「回路」のネタバレあらすじ結末

回路の紹介:インターネットがまだ電話回線で繋がっていた時代、パソコンを通じて増殖する「幽霊に会いたいですか?」と言うサイトから始まる終末を描いた、2001年公開のホラー映画。監督/脚本は「CURE」「クリーピー 偽りの隣人」の黒沢清。特殊視覚効果は「ドラゴンヘッド」「叫」の浅野秀二。主題歌はCoccoの「羽根~lay down my arms~」。同年第54回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞、工藤ミチ役の麻生久美子は本作で第22回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞他数々の賞を受賞。ハリウッドリメイク版は「パルス」(2006年公開)。

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予告動画

回路の主な出演者

川島亮介(加藤晴彦)、工藤ミチ(麻生久美子)、唐沢春江(小雪)、ミチの勤め先/順子(有坂来瞳)、矢部(松尾政寿)、社長(菅田俊)、田口(水橋研二)、春江の先輩院生吉崎(武田真治)、ミチの母親(風吹ジュン)、船長(役所広司)、工事現場作業員(哀川翔)、幽霊(塩野谷正幸)、TVアナウンサー(長谷川憲司)他。

回路のネタバレあらすじ

【起】- 回路のあらすじ1

曇り空の大海原に浮かぶ一隻の大型フェリー。
船長はじっと海原を見つめる女性の後ろ姿を見つめています。
…「ある日それは 何気なく こんなふうに始まったのです」…

観葉植物販売会社”サニープラント販売”の男性社員田口が、欠勤し始めて1週間。連絡がつかない彼を心配する順子をなだめ、工藤ミチが彼の家を訪ねることに。
田口の家は古い団地で、呼んでも返事が無いため、ミチは玄関脇でカギを見つけて部屋に入ります。部屋は薄暗く雑然としていましたが、田口はベランダ側の部屋にいて存外元気な口ぶりでしたが、仕事のフロッピーは玄関側の部屋だと言われ探しに行きます。ほどなくして会話が途切れ、不審に思った彼女が寝室を見に行くと、彼は鴨居に縄をかけ首を吊って亡くなっていました。自殺動機は誰にも思い当たらず、悩みがあれば相談してくれればよかったのにと言う女子たちに、矢部は「そういうこともあるよ」と呟きます。
数日後、矢部が、田口のフロッピーに奇妙な画像があると言い出します。それは田口の部屋のパソコンモニターを撮ったもので、メインモニターにはその画像と同じ画像、サブモニターには不気味な顔が映っていて、どちらもその脇に彼が茫洋と立っているものでしたが、3人は漠然とした不安を覚え、帰宅したミチは、TV画面がバグったように止まっているのに気づき、得も言われぬ恐怖を感じます。

大学生川島亮介は、インターネットへの接続に悪戦苦闘していて、適当にキーを押すうち電話回線が繋がり、見知らぬ部屋にいる人々が映り「幽霊に会いたいですか?」と文字が浮かび上がります。彼はムカついて電源を落とし寝てしまいますが、深夜、パソコンが勝手に起動し、鏡文字で「助けて」と壁一面に書かれた部屋にいる影のような女が映っているのに気づき、慌てて消します。
翌日、彼は理工学部のパソコン室に行き、彼の話に興味を持った唐沢春江と出会い、サイトの保存方法を教えてもらいます。

ミチの部屋には田舎の母親が来て、困ったら都内に住む父親にも相談するようと言われます。また、会社では矢部が「助けて」という不審な電話を受け、田口の部屋に行き、「開かずの間の作り方」というメモを見つけ、田口の遺体の場所に残った黒い人型のシミを見ますが、一瞬それが田口に見え、普通に話しかけてしまった自分を不思議に思います。
その帰り、彼は団地1階にあった赤いガムテープで目張りされた地下倉庫が気になり、テープをはがして中に入ります。その奥には壁一面に赤いペンキが乱暴に塗りたくられていましたが、彼は物陰から滲み出すように現れた女に襲われ悲鳴を挙げます。
翌日、矢部は遅刻して出勤しますが、別人のように黙りこみ、心配する2人を無視して事務所に籠ってしまいます。順子は不安を打ち消すように騒ぎ、ミチもまた、古アパートでただならぬ様子の女が部屋のドアを赤いテープで目張りしているのを目撃し、不安を募らせます。

