きました。
この村は今から400年ほど前の戦国時代に、毛利元就と戦って敗れた豪族・尼子義久の一族の8人が、この村に落ちのびてきました。村人は8人を匿い、炭焼きなどを教えて仲良く暮らします。
ところが毛利方の詮議が厳しくなり、落武者を匿うと命を取る、殺せば莫大な恩賞を授けるというおふれが回ってきました。困った村人たちは相談し、金にも目がくらみ、8人を騙し打ちにして殺します。
村人たちに殺された落武者たちは「恨んでやる。末代までたたってやる」と言いながら死にました。
その後、村で奇怪な出来事が起きます。裏切りの首謀者・田治見庄左衛門が発狂して村人7人を惨殺し、最後に自分の首を刎ねて死ぬ事件が起きました。
村人たちは「尼子のたたり」と思い、ただ埋めていただけの落武者の遺体を掘り返し、墓を作って崇め奉った…とのことでした。
濃茶の尼について質問した辰弥は「主人と子を一度に亡くして尼になった。少々、気がおかしくなっている」と聞かされます。
久弥の葬儀の日、濃茶の尼がやってきて美也子を呼び、美也子は金を渡して帰しました。初七日のことで濃茶の尼が難癖をつけたので、金を握らせたとのことでした。

【転】- 八つ墓村(1996年)-金田一耕助シリーズのあらすじ3

夜、辰弥は小竹&小梅が納屋に入るのを見て不思議に思い、あとをつけます。納屋の中には着物がはみ出た行李(こうり 衣装ケース)があり、それを開くと中に階段がありました。
階段をおりると地下へ続いており、鍾乳洞に繋がっています。その奥に装束姿の落武者が飾られてあり、辰弥は驚きました。風の吹く方へ出ると、濃茶の尼の庵(家)の近くへ出ます。
そこで辰弥は、慎太郎が立ち去るのを目撃しました。濃茶の尼の庵を覗きこむと、口から血を出して倒れている尼を発見します。
現場には三日月の形の草刈り鎌が残されていました。誰か見たかと等々力警部に質問された辰弥は、見ていないと答えます。
金田一は辰弥が法的手続きを済ませているか、美也子に確認します。
もらった手紙に書かれていた通り、自分が村へ来たことで殺人が起きたと感じた辰弥は、帰り支度をします。金田一と春代の訪問を受けた辰弥は警告状の話をし、それを見せました。
警告状を見た金田一は「書いた人物は相当知能の高い者で、左手で書いた」と言います。辰弥は奇怪なものを見たと言って金田一と春代を納屋の抜け穴に案内し、落武者のところへ行きました。
落武者が人形ではなくミイラ…死蝋(しろう 腐らずに死体がろう状態になったもの)で、まだ新しいものだと言った金田一は、落武者の三日月マークの兜を見て400年前の落武者のたたりと関係があるのかと言います。
春代は「たぶんこの死体は父・要蔵のものだ」と言った後、この村で二十六年前に起きたできごとを話しました。
二十六年前、春代の父であり25代目の当主・要蔵は、ある日突然、妻であり春代の母を切って外へ飛び出します。兄・慎太郎が13歳、春代が7歳の時です。
頭に2本の懐中電灯を角のように立て、胸に1本の懐中電灯をぶらさげた要蔵は、無差別に通行人を襲ったり村人の結婚式の宴や夕食の席を襲ったりして、32人の村人を殺しました。
要蔵は警察に追われて病に倒れ、それを大伯母たちが匿ったのだろうと、春代は言います。要蔵はそのまま鍾乳洞で病死し、死蝋化したものと思われます。
この事件の少し前、要蔵は辰弥の母・鶴子に懸想(恋い慕う)して拉致すると、土蔵に監禁しました。要蔵は周囲の説得も聞き入れないので、やむなく一族は鶴子を離れに住まわせ、生まれたのが辰弥です。
そしてある日突然、要蔵は赤ん坊の辰弥の背中に火箸を押しつけました。
母・鶴子は身の危険を感じて辰弥を連れて逃げ、鶴子がいないことを知った要蔵が怒り狂って村人を襲ったのでした…。
辰弥は壮絶な過去が村にあったと知り、ショックを受けます。
離れに行った金田一は、部屋の屏風の中に葉書大の写真が入っていることに気づきました。そこには男女の写真があり、裏面には「亀井陽一 二十七歳、井川鶴子 二十歳、大正十一年、正月、写す」と書かれていました。