その夜、亮介の部屋では、再び勝手にパソコンが起動し、鏡文字の部屋が映し出されたため、URLを保存しますが、影のような女が向かって来るのに怯え、電源を切ってしまいます。
翌日、彼は理工学部の研究室に行き春江に会いますが、モニター画面で勝手に動き回る白い点に興味を持ちます。それは人間の生存環境を表す研究中のプログラムで、点は接近しすぎると死に、離れすぎると近づこうとするのだ、ずっと見ているとイヤになると説明されます。
春江は亮介の部屋に来て、データをフロッピーに保存しながら、漠然とインターネットを始めたという彼に「誰かと繋がっていたいから?」と聞き、人間は各々勝手に生きてるだけで、思うほどは繋がってないと思うとこぼします。 この映画を無料で観る

【承】- 回路のあらすじ2

一方、あの日以来暗く無口になったままの矢部を案じるミチに、これまで口を挟まなかった社長が、無理に話しかければ互いに傷つく結果になる事がある、彼のような場合自分なら何もしない、それも重要な決断の1つだと思うと話します。
彼女はその言葉を振り切るようにして、倉庫にいた矢部に何があったの?私も順子も心配してるから相談してと話しかけます。矢部は怯えながら、「これまで見た事も無い、ものすごい顔を見た」「開かずの間…」と呟き、赤テープで目張りしていた女を思い浮かべたミチに「絶対入っちゃだめだ!」と怒鳴ります。数日後、ミチは、その女が工場プラントのてっぺんから飛び降りるのを目撃します。

大学の図書館で再び春江に会った亮介は、彼女が「幽霊現象」という本を読んでいたのを意外に思います。
彼女は彼にあのプラグラムを見せ、時折”幽霊”のような物が現れるようになった、バグではなく原因不明だと言い、彼女の先輩院生の吉崎が来たため帰ろうとする亮介に、また何か変わったことがあったら絶対に知らせて!と連絡先を渡します。
彼は図書館に戻って「心霊現象」を読むうち、本棚の間の黒い人影に気づき凍りつきます。そこに吉崎が来てそそのかされ、捕まえに行きますが人影は消えます。
吉崎は寒さに震える亮介に熱い茶を入れ、魂、もしくは霊魂と呼ばれるものの需要エリアは無限大ではなく、臨界点を越えたそれらがこちらの世界に進出してきた、たまたまそのへんにあるモノで装置が完成され、バカみたいなことをきっかけに始まったんだと話します。
たとえば…ある工場の取り壊し現場で、唐突に1人の作業員が赤いテープで扉や壁の何ヶ所かを塞ぎ始めますが、すぐにパワーショベルで破壊され”開かずの扉”が解放される…そんな始まりだったのかもしれません。
そんな作り話信じない!と憮然とする亮介に、吉崎は「たとえ単純な装置でも一旦システムが完成し動き始めたら回路は開かれ、後戻りはできない」と話します。

その頃、ミチの会社では社長が消え、順子は呆然となにが起ってるんだろう、どうしてみんなくなるんだろうと呟やき、探してくると走り出します。その時電話が鳴ってミチが取りますが「助けて…」という声きいて矢部だと思った彼女は、物置で佇む彼を見つけて近寄ります。が、それも壁に焼きついた影で助けて…という声だけが聞こえています。
一方、順子はビル内に誰かが作った”開かずの間”に入っていて、助けに行ったミチを拒みますが、影から現れた女の幽霊に襲われ逃げ出します。彼女はミチの部屋で少し眠った後、毛布にくるまり助けてと泣き続けています。早朝、コンビニに買い出しに行ったミチは、バックヤードの店員が黒い影になっているのを目撃し逃げ出します。

【転】- 回路のあらすじ3

一方、亮介は、連絡の取れなくなった春江を探して理工学部の研究室に行きますが、誰もおらず廃屋のようになっていて、モニターに男が部屋を歩く姿がエラーのように繰り返し映し出されていました。彼は春江の自宅マンションの階段で彼女を見つけますが、びしょ濡れで「みんなどっかにいっちゃった 逃げなきゃ…」と錯乱していました。
やがて部屋で正気に返った春江は、小さい頃からずっと1人で、死んだらみんなと楽しく暮らせると思ってた、けど、死んでも何も変わらないと気づいてすごく恐ろしいと思うようになったと話します。
亮介は懸命に、生きている方が楽しいに決まってると話しますが、彼女はモニターのスイッチを入れ、あのサイトに映し出された若者たちを見せ、「これで生きてるって言える?これじゃ幽霊と何も変わらない!」と叫びます。
亮介は、こいつらはみんなおかしいんだ!と叫び、そのうち死なない薬が発明される、永遠に生きるのは楽しいと言います。春江は「もうすぐ川島君の言う通りになる、幽霊は人を殺さない、逆に永遠に生かそうとする、ひっそりと孤独の中に閉じ込めて」と呟きます。

ミチは自分の部屋で怯える順子の面倒を見ていました。彼女はときおり唸るように助けを求める順子を抱きしめ励まします。
が、翌朝、順子はいつもと変らぬ様子で窓辺に立ち「あたし死んじゃうのかな」と言い、ミチはそんなことないよと明るく答えます。順子は「そうだよね、ずーっとこのまんまなんだよね」と言って壁にもたれますが、ミチが振り返った時には黒いシミになり、塵となって風に飛ばされてしまいます。部屋には寂しげな慟哭が響いていました。
その夜、実家に電話をした彼女は、返事をしない母親にすぐ行くからと言い、家を飛び出します。

その夜、ゲーセンにいた亮介がふと気づくと、ゲームマシンだけが動き人間が全くいないことに気づきます。店内では影が徘徊し、ぶれたり変形したりを繰り返しています。彼はそこを飛び出し路地にいた春江を見つけ、「怖い…!どこか遠くに連れってって!」とすがる彼女を連れ、電車に乗りますが、駅にも電車にも人がいません。
誰もいないねと不安がる春江を、亮介は「俺がいるじゃない」「誰がいなくなっても、俺と春江は生きて、ここにいるじゃない」と励まします。春江はそっと亮介の肩にもたれますが、電車が線路の途中で停まり乗車口が開いた途端パニックになり、帰る!と叫んで降りてしまい、亮介はその後を懸命に追いかけます。

春江は自分のマンションで、誰もいなくなった部屋を映し続けるパソコン画面を消そうとしますが、鏡文字の部屋の場面になった時、エンターキーを押すと「開かずの間の作り方」がプリントアウトされ、部屋にいた女がカメラに近づき、かぶっていた袋のようなものを取り、自分の首を拳銃を撃ち倒れます。プリントアウトされたのは、黒いビニール、隙間を全て塞ぐ、世界に絶望する…など散文的なものでした。
春江はそれでも冷静に電源を落としますが、終了したはずの画面になぜか今の彼女を背後から撮った画面が映り動揺します。彼女は背後にある少し開いた寝室に入り明かりを点けます。画面の彼女はカメラに近づき「会いたい 1人じゃない」と言い顔を寄せます。寝室の彼女は何も無い空間をあたかも誰かの頭のように抱き寄せます。
その時、亮介が春江の部屋に辿り着き、いつも一緒にいるためにお互いを補い合って一緒に暮らすっていうのはどうかなと必死で説得しますが返事は無く、消火器でドアを破り中に入りますが彼女はいませんでした。