【結】- 八つ墓村(1996年)-金田一耕助シリーズのあらすじ4

金田一は辰弥の出生について調べるべく、村を出て岡山市相生町へ行きます。写真を撮影した千波時計店を訪ねた金田一は、亀井宛の手紙を手に入れました。
金田一不在の間にも、村には事件が起きていました。九野医師が行方不明になり、等々力警部は犯人が九野だと思いこみます。
大伯母・小梅が鍾乳洞の落武者の兜で前頭部を打ち、死んでいました。さらに鍾乳洞の中には死後二日経過した九野医師の死体も見つかります。
九野医師にはにぎりめしが差し入れられており、にぎりめしに毒が入っていました。
犯人は目的を達成するまで九野が怪しいと思わせたくて、鍾乳洞に匿っていただろうと目されます。
辰弥が来たことで殺人が起きたことを怖がった村人たちは、辰弥を出せと騒ぎ出しました。
岡山市相生町から戻ってきた金田一は「要蔵は猫いらず入りの弁当で、小竹と小梅に殺されたのだろう」と推理し、濃茶の尼の庵にあった掛け軸を見て、犯人に気づきます。
小竹が土蔵で物置を落とされて死亡し、それを発見した春代も首を絞められて殺されました。
辰弥に新聞記事の切り抜きを貼り付けた文字で「犯人について重大なことを教える。よろい武者の下にこい。人に知らせると八つ墓村の惨劇がひろがるだろう」と書かれた手紙が届きます。
金田一は推理を披歴します。犯人は美也子でした。
最初に届いた警告状は、染色に使うアオバナという草木染めで書かれており、切手が貼付されていないことから下宿へ直接届けられたものと推察されます。美也子は丑松と一緒に神戸に出向いていましたから、下宿へ投函が可能です。
美也子の目的は「田治見家の遺産相続人を減らすこと」で、脅して辰弥に遺産相続を放棄させるのも目的でした。美也子は要蔵の甥・慎太郎とひそかに惹かれあっており(深い仲ではない)、慎太郎に財産を相続させようと考えたのです。
濃茶の尼を殺したのは、九野医師の家から薬を盗むところを目撃され、脅されていたからです。慎太郎が濃茶の尼を殺害日に訪れたのは、濃茶の尼に呼ばれていたからです。慎太郎は濃茶の尼の死体を見て、美也子も狙われると早合点していました。
2人の大伯母は遺産相続決定権を持っているので殺し、春代に殺害現場を見られたので殺しました。山の所有権を慎太郎の手に入れさせ、慎太郎の願いの石灰岩の工場を建てさせたかったのです。
辰弥は、鶴子が要蔵に囲われる前に恋仲だった亀井との子でした。それを知った要蔵が怒り狂って、火箸を辰弥に当てたのだと、金田一は美也子に言いました。
すべてがあかるみになったと知った美也子は、隙を見て毒を呑んで自殺しました。事件は解決します。
慎太郎と妹・典子は遺産相続を放棄して、大阪へ行きました。辰弥も神戸に戻りました。

みんなの感想

ライターの感想

横溝正史の、おどろおどろしい金田一シリーズの有名な一作品。今作品は厳密にはリメイク。
本来は渥美清が演じた1977年の『八つ墓村』がヒットを飛ばし、当時映画の中で出てくる「八つ墓のたたりじゃー」は流行語になった。
但し原作も渥美清バージョンも登場人物が非常に多く難解なのに対し、この豊川悦司バージョンは登場人物を少なくし、ストーリーもシンプルに。
シンプルだけれど原作には比較的忠実に再現できている。
豊川悦司の金田一は「色気ありすぎだろ」と思ってしまう。が、こういう金田一もありなのかな。渥美清だってありだもんな。

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