【結】- 回路のあらすじ4

街からは人間が消え、TVは無意味な訃報を流し続けています。
亮介は壊れた自販機から缶飲料を拾いあてどなく歩くうち、橋の上に停まっている軽自動車の運転席に臥せている女性を見つけ、飲み物を差し出して声を掛けます。それは実家から戻ったミチでした。彼女は両親はダメだったと言い、亮介はいっぺんにたくさんの事が起ったから、ひとつひとつに対処できないとこぼします。亮介がミチの車を修理する間、2人は互いの事情を知り、一緒に春江を探しに向かいます。街の中では方々で救急車のサイレンが響いています。

春江の部屋はきちんと整理され、寝室の壁にはマジックで「助けて」と無数に描かれていました。2人は窓から見える巨大な廃工場に目を止め向かいます。春江を探す間、ミチは亮介に「赤いテープのドアは見つけても絶対入っちゃだめだよ」と念を押し、やがて2階の渡り廊下に茫洋と立つ春江を見つけ後を追います。
春江はあの動画の女と同じく黒い袋をかぶり、ぼんやりとしたまま2人の前に現れ、袋を取って「川島君?」と言ったきり、必死で一緒に行こうと説得する亮介の言葉に耳を貸さず、手に持った拳銃で首を撃ち死亡します。
2人は春江の遺体に白い布をかけ呆然としたまま車に戻りますが、亮介はミチに「助けられなかった…」と呟きもたれかかります。

やがて亮介は、ミチを車で待たせ、工場内にガソリンを取りに戻ります。けれど、彼がガソリンを汲む間、彼の後ろにあった赤いテープの扉が独りでに開き始め、汲み終った時、ドラム缶の蓋が中に転がり込んでしまいます。
彼はたじろぎつつもその扉に入ると部屋の隅から男の亡霊が現れ、「やはり死は 永遠の 孤独 だった…助けて」と呟きゆっくりと迫ります。彼は、知らねぇよ!と怒鳴りつけ、絶対に死なんか認めない!捕まえたら消えるんだろ!捕まえてやる!とその肩を掴みますが、それには実体があり「私は幻ではない」と呟き何度もブレながら彼に迫ります。
判然としない暗い人の輪郭の中で、その両眼だけがぎらぎらと彼を見つめていました。

亮介を探しに戻ったミチは、赤いテープの扉が開いているのを見て焦りますが、2階の春江の亡骸がシミとなった場所に呆然と座り込む亮介を見つけ、一緒に逃げ出します。曇り空の下、高速度道路にも街にも人や車は無く、時折見かけても黒い影と事故車ばかりで、ビルからは黒煙が上がっています。
ミチは、助手席で弱りゆく亮介を気にしながら走り続けますが、やがて埠頭にある立ち入り禁止の看板の前で車を停め、泣き出します。
亮介はゆっくりと顔を上げ、「まだ大丈夫から…泣かないでよ」とその肩に手を当て、精いっぱいの笑顔を浮かべます。ミチは春江さんのとこに戻りたいなら私はそれでもいい、一緒に行くと言いますが、亮介は行けるとこまで行くと言い、2人は車を降り、埠頭に停めてあった小さなボートに乗り換えます。彼女はキーを探しにボート屋の事務所に向かいますが、その上空を炎に包まれた旅客機が横切り、ほど近い場所に墜落し爆発炎上、あの塵が無数に浮遊している事務所のキャビネットからキーを取り、2人はボートで海へと向かいます。

…「死は、いつか必ず訪れます。どうせそうなら、いっそみんなの所に戻った方が幸せだったのかもしれません。でも私たちは進みました。先へ、先へと」…

船長は海を見ていたミチに、とりあえず微かな信号が出ている南米に向かうと言い、生きてるやつはまた乗せて、行けるところまで行くと話します。彼は、これでよかったんですよねと言うミチに、君たちは間違っていないと言い船室に戻って行きました。
彼女は客室に戻り、壁にもたれて眠っている亮介を見つめますが、それは黒いシミとなって消えます。

…「今、最後の友だちと一緒です。私は幸せでした」…

船は、大海原をまっすぐに進んでいきます。

